87話 空の意 ( No.160 )
日時: 2010/12/30 19:36
名前: 天月 ID:KSo1Lqb2
参照: 兄貴の本気。ヘタレの本気(ぇ


   ―その拳あらば、世界の総て、神おも滅することが出来るであろう―
そのチカラ、汝の意思(おもい)おも滅せれるのだろうか…

彼はそのチカラを、悪に用いたことは一度とて無い
正に用いたことも、ない
正にも悪にも、容易に転じることの出来るそのチカラ
人も、神おも、殺めることのできるそのチカラは、彼に永久(とわ)に纏わりつくであろう
たとえ、彼が死を迎えたとしても――――


(…まぁ、もう、“アイツ”を置いて逝くなんて、しないけど)

かつて、大事な命を護るため、命を捨てた“前”の彼は
“今”、生きて、生きて、その大事な命を護ると、誓っている

(もう、泣かせないために)
でも、これは勝負だから、贔屓なんてする真似はしない。


クライはもつだろうか。クウトはそれだけが気がかりだった。
戻そうか、という選択肢はあった。けれど……

『俺は戻る気なんてありません。倒れても、最後まで戦います』
(なんていうから……戻せないんだよなぁ)

情に弱い彼は、クライの強い意志に折れてしまったのだ。断じてクウトが非情な人間、というわけではない
生憎今の天気は雨。……雨?
はっ、として、クウトは閃いた

「クライ…“雷”。とりあえず…撃ち続けろ!!!」

指示に従ってクライは雨雲からイカヅチを落とし続けた
外されたイカヅチは地面に吸収されていく

(飽和水蒸気。もちろん、地面にだって電気を吸収できる量は限界がある。電気は水のように土を流れることは難しい。
それに、数撃ったら一発は当たるだろ!!)

最後の策略の通り、クライの撃ち続けたイカヅチの一発がレイドの脳天を撃った
クウトは手をグーにして小さくガッツポーズをした
そして大声で続ける

「クライ“雷のキバ”!!!!」

クライは、麻痺しているレイドの元へ一直線で向かい、首あたりにガブリと噛み付いた。電気と共に
レイドの身体の内側、外側に電気が流れ、外側が焦げていく
首をつかまれているせいで上手く動けず、文字通り「されるがまま」攻撃を受けた

「レイド! ……ッ」

ユウトとて、冷たく非情な人間ではない。立っているだけで限界のレイドに指示をするのはどうなんだ。とうろたえていた

形勢逆転。
今の2人の状況を当てはめるなら正にその言葉であった


「……兄貴をなめちゃ、いけねぇよ」
「…………なめてなんか居ないよ。さすが、父さんを目指しただけあるね」


         ((負けるなんて、俺のプライドが許せない))


続く