Re: 光と闇の時空神  9章了 ( No.98 )
日時: 2010/10/20 18:06
名前: 天月 ID:
参照: おーちゃんごめん;

78話 戦前夜 T


―ポケモンリーグの会場は、「ラウマイエ丘」だからね!―


「……ここが、そのラウ何とか丘…」
「で、リーグ会場……」

そう、俺達はリーグが始まる一日前、会場に足を運んだ
意志とかそういうの関係無くて、ただ、足が進んでしまった。緊張なんて、何時ぶりだろう
……いや、そもそも緊張したことないか

俺達以外にも、緊張した面持ちで会場に入っていく人たちが居る
全員が全員、バッチを集めきったわけではなさそうで、あの人たちは予選の予選を勝ち抜かないといけないらしい
4年前、ポケモン協会が定めた、決まりのようだ
俺と兄貴は一応今日までバッチを8個集めたから、普通の予選から明日始まる
会場からは既に歓声が沸きあがっているのは、予選の予選が今日だから、だと思う。正確には今日の昼から。間に合うのか、不安だけれども

会場に入って、選手登録をしてもらうとき、兄貴と俺の合わせて16個のバッチをみて、受付のじょせーは大層驚いた
なんでも、今まで8個集めたのは数えるくらいしか居ないらしい。そんなに強かったっけ、あの人たち
不意に、ユウナはもう来ているのか気になった、まぁ、レイシンで三番目に神聖な場所で、ユウナを呼び捨てにするのは気が引けたけど、聞いてみた

「ユウナ…いえ、優奈様は、もうこちらに来ているのですか?」

呼び捨てにして受付の人が眉間に微かに寄せて、慌てて様付けで言う
そういえば、それであいつ怒ったことあるよな

「はい。優奈様は既にご登録なされています」
「そうですか。ありがとうございます」

感謝の意なんてあんまないけど、向こうも感情込めてないんだから、こっちがわざわざ込めるものでもない、と割り切った
選手の宿舎はあんまりにも豪華で、さすが、リーグ会場と兄貴が言っていた
部屋を探してるとき、見覚えのある赤い髪が目に入る
そっちも俺達に気付いたらしく、こっちに歩み寄ってきた

「………ようやく来たな」
「おー。っていうか、お前も泊まれるんだな」
「優奈様のお目付け役という事で許可してもらった。……後でユウナに蹴られたけど」

シルバーは足じゃなくて腹を蹴られたらしく、蹴られたらしき部分をさすっていた
もし、俺の横に居たら俺もそんな目に遭ってたのだろうか……
そこで会話が止まり、シルバーはあ、と言ってから付け足した

「忠告するけど、勝負時のユウナと、いつもの……可愛いユウナと一緒にするなよ。後悔するから」

可愛い、って言ったよな。小さく言ったよな。絶対言った
それだけ言うと、シルバーは俺達を通り過ぎた

「………って、早く部屋さがさねーと!!」
「そうだな兄貴。……って言っても、ここなんだけど」
「マジで!?」

うん、と頷くと焦った自分がアホだ…と呟きながら兄貴は床にひじと手をつけて、まぁ、落ち込んでいた
……それをスルーして、カードキーで部屋へはいっていく


                 *


―夜

夕飯と風呂を済ませて、俺とユウトはそれぞれで明日の作戦を練っていた
明日になれば、俺達はチャンピオンっつー王座を賭けた、ライバルなのだから
でも、俺達はすぐに作戦なんでくそくらえ、的になって、ごろんと横になった
なぜか、同時に
そして顔を見ないで俺たちは話し始める

「………色々あったよな」
「そうだな。……初めはユウナに逢ったこと」
「次はお前がイレスでブチ切れたこと」
「次はユウナが襲われたこと」
「次は…ソラさんに逢ったこと。あのマイ?にも逢いたいなー」
「ロリコンが。次は…セイナと逢ったこと。元気かな、あいつ」
「うるせーブラコン。あとは……あーもう、色々ありすぎて、ぐちゃぐちゃだ」
「…………あと、イオマンテで兄貴がいつの間にか居なくなったとき、正直、すごい不安になって、サヨが犯人って知ったとき、すごいムカついた」
「あー……、俺は、暗闇でユウトが居なくて、泣きそうになった」


今思い出しても、あの暗闇の恐怖は胸を痛くする。暗闇じゃなくて、闇だなありゃ
そう言ったら、ユウトが急に笑い出して、思わず寝ている身体を起き上がらせる

「ど、どこに笑う要素があった!?」
「いや………兄貴が、泣きそうにな、た、って言って……珍しいな、っておも、たら、笑えてきて……くくっ!」

そう言い、ついにはお腹を抱えて笑い出した。いつも思うけど、こいつのツボっておかしいとおもう
……珍しい、か。そういえば俺は滅多に弱音をはかない。いや、はきたくない
これが「兄」とかいうものなんだろうか、それはわからないけど

ユウトはヒーヒー言いながら息を整えてる。でも、整えきれないまま、言った

「正直ッ……おれも、怖かったけどな……」
「(喋りながら息整えやがった……)まじで?」
「マジ。……そしてさ、俺、兄貴が居ないと、すごい寂しいって気付いたんだ
……おかしいか? 俺は兄貴に依存してるなんて……おかしいよな?」

依存…、最近じゃ病気扱いされてるけど………

「おかしくなんか、ねぇよ。俺だってユウトが居なくて、スゲー寂しかったし、空しかった」
「………そっか。あーなんか疲れた。ってことで寝る」

え、はやっ!?
そうつっこもうとしたら、既に寝息が聞こえる。寝るの早いよ君!!
すっかり脱力した俺は、なんか途端に疲れと睡魔に襲われた


「………寝よう」


王座を賭けた戦いまで、あと何時間。


続く