新たな仲間、街 ( No.34 ) |
- 日時: 2010/11/21 11:06
- 名前: あずらび◆2UZxO8bG3w ID:EnvV7ZNc
- クウ達はたくさんの木の実とラルトスを抱えて、ラルトスの仲間がいる洞窟に戻って行った。やっぱりポケモン達は弱っていて、息を切らしているものもいた。
アリスはポケモン達にたくさんの木の実を分け与えている間に、クウは弱っていたライトとラルトスに木の実を分け与えていると、2匹とも目が覚めた。
「気がついたー? もう大丈夫だよー、ポケモン達も元気になってるし!」 『あ……りがとう、』
んー? と、クウは頭と耳を触る。また、幻聴が聞こえた。またラルトスに話しかけると、普通に鳴き声を発しているだけ。でも、さっきのは何かが違った。 ライトの時もそうだった。その時だけ、口が普通の言葉を発しているみたいで、はっきりと喋っているのがわかった。……しかし、また戻る、ということは、やっぱり幻聴かもしれない。
『ラルゥ?』 「あ、うん、なんでもないよー、大丈夫!」 「クウちゃん、みんなに木の実与えて、みんな元気になったよ!!」
大丈夫、そう自分に言い聞かせている間に、アリスはポケモン達に木の実を与えさせていた。クウ達のここでの目的は果たした。ラルトスと、その仲間達はみんな元気になった。クウ達はラルトス達にバイバイをして、旅を再開した。 その頃、クウはラルトスをゲットすることをすっかりと忘れていた。一方ラルトスは、じっとクウを目で追い、そして気がつけば自分の足でクウを追いかけていた。クウは突然ラルトスがきたものだから、驚いていた。
「どうしたの? 何か……伝えたいことがあるの?」 『ラル! ラルル!!』 「……??」
幻聴は聞こえない。でも、ラルトスは何か重要なことなのか、必死でクウに伝えようとしている。するとアリスはクスリ、と笑った。
「一緒に行きたいんじゃ、ないかな」 「一緒に? つまり、私と旅したいってことなの?」
アリスにはラルトスの言いたいことがわかったらしく、ラルトスは必至に頷いている。そこでクウはラルトスをゲットしようとしていたのを思い出した。しかし、ラルトスには仲間達がいる。 ラルトスは仲間達に手を指してみると、仲間達もうんうんと頷いている。ラルトスに、「行っても良いよ」と言っているのだろう。 アリスが思うに、何度もラルトスを守ったり、自分の仲間達の命を救って元気にしてくれた。ラルトスはそんな優しいクウをトレーナーとして選びたいと考えていた、と考えた。
「いいの? あたしなんかで……」 『ラル!』
クウは、ひとつモンスターボールを出した。ラルトスに“ハート”という名前をつけ、モンスターボールに収めた。初めての捕獲だ。 ハートという名前に込められた意味。ふたつの意味があり、ひとつはラルトスは人間の感情をキャッチ出来る。感情、つまり気持ち、気持ちは心、ハート……ということだ。 もうひとつは、ラルトスの感情をキャッチする赤い角が、図鑑と少々違っているのに気がついた。その角の形が、見事にハートの形となっている。ある意味珍しい形なのかもしれない。 ラルトスを収めたボールを、クウは嬉しそうに笑いながら見つめていた。連れて歩いていたライトも新しい仲間ができてとても嬉しそうにしている。
「新しい仲間ができてよかったね、クウちゃん!」 「ありがとうアリス。それに貴方が来てなかったら私も色々困ったことになってたかもしれないし……」 「いいよいいよ。でも、起きたらクウちゃんがいないんだもん。心配したよー」
そういえば、とクウは朝のことを思い出す。今は丁度正午。朝から面倒なことに巻き込まれたんだなーと思いつつ、少し木の下で休憩をした。 ポケモン達を全員出し、顔合わせ。ハートも、そしてもう一度ピカチュウとも顔合わせをすると、ハートもピカチュウも友好的でみんな仲がいい。 ……が、ロコンはなぜかピカチュウだけを気に食わない様子だった。そしてクウとアリスはそれに気付かず。 クウはバッグから地図を取り出し、マップを確認する。大体今の場所はネイントの木の実畑。プラントシティは、この先を歩いて行くと大体10分でつく。走ればすぐにつくだろう。
「よし! 走るよアリス!!」 「えー!? たった今休憩したばかりだよー!?」 「でもっこの先にはジムがあるの! 早くジムリーダーに挑戦したいの! ね!!」 「うーん……」
クウはライトとハートをボールにしまい、バッグを肩にかけ、地図を持ったままプラントシティに向かって走った。アリスもロコンとピカチュウを慌ててボールにしまうと、リュックを背負って、クウを追いかけるように走って行った。
「おー走ってる走ってる……元気だねー」
一方、あの御方はというと、木の上に座ってクウとアリスの様子を楽しそうに見ていた。少しばかり前、“ルイス”という人物ににクウ達の様子を見てポケギアに連絡を入れたあの方だ。 透き通る声、すらっとした体、少し大人しげな感情。……でも、どこか幼い部分を持ち合わせていて。……あえて彼女の名前は出さないでおこう。 彼女は、ポケギアを出した。そして、ルイスに電話をかけた。あちらも、まるで待っていたかのように、一瞬にして連絡が繋がった。
