Re: 光と闇の時空神  コメントは控えてください>< ( No.18 )
日時: 2010/09/07 14:04
名前: 天月 ID:

53話 幻想桜


―“桜の街、カウリンパシティ”
この街の中心には、春夏秋冬問わずに桜の花が咲いている“幻想桜<ゲンソウザクラ>”がある
なんでも、夏の夜に不思議なことが起こるというのだ

「幻想の桜って……ファンタジーじゃないのk「だっ、黙ってシルバー!!」

急に、ユウナは慌ててシルバーの口に手を当てる
そして、周りをキョロキョロと見て安全を確認してから手を離す
窒息寸前だったのか、シルバーはげほげほと咽ていた

「……一体、どうした」
「ここでんなこと言ったらリンチにされる。って意味よ!
この街の人たちは幻想桜を神みたいに崇めてる
つまりバカにしたら罵声を浴びる所じゃないのよ
………たとえ私でもね」

リンチは言いすぎだと思うが、マジのようなのでシルバーは無言でうなずいた
最後の言葉からしてあの桜をバカにしたら本気で殺されるらしい
それで均衡が崩れても自業自得なのだろうけど


「……さ、怪しまれないようにあの桜に願掛けしてきましょ」
「願掛け?……桜にか?」
「そうよ。結構評判あるけど、宝来神社の方が御利益あるけどね」
「宝来神社……ってユウナの?」
「そ。毎年8月6日には御祭やってるらしいのよ
まぁちゃちゃっと願い事、祈ろのっか」


そう言って、ユウナは桜の場所(街の中心)へと向かった
シルバーもそれに着いて行く
桜の元へ来ると、そこは結構な人で集まっていた
ユウナとシルバーは人込を抜け、両手を合わせて願掛けをした
2人が何を願ったのかは、教えないでおく


            *



「そーいや、ここにはジムがあるんだよねー
久しぶりの“賭け無し”バトルが楽しめるよ」
「………だな。そういえば、ルナはまだバトルは出来ないのか?」
「……うん。だから今回はお休み。……まぁ、草相手だからこの子使えるんだけどね」

にやり、とユウナは笑う
シルバーは「まさか……アイツか」と呟いた
多分その予想は間違っては居ないだろう


「今回はホープの出番だよ♪」
『えっ………』
(やっぱり………)


続く

54話 草風静葉


「たーのーもーっ!!」
(道場破りじゃない、挑戦だから)

バァン!とユウナはジムのドアを開けて道場破り染みた台詞を言った
そこには、薄い青色の生地に桜の模様の着物をきた少女が居た
ユウナは何処と無くエリカっぽいな、と思った


「ようこそ、我ジムへ……優奈さん」
「……よく判りましたね。静葉さん」
「えぇ。私、そういう部分は鋭いですから」

と、シズハは扇子を口元にあてて笑った
この仕草からして大和なんとかだな。とシルバーは思ったらしい

      〜参照の曲を聴こう!〜

「流石ですね。…では早速バトル、しましょうか」
「えぇ。………覚悟しなさい」

パァン、とシズハは扇子を閉じ、ボールを手に持った
それと同時に、ユウナもボールを持つ


「では審判。お願いします」
「はい。…ジムリーダーシズハ対チャレンジャーユウナによる公式試合を始めます!
内容は4匹によるダブルバトル、どちらか3匹が先頭不能になった時点で勝負は終了にします
では……Ready fight!!」


「キレイハナ、モンジャラ!」
「ホープ、ミスト!!」

シズハはキレイハナとモンジャラ
ユウナはホープ(キュウコン)とミスト(ジュゴン)を出した
今の時点ではユウナのほうが有利だが……


「ホープ“怪しい光”、ミスト“神秘の守り”!」

ホープはモンジャラを混乱させ、ミストは自分とホープを状態異常にさせなくした

(…モンジャラに“あれ”があると踏んだのですか。…やられましたね
それに、毒などの状態異常にもしばらくなってもらえない……うわさどおりですね。カントーチャンピオンに最も近い少女、というのは)

「ホープ、キレイハナに“鬼火”、ミストは“アクアリング”」
「くっ、キレイハナ“ギガドレイン”モンジャラは“根を張る”!!」

キレイハナはホープの鬼火で火傷状態に
ミストは、キレイハナのギガドレインをうける
水・氷の彼にとっては効果抜群だった
だがアクアリングの効果で少しずつ回復していった
モンジャラは混乱をしているにも関わらず、根を張ることが出来た

