Re: わたしとあなた ( No.44 ) |
- 日時: 2010/09/06 23:49
- 名前: 桜庭
- 番外編 ちょっぴり悲しくて、あつあつの七夕
7月に入った途端に雨日和が続いている 朝、目が覚めて自室のカーテンを開けるとポツポツと雨の音がした
「うー……雨だ」
窓を開け手を伸ばすと数滴手のひらに水滴が落ちてきた ぼー。とその水滴を眺めていると何か閃いたのかぎゅっと水滴を握り 窓を開けたまま、自室を出て行った
「はかせーゴールドん家行ってくるねー」 「あー分かったよ。雨降ってるから気をつけてね」
分かってるよー。と透明をベースにピンク色の水玉模様の傘を持ちそのまま ゴールド宅に走っていった 結構な距離、とは云わないが有るといえば有るので途中で何度か立ち止まった
「……あ」 「マイ! どうしたんだよ。オレ迎え行こうと思ったのによ」
何度目かの立ち止まりで見つけたのはゴールド本人でビニール傘を片手に現れた どうやら此方も同じ目的のようだった
「オレん家来るか?」 「うん! お団子、あるでしょ?」
それが狙いかよ。と文句を言いつつも顔は笑っていて楽しそうだった
「たたんでオレの方の傘に入れよ」 「うん、楽チンだー」 (そっちか)
ゆっくりペースで家にたどり着いたら玄関外のフリースペースで ゴールドの母さんが雨の中傘をさして何か準備していた 何してるんですかー? とマイが傘から抜け出して問うと笑いながら
「今夜の準備よ」 「お団子とか置くやつだー!」
そうよ。とまた笑って更にマイちゃんの分もあるよ、と言ってくれてマイが数段と顔がゆるむ
「ありがとうございまーす!」 「いえいえ。ほら傘もささないで立ってたら風邪引いちゃうから、家の中で待っててね」
はーい。とマイが言ってる時、何気にゴールドがマイの傘を手につかみ傘たてに入れた そんなさり気無い優しさにマイは嬉しそうに笑う
「オレん家の裏庭見たことあるか?」 「ううん、ないよ」
階段を上がろうとした足でくるり、と振り返り言うと首を傾げながら答えが返ってきたもんだから 手を握って、こっちこっち。と誘導してやれば素直についてくる
「わー! すごーい、和風だねー」 「だろ。お前、こうゆう方が好きだと思ったから頼んでみた」
表向きには洋風だが裏に回ればマイの好む和風が それに畳みの部屋まである (なんか凄いかも……)
◆◆◆
すっかり夕日が沈み、暗闇の世界に変わる頃
「お、似合ってんじゃねーか」 「えへへーそうかな? ありがとー」
ゴールドの母さんが‘なぜか‘マイピッタリのサイズの浴衣を持っているといい 無理矢理のように着せたのだが、これがまた似合ってしまう
(あれ? この浴衣、新しくない?) (昨日買ってきたから新品だけど、マイちゃんなら気づかないわね)
くるくる、と回りながら考えている時にゴールドがきた そして、先ほどの言葉を言った
「まだ雨降ってるねー」 「だな。まあ仕方ないだろ?」
うん……と納得いかないような返事をする 縁側に座って夜空を見上げると雲に包まれながらも天の川が見えた
―――織姫さまと彦星さま、会えたかな
「おーい?」 「あ、え? ごめんごめん、考えてた」
上を見上げたままこっちを見ないから顔の上で手を振って視線を奪う 目先には団子が積んであるお皿と手を振るために置いた三方
「さ、食べようぜ」 「うん」
もぐもぐ、と無心のように食べてるマイを見てゴールドは さっき何考えてたんだ? と疑問ができていた まるでそれが分かったのか口を開いてマイが一言
「織姫さまと彦星さまのこと、考えてたの」 「!? そ、そうなんだ」
思わず口調が違くなってしまうがマイが団子を口に入れて食べ終わってから また云う
「年に一度しか会えないんだもん、この日くらい晴れにしてくれればいいのになあって考えてたの」 「………………」 「わたしだったら、すぐに会いたくなっちゃうもん」
思わず団子がゴールドの手から落ちた(ピーくんがそれを食べた) あまりにもマイが寂しそうな顔をするから
「マイ、ちょっとこっち向け」 「? なーに?」
首を少しゴールド側に向けて瞳を見ていると すでに顔が赤いゴールドが見えた
「な、なに? どうし――」
ちう。と頬に小さく音を立てて離れたソレはマイを本当の無心(放心ともいう)にさせるのは簡単すぎた
(―――ありがとね) (うるせー) (な、なんでー!!)
大庭があまりにも恥ずかしいのでギャグというなのおまけ ―ゴールドサイド― 「ダァァァアアアアアアアアア! やっちまったー!!」 その叫びは風呂の中で行われたので、ビーンと響くに響いた
―マイサイド― 「ぎゃー! わたしの部屋がぬれてるー!」 窓を開けっぱなしで出てきたのでびっしょり状態の部屋で博士に言われる前にいそいでフローリングの床を拭いたとか
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