Re: 光と闇の時空神 8章、了 ( No.79 ) |
- 日時: 2010/10/08 20:01
- 名前: 天月
- 参照: いつも君は、一人で立ち向かう。
- 72話 ヒビ
「……にしても、カムイは広いよなぁ……」
あまりの広さに溜息をつき、彼――レッドはそこにあったベンチに腰掛ける
なぜ、彼がココに居るのかは数時間前に遡る―――
《もしもし、レッド君?》 「ユウリ……さん。どうしたんですか?」 《うん。ちょっと頼みごとがあって……。カムイのどっかにある、“宝来旧家”を探して欲しいんだ》 「宝来旧家、って……今の宝来家の前の家なんでしょう? ユウリさんの方が判るんじゃ…」 《実は、僕の父さんが生まれるときに本家に移ったからよく覚えてないんだよー》
あはは、と電話越しに気が緩む笑い声が聞こえ、仕方ありませんね、とレッドは言う
《ありがとう。レッド君。それじゃぁ頼んだよ》
そして、今に至る、というわけだ
「広いとは判ってたけど……広すぎ。あり得ない。街じゃない、国だ。広い広すぎるって」
ブツブツ、と空を見上げながら呟くレッド まぁ、仕方ない。カムイ広いのだから
でも、とふとレッドは思った ―なぜ、今、ユウリさんは俺に頼んだのだろう。と ユウナに頼むのは旅の邪魔をするから? そしたら、自分で探せばいい でも、そうしないで俺に頼んだのは……
――ピシッ
そのとき、ズボンのポケットのあたりで、何かの音がした 音のしたほうのポケットを探ると……
小さく、ヒビが入った、ぺリドットを、三日月の形にした……ネックレス でも、レッドはこんな洒落たアクセサリーは持っていなかった それに、この宝石の形からして……
「ユウナ――――?」
その名を呟くと、レッドは弾かれたように立ち上がる
聞いたことがあった
突然、あるモノが壊れると、それを使っていた、あげた人物に何かが起こると。一種の予知的な、そんな話を
―急げ。と本能が彼に呼びかける その呼びかけに応えるように、彼は走り出す
――なんで、どうして君は、いつもいつも、 一人で立ち向かうんだ 一人で耐えるんだ 一人で背負い込むんだ
「……あんの、バカッ!!!」
でも、それだから、放っておけないし、なにより 強がりで放っておけないからこそ
愛おしい。と強く感じることができるんだ―――
―ピシッ と、再び、レッドの手に握られている宝石に、ヒビが入った…
続く
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