転落 ( No.97 ) |
- 日時: 2010/10/24 10:05
- 名前: でりでり
- 参照: http://www.geocities.jp/derideri1215/
- 「翔……! 翔!」
薫の俺を呼ぶ声によって我に返る。 「ごめん」 「勝負中に集中力切らすなんて翔らしくないよ」 「ほんとにごめん」 だがあの山本のミュウツーLV.Xはなぜ松野さんのエムリットLV.Xのゴッドブラストを弾いたのだ? なんで無傷でいられる? 「だから翔!」 再び薫が俺の名前を叫ぶ。今度は先ほどと違って怒号に近い。 「あたしはそんな翔と戦いたくないね、いつもみたいに勝負に対して真摯な翔と戦いたい!」 「ああ、そうだな」 改めて場を見回す。 俺のバトル場には炎エネルギーが一つついたバシャーモFB LV.X110/110、ベンチにはネンドール80/80、ワカシャモ80/80、ヒードランLV.X120/120。サイドは残り五枚。 石川の方にはバトル場が火傷状態だが闘エネルギー一つのプテラGL40/80、ベンチはプテラ80/80、こうらの化石50/50、水エネルギーが二つあるオムスター120/120。俺と同じくサイドは五枚だ。 状況はイーブン。流れも今はどちらにもない。 「よそ見する暇は与えない! あたしのターン! プテラGLをベンチに逃がし、オムスターをバトル場へ!」 プテラGLには逃げるのに必要なエネルギーは0。ノーリスクでベンチに戻ることが出来る。そしてベンチに戻ったことで火傷状態も回復。 「更に手札から闘エネルギーをこうらの化石につけてこうらの化石のポケボディーのロックリアクションが効果を発動! デッキからカブトを選び出してこうらの化石をそのカブト(80/80)に進化させる!」 俺より打点が控えめな薫だが、その点俺よりも早い展開スピードがある。 エネルギーが少なめでも十分に戦う事ができ、そしてプテラで化石をサーチしポケボディーでサクサクと進化してしまう展開の早さ。あっという間に薫の場は戦えるポケモンで埋まって行く。 「プテラのポケパワーを発動。発掘! デッキからひみつのコハクを手札に加える。サポーターカード、ミズキの検索を発動。手札を一枚戻してデッキからカブトプスを手札に加える!」 次のターンにすぐにカブトプスでも攻撃できるように準備に転じたか。早いな。 「オムスターでバシャーモFB LV.Xに攻撃! 原始の触手!」 硬化され、鋭い槍のようになったオムスターの触手がバシャーモFB LV.Xめがけて真っすぐに突き進み、バシャーモFB LV.Xを貫く。 「このワザはトラッシュのかい、こうらの化石とひみつのコハクの数だけ威力が上がるワザ! 今トラッシュに該当するカードは二枚」 そして元の威力が30だ。よってバシャーモFB LV.Xが受けるダメージは30+10×2=50。といいたいところだがバシャーモFB LV.Xはさらに水タイプに対し弱点を持っている。なので50×2=100ダメージが受けるダメージ! 鋭い攻撃で後ろに跳ね飛ばされたバシャーモFB LV.X。そのHPバーが大幅に減少し、今のHPは10/110。首の皮一枚繋がったか! 「これでターンエンド」 だが首の皮一枚だろうが残ったら残ったで文句はない。むしろ残ってくれて大助かりだ。 「俺の……」 今から俺のターン。というところでふと隣の松野さんの場に目がいった。
「まだまだ! 私のターン!」 相手の山本信幸の場にはミュウツーLV.X120/120しかいない。私のサイドは残り五枚だが、このミュウツーLV.Xを倒してしまえば相手の場に戦えるポケモンがいなくなるので私の勝ちだ。 しかしその一匹が果てしなく遠い。ミュウツーLV.XはエムリットLV.Xの攻撃を弾いてしまった。あれのからくりは一体……!? 今の私の場にはバトル場は水、鋼、闘エネルギーが揃ったレジギガス100/100、ベンチにはレジアイス90/90、レジロック90/90、アグノムLV.X90/90、ユクシーLV.X90/90。 「私は手札からレジスチル(90/90)をベンチに出して、バトル場のレジギガスをレベルアップさせる!」 