Re: ポケノベ2010夏企画 移転中につきコメント禁止 ( No.27 ) |
- 日時: 2010/09/06 23:01
- 名前: ターケーシ
- Aコース〜残りものには毒がある〜
ん……なんだ、やけに外が騒がしい。誰だ。俺様の昼寝を邪魔するのは。 戦闘データなら朝方に取らせてやっただろうが。あのジジイ、まだ俺になんか用があんのか。 そう思った矢先、俺は突然居心地の良いモンスターボールから外の世界へ引きずり出された。天井の真っ白な照明が太陽みたいに眩しくて、俺は反射的に前足をかざして目を護った。
「ほっほっほっ! さあ、好きなポケモンを選ぶがよい!」
はあ? 白衣のボケジジイの意味不明な台詞が俺の混乱に拍車を掛ける。 「おい、先に選ばせてやるぜ!」 目の前にはジジイと共に人間のガキが二人。偉そうにほざいた方の一人は黒服でツンツンボサボサの茶髪、全身からクソ生意気な臭いをプンプンさせていやがる。はて、どこかで見たツラだな。 ああそうだ。確かコイツはこのジジイの孫だ。名前は知らねえ。そもそもジジイが名前を呼んでるところを一度も聞いたことがねえしな。 んで、もう一方のすかした奴は? 赤い帽子に赤い服。なんだこの統一感、捻りが全然ねえ。見覚えもねえな。
赤いガキは無言で孫に向かって頷くと俺には一瞥もくれねえで真っ直ぐな視線を向ける。 俺の隣の、ヒトカゲに。
ヒトカゲの視線と赤いガキの視線が一本に結びついた瞬間。 奴らの間を何か熱くて強い物が走り抜けたような気がして、俺はなぜか急に胸が苦しくなった。
「じゃ、おれはコイツだ!」 孫が抱き上げたのはゼニガメ。脳天気な奴らの笑顔を見た瞬間。 胸の痛みがさっと退いた代わりに今度は無性に腹が立ってきやがった。
「ほっほ! 二人ともいいポケモンを選んだようじゃのう! これから旅のパートナーとして仲良くやるんじゃぞ!」
いいポケモン? 旅? パートナー? そうか。そういう事か。そういう事なんだな。 ――――畜生!
てめえらよくも……この俺を無視しやがったな。コケにしやがったな……! 鈍いフシギダネにドジなヒトカゲ。この中で一番強いのはそいつらじゃない。この俺だ。この俺なのに。 なのに、なのに、なのに。どうして俺が選ばれないんだよ。
ジジイ、孫、赤いガキ、ヒトカゲにゼニガメ。覚えてろ。 俺がどんな屈辱を受けたか、俺がどんなに強いかってことを絶対分からせてやる。いつか、いつか必ずだ。
その夜、俺はジジイの研究所を抜け出した。 俺を頂点に導くための、最強のトレーナーを見つけるために。
あとがき
お題とのズレは自覚していますが、読み切り漫画というものを意識してあえてこういう終わらせ方にしてみました。 起承転結って難しい。
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