(…んー…まずはキレイハナを倒そうかな
火傷でダメージ減る毎にミスとが犠牲になるだろうし
……ホープ、いくよ)
《えぇ。任せてください》

ユウナはホープを見ると、ホープはうなずいた

「ホープ、“火炎車”!」
「モンジャラ“原始のの力”!!!」

ホープが火傷で動けないキレイハナに止めをさそうとした時、混乱が解けてしまったモンジャラの原始の力がホープに直撃する
炎タイプのホープにこの一撃は効果抜群だ
同時に、岩で身体を纏っていた炎も消えてしまった

「ホープ!」
『だい、じょうぶですよ…。私はコレくらいで、倒れません』
「……ホープ、戻って」
『!? 大丈夫ですよ!ユウナ!! 私は……』
「…無理しなくて良いから、これ以上私は私の家族をボロボロにしたくないだけだから。…戻って」

まだ大丈夫、と言っていたが効果抜群の技を受けて平気なものは殆どいない
そしてルナの経験からユウナはすぐさまホープを戻した
そして次にだしたのは……

「ミチル、お願い」

ミチル(チルタリス)だ。飛行タイプのためやはり岩タイプの技は効果抜群だが要はあのモンジャラさえ倒せば問題ないのだ
とユウナは思っていた


(さぁーって、喰いかかりましょうか)

続く

55話 笑顔で鬼畜な    〜参照の曲を聴こう!〜


「ミスト“眠る”。ミチルは“大文字”」


とりあえず、ミストは眠らせて回復させる
そしてあの厄介な“原始の力”をさせないために、あのモンジャラを倒す
まだ神秘の守りの効果は続いてるから…勝てる
まだ2匹いるけど、この子たちならきっと…

ミチルの大文字は命中して、モンジャラは倒れた
そしていいタイミングでミストも起きる
ミストは“吹雪”でキレイハナを攻撃し、キレイハナは倒れた



「……さすがですね」
「そんなんでもないですよ。さっきの原始の力は結構焦りましたし」
「随分とポーカーフェイスなんですね
……しかし、次はそうは行きませんよ?」


シズハは自身ありげに笑って言い、次の2匹を出した
ロズレイドとナッシーだ
草・毒のロズレイド、草・念のナッシー……

(ルナが居ればナッシーは簡単なんだけどなぁ……。まぁ、とりあえず)

「ミスト、もう一回“神秘の守り”。ミチルは“雨乞い”」

ミチルの雨乞いで、フィールドには雨が降る
恐らく、ソーラービームの考慮だろう
そして催眠術などの技を避けるため、もう一度神秘の守りをした


「……ロズレイド、“日本晴れ”。ナッシーは“ソーラービーム”」
「なっ!?」

雨が降ったフィールドは瞬く間に晴天になり、ミスとはソーラービームを受けて倒れてしまった
ユウナは、「ごめん」と呟きながらミストをボールに戻し、すぐに次の手持ちを出した

「頼んだよ、アース!」
『オッケー!』


ユウナが出したのはアース(ハクリュー)だ
レベルはとっくにカイリューに達しているが、ユウナはハクリューのままにしていた


「ミチル“驚かす”!アースは“火炎放射”!」


ミチルはナッシーを驚かし、アースはロズレイドに日本晴れで威力を増した火炎放射で倒した
これでユウナはシズハのポケモンを3対倒したので、勝負は終了となった

「よって、勝者チャレンジャーのユウナ!」
「やったぁ!!」

わーい!とミチルとアースとじゃれ合いながら勝利を喜んでいると、シズハがバッチをもってやってきた

「おめでとうございます、見事でした」
「そんなことないですよー。さっきの日本晴れからソーラービームは読めませんでしたし」
「ふふふ、……では、あなたにリーフバッチを授けます」
「ありがとうございます!」