LV.XとはいえたねポケモンなのにHPは最大級の150/150という超大型ポケモンのレジギガスLV.Xは私の頼れるエースポケモンだ。エムリットLV.Xでダメならこっちでいくしかない。 「レジギガスLV.Xのポケボディー、レジフォームによって自分の場にレジロック、レジアイス、レジスチルがいるときこのポケモンのワザエネルギーは無色エネルギー一個ぶん少なくなる! よってこのまま攻撃よ。ギガブラスター!」 この会場を揺らす程の高濃度の橙色のエネルギーが、レーザーとなって山本の場を襲いかかる! 発射されるだけで空気が爆発しそうなそのギガブラスター。 「嘘……」 しかしそれもミュウツーLV.Xが薄い緑の球体の膜を自分を覆うように張ることで、ギガブラスターから完全に身を守っていた。 「残念だが、それも通らない」 「このワザでもダメ……」 「いいや、ワザじゃあないんですよワザじゃあ」 「……?」 ワザが効かないという効果じゃないのか? ワザ以外の何かが? 「ミュウツーLV.Xのポケボディーはサイコバリア。このバリアはたねポケモンからの攻撃を全てシャットダウンする。だから、いくら威力が高くてもエムリットLV.Xでも! レジギガスLV.Xでも! その攻撃は無に帰すっ!」 たねポケモンを一切遮断……!? そんな、私のデッキにはたねポケモンしか入っていない……。攻撃出来なければ相手は倒せない……。いや? 「でっ、でもギガブラスターは相手の手札とデッキの一番上をトラッシュ!」 「往生際が悪いですねえ」 山本は仕方なさそうにそれぞれトラッシュしていく。これで相手の手札の超エネルギーと、ケーシィがそれぞれトラッシュされた。 そうよ。ギガブラスターは相手のデッキを削ることが出来る。ミュウツーLV.Xのさっきのワザはエネルギーを全てトラッシュしなければいけないというデメリット。ワザとワザを使うまでにあるインターバルのうちに逃げ切って相手の山札を全て削れば勝つことはできる。まだ、まだ勝負は終わってないわ!
「俺は手札から炎エネルギーをバシャーモFB LV.Xにつける。そして俺もミズキの検索を使わせてもらうぜ。手札を一枚戻してバシャーモを加え、ベンチのワカシャモを進化させる!」 ベンチに再びバシャーモ130/130が現れる。バシャーモ、バシャーモFB LV.X、ヒードランLV.Xのこの三体が揃うときが俺のデッキの真骨頂! ただ、実はあまり理想形ではないのだが。 「バシャーモのポケパワーだ。バーニングブレスを食らえ!」 ベンチから真っ赤な吐息が放たれ、オムスターを包みこむ。この吐息を食らったポケモンは火傷状態になるのだ。 「ネンドールのポケパワーも発動。コスモパワーによって、手札を二枚デッキの下に戻して四枚ドローする」 これできっちり手札は六枚。だが、引き自体はあまりいいとは言いにくいな。 「手札からバシャーモFB(80/80)とヤジロン(50/50)をベンチに出す」 相手のオムスターは水タイプのポケモン。俺のポケモンはネンドールとヤジロン以外は皆水が弱点なのでさっさと駆逐したいところだ。 「バトルだ! バシャーモFB LV.Xでオムスターに攻撃。ベイパーキック!」 バシャーモFB LV.Xの力強い脚から放たれるハイキックはオムスターの体をサッカーボールのように軽々と飛ばした。 「このベイパーキックは相手の場に水ポケモンがいるとき、威力が30上がるワザだ」 「元の威力が30だから60ダメージね。でっ、でもオムスターのHPは100も減ってるっ!?」 「そう。バシャーモFB LV.Xのポケボディー、バーニングソウルは火傷のバトルポケモンがワザによるダメージを受けるとき、そのポケモンが受けるダメージを40追加するポケボディー! よって30にベイパーキックの効果で30、バーニングソウルで40足されて100ダメージ!」 オムスターのHPは風前の灯、20/120だ。だがまだ終わらない。 「これで俺はターンエンド。だが俺のターンが終わると同時にポケモンチェック! ベンチのヒードランLV.Xのポケボディー、ヒートメタルによって火傷のコイントス判定は常にウラとなる。