「早いのね、ルイス」 ≪今ね、丁度貴方に連絡しようと思ったの。貴方が話していた男の子……ヒナタくんだっけ? さっきジム戦したんだけど、負けちゃって――……≫ 「へー、あの子なかなか強いのね。……そうそう、あの二人……クウとアリスはもうすぐプラントシティに着くころよ」 ≪あちゃー……今日はジム戦終わらせようと思ったんだけどなぁ……。ま、とりあえずポケモンセンターで回復させてから戦いに挑もうっと≫
彼女はふっと笑みをこぼすと、じゃあね、そう言ってポケギアを切った。 そして彼女は木から降りる。彼女のそばにいたポケモンも降りてきて彼女の肩に乗ってくる。
「いこうか、“カチュ”」
「じ、ジムリーダーが……い、いない!?」 「ええ、先ほど挑戦者が来てジム戦を終わらせたばかりで、今はポケモンセンターに……」 「ちょ……挑戦者?」
どうやらジムサポートの人によると、つい先ほどジムリーダーは挑戦者に戦いを挑まれて、今はポケモンセンターの回復に行っているということだ。今まで走ってきてきた疲れがどっと今になって出てきて、肩が重くなる。汗はたくさん出ていて、息も切らしていて、しかもさっきの休憩で何も食べてなく、お腹がとても空いている。
「あ、あの! 今挑戦を頼んだら、う、受けてくれますでしょうか……?」 「ええ。今は大体12時だから……3時辺りには受けてくれると思います」
サポートの人はニッコリ笑うと、クウとアリスは軽く頭を下げると、「ありがとうございます」と言ってジムから出て行った。やっと落ち着いてくれる……そう思ったアリスだったが、クウはまた走りだそうとしていた。行く場所はひとつ、ポケモンセンターだ。 ……が、クウはジムリーダーがどんな人か知らない。そんなことを知らず、ただポケモンセンターに走ろうとしていたのだ。
「ちょっ……クウちゃん! ジムリーダーが誰かわか……っ」
アリスがクウを止めようとしたときにはクウは既にポケモンセンターに向かって走って行ってしまった。姿はもう見えていない。 小さくアリスはため息をつくと、改めて自分がクウに振り回されていることを感じると、歩一度ジムに戻り、サポートの人にどんな人かを聞いた。まったく、面倒な“人間”だ。 でも、振り回されながらも、やっぱり大切な人なんだなぁ、とアリスは呟いて、その後、ゆっくりクウを追いかけて行った。
ものすごい勢いでクウはポケモンセンターに突入した。ざわざわしていたセンター内は一瞬静まったが、また少しずつざわめきが戻って行った。 クウは全力で走ってきて、息を切らして汗を流すほどとなっている、あまりのクウの慌てように驚いて、受付近くにいたジョーイさんがクウに話しかけた。
「どうかしましたか?」 「えっと……こ、ここに、この街のジムリーダーさんが来てるっ……て」 「ああ、ルイスさんのことですね、それなら先ほどポケモンを預かったあと、ポケモンセンターを出て行きましたが――そんなに遠くには行ってないと思いますよ」
クウはありがとうございますとお辞儀して、センターを出て行ていこうと自動ドアに近づくと、たまたま同じタイミングで人が入ってきた。その人は女性で、緑色の髪に、青い瞳。長いもみあげに後ろはショートカット、小さな花がついたピンで前髪をとめている。 綺麗な人だなー、とボーっとしていると、その女の人からくす、と笑われて、クウはずっと見続けていたことをはっと思いだす。そしてちょっと恥ずかしくなった。
「す、すみません……!」 「大丈夫だよ♪ ……あ、すみませーん」
女の人はその綺麗で透き通る声で一言だけ言うと、ポケモンセンターのジョーイさんのもとへ行った。クウはジムリーダー探しに再びポケモンセンターから出た。 今度はゆっくり探そう、と辺りをキョロキョロと見回していたが、あっ……と、クウは大事なことをすっかり忘れていた。
「ジムリーダー、どんな人だろ……?」
クウが今知ってるのは名前だけだ。容姿までちゃんと聞けばよかった、と、一度ジムに戻って聞いてみようとした。ただ、その手間はどうやら省けたらしい。 クウがたまたまジムに戻ろうとした途中、アリスが来た。アリスはクウを追いかけてポケモンセンターに向かう途中だった。その後、クウがアリスに少し説教されるのは言うまでもない。
「で、ルイスさんってどんな人なの?」
アリスの話を聞くと、ルイスは女性で、年齢は15歳。緑色の髪で瞳が青く、もみあげが長くて、後ろの髪は短い。前髪をお気に入りの花のピンでとめているらしい。 この街でそんな容姿をしている人はルイスくらいだから、すぐに分かるだろう、と。クウは先ほどポケモンセンターでぶつかった人のことを思い出した。
「あー……もしかしたら、あの人ルイスさんかも……いや、ルイスさんだ!!!」 「さ、さっき会ったの!?」 「うん! 綺麗な人だなーって見とれちゃってたんだけど……!」
だったら早く行かなきゃ! と、二人は全力疾走でポケモンセンターへ走って行った。一方“彼女”はまたそれを木の上から楽しそうに見ていたとか。
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