ユウナは、シズハから草を模したリーフバッチを受け取った
そして、2匹をボールに戻し、帰ろうとしたとき、シズハが「あ、」と呟いた


「あの、お二人さん、丁度良い時間なので……良いもの魅せてあげますよ」

ふふっ、と優しげにシズハは笑って二人を案内する
ユウナは感づいているようだがシルバーは首をかしげながらシズハに着いていった


            *



シズハに案内されてやってきたのは、幻想桜の植えてある街の中心
気付けばもう夜でシルバーはやっとこの桜のジンクスを思い出した


“夏の夜には、不思議なことが起こる”と


その不思議なことはもう始まっていて、桜は灯りもないのに、淡く輝いていて
その名の通り、幻想的な桜になっていた


「きれー………。っていうか、これが不思議なこと何ですか?」
「いいえ。不思議なことは人それぞれです」
「「人それぞれ………?」」
「えぇ。……ほら、始まりましたよ」

え?と思いながら二人は桜を見る
桜は一瞬だけパッ、と輝いた


その時、ユウナは幼い頃に学んだことを思い出す
“幻想桜はその人が逢いたがっている人を見ることができる”………と


そして、ユウナの前には……


続く

56話 オカアサン   ユウナ視点


私の目の前に現れたのは………
私がそのまま大人になったような姿で…
でも髪が赤く、瞳は銀色で………
まるでシルバーのお姉さんみたいな人……
でも私はこの人を知っている。写真でしか見たことなくって
優しい人だったって言ってて
自分の生き写しだと、言ってた……
そうだ、この人は………


「お母さん……」
『そうよ。逢えて嬉しいわ』

お母さんは優しく笑って、私の事を抱きしめた
なんで触れるんだろう、っていう疑問はおいておいて
私はただ純粋に嬉しかった
逢った事もない母親に始めて逢えたのだから


「大きくなったわね……、ユウナ」
「な……なに?」

私がぎこちなく顔を上げると、お母さんは笑って

「お母さんは、あなたをずっと見守っていたのよ
そして、今日やっとあなたに逢えた
……こうしてられるのも今だけだろうから、お母さんと約束してくれる?」
「……うん。何を?」



「絶対に、死んだらだめよ。あなたが死ぬことで哀しむ人はたくさんいる
もちろん、私も。特に……優李さんとレッド君は」
「……うん、判った。寿命以外では死なないよ!」
「良い子ね。………それじゃぁね。私はユウナに見えなくても、いつでも見守ってるからね」


そう言って、お母さんは消えていった
それと同時に、桜からも淡い光は消えて、普通の桜に戻った


「うん。………ありがとう、お母さん」


          *





「ふーん……奈々さんに、な」
「うん!やっと逢えたんだよ! シルバーは誰だった?」
「……………一瞬しか見えなかったけど多分、生きてる奴には一瞬しか見えないんだろうな」
「だから、誰なの?」


ぐいっ、とユウナはシルバーに顔を近づけて問う
シルバーは一瞬動揺したが、すぐ明後日の方向を向いて小さく呟いた


「……………母さん」
「へぇーシルバーはブルーさんじゃなくって奈美さんを、ねぇ………」
「なっ、悪いか!」
「そんなことないよ。やっぱり、お母さんは大切だもんね!」


にこっ、とユウナは笑いながら言い、シルバーはあぁ。と少しだけ笑いながらうなずいた



「………お母さんね、ずっと見守っててくれたんだって」
「へぇ。奈々さん、良い人だな」
「うん! それからね、私お母さんと約束したの!」
「約束?」

と、言いながらシルバーはちゃんとユウナに向き合った



「“絶対、死なない”って約束!」



続く

57話 ばったりはったり


『ねールリアー、私あの双子と戦いたいー!』
「我慢しなさい。私だって我慢してるんだから」
『えー! かれこれ5日待ってるからもう我慢できないー!!
それに結だってもうレッド?にばれてるんだし、こそこそする必要ないって! ね!?』


ルリアは今にも双子の居るほうで飛び出していきそうなスノウを抑えながら、スノウと話していた
結…ユイナは確かにちょっと前にレッドという人につけていたことをばれている
そのこともあって、スノウは必死にルリアに抗議していたのであった


