真摯 ( No.92 ) |
- 日時: 2010/09/12 09:49
- 名前: でりでり
- 参照: http://www.geocities.jp/derideri1215/
- 健闘虚しく破れてしまった向井だったが、その隣では藤原が開始僅か七分で相手を仕留めるという速攻プレイで準々決勝を決めた。
その準々決勝で藤原が戦うのは能力者の高津。高津のプレイを見ていたが、強烈なパワーで相手をねじ込むタイプのプレイヤーのようだ。 そしてこの二回戦、今から俺、翔、長岡と戦う訳だがもう一戦は能力者の山本と松野さんの勝負。 彼女のことだから負けるだなんてことは微塵も思っていない。だから俺はただただ上へ進むことを望むだけだ。 このPCC、能力者の事で頭がいっぱいになっているがあくまで普通の公式大会なのだ。 東京の予選を勝ち抜いて、全国大会へと出場。果ては世界大会へ行って頂点を目指すのはここにいる誰もが思っていること。 例外なくこの俺もそうだ。こんなとこで負けてられない。少なくとも全国へ行って「あいつ」にリベンジを……。 「風見、そろそろ行こうぜ」 「ああ」 長岡が俺の肩をポンと叩くと、先に向かって行った。この二回戦、俺と長岡の両方が勝てばこいつと当たることになる。 まだポケモンカードを初めて一年どころか半年も経っていないが、持ち前の運の強さはもちろん実力も着々とついているのは認めよう。だからといって負ける気はさらさらない。なにしろ風見杯では勝っているのだ、どちらかというと得意な相手の部類に入るだろう。 とはいえまずはこの二回戦だ。勝ちにいかないと。この試合も勝って、その次も勝たないと。 「よろしく」 「よろしくお願いします!」 対戦相手は井上 心大(いのがみ しんた)という一つ年下の小柄な少年だ。一見すると活発そうに見える外はねの黒髪だが、そう見えないのは臆病そうにおどおどとした表情のせいだろう。 黒のハイネックに橙色系のパーカー。紺のニット帽を深めに被っている。 最初のポケモンは井上がポリゴン50/50、俺のバトル場にはコイキング30/30とベンチにタツベイ50/50。 「僕の先攻で行きます。ポリゴンに超エネルギーをつけて、ポリゴンのワザの計算を使用。その効果で自分のデッキの上三枚を確認し、そのカードを好きな順番に入れ替えることができます」 相手は序盤は様子見から始めるのだろう。定石だ。 「俺のターン、ドロー!」 初戦は手札の運がよく非常に流れの早いバトルで相手をいなしたが、今回は芳しくないようだ。序盤から苦しい展開は必至だが、それでも最善の手を選んで自分の流れが来るまで耐えるしかない。 「手札からスタジアムカードの破れた時空を使わせてもらう。このカードがあるとき、互いのプレイヤーはその番に場に出た、及びその番に進化したポケモンも進化させることができる。俺はコイキングをギャラドスに進化させよう」 まだ小さなポケモンしか場にいなかった中、急にギャラドス130/130という大型ポケモンが現れたことによって途端に場全体にプレッシャーが降りかかる。 井上は一瞬びくっ、と体を震わせたがそれでも目にははっきり闘志のようなものを感じた。芯が強いタイプだろう、こういうタイプは中々折れないため意外と厄介だ。 「タツベイに水エネルギーをつけ、手札からサポーターカードのハマナのリサーチを発動する。デッキからヤジロンとコイキングを手札に加え、ヤジロン(50/50)をベンチに出してターンエンド」 ハマナのリサーチはデッキからたねポケモンまたは基本エネルギーを計二枚まで選んで手札に加えれるカードだ。 そしてギャラドスは使えるワザがないので今はターンエンドするしかない。 「僕の番です。ドロー! ポリゴンをポリゴン2に進化させ、ポリゴン2のポケパワーのダウンロードを発動します。ダウンロードは手札のサポーターをトラッシュすることでそのカードの効果をこのポケパワーとして扱います。