謎の洞窟にて ( No.61 ) |
- 日時: 2011/01/10 00:20
- 名前: あずらび◆2UZxO8bG3w ID:cSDljeR6
- 「見つけたわよヒメグマ! 今度こそ大人しくボールに入りなさい!」
クウ達は数分後にヒメグマを見つけ、クウはボールに戻させようとするが、ヒメグマはそれをかわしてボールに入ろうとしない。するとヒメグははまだ逃げ出し、クウもまためげずにヒメグマを追いかけた。 そんなクウに対し、ヒナタはクウに挑発を掛けるように言った。
「お前もさー、ポケモン一匹まともに育て立てないと、まともなポケモントレーナーになれねーぞー?」 「っさいなぁ……あんたは黙って見てればいーの!」 「へいへい、分かりましたよっと」
クウは今、ヒメグマを追いかけるのに夢中になっていて、怒り混じりでヒナタに返事した。ヒナタもヒナタで、面白い返事が返ってこなかったので、それ以降は何も言わなかった。 ヒナタとアリスの二人は、ヒメグマを追うクウを追っていた。そして、二人が追いかけた先は――――小さな洞窟だった。
「ここは……?」 「……何かの、洞窟か……?」
二人は、見たことのない洞窟に足を踏み入れたものの、辺りは暗く、なにも見えなかった。 すると、アリスは何かをひらめいたかと思うと、ボールからピカチュウを出した。すると、ピカチュウは自分の尾から光を出し、洞窟を明るくさせた。アリスはヒナタに小さくピースをする。
「……クウ、どこだ?」 「…………なぁ、なんか声が聴こえない?」 「声?」
ヒナタは首を傾げる。二人は無言になると、耳を澄ます。ヒナタには洞窟の中のポケモンの声は聞こえず、洞窟の水が滴る音だけが聞こえた。しかし、アリスには何者かの声が聴こえた。
「あっちの方向だよ!」 「ん」
耳の良いアリスには、声が聴こえて、その方向を指す。ヒナタは小さく頷くと、アリスの後を付いて行った。
「…………あれぇ?」
――――その数分前、無我夢中に走り続けていたクウが我に返ると、自分は見知らぬ所にいたことに驚いた。真っ暗な洞窟、人の気配すら感じられない。 しかし、自分はずっとヒメグマを追いかけていたから、ここにヒメグマが入ったのは確かだろう。……それに、迷わなければきっと、ヒメグマを見つけられるはずだ。迷わなければ、の話だが。
「……よぉし」
クウは気合いを入れるように腕捲りをして、その先へ進んだ。 奥に進んでいくと、だんだんと通路が狭くなっていき、天井も低くなってきていた。とうとう、それは人間が普通に歩いていては通れない程になっていた。 しかし、クウは自らその身体を低くし、腕を使って進むことにした。通路を壊すことや、ライトに行かせようとも考えたが、通路を壊すのは時間もかかるし、きっと何かがあると思ってやめた。ライトにいかせても、自分の目で確かめなければ意味はない、そう考えた。
「んぬぬぬ……」
腕を使って進むこと10メートル。なんとか気合いで進んでいくと、ポケモンの声が聴こえてきた。少し進むと、大きな穴にたどり着き、そこはたくさんのヒメグマがいた。おそらく、ここはヒメグマの住処だろう。 すごいなぁと思って見つめていると、一匹のヒメグマがクウの存在へ気付いた。鳴き声で仲間を呼び掛け、沢山のヒメグがが一斉にクウの前に立って、威嚇をした。
「ちっ、違! 私は別に貴方達の住処を荒らそうとか、そういうのじゃなくて……!!」
クウはヒメグマ達に訴える。が、ヒメグマは達は聞かず、クウに向かって攻撃しようとする。仕方なく、クウも自分のポケモンを使うしかなかった。
「ライト、電光石火、ハートは念力よ!!」
ライトとハートはヒメグマ達に攻めていく。すると、クウは先ほど自分が捕まえたヒメグマを発見した。……そのヒメグマには、ひとつ特徴があった。額の三日月模様が少し欠けているからだ。クウは、はっきりとそれを見ていた。 そして、ポケモン達に攻撃を任せている間、自分が捕まえたヒメグマの所まで掛けて行った。
「……ヒメグマ!!」
ヒメグマはクウの声に気付くととっさに仲間の所まで逃げて行った。……それが、どうしてなのかは分からなかった。クウは悪いことは何もしていない筈だ。 はっ、とクウは自分のポケモン達を見ると、やはり数が足らないのか、ボロボロで戦えそうにない状態だった。
「ライト! ハート!!」
2匹をボールに戻すと、再びヒメグマ達はクウに目を向けた。ヒメグマ達はクウに襲いかかろうとし、クウは息を飲み込んだ――――その時。 何者かの足音が聞こえてくると、突然爆破音がして、そこらじゅうに煙が出て辺りが見えなくなった。勿論、ヒメグマ達はクウに攻撃できなかった。
「ねー本当にここなのー? ってか通路が狭いから思わずボムっちゃったけど♪」 「っけほ、けほ……! なんなのよぅ、これ……」
クウが辺りが見えず、声の主だって誰かわからない。ようやく煙が晴れると、周りには数人の男と、真ん中には金髪の女が立っていた。 その男の恰好には見覚えがあった。少し前、ネイントの木の実畑にいた“ナイト団”だ。……真ん中の金髪の女の存在は知らないが。
「あー? あんただぁれ? なんでここにいるのぉ?」 「ちょ、それはこっちが聞きたいわよ! あんたらナイト団でしょー!? なんでここにいるの!?」 「……!」
女はギャルっぽくちょっと嫌な感じの口調でクウに問うと、クウも引きさがらず逆に喧嘩を売るように女に問うと、女は一瞬目を見開くと、「なるほどねぇ」と良いながら、自慢の自分の金色の髪を指で絡める。
「あんたー、カゲが言ってた女? うわ、面倒くさそ!」 「カゲ? ……もしかして、あたしが前に戦ったマント男?」
カゲのことはマント男としか覚えてないクウは女に適当に言うと、女もそーそーと言って、また自分の髪を指に絡める。 すると、女はクウの目の前まで来て、ひとつのモンスターボールをクウの鼻にぐりぐりと押し付けた。クウは腹が立ち、その腕を思い切り掴んだ。
「うちはウタ。ここはあんたのようなガキんちょが来る所じゃないの! 悪いことは言わないからとっとと出ていきなさい?」 「なんで指図されなきゃいけないのよ、オバサン!!」 「おばさ……!? これでもまだ15歳よ!? ……お前達、このガキを追いだすわよ!!」
ウタという女はクウの言葉に腹を立て、後ろにいた団員達にそう指図し、団員達はボールからポケモンを出していった。しかし、数が異常に多い上、こちらの手持ちポケモンはもう戦えない。
「ちょ……あたし一人よ!? 団体攻撃とか卑怯すぎるしょ!!!」 「あんたがうちのことをオバサンとか言うからいけないのよ! お前達、いくよ!!!」
――――クウは、絶体絶命の大ピンチに追い込まれていた。
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