わたしとあなた 連載 ( No.305 ) |
- 日時: 2011/03/10 22:57
- 名前: 桜庭 ID:xvAWKD3g
- 第182話 恋人? 違う違う!
トム……トム・ハンクスはシキジカというジョウトには未発見のポケモンを繰り出した。 例えるならば、オドシシとキリンリキを足して割る感じだ。
「かっかわいい!」 「そうかあ?」 「かわいいのー!」 「……はいはい」
ぴょこぴょこと跳ねるように各トレーナーに設けられた何の変哲もないステージを走るシキジカは、もう一匹の相方を待っている様子はない。 逆に自分だけでいける! と言いたいように思える。
「さあ! ツタージャちゃん出てらっしゃい!」 「かっわい〜い! ゴールドあれかわいいよ〜!」 「そうか? そうだな、かわいいかわいい」
トムの相方、コレットはツタージャという蛇が二捉歩行している緑色をしたポケモンを繰り出した。 しかし、このシキジカとツタージャ仲良が悪いのか視線が合ったと同時に火花を散らしている。
「んもう! 相変わらずの仲ね! 私たちとは大違いよ」 「まあまあ……って何シキジカとツタージャ勝負してるんだ!?」 「おいおい……キャラ濃いなあ」
キャピキャピといちゃつくふたりにゴールドのこめかみに血管を浮かばせた。 それを見たマイは、慌てた様子で「サクッとやっちゃお!」とベルトに手をかけボールを取る。本気の目じゃない辺り、ゴールドに気を使っているのか。
「バクたろうとリューくんでいいか?」 「ん、だね」
コクンと頷いてボールをステージ上に投げ入れ、続いてゴールドを投げ出した。
「リューくん! シキジカに竜の怒り!」 「ツタージャに火炎放射だ!」 (はわー! ゴールドが戦ってる! 新鮮だよ〜!)
青と赤の光のような光線がシキジカ目掛けて混じり合う。 喧嘩中で気づかなかったので、クリティカルヒット。 しかしレベルの差と相性をよくわからないで攻撃をしたので、倒れた体を勢いづけて立ち上がる。 逆にツタージャには効果抜群で中々立ち上がることは出来ない。
「どーだよ? オレの実力」 「バクたろうのじゃ……わわごめんごめんっ睨まないでよぅ」 「おめえは相変わらず弱いよなあ……睨まれると」
けらけらと酒に酔ったように絡むゴールド。厄介。 肩をばしばし叩かれるマイはただ黙るしかない。
「ツタージャ! つるのむち」 「シキジカ! 突進だ!」 「やっべ! バクたろう避けて火の粉」 「リューくんも避けてドラゴンダイブ!」
図体的にはバクたろうやリューくんが有利。 それに素早さもあるから余裕に避けることが出来た。 一気に四匹の技が出たもんだからステージにはもんもんと煙りが立ち込める。煙りが次第に消えると数個のクレータが出来上がっていたのが見えた。 果たして四匹の運命は?
「ツタージャ!? お疲れ様」 「シキジカまで……よくやった。お疲れ」 (いやほぼ仲間内で……)
バクたろうの攻撃はしっかりとツタージャに当たる、しかしシキジカの攻撃まで当たったのだ。 そして、リューくんのドラゴンダイブも見事に当たったのだがツタージャのつるのむちまで喰らって倒れてしまったのだが――トムとコレットは知らない。
「いい勝負だったよ。ありがとう」 「えっと、こちらもです……あざます」
悔しがることなくふたりはその場をあとにした。 マイとゴールドは、初めてのダブルバトルでの勝利を内心だけで嬉しがっていた。 トムとコレットの立ち去り方が漢らしかったからだろう。
(もうすぐで着くなー) (本当? じゃあ部屋いこっか!)
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