「……まったく……」
『スキありぃ!!』

ルリアが溜息をついて力を抜いたそのスキに、スノウは隠れていた草むらから抜け出してしまった
ルリアがヤバイ、と思ったのは言うまでもない


          *



双子は昼食を取った後、バトルの特訓を始めた
詩亜にアノ事を言われてから2人はいつ敵が来ても困らないように、とバトルの特訓をしていたのだった


その時、草むらからグレイシアが飛び出してきた
普通、野生のグレイシアは雪山に居るはずなので、こんな草むらには居ないはずだ
だが、居た

双子は自分の手持ち以外とは会話できないので
ユウトは同種族であるグレイ(グレイシア)を出した

「……グレイ、ちょっと交渉してきて」
『りょーかい』

グレイはそのグレイシア(スノウ)の元へ行き、話しをした
そして話が終ったらしく、ユウトに話の内容を伝えた


「……つまり、俺たちのストーカーのグレイシアって事?」
『まぁ…平たく言うと』
「ふーん………なぁ、スノウ…だっけ? お前のご主人、呼んでくれる?」

ユウトがそう言うと、スノウはうなずき、また草むらに入っていった
……草むらから出たのは、ストーカーとは程遠い自分たちと同じくらいの少女だった
栗色の髪に、空色の瞳……。まぁ例えるなら美少女だ


「……お前が、俺たちをすとーk「ストーカーなんかじゃないっ!」……じゃぁ、何」

クウトは明らかに機嫌の悪いユウトと少女を交互に見てハラハラした
まさか、あの時(ユウナと始めてあったとき)みたいな口げんかにならないか…と
だが少女はけんかを買わず、冷静に話し始めた


「私はルリア、天歌留梨亜です。……一応、聖人の一人でもありますが、神ではなく天使の生まれ変わり、と言われてます
……今回は、貴方たち時空双子を見張っていてほしい、とおと…神父様からの命令の元、貴方たちを出来るだけ危険な目に逢さぬよう、見張っておりました。
………ってこと。断じてストーカーじゃないわ」


先ほどの威圧感溢れる敬語口調はどこへやら
大体の話を終えるとルリアはとたんに“普通の少女”の喋り方になった
ユウトは納得したらしく、ごめん。と謝った
クウトはけんかにならずに済んだ。と胸をなでおろすが、次の発言により、驚くことになる


「私と、バトルしてくれない?」
「……なんで急に」
「いや、あのね、スノウが前からやりたいって言ってて……」
「お前はやりたくないなら「いや、私もやりたいんだって。あなたのおにーさんのバトルみてn「おにーさんって気安く言わないでくれるかな」
「……じゃぁ、クウトさんのバトルを見て、私も戦闘意欲がわいたのよ」

バチバチ、と火花のはじける音が聞こえそうなほど睨み合ってる2人
どうやら、馬が合わない様子だ
はぁ、とクウトが頭を抱えながら溜息をつく。この時はクウトが2人よりも大人に見えた


「……ふーん。ね、兄貴、どうする?」
「っつか……お前ら仲悪すぎ……
……俺はまぁいいけど?」
「ありがとう。………2対1のダブルバトルで良いわよね?」
「あぁ。……でも、大丈夫か?」
「えぇ、………自信は、あるからね♪」



……さてはて、(一応)神サマと天使の戦いが始まりましたとさ

続く

58話 仲違い  +クウト視点+


まぁ、なんだかんだで勝負をする事になった
……バトルは良いんだ。むしろやりたかったし
俺が気になるのはもっとほかの事


「とか言って、負けたら悔しがるんでしょ?」
「それはそっちでしょ!へタレ!」
「…………へタレ?」

お前らなんでそんなに仲悪いの
そう、(何故か)ユウトとルリアは仲が悪い。初対面でこんなに陰険になるもんなのか。ちょっとびっくり
…………あ、でも遠くからみたらただのケンカしてるカップルに見えなくもない
って思ってたら、2人がコッチ向いて思いっきり睨んできた
心詠まれた……? いや、ユウトならありえるかもしれないけど(双子はそういうのあるらしいし)
ルリアは、なんで


「私、人やポケモンの心を詠む能力があるんで」
「へー、そうなの」
「………っていうか、早く始めましょう?日が暮れちゃうわ」
「一体誰の所為で日が暮れるんでしょうねー」
「あーったく、ユウトも一回やめろ。決着ならバトルで決めれば良いじゃん」
「………わかった」

そう言って、ユウトはとりあえず落ち着いてボールを手に取った
……あ、この人鬼畜なの忘れてた。ドSだった


「んじゃ、始めましょっか。スノウ、シント」

ルリアはさっきのグレイシアとルカリオを出した
シント…神道?
そして、ユウトはウィン(ウィンディ)を出した
……めっちゃ不利じゃん、ルリア
んで俺はゲン(ゲンガー)をだした
……そいや、こいつ久々に出した気がする


