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2010年秋企画 結果発表
日時: 2010/10/06 05:22
名前: 鵺作◆0OEZgPvU1GE

2010年秋企画


☆ごあいさつ
秋も半ばまで至りまして、そろそろ冬の足音が近づく季節となりました。旧サイトの頃より有志で定期的に開かれておりました季節の企画は今回からサイト公認行事となりました。
サイト移転後の最初の企画として多くの皆様に参加していただければ幸いです。


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☆企画概要
◇主旨

短編の小説作品を投稿し、その完成度を競います。

◇日程

・テーマ発表日  :10月9日(土)
・作品投稿期間  :10月16日(土)〜11月6日(土)
・投票期間    :11月7日(日)〜11月14日(日)


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☆参加ルール
◇基本規約

・企画作品は必ずこのスレッドに投稿してください。

・一作品につき必ず一レス(30,000字)に収まる長さにしてください。

・参加のための申請などは一切ありません。気まぐれでのご参加もドンと来いです。

・作品投稿の際のHN(ハンドルネーム)は自由です。複数投稿してそれぞれ別のHNを使用しても構いません。ただし投票用のHNは自演防止のため一つに統一してください。

・過度に性的、および暴力的な文章はご遠慮ください。また、それらの判断基準は運営側で判断させていただきます。

・当企画においては例外的に一次創作の投稿を許可しています。ただしポケモン以外の二次創作はおやめください。

・お一人様につきの投稿数の制限はありません。アイデアの思いつく限りいくつ投稿していただいて差し支えありません。

・投稿の際の記事には以下の内容を必ず記入してください。
@作品タイトル(題名欄に記入していただいても構いません)
A部門
Bテーマ
C本文
 なお、あとがきなどの本文終了後の文章のご記入は任意です。

・以上の内容が守られない場合、投票の凍結、最悪の場合は作品を削除することがあります。


☆投票ルール
1、全作品から一番優れているものに金賞、二番目に銀賞、三番目に銅賞を選んでください。金賞一つ、銀賞一つ、銅賞三つでお選びください。
2、ひとり1レスのみです。感想などを書きたい場合は見やすいように同じスレに収めください。
3、複数の仮面HNを使用している方は自演を避けるため、一つに統一またはポケノベで使用しているものにしてください。
4、書き方は問いませんが、できるだけ読みやすいものにするようお願いします。
※その他
・金賞は三点、銀賞は二点、銅賞は一点と加算されます。
・投票権はこのサイトの全住民に等しく与えられる。作品を書かなかった者も気軽に投票してもよい。
・投票された記事については厳密にIPチェックを行い自作自演をチェックいたします。
・投票方法に誤りがあった場合、その投票は無効となる。


参加した方、しなかった方、どなたでもご自由に投票してくださるとうれしいです

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☆部門
今回の企画初の試みとして、テーマの前に「部門」を設けることにしました。

◇【A】ショートショート部門
本文を2,000文字以内(400字原稿用紙5枚分)で完結させてください。締め句の「完」「了」「fin」などは本文に含みません。
文字数のカウントは↓「小説HTMLの小人さん」などの文字数計測ツールをご利用いただき参考にしてください。
http://htmldwarf.hanameiro.net/easy/novelpagemaker.cgi

◇【B】三題噺部門
次に掲げる三つの事物を必ず作中に登場させてください。
「やかん」「イチョウの木」「博物館」
三題噺とはなんぞや? という方は↓のサイトを御覧になることをおすすめします。説明や実際の三題噺などが載っていて大変参考になります。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway/2231/

◇【C】無制限部門
制限なしです。テーマの範囲内であなたの心の赴くままに自由に書いてください。


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☆テーマ

以下に掲げる二つのテーマの内、お好きな方をお選びください。テーマの使い方や解釈は参加者の皆様にお任せします。

◇【T】「雨」
 梅雨ほどではありませんが、秋もまた雨の多い季節です。秋の天気は変わりやすいとも言いますしね。

◇【U】「橋」
 そういえばポケモンBWでは巨大な橋が五本かかってますね。みなさんどの橋が一番好きですか?




