Re: 光と闇の時空神 74話うp ( No.88 ) |
- 日時: 2010/10/12 20:21
- 名前: 天月 ID:
- 75話 護りたいモノ
―助けてって、私はいつも嘆いてた。 でもその声は届かなくて、ただ闇に消えるだけだった。 逃げたい。でも逃げられない。そんな日々が続いた。 痛い、怖い、憎い。そんな感情ばっかりだった。 いつしか、 笑顔で居ることも、 希望を持つことも、 嬉しさを感じることも、 何もかも、忘れてしまった。
けどね、それを思い出してくれたのはね…… 現在<イマ>も前世<ムカシ>も変わらない 皆だったんだよ――――――。
ねぇ、今度はさ、私の声…届くかな?
*
―私とシルバーが旧家に入ったとたん、私は意識を失っていた そして、次に目を覚ましたとき、思い出した。全てを 前世<マエ>の記憶を
そして、私の前には、あの忌々しいやつがいた でもシルバーは居なかった 心配になったけど、何となく、シルバーは生きてるって確信があった だから私は、あの人と始めて向き合った
「……まずさ、初めに、聞いてもいいかな?」
部屋の空気のせいなのか、私が恐れてるだけなのか 呼吸が浅くて、言葉が途切れ途切れになっちゃってる それでも、私はあの人に聞かないといけない
「どうして……“また”こんなことをするの? 答えてよ――――“宝来《優魔》”」 「……ただの、復讐さ」
静かな部屋に、感情を抑えた静かな声が響く それはまるで…全てに絶望したような、そんな声
「…それに、私達の能力<チカラ>が必要なの?」 「お前のポケモンたちと意志を繋ぐ能力。それさえ我手中に収めれば…」 「ポケモンたちを、操って、復讐ってわけ?」
あの人の言葉を遮って、私は言う あの人は、頷いた
「じゃぁ、双子を利用したのは、なぜ?」 「神崎悠斗。あの時を視る能力は、“これからの世界を見据える”のに役立ち 神崎空斗。あの全てを壊す能力は、“邪魔な存在を消す”のに役立つ もっとも、時空双子が麗神に来なければ…お前だけが対称だったがな。どんな幸運だ」
蔑む様に笑って、あの人は言う もう、私とあの人の間に“祖父と孫娘”なんて関係は存在してない お互いただの“敵”でしかない
「……私でポケモンを操り、悠斗で時を視、空斗で邪魔者を消す ……それらを使い、何に復讐する気?」
「人間だ」
嫌な沈黙の後、あの人は言った “人間”と
「……アナタに、人間に大きな怒りを持ってることは、何となくわかるよ でもさ、それで全ての人間に復讐なんて、大掛かりにも程があるよ」 「我のみの怒りではない。ポケモンたちの怒りも憎しみも込められた上での復讐だ ……優奈。お前にも、あるだろう?」
名を呼ばれたからなのか、図星だったのか 私は次の言葉を発することが出来なかった 怒り……憎しみ。そりゃぁ、ないほうがおかしいよ 偽りの笑顔を向けたあいつ等だって アノ子から愛を奪ったあいつだって アノ子を絶望させた…叔父様だって 私にとっては、怒りの対象
「当たり前……じゃない」 「そうだろう、だから我は、その人間達に…」 「でも、私が嫌いなのは、一部の人間だけだよ 言うなら、1割が嫌いで、9割は… ――――――大好きだよ」
そうだよ。だって、ほんとうに1割だけ、嫌いな人間は 残りは皆、暖かくて優しくて大好きなんだもの
あの時、外へと導いてくれた、お父さん これからも、ずっと、傍に居てくれるはずの、あの人 こんな私に、最後の最後までついてきてくれた、アノ子 そして……こんな、こんな私を“仲間”って呼んでくれて認めてくれた……皆
だから、
「だから、アナタが私の大切な人たちを消すというのなら 私は……私は許さないよ。絶対に」 「ほう……。恐れはしないのか、この我に」
試すような言い方 怖いよ、恐ろしいよ、足が竦みそうだよ でもねそれを振り切ってまで、護らないといけないものがあるの そのためには、命だって惜しくない
「当たり前でしょ。私を誰だと思ってるつもりなの? ――――宝来家次期頭首“宝来優奈”だよ!!」
勝てる見込みは、正直ない でも……大丈夫な気がしてならないんだ
「そうか。なら………こちらへ来い」
大丈夫だよね。私でも、護れるよね? 大事なモノを
続く
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