Re: 光と闇の時空神  75話うp ( No.92 )
日時: 2010/10/16 22:09
名前: 天月 ID:

77話  答


「―――――もう、何も思っていないさ」

優魔の出した答えに、ユウナは泣きそうに、でも笑って言った


「……やっぱり、アナタは私のおじいちゃんだよっ!!!」


そう言ったユウナにレッドは「よくやった」と言うように彼女の頭を撫でた
それを横目で見ながら、ユウトとクウトは優魔のほうへ寄る


「…翡翠から、聞いたんだ。あなたは“邪魔者”と呼ばれていたと」

そのストレートなユウトの言葉に、優魔は辛そうに顔をゆがめる
ソレを見かねたクウトは慌てて付け足す

「あ、あのなっ、俺達は、その……」
「“邪魔者”なんて、存在しないんだよ。…この世にはね、生きちゃいけない命とか、邪魔な人間とかは、いないんだよ。
……どんなにアナタの事を邪魔者って思ってる人が居ても、アナタを必要とする存在は絶対に居るんだよ」

ユウトが優魔に向けた言葉は、自分に言い聞かせているようにも聞こえた
「化物」と呼ばれ、自分の殻に閉じこもったユウト
そんな自分を必要として、救い出してくれたのはほかならぬクウトだった
クウトは自分に言ってくれた

『ユウトが死ぬのは絶対に嫌だ』

と。その言葉で全部救われるような気がした
だから、この人にもきっと必要としてくれる人がいたはずだった
でも、見えなかった。その人は、クウトのように、彼の目の前に立って手を差し伸べなかったから


優魔はその言葉に驚いたが、すぐに顔を俯かせた
その肩は震えていて、泣いてるんだな、と2人は思った

「……我は、とんだバカモノだな」
「そんなことねぇ!! ……アナタはバカモノなんかじゃない。
本当のバカは、アナタを邪魔者と呼んだ人間達だ!
アナタは邪魔者なんかじゃない!!
寧ろ、……生きてて良いんですよ。誰かが居なくて良いなんて、そんなことないんです
……みんなが居て、それが当たり前なんです」

「…そう、だったんだな……
まったく、我は…お前達の様な“本当の強さ”をもつ者を、利用していたなんて……
我は、本当、バカだな」


彼もまた、笑うように、けれど泣きそうに言った

―これは優劣の劣の者が憎しみと、ほんのちょっとの哀しみで生まれた事件
ただ、バカな人間がつけた差別が引き起こした、事件
ただ、それだけのことだった
悪いのは……差別という言葉を生んだ、人間でしかなかった



こうして、この運命のもう1つの物語は幕を閉じた
でも運命はまだ終らない
もう1つ、いや2つ残っている
それを終らして、また次へ、進もうか――――



続く