投稿作品目次 >>12
投票について >>28
メンテ

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Re: 2010年秋企画【投稿期間10/16〜11/6】 ( No.21 )
日時: 2010/11/06 01:03
名前: 乃響ぺが

 A部門
 テーマ:雨
 タイトル:愛をもっと。


「おじゃましまーす」

 酷い雨から逃げ込むように、私はショップ・シャクティに入る。いらっしゃい、と声をかける店主のジーコさんが、リラックスチェアでくつろぎながら、新聞を読んでいた。
「あぁ、ラブさんか」
 ジーコとかラブとか言うのは、ネット上のハンドルのことだ。私とジーコさんは、ネット上の小説投稿掲示板で出会った。仲良くなるうちに、意外と通っている学校の近くに住んでいることを知る。
 インド風、エスニック調の服飾品を売る店を経営していて、初めて入った時から、私はオレンジ色の不思議で非現実的な空間に心を奪われ、何度も通っている。客が入るところを殆ど見たことがないが、大丈夫なのかと尋ねると、これは副業だから平気らしい。株に成功し、余りに余ったお金で好きな空間を好きなように形成しているのだ。きっと今も、東証一部に並ぶ企業たちの数字を睨んでいるに違いない。
 毎日服装が違う彼だが、いつもとは打って変わってポロシャツを着ていた。正直言って、おじさん臭さが強調されて、あまり好きになれない。普段の、店と同じのエスニック調のゆるい恰好の方がいいのにな、と思った。
「寒いですねぇ、今日も」
「そりゃあ、11月だからなぁ」
 新聞をめくり次のページを開いたところでドッグイヤーをして、カウンターに置く。

「時にラブさん、11月は何の秋だか分かるかい?」

 時々彼が投げかける、不思議な問いかけ。答えは人それぞれだが、物書きのはしくれとして、面白い発想を探してみたい。が、
「……スポーツの秋、は10月だし、食欲の秋、あたりですかねぇ」
 いくら考えても、その程度しか浮かばない。最近はいつもそうだ。調子が悪い。
「なるほどね」
「月並みですけど」
 私は言い訳して、苦笑する。

「俺なら、読書の秋、って答えるな」
「どうしてですか」
 思いの他、彼の答えもシンプルだった。彼は笑って、紙とペンを取り出す。黒い字で、November、と書く。それに矢印を描きながら、説明を加えていく。
「11月。これのbを、縦棒と丸、つまりlとoに分けて、さらに並べ替えると」
 Novel moreの文字が浮かび上がる。

「小説をもっと、だ」
「なるほど」

 こういうことをよく考え付くなぁ、と思う。そういう発想が私にはなく、尊敬する。
「まだラブさん、企画投稿してないよね。今回書かないの? 締め切り、明日じゃん」
 何気ないつもりかもしれないが、私の心臓をぐさりと突き刺す一言だった。企画というのは、期間内に、掲示板の色んな人が一つのテーマに対して短編を書く、というものだ。参加しないのもつまらない。かと言って、下手なものを書いて出しても、自分の為にはならない。ちゃんとしたものを書きたいのに、何もアイデアが降って来ない。今日の雨に似て、べとべとして暗い気持ちに囚われている自分がそこにいた。
 素直に私は想いを打ち明けてみる。

「全然アイデアが浮かんでこなくて。それに、自分の文章に自信が持てなくて、こんなのでいいのか凄く不安になるんです」

 連載中の小説も、いつもより更新ペースが落ちている。色々な人の文章を読んでいるうちに、自分の文章が分からなくなっていた。
「そっか」
 彼は立ち上がり、色のついた奇麗な石のアクセサリーの棚を眺める。

「等身大の自分、でいいんじゃないの」
 石を手の平で転がした。
「自分以上のものは表現できない。表現の限界がそこにあるのなら、自分が色んなことを知って、色んなことを考えられるようになればいいんだと思うよ」
「それが出来たら苦労しないですよ」
 私は笑った。
「ホントだよね」
 ジーコさんも、笑っていた。
 しとしとと雨は降り続く。

「そこまでストイックになれたらいいんですけどねぇ」
 私はため息をついた。
「そうだねぇ。でも大事なのは、案外ストイックとかそういう事じゃないのかも知れないよ」
 ジーコさんは角の取れたサイコロのように磨かれた、真っ黒な石を手に取る。
「トルマリンって言ってね、感受性を高めてくれる石らしい」
 それを受け取って、私はまじまじと見つめる。すこしホコリがついているのが気になった。
「日本語じゃ電気石って言って、静電気を帯びる性質があるみたいなんだよ。パソコンいじる時に電磁波を和らげてくれるってさ。ネット小説家にはもってこいだ。安くしとくよ」

 700円ちょっとのトルマリンを、500円で売ってくれた。
「ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございます……あ」
「どうした」
「何か書けそうな気がする」
「いいじゃないか」
 頑張れ、と声をかけてくれるジーコさん。私は胸を張って、はい、と答えられた。
「あ」
 店を出るとき、言いそびれていたことを思い出す。
「今度は何さ」
「そのポロシャツ、あんまり似合ってないですよ」
 その瞬間、ジーコさんは目だけを逸らし、何やらいたずらがばれたような顔をした。

「いいセンスだ」

 彼はそう言って、私を見送った。




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