「ルリアの方からで良いぞ」
「そりゃどうも。……スノウ“シャドーボール”!シントは“龍の波動”!」
「ウィン、“火炎車”で避けながら攻撃」
「……。ゲン“守る”」

俺のゲンにシャドーボールは効果抜群だしな
んで、ウィンは火炎車で避けてルカリオに攻撃した
………倒れなかったけど。倒れなかったからって舌打ちはしない

「ウィン……“火炎放射”」
「ゲン“気合球”!」
「スノウ“穴を掘る”、シントは“見切り”!」


スノウは穴を掘り、シントは見切りで攻撃を防いだ
しかもスノウは地底にいるのでどこから出てくるのかは判らない
………“普通の人間なら”な。あいつは“絶対に”判るんだけど
ボコッ、と地面に亀裂が入る
そしてユウトは“まるで初めから判っていた”ようにニヤリと笑って指示をする


「ウィン、飛んで“火炎放射”」

ウィンは強靭な後ろ足で飛び、地面から出てきたスノウに火炎放射を浴びせた
至近距離で効果抜群の技を浴びたため、戦闘不能になった


「……俺相手に、穴を掘るは“無駄”だよ?」

ユウトは無駄。を思いっきり強調して言う
そりゃそうだ。アイツは未来が視れる。つまり穴を掘って地面に潜っても
未来を視て“どこから出てくるか判る”のだから
……まぁ、ずるいっちゃずるいんだけど、精神集中すれば普通の人間<ヤツ>にも出来ないわけでもないし


「あっちゃぁー……心詠で詠もうとしたけど、やるの忘れちゃった」
「…真正のバカだな「何!?」…ウィン、“大文字”」
(うわ、ずるい)

ユウトはルリアの言葉を無視して、ルカリオをノックアウトにした
……俺、何もやっていない気がする


           *


「自信ある。とか言って何も出来なかったな」
「うるさい!っていうか、炎タイプ出すとかずるいわよ!!」
「ふん、勝つためにはあらゆる戦法を使うんだぜ?」

勝負が終ってからも、2人は一向に口げんかをやめなかった
……いい加減うるせぇ
その時、遠くから羽音が聞こえ、頭上を見ると、トゲキッスが俺たちの居る空を旋回していた
……ルリアの手持ちだろうか?
にしても、シンオウにいるポケモンが多いな……
シンオウ出身とか?まぁ、確かどっかに教会あった気がするけど……


「あっ、ホーリー! どうだった?」
「キュイ、キュイ!!」
「そっかぁ、やっぱ“神父さん<オトウサン>”は優しいね!」
「………お父さん?」


ユウトがそう聞くと、ルリアは笑って…でも少し寂しそうに言った


「私ね、小さい頃にお父さんとお母さんが死んじゃって神父さんに引き取られたの
だから、私にとってはお父さんの様な人なの
……もう1人、居るんだけどね」


そう言って、ルリアはトゲキッスをボールに戻した
……ユウトが、ユウトの瞳から光が消えたのは一瞬だったけど、俺にははっきりと判った

「………そうか、所謂、孤児なんだな、お前」
「そうよ。悪い? ………なぁに、アンタも孤児“だった”とか?」

………昔から、この空気は嫌いだ
ただ、ただ、風が俺たちの髪を揺らしてて
何も音を発さず、俺たちは黙っていた


「〜〜〜ッ!!! も、もういいだろ!?
……この話は、もうお終いだ」
「……判った」
「えぇ、……それじゃぁ、……私はまだ貴方たちを見張ります
貴方たちを出来るだけ危険から身を遠ざけれるように」
「ああ。……ありがとな」


そして、ルリアは帰っていった
………俺たちも帰ろうとした、でも



「――――俺は、孤児だよ」
「あぁ、知ってる。“孤児だった”だけどな」
「うん。でも、兄貴は居た」
「あぁ、そうだな。“幽霊として”だけどな」
「うん。兄貴、死んでた」
「あぁ、死んだな。“お前を庇って”だけどな」


淡々と、俺たちは話していた
俺は生きてる、でも死んだ。霊として傍に居た
ユウトの顔は見えない。けど

きっと、無表情で、瞳に光が入っていないんだろう
でも、これはたまにあることで、特に意味は……あるけど、ない


「………。そんじゃ、帰るか」
「…………あぁ」



続く