謎の組織とその男 ( No.31 ) |
- 日時: 2010/11/20 15:29
- 名前: あずらび◆2UZxO8bG3w ID:UCsCNYk6
- 参照: テラ厨二
- 「……困ったなぁ……」
クウ達は、今とても面倒なことになっていた。自分達を囲むように周りにいる7人の“敵”。 どうしてこういう状況なり、どうしてクウがこんなことを嘆いているか……少し前の記憶を遡ってみる。
「ん? なんだアレ?」
クウ達は弱っているポケモン達のために、ネイントの木の実畑に来ていた……のだが、何やら黒い服を着ている組織達がその周りの人間を入れないかのように、囲って、数人は何かの機会で穴を掘っている。 そこに人が何人か入ろうとするが、「駄目駄目」と断って、人々は仕方なく引き返していたり、という様子をバッチリ見ていた。 しかしクウは「仕方ない、諦めよう」なんて言葉で終わらせる性格ではない。何しろ今彼女の足元にいるラルトスの仲間は死にかけているのだ。それを見捨てるわけにはいかなかった。 そしてずかずかと木の実畑に近づいて行く。予想通り、その謎の人物に腕を掴まれた。
「君、この先は今ちょーっと入れないんだよ。悪いけど別の道を通ってくれないかな?」 「お断りします!」
クウは思い切りその人物の手を振りほどいた。そしてクウ達は木の実の生えている木に登って木の実を取ろう……としたが、その黒い服を着た謎の人物達はクウ達を囲んだ。 はぁ、とクウはため息をついた。自分の周りには7人敵がいて、謎の人物達も1匹ずつポケモンを出して、合計7匹ポケモンがいる。それに対してこちらのポケモンは2匹。だが、ラルトスはあまりHPもなく、負担はかけられない。そう考えると、ライト1匹で相手のポケモンに立ち向かうということになるのだ。 相手のポケモンは全匹同じ、青い体に羽がついていて、その羽の内側は紫。図鑑で調べようと思ったが、状況を見る限りその時間はない。クウはラルトスを守るため、自分の腕に抱きかかえた。
「ズバット! 吸血だ!」 「上にジャンプして! 電光石火!!!」
ズバット、という名前だけわかって、タイプは分からない。飛んでいるから飛行だと思うが、もうひとつタイプがある、とクウは匂っている。その間に、別のズバットからライトは攻撃されている。 クウにとって初めての複数戦。それだけじゃない、こちらのポケモンは1匹で、ライトはあっという間に7匹のズバットに倒されてしまった。 ……そして、今に至る。ライトをボールに戻し、ラルトスを腕に抱えて、どうすることもできない状況。クウの首からは、異様な冷や汗が流れていた。
「どーしたんだ? 勝手にここに入ってきて、圧倒的な差をつけて俺達に負けた。それに、もう戦えるポケモンもいないんだろ?」 「…………」 「一度だけチャンスをやる。今俺達に“勝手に入ってきてすみません”とでも言ったら許してやる」 「…………い、」
嫌だ。そう言いたいのだが、それを言おうとした瞬間だった。ラルトスがズバットに吸血をされ、更にHPが削られたのだ。
「おら、早く言わなけりゃ、お前のそのポケモンを」 「電気ショックゥウウゥウ!!!!」
それは謎の人物が言いかけている瞬間だった。遠くから強烈な電気ショックがズバットに命中し、一撃で倒れた。謎の人物は動揺する。 その技を指示したその声はクウにとって聞きなれている声。そしてその人物はクウの元に来ると、クウの険しい表情が、一気に和らげて言った。
「アリス!!!」 「遠くからクウちゃんが見えて……遅くなってごめんねっ」 「なんだなんだ、お仲間ちゃんか?」
アリスは最近捕獲したピカチュウを連れていた。そのピカチュウはとても攻撃する気満々で、頬の電気袋には電気がバチバチと出ていた。 謎の人物に向けてクウとアリスは睨みつける。しかしクウは何もできない。そこに、もう残りHP少ないはずのラルトスがクウの前に出てきて、こちらをじっと見てきた。「戦う」と目で伝えている。
「クウちゃん! 戦うなら今だよ。相手のポケモンは毒と飛行。エスパー技を出せばすぐに倒せるよ!」 「……あんた、大丈夫なの?」
ラルトスは少し汗を流しながらこくんと頷いた。相手は6匹いる。アリスには4匹任せて、クウは2匹のズバットを狙った。
「電気ショック!」 「いっけぇ! 念力!!!」
2匹の強力な攻撃技により、周りのズバット達は次々と倒され、戦闘不能にさせた。すると、ラルトスは力を使い果たし、その場に倒れ込んでしまった。 クウはすぐにラルトスの所に行くと、優しく抱きかかえ、そして謎の人物達に向かって技と鼻で笑った。
「どう? 私たちの力はこんなもんだけど!」 「…………!」 「何をしている、お前達」
謎の人物達が息を詰まられていると、上空から低い声が聞こえた。何かのポケモンに捕まっていて、地に下りてくると同時にポケモンをモンスターボールにしまった。
「カゲ様!!」 「もうここは放置しろ。あのセンサーはボスが時間稼ぎに用意したものらしい。例のものはウタ達が用意したと連絡があった」 (カゲ? センサー? ボス? 例のもの? ウタ?)
見知らぬその男は、謎の人物達のリーダー格のような匂いを感じた。しかし、その男の言っていることはクウにとってもアリスにとってもちんぷんかんぷんだった。 カゲ、という名の男はその人物達をまとめているあたり、何かの組織の幹部だと感じた。 その男をじっと見続けてると、男は振り返り、目があった。……あの謎の人物達よりはるかに幼い。……大体、クウと同じくらいの年代に見えた。
「……お前、ナイト団に立ち向かった女か?」 「ないと……?」 「…………ふん。」
いくぞ、そう言って男はその人物達を囲うように闇のマントを多い、次の瞬間、まるでマジックのように闇に消えていった。 まったく思考回路も回っていないクウは少し混乱気味だった。きっとあの組織は“ナイト団”という名前で活動しているのだろう。それにしても、不思議であった。
「なんでここに居たんだろうねぇ……?」
クウはそう呟くと、抱きかかえたラルトスを見てはっとし、先ほどまでの目的を果たすためにアリスと一緒に木の実を集めていった。
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