僕はハマナのリサーチをトラッシュしてその効果を得ます。デッキからムクホークFBとポリゴンを加え、それぞれをベンチに出します」 井上のベンチにポリゴン50/50とムクホークFB80/80が現れる。ここからどう仕掛ける。 「そしてサポーターカードを発動。ミズキの検索。手札を一枚戻し、デッキから好きなポケモンを手札に加えます。僕はユクシーを選択。さらに特殊エネルギーのワープエネルギーをポリゴン2につけることでワープエネルギーの効果を使います。ワープエネルギーをバトルポケモンにつけたとき、バトルポケモンをベンチポケモンと入れ替えます! よってポリゴン2とポリゴンを入れ替えてターンエンド」 もうターンエンドするのか? 攻撃しなくていいのか? 相手も引きが悪いとみなすか、攻撃を誘っているとみなすかだがどちらにせよ立ちふさがる敵をなぎ倒すだけだ。 「だったら行かせてもらおう。俺のターン! 手札のサポーター、スージーの抽選を発動。手札を二枚トラッシュして四枚ドロー」 スージーの抽選においてドローは副次的なもの。一番肝心なのはカードをトラッシュすることにある。 手札を効率よく捨てるカードが少ないポケモンカードでは貴重な一枚だ。 「ミズキの検索を発動だ。手札を一枚戻しデッキからネンドールを加え、ヤジロンをネンドール(80/80)に進化させる」 今の手札は三枚。最初の良くない手札をなんとかここまで持っていくことができた。しかしこのデッキは手札を結構消費するから供給も絶えず必要だ。 「ネンドールのポケパワー、コスモパワー。手札を二枚デッキの底に戻し、手札が六枚になるまでドロー」 三枚から二枚減らしたので五枚ドロー出来る。さっきの手札になかったエネルギーがようやっと来た。 「タツベイに水エネルギーをつけてギャラドスで攻撃。リベンジテール!」 「エネルギーなしで攻撃!?」 「リベンジテールはエネルギーなしで攻撃出来る。そしてその威力はトラッシュにいるコイキングの数×30だ」 「でもトラッシュにコイキングは……」 ギャラドスが体を大きくうねらせて尻尾で井上のポリゴンを上から叩きつける。弾かれたボールのように飛んで行ったポリゴンのHPバーは0。 「先ほど使ったスージーの抽選のコストでトラッシュしたカード、それはコイキングが二枚だ。よって30×2=60となってポリゴンのHPを削り切るには十分だ」 井上はまさか、というような困惑した表情を浮かべるとムクホークFBをバトル場に送りだした。 「サイドを一枚引いてターンエンド」 「えっと僕のターン。ムクホークFBをムクホークFB LV.Xにレベルアップさせてベンチのポリゴン2と入れ替えます!」 ムクホークFB LV.X100/100は逃げるエネルギーを必要としないポケモンだ。そしてすぐにベンチに戻すという事は戦わせるのがメインではなくてベンチにいさせるのがメイン、つまり置物タイプのポケモンか。 「ポリゴン2のダウンロードでデンジの哲学を発動。手札のアンノーンGをトラッシュし、手札が六枚になるまでドローします」 井上は今手札をトラッシュすることで一枚となった。つまり五枚もカードを引くのか。 「ワザマシンTS−1を二枚ポリゴン2につけ、さらにワザマシンTS−2も一枚ポリゴン2につけます」 「……ワザマシンか」 ワザマシンはポケモンの道具のようにつけれ、そのテキストにかかれているワザをつけたポケモンのワザとして使う事が出来る。 まったく使えないことはないのだが、たかが知れている程度の効果なのでデッキに入れる必要性がそこまでない。 しかも一匹に対し一枚使うならともかく、同じワザマシンが重複している中で三枚もつけるのは異端なんてレベルじゃない。 「ベンチのムクホークFB LV.Xのポケパワーを使います。ファーストコール!」 ムクホークFB LV.Xは両翼を広げると、天井に向かって大きく鳴き声を上げる。まるで何かを呼んでいるかのようだ。 