オムスターには火傷のダメージ20を受けてもらうぜ」 オムスターが火傷のエフェクトで炎に包まれると残り少ないHPが尽き、力を失いその場で倒れ伏す。 「あたしはカブトをバトル場に出すわ」 「俺はサイドを一枚引くぜ」 これで一枚俺が有利? いや、案外そうでもない。流れはまだ不動、どちらも状況はイーブン。 「あたしだって負けないんだから。あたしのターン。ドロー! まずはこれかな。プテラのポケパワーを発動。発掘! デッキからこうらの化石(50/50)を加え、ベンチに出す。そしてベンチに出したこの化石に闘エネルギーをつけることでポケボディーのロックリアクションが発動。デッキからカブトを加えて進化!」 これでベンチにもバトル場にも闘エネルギーがついたカブト80/80が一枚ずつか。 「そしてバトル場のカブトをカブトプス(130/130)に進化させる! 早速攻撃! 原始のカマ!」 バシャーモFB LV.XのHPがわずかだからか、今回は化石をトラッシュせずに攻撃してきた。化石は有限だ、こんなところで無駄遣いはしていられない、ということかな? カブトプスの一閃でバシャーモFB LV.XのHPは0/110。これでさっき俺が一枚ゲットしたアドバンテージも無くなり、サイドは同数。だが、俺のベンチには攻撃にすぐさま転じれるカードがない。そういう点では多少俺の分が悪い。やむなしでネンドール80/80をバトル場へ。 「サイドを一枚引いてターンエンド」 「まだまだ行くぜ! 俺のターン。うーん、バシャーモに炎エネルギーをつけてバーニングブレス!」 ネンドールに攻撃の術はない。だが黙ってるのも違うだろう。せめて火傷だけでも与えておく。 「よし、サポーターカードだ。シロナの導き! デッキの上から七枚を確認し、そのうち一枚を加える。……ターンエンド」 そしてポケモンチェックとなり、カブトプスは火傷のダメージ20を負う。しかし110/130はまだまだ大きい壁だな。 「あたしのターン。あたしはサポーターのバクのトレーニングを発動。デッキからカードを二枚をドロー!」 だがバクのトレーニングの真骨頂はこのターン、相手に与えるワザのダメージを+10するところにある。 「プテラの発掘を発動し、デッキからひみつのコハクを手札に。そしてバトル場のカブトプスに水エネルギーをつけて、カブトプスについている闘、水エネルギーをトラッシュしてベンチに逃がしベンチのカブトプスをバトル場へ!」 火傷を避けたか、カブトプスを入れ替えてきた。ベンチに下がったことでカブトプス110/130の火傷は回復。 「手札のひみつのコハクをトラッシュし、原始のカマ攻撃!」 ネンドール80/80に重たい一撃がヒット! 弾かれてコマのように回転して倒れていく。 元の威力20に化石をトラッシュしたことによって+50、バクのトレーニングでさらに+10で20+50+10=80ダメージ。ネンドールをジャストで気絶させた。 「だったら俺はバシャーモFBをバトル場に出すぜ」 「サイドを引いてターンエンド!」 残りサイドは三枚か。だが流れを俺に引き寄せるチャンスはある。 「さあ、俺のターンだ! まずは手札の炎エネルギーをベンチのバシャーモにつける。そしてグッズカード発動。プレミアボール! このカードの効果でデッキまたはトラッシュからLV.Xポケモンを手札に加える。俺はトラッシュからバシャーモFB LV.X(110/110)を選択し、バトル場のバシャーモFBをレベルアップさせる!」 「またっ!?」 「もう一枚グッズカードだ。ポケモン入れ替えを発動。バトル場のバシャーモFB LV.Xとベンチのバシャーモを入れ替える!」 このバシャーモがバトル場にいて、バシャーモFB LV.XとヒードランLV.Xがベンチにいる。これが俺の望む陣形だ! 「手札からポケモンの道具、達人の帯をつけるぜ。これでバシャーモのHPと相手に与えるダメージが20上昇! バシャーモ(150/150)のポケパワー、バーニングブレスでカブトプスを火傷にさせて攻撃。鷲掴み!」 屈強な腕がカブトプスの喉元に伸び、しっかりがっちりと掴み、締め付ける。元の威力が40だが、達人の帯、バシャーモFB LV.Xのバーニングソウルで+40されて40+20+40=100ダメージ。これであっという間にカブトプスのHPが30/130に。 「ターンエンドだが、さらにポケモンチェック。火傷でカブトプスに20ダメージだ」 これで残り10/130。オムスターと同じHPであればこの時点で気絶させることができたが少し足りなかったか。 「さあ、薫のターンだぜ?」
