Re: 光と闇の時空神  80&81話うp ( No.127 )
日時: 2010/10/27 23:19
名前: 天月 ID:
参照: 昔の俺の、不思議な話

番外編 優しさという名の笑み


―物心ついたときから、いつも目に見るのは……


「…おは、よう…おかあさん、おとうさん…」

あぁ、いつからだろう。ただの挨拶に怯えるようになったのは
恐れるように、尋ねるように、なってしまったのは

案の定。いや、もう、この頃は日常と化してしまっているかもしれない
無視だ。まるで、目にも入ってないくらいに、存在すら許してくれないかの如く
無視されているのだから、朝食なんて作ってくれない
自炊だ。自分で作る。この歳では…簡単な料理くらいは作れていた
第三者から視れば「出来のいい子」だが真実は、そう甘くない
だからといって、こんな「料理の出来る男」にさせた2人を恨むような気持ちは……とうの昔になくなった
たった1人の少女の家庭事情によって


外に出ても、何かが怖くて、同じ歳の子と遊ぶことはなかった
あの時の唯一の友達は…まだ小さい、ニョロモだった
あと、故郷のポケモンたちだろうか。…今思うと、これのせいで俺は天狗だったのかもしれない
自分の実力を、自負していたのかもしれない
周りの人間になんて、興味なかったから


そんなときだ、人間に興味が皆無の俺に、見た事もない、優しい笑みをくれたのは
今では命より大事な少女を連想させる、笑顔だった


「……なに?」
「ううん。きみ、いつもその子と遊んでるから」
「だって、ニョロモはおれの友達だもん」

そういうと、ニョロモは足に擦り寄ってきた。このときから懐いてた、この子は
その人は、笑っていた

「かわいそう、なんて、おもわなくていいから」
「思ってないわ。……興味、ないんでしょう?」

“何に”なんて聞かずともわかっている
この人は、俺の態度――一度も目を合わせていなかったり――で、わかったようだ。優しい光を称えた銀の瞳は、その色に相応しく、目敏い


「だって…だれも、やさしくなんてしてくれない」
「うん」
「ためしたことないけど、きっとそうにきまってる」
「うん」
「だって…だって、おかあさんと、おとうさんだもん。もう、わかっちゃったんだよ」
「うん」

その人は、ただただ、聞いてくれた
受け流しているように見えるけど、ちゃんと、その言葉を理解しながら頷いていた
今の俺のように
自分の心の闇に嘆く、だが涙は流さない少女の言葉を、聞く様に
その頃からか、自分とあの少女が、昔の自分を重なるのは

そして、話を聞いたらきっと――いや、絶対に
俺とこの人は、こうするだろう
包容するように、だきしめるんだ


「な、に……」
「大丈夫よ。もう大丈夫。私が、あなたの味方になるからね」
「み、かた…?」
「そうよ。…あぁ、あとこの子も」

そういうと、その人は一旦腕を放し、自分のおなかを指差す
そのおなかは、少し…いやかなり、大きくなっていた
そのときの俺は意味が判らなかったから、首を傾げると、そのひとはやんわりと言った


「私のね、赤ちゃんなの。もう少しで生まれるのよ」
「あかちゃん……」
「そう。この子と同じで…あなたも、こうやって大きくなるのよ」
「………。」

あんな自分の存在を無視する女から産まれた、と今らためて思うと…少しだけ、恨んだ
触ってみる?と促すその人の言葉に乗り、小さな俺の手が、大きな、お腹に触れた
優しい暖かさが伝わる。まるで…春の日差しのようだ
きっと春生まれだろう、とその人も言っていたっけ

空が薄暗くなりかけたころ、その人は俺の家へ送ってくれた
正直、帰りたくなかったけど
あの有無を言わせない…昔の俺にとっては微妙に怖い笑顔で言われたのだから、仕方ない

家の前で、その人とわかれる

「それじゃあね。…えっと」
「……レッドです。ありがとう、ございました」
「ううん、こっちも、ありがとう。レッド君」

最後に笑って、手を振った。その人が帰るとき、強い風が吹いて、目を閉じる
……次に目を開けたとき、もうその人は居なくなっていた
夢?……でも、あの、分け隔てなく優しさを配るあの笑顔は、夢じゃないと信じたい


―そして、その人の面影に、少しだけ影がついた少女と出会うのは、その7年後であった





――――――
はい。レッドさんの過去捏造しすぎですよね(
その次の日に家に誰も居なかったのはまた別の話←
6歳です。6歳で料理って……出来てしまった子だ(ぁ
「少女」は言わずも彼の嫁です。自重しませんよ。
そして、「その人」は…「少女」のお母さんです
でも既に亡き人です。そりゃそうですよね((
ちょっと神サマに頼んで、故郷に帰ってきたとき、たまたま……的な
身ごもってるのは…あれかな、未練?((
レッドさんはそれを今でもだいたい覚えてて(翌日のショックは少なかった)
11歳のとき、挫けなかったのはその人の支えがあったから、とか……
今の自分があるのは、少なくともその人の出逢い、とか……
ごめんなさい。原作ブレイカーです。