恐怖のベンチキル! サマヨールを倒せ! ( No.36 )
日時: 2010/09/07 00:21
名前: でりでり ID:
参照: http://www.geocities.jp/derideri1215/

「おらおら! お前のターンだ!」
「俺のターン、ドロー! ゴウカザルに炎エネルギーをつけてサポーターカード発動。オーキド博士の訪問! 山札からカードを三枚引いて手札のカードを一枚山札の底に置く。続いてバシャーモのポケパワー発動! バーニングブレス!」
「けっ、火傷なんかに頼りやがって」
「そしてバシャーモで攻撃。ほのおのうず!」
 バシャーモは口からムウマージGL LV.Xを覆う大きさの炎の渦を吐き、ぶつける。ワザコストとしてエネルギーを二つトラッシュしなくてはいけないがその分100ダメージだ。次のポケモンチェックで裏を出せば火傷のダメージで気絶する。
 そしてたつじんのおびを持っていたがために俺の勝ちが決まる。
「さあポケモンチェックだ!」
 しかし事はそんなにうまく運ばない、表だ。
「俺様のターン! さあこっからが本番だ! 手札の超エネルギーをサマヨールにつけてエネルギーつけかえを発動。ムウマージGL LV.Xの超エネルギーをサマヨールにつける。そしてムウマージGL LV.Xのポケパワー発動、マジカルリターン! こいつ自身についてるたつじんのおびを手札に戻すぜ」
 たつじんのおびの効果でHPが20上がっていたため、ムウマージGL LV.Xは気絶してしまう。自ら自分のポケモンを気絶させるとは。
「さあさあサイドを引きな!」
 何を考えているのだろうか。相手の場をよく確認すると自ずと答えは出てくる。ムウマージGL LV.Xはおとりだったのだ。本命はサマヨールなのだろう。
「俺様の最後のポケモンはヨノワールだ。貴様なんかこいつだけで十分! ヨノワールにたつじんのおびをつけて攻撃だ!」
 先ほどと似たように辺りが暗くなる。しかしまだバシャーモとゴウカザルは可視できる範囲だ。
「じゅおん!」
 闇の中からヨノワールのものと思われる両腕が伸びてくると、バシャーモを握る。
「じゅおんはこれも相手にダメージカウンターを乗せる効果を持つ。乗せる数は五つと相手が取ったサイドの数、つまり合計七つを相手のポケモンに好きなように乗せれる。俺はバシャーモにダメージカウンターを七つ乗せるぜ!」
 バシャーモのHPは130。二撃は耐えれない。オーキド博士の訪問でキズぐすりを底に送ったのがここでしっぺ返しとなって遅い来る。
「俺のターン、炎エネルギーをバシャーモに乗せてバーニングブレス! 続いて攻撃だ。わしづかみ!」
 ヨノワールは一気に火傷と40ダメージのハンデを負う。しかし拓哉はそんなものはなんともないかのような顔を作る。
「ポケモンチェック。……表だ。俺様のターン、もう一度じゅおん! 今度はバシャーモだけじゃねぇぜ。ゴウカザルもだ。バシャーモにダメージカウンターを六つ、ゴウカザルに一つだ!」
 再び闇と腕。しかし今度は右腕でバシャーモ、左腕でゴウカザルを握る。このじゅおんでバシャーモは気絶してしまった。
「サイドを引いてターンエンドだ!」
「ポケモンチェックをしてもらう」
「ふん、裏だ」
 ヨノワールのHPは120。たつじんのおびの効果でHPが20増えたため合計140。まだ80もダメージを与えなければいけない。ここは考えたプレイングをしなければ。
「俺のターン!」
 が、起死回生のカードは来なかった。次のターン何が飛んでくるかわからない。しかしここは最善の一手を打つしか。
「ゴウカザルに炎エネルギーをつけて攻撃。ファイアーラッシュ!」
「炎エネルギーをトラッシュして、その数だけコイントス。そして表の数かける80ダメージを与えるカードか。確かに二枚トラッシュすれば一回くらい表は出るかもしれねえなぁ。ああ?」
「俺は一枚だけトラッシュする!」
「一枚だと?」
 炎エネルギーをトラッシュに置き、コイントスボタンを押す。頼む、出てくれ表……!