「まだまだ! ギガブラスター!」 何度目だろうか、再び巨大な橙レーザーが発射される。しかしミュウツーLV.Xはサイコバリアを張ってダメージから身を守る。 「なかなか貴女しつこいんですねぇ。そんなことしても無駄なのに」 「ギガブラスターの効果よ……、相手の手札と、デッキトップを一枚、トラッシュさせる!」 能力者との対戦は精神への負荷がかかる。まして相手はワーストワンの能力者。既に松野さんは肩を上下にさせた状態だ。こんな松野さんは見たことがない。 『もし、私に何かあった場合は悪いけどよろしく頼むわ』 対戦前に松野さんが僕、一之瀬に告げた一言が頭の中でリフレインする。 松野さんはあらかじめ負けるかもしれないと分かっていたのかもしれないな……。 「そうか、分かりましたよ。貴女は僕のデッキを削り取る気ですか。なるほどねえ。でも僕のデッキはまだ十枚もある。そして僕のサイドは残り二枚だ。しぶとくサクリファイスでHPを補充しているがそれにも限界というものがある。それに、そのパワーバランスは簡単に崩れる。僕は達人の帯をミュウツーLV.Xにつけさせてもらうよ。さあこれでそのあがきも終わりにしてあげよう」 すっ、と山本は松野さんを指差す。 「貴女も僕に負けて消えていくのではない。僕の能力(ちから)の礎となるのだから、安心して消えていけばいい」 二ターン前に、松野さんは自分のレジギガスLV.X140/170はHP補強のため達人の帯をつけた。しかし達人の帯は強力ゆえにデメリットも存在する。それは達人の帯をつけたポケモンが気絶した場合、相手はサイドは一枚更に引けるというもの。つまりここでレジギガスLV.Xが気絶したとき山本が引くことの出来るサイドカードは二枚だ。 そしてミュウツーLV.Xのギガバーンは120ダメージを与える大技。それも達人の帯の効果でワザの威力は20プラスされて……。 「それではさようなら。ミュウツーLV.Xで貴女を消してやる。咲いては散る花火のように! ギガバーン!」 深い紫色のエネルギー球体がレジギガスLV.Xに触れると一気に膨張して爆発、轟音放ちながら全てを包み込んでいった。 僕が松野さん! と叫んだ声も。全て消えていった。
翔「今日のキーカードはバシャーモ! ポケパワーはノーリスクで確実に相手を火傷にさせるぜ。 そしてワザも高火力! 申し分なしだ!」
バシャーモLv.59 HP130 炎 (DPt1) ポケパワー バーニングブレス 自分の番に1回使える。相手のバトルポケモン1匹をやけどにする。このパワーは、このポケモンが特殊状態なら使えない。 無無 わしづかみ 40 次の相手の番、このワザを受けた相手はにげるができない。 炎炎無 ほのおのうず 100 自分のエネルギーを2個トラッシュ。 弱点 水+30 抵抗力 − にげる エネルギー1
─── おまけ・ポケカ番外編 「ハロウィン2010」 蜂谷「トリックオアトリート!」 翔「はぁ?」 蜂谷「ってあるじゃんか!」 翔「あるけども」 蜂谷「あれっていたずらするか、さもなければお菓子くれ! って意味だったよな!」 翔「まあそうだけど、それがどうしたの?」 蜂谷「いやぁ、妹がハロウィンのイベントかなんかに参加するんだよ。そんで俺ん家に来て言ってくれないかなあって」 翔「シスコンきもいぞ。っていうかなんで?」 蜂谷「決まってるじゃん! お菓子あげないからイタズラしてくれって言うに!」 恭介「どうせ上からタライが降ってくるとかそんなオチじゃないの?」 蜂谷「いやいやいやいや。ぱふぱふ的なことが」 翔&恭介「何か辛いことでもあったの?」
─── 来週更新出来るか微妙なので早めにハロウィンネタ投下。 でもなんかすごい下衆いデキになってしまった……
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