ライバル同士の初バトル ( No.15 ) |
- 日時: 2010/10/16 17:35
- 名前: あずらび◆4fprnT0Yg.2
- 「逃げるならいまのうちだぜ?」
「その台詞そのまま返すよ。そっちこそ逃げなくて大丈夫?」
ヒナタからの挑戦を受けたクウは、アリスと共に近くの広い草原に来た。 お互いがお互いを挑発するかのように、余裕の表情を見せていた。その姿は少しばかり情けかったが、アリスは2人が良ければいいかなぁ、と、2人の行動に合わせていた。 ひとつの風が吹き、辺りが静まると、さぁバトルをしてみようと言わんばかりんの雰囲気になり、お互いが腰に付けているモンスターボールを手に持ち、構えた。 そして一斉に開閉スイッチを開け、イーブイ達をボールから出した。 ライトとシャインのコンディションはばっちりで、すぐに戦闘態勢に入る。サクライト研究所にいたからなのか、2匹はいいライバル関係で、良い張り合いだった。 が、とうの本人……自分のご主人たちは、まるで火花を散らせるかのように、睨みあっていた。 先攻どうぞーと、クウは更に挑発を掛け、少し頭の中で何かが切れる音がしたヒナタはその挑発に乗ってやった。そして、とっさにヒナタはシャインに攻撃指示を出した。
「シャイン! 電光石火!!」 『ブイッ!!』
シャインはライトに向かって走って行き、どんどんスピードの勢いを増していく。そしてライトに命中し、ライトは少しダメージを受けたが、まだよろけるほどではなく、すぐに態勢を立て直した。 そしてクウからの体当たりの攻撃指示が出る。だが、シャインは華麗に攻撃をかわした。 だが、クウはライトに続けて電光石火の指示を出して、シャインにダメージを与えることができた。 ヒナタは一瞬動揺するが、すぐに気持ちを切り替えてシャインに指示を出した。
「尻尾を振る!」 「む……ならばこっちは鳴き声よ!!」 『ブイ、ブブイ!!』
尻尾を振るは、相手の防御力を下げる技なので、ダメージを少し与えやすくなる。対して鳴き声は、相手の攻撃力を下げる技だ。少なくとも物理技に関しては相手のを封じこめ、互角、というのが正しいであろう。 クウの技の判断は正しいものであった。ヒナタは小さく舌打ちをして、少し悔しそうな目で見た。 ふんっ、とクウは気高い感じで見下すようにヒナタを見た。するとヒナタは俯いたままシャインに技の指示を出した。 「?」技の指示が聞こえていないクウにはシャインが何をしてくるかわからない。 ライトも息を飲み込んで態勢をしっかりしている。……シャインは、地面に穴を掘っている……ように見えた。 クウとライト“には”。一瞬穴を掘るかな? と、クウは一瞬唖然としたが、そのシャインが穴を掘っていくスピードは遅い。 これは攻撃のチャンスだ、そう思っていた。
「ライト、たいあた」 「いまだシャイン! 砂かけだッ!!!」 「す、すなかけ?」
聞いたことのない技にクウは目を見開き、何かを思い出したかのようにポケモン図鑑を取り出し、技のチェックをした。 それはクウは気付かなかったがもともとイーブイが覚えている技であった。 すなかけ、相手の顔面などに砂を掛け、目を惑わし、技の命中率を下げるという、とても便利な技。 ヒナタはこれをシャインに利用させて、ライトが攻撃をしてこないようにしたのだ。 「……そういう戦法を取ったのね……ヒナタも、少しは成長したじゃない!」 「そういうお前は大丈夫か? お前のイーブイが俺のシャインに倒されちゃうぜ?」 『ブイ、ブイ!』