「ファーストコールは自分の番に一度だけ使え、山札のサポーターを相手に見せてから手札に加える効果を持ちます。よって僕はミズキの検索を手札に加えて発動。手札を一枚戻してポリゴンZを手札に加え、バトル場のポリゴン2に進化させます」 こっちがエースポケモンか? ポリゴンZ120/120は進化するやいなや、首を360度回転しているが無表情なせいで周りの出来事に興味がなさそうだ。 「そして手札からベンチにユクシーを出してセットアップを発動」 セットアップはユクシー70/70を手札からベンチに出した時のみ使え、手札が七枚になるようにドローする非常に強力なドローソースである。井上はその効果で六枚も新たにドローする。 「超エネルギーをムクホークFB LV.Xに、ワザマシンTS−2を二枚ポリゴンZにつけます」 これで計五枚のワザマシンがポリゴンZについたことになる。ここまでワザマシンをつける意味は一体なんだ? ワザマシンTS−1にはエヴォリューターというワザがあり、自分のデッキから自分のポケモン一匹から進化するカードを選びそのポケモンの上に乗せて進化させる進化促成のワザ。 そしてワザマシンTS−2はデヴォリューターがあり、相手の進化ポケモン一匹を一進化分退化させるという風変わりでトリッキーなワザを覚えさせることが出来る。 しかし大量につける意味はどこにもない。一枚あれば十分なのになぜこうも五枚もつけるのか。 「ポリゴンZでギャラドスに攻撃。熱暴走!」 首を回していたポリゴンZの動きが急に止まると、ヒーターのようにポリゴンZの体が真っ赤に輝き出し、そこから熱量を持った電子が四方八方へ放出される。 ギャラドスは非常に痛々しそうな表情を作るもなんとか堪えようとする。しかし無情にも130もあるHPがあっという間に0へ。HPバーが空になったギャラドスはついに自重を支える力を失い倒れ伏す。嘘だろう。まだこんな早いターンで130オーバーのダメージを叩き出すだと? 「熱暴走はワザマシンの数×20ダメージ威力を上げることが出来るワザ。よって元の威力40に20×5を足して140ダメージです!」 なるほど、あの大量のワザマシンにはそういう意図があったのか。ポリゴンZをどうにかしたいところだが、こちらは一撃で120ダメージを叩き出せるポケモンもいない。ベンチにはネンドール80/80とタツベイ50/50しかいないのだ。仕方ない、ドローソースのネンドールを捨てて準備を整えるしかないだろう。 「俺はネンドールを次のポケモンに選ぶ」 「サイドを一枚引いてターンエンドです」 「よし、行くぞ。俺のターン。タツベイに炎エネルギーをつけ、コモルー(80/80)に進化させる。そしてハマナのリサーチを発動しデッキからコイキングとヤジロンを手札に加えそれぞれベンチに出す」 コイキング30/30とヤジロン50/50を出したことでベンチのポケモン総数が井上を上回る。しかし皆が皆低HPで育ちあがっていない。あまり使いたくないカードだが止む得ずだ。 「グッズの時空の歪みを発動。コイントスを三回し、オモテの回数分トラッシュからポケモンを手札に加えることが出来る」 コイントス運がことごとく弱い俺だが、他のカードではトラッシュのポケモンをデッキに戻せても手札に戻せない。苦肉の策だ。 ウラ、ウラ、オモテ。かろうじてオモテが出たことに安堵し、トラッシュのギャラドスを手札に戻す。 「手札に戻したギャラドス(130/130)をコイキングから進化させ、ネンドールのコスモパワーを発動。二枚戻して三枚ドローだ。ターンエンド」 ギャラドスを立てることはなんとか叶ったが、ネンドールを逃げさせることが出来ない。こちらも苦肉の策、チャンスを待とう。 「僕のターンです。ムクホークFB LV.Xのファーストコールでデッキからサポーターのオーキド博士の訪問を加え発動します。デッキから三枚ドローし、手札を一枚デッキの底に戻す。そしてベンチに新しいポリゴン(50/50)を出してポリゴンに超エネルギーをつけます」 やはりというかファーストコールで常にサポーターを引き当てることが出来るためバトルの組み立てが早い。ポリゴンZも勿論厄介だがムクホークFB LV.Xも中々凶悪だ。 「さらにポリゴンにワザマシンTS−1をつけ、アグノムをベンチに出します。そしてアグノムのポケパワー、タイムウォーク!」 タイムウォークは自分のサイドを確認し、その中のポケモンのカードを一枚手札に加えてその代わり自分の手札一枚を戻すことが出来る便利なポケパワーだ。 いわゆるサイド落ちしたカードを回収することが出来る上に自分のサイドのどこに何があるかという情報を得ることが出来る。 相手のポケモンを倒してサイドを引く際に適当に引いて、望んだカードでないときがあるのでそれを未然に防ぐのにも役立つ。 「僕はポリゴンZを手札に加え、手札のカードを一枚サイドに戻す。そしてポリゴンZで熱暴走!」 ポリゴンZから再び激しい攻撃が発せられネンドールを襲う。HPが80/80のネンドールはその倍近くある140ダメージを受けて気絶させられてしまう。 「なら次はもう一度ギャラドスで行かせてもらう」 「うん、サイドを一枚引いてターンエンドです」 俺よりも一枚少ない井上のサイドはまだ四枚。そうだ、まだまだ序盤。今回俺がこの大会に懸ける想いはここで負けて終わるようなもんじゃない。ポリゴンZを破る策は整った、これから逆転へ向かって進むだけだ。
風見「今回のキーカードはポリゴンZ。 ワザマシンをつけることでワザの威力がより強力になる。 200ダメージを叩き出すのも夢じゃないぞ」
ポリゴンZLv.56 HP120 無 (PROMO) ポケパワー インストール 自分の番に何回でも使える。自分のポケモンについている「ワザマシン」を1枚、自分の別のポケモンにつけ替える。このパワーは、このポケモンが特殊状態なら使えない。 ─ ラーニング 自分の山札から、自分のポケモン1匹からレベルアップする「ポケモンLV.X」を1枚選び、そのポケモンの上にのせ、レベルアップさせる。その後、山札を切る。 無無 ねつぼうそう 40+ 自分についている「ワザマシン」の数×20ダメージを追加。 弱点 闘+30 抵抗力 にげる 2
─── おまけ・ポケカ番外編 「ホクロ七星」 (次の授業が体育なので着替え中) 蜂谷「新しくギャツビーの制汗スプレー買ってみたんだけど授業の後使ってみる?」 拓哉「ゴキジェット?」 蜂谷「ベタなボケありがとう。っていうか拓哉がボケたのか、なんか斬新」 (シャツを脱ぎ蜂谷は上半身すっぽんぽんに) 蜂谷「三月は涼しいから体育にはちょうどいいよな」 翔「あれ?」 蜂谷「どうかした?」 翔「それってもしかして」 (蜂谷に近づく翔) 翔「胸に七つのホクロを持つ男!」 蜂谷「うわっ、ちょうど北斗七星の形に……」 翔「ホクロ神拳!」 蜂谷「ねーよ!」 翔「ホクロ毛(ホクロから生える毛)が見える」 蜂谷「死兆星が見えるみたいに言うな言うな」 拓哉「あれ、でもこれ」 (拓哉は蜂谷に近づき蜂谷のホクロ七星のうちの一個のホクロを指す) 拓哉「ここにもホクロあるね」 蜂谷「死兆星の位置にホクロが! 俺もう死ぬの!? ってかラオウと戦える資 格あるじゃん!(っていうか俺ケンシロウポジションじゃないの?)」 翔「ラオウなら」(と言って恭介を指差す) 蜂谷「髪の色しか一致してねーぞ!」 恭介「我が生涯に一片の悔い無し!」 蜂谷「しかももう死んでるし!」
(このあと授業のバスケで蜂谷は突き指しました)
─── BW発売まで一週間切りました! そしてポケカBWも! なのに小説ではLEGENDさえ出てない。正直PCC編の最初にレギュレーション縛ったのはやっちゃった感がある
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