クウは焦りの感情を表に出さなかった。 だが、ヒナタはまるで余裕の顔。シャインも「どうだ」とでもいうように胸を張っている。 ライトは先ほどのシャインのすなかけによって目がやられて、周りを見ることができず、半目状態だった。これでは相手の攻撃をかわすことができない。 しかし、ヒナタは続いてシャインに体当たりを指示し、シャインはライトに突っ込んでいく。 クウは駄目もとで「かわして!」というが、そんなことはできずに攻撃はライトに命中する。流石のライトも、今の攻撃で一瞬だが足がよろけてしまった。 その一瞬たりとも、ヒナタとシャインはライトを見逃さなかった。そして、ヒナタはとどめの攻撃指示を出そうとした。 一方のクウは悩んでいた。目で見えなければ、攻撃がコントロール出来ずに自滅してしまう。目で見えなければ、相手の攻撃をうまく避けられない。それに、こちらがうまく避けられないのを利用して、ヒナタは上手く技を利用して攻撃をしてくるのかもしれない。 そう考えていると、クウは小さく歯ぎしりをして悔しそうにした。 なんとしてでも勝ちたい、その気持ちが心の心境をどんどんと上乗せしていき、複雑な気持ちになる。 ……これが、ポケモンバトルの心境なのだろうか、と。
(目が見えなければ何もできない。どうすれば……!) 「……シャイン、ライトの後ろに回れ!」 (う、後ろに……? ヒナタは何か戦法が浮かんだのかな? 一体何をして――)
“後ろに回れ”この言葉を考えていると、「そうだ!」とクウは何かが頭をよぎった。 ヒナタは今は余裕の顔だ。シャインも、もうじき倒せるだろうと余裕があった。 しかし、クウにもまだ余裕が残っていたことには知らに。
「ライト、音を聞いて! 音で相手の行動を感じ取って! ……耳で!!」 『っ、ブイ!』 「……何を言い出すかと思えば、そんな大したことじゃなかったんだな! シャイン、とどめの電光石火だ!」
ライトはクウの指示をすぐに理解し、深く目を閉ざして精神を耳に集中させた。 ライトの耳には、シャインの動きがすべて読みとれていた。すばやくても、まるでスローモーションのようにシャインの動き……風の動きが耳に残っていた。 そして、攻撃の瞬間を読み取り、上空に向かってジャンプをした。ライトは目を完全に見開いた。すなかけの効果が切れたのだ。 ヒナタは「しまった!」と思わず口に出すと、「反撃開始!」とクウは叫び、ライトは綺麗に地に着地すると、再び戦闘態勢に入った。
「突進!!」
そう指示をすると、ライトは勢いよくシャインに突っ込んでいく。 シャインはバランスを崩している所を狙って更に体当たりで攻撃する。そして、とどめには再びとっしん攻撃をした。 ……シャインは、倒れ込んだ。 しかし、突進には、相手に大きなダメージを与える代償として、自分にも反動のダメージがくる。 ……ライトも、疲れ果ててそこに倒れ込んだのだ。
「シャイン!」 「ライト……!」
クウとヒナタは、倒れ込んだライトとシャインに駆け寄って、抱きかかえた。 そこへ、これまでのバトルを見ていたアリスもロコンを抱えて駆け寄ってくる。 そのアリスの目は、これほどとは思えない程キラキラしていた。どうやらバトルに感動をしたらしいのだが。
「二人とも、すごいバトルだったよ! 思わず見とれちゃった!」 「あ、ありがとう。……すぐに、ポケモンセンターに連れていかないと」 「そうだな」
クウは左手で自分の頭の後ろを掻きながら照れていた。「馬鹿じゃねーの」とのヒナタの言葉に再びキレたのは言うまでもなかった。 そして3人は、再びネイチャタウンのポケモンセンターへと足を運んだ。その道の途中、「良いバトルだったよ」と2人がお互いに向かって小さく呟いていた。
「もしもし?」 ≪んー? なんかあったの?≫ 「……いや、いつ挑戦者が来てもいいように準備はしておきなさいよ?」 ≪え、挑戦者来るの!? 何人何人!?≫ 「んー、見た感じは2人だけど、もしかしたら3人になるかもねー……」 ≪本当!? やったぁ! よし、準備しておかなきゃ!!≫ 「……ジムリーダーならいつ挑戦者が来ても大丈夫なように準備をしておくものでしょ? ……まぁ、いいわ。それじゃあね、ルイス=v
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