「……裏っ」
「あっはっはっは! 裏じゃなーんにもダメージ与えれねぇな、ざまぁねえ」
「しかしポケモンチェックはしてもらう」
「ふん、……表。火傷のダメージはなしだ。俺様のターン! もっかいじゅいん! ゴウカザルにダメージカウンターを七つ乗せてやれ!」
 ゴウカザルはこれで80ダメージ。HPは110しかないので次の攻撃を食らうと終わりだ。
「次の俺様のターンで貴様は永遠の闇に葬ってやるよ! そして復讐劇の終わりだ!」
「……お前」
「あぁ? 聞こえないぞ」
「お前はカードをして楽しいと思ったことはないのか?」
「何かと思えばそんなことか。楽しいという錯覚をお前にさせられていたな!」
「カードは復讐のために使うもんじゃない、ましてや楽しむものだ!」
 周りの雑音のないこの会場に、俺の叫びと拓哉の怒号が響き渡る。
「じゃあ俺はどうして母親に殺されかけた。どうして母親を異次元に送った。答えてみろよ!」
「それはお前が……」
 ゴクリとつばを飲み込む。飲み込んで、吐きだそうとした言葉を整理する。
「カードを楽しもうとしていないからだ!」
 拓哉は射抜かれたように動かなくなる。舌戦だけしてもこの試合は進まない。カードを引くことにする。
「俺のターン! 手札に炎エネルギーをつけてゴウカザルで攻撃。いかり! このワザのダメージは30プラスゴウカザルに乗っているダメージカウンターの数。八つ乗った今、与えれるダメージは110だ!」
「なんだとっ」
 ようやく現実へ帰ってきた拓哉は目の前の悲運に唖然の言の葉だけを発する。
「カードを楽しもうとすれば、必ずカードは答えてくれる! お前は今までカードを楽しもうとしていたんじゃない! 居場所を守りたかったんだ!」
「そうだ……。俺はお前に手をのばしてもらって嬉しかった。だからこの最初で最後の居場所を守りたかった。カードを楽しむなんて考えたこともなかった……。復讐も居場所を守るのも出来なかったんだな」
 ゴウカザルがヨノワールへと駆け出し、右腕を振り上げる。
「居場所ならあるじゃないか! お前が望む限りそれは絶えない! 次戦うときはこんな悲しいバトルじゃなくて、一緒に笑えるバトルにしよう」
 ゴウカザルは右腕を振り下ろしヨノワールへ一撃を加える。俺が最後のサイドを引いて試合終了のブザーが鳴った。
 それと同時に対面の拓哉が急に体中の力を失ったのか、その場に倒れこむ。急いで救護班が呼ばれて医務室へ連れて行かれた。
 ステージを降りる前に応援客のほうを見ると拓哉に幽閉されていたはずの少年が元の場所に戻っていた。母親が必死に少年を抱きしめているも、少年は何が起きたか全く事情を把握していないようだ。
 なんにせよ準決勝を勝ち抜き、少年は無事だった。後は決勝を勝ち抜くだけ。満を持してステージから降りて行った。



「もしもし、松野です。今風見杯会場なんだけどまた能力(ちから)が確認されたわ。今回は『異次元へ幽閉する』ってものみたい。えぇ。……いや、奥村翔っていう少年が能力を持っている少年を倒したわ。倒されたら急にその場に倒れこんで意識を失ったみたい。今は医務室に行ってるけど別段異常はないみたい、とりあえず大会を見届けて次第資料を作っておくわ。えぇ、それじゃあまた」
 青色でシンプルデザインの携帯電話を閉じると地べたに座り込む。椅子がほしいところだけどもこの会場にはないようだ。
 自分の身長では大きな鞄からノートパソコンを取り出し、忘れないように今起きた出来事を出来るだけ正確に打ち込む。ここ最近確認され始めたカードを使って本来ありえない力を発揮する能力者。大事が起きないようにあらかじめ対策を練っておかねばならない。
 ブザーが鳴り、風見雄大の試合が始まったことにも気付かずひたすらにタイプしていくのだった。



翔「今日のキーカードはヨノワール!
  やみのてのひらで相手のベンチを削りつつ、
  じゅおんでベンチキル!

ヨノワールLv.42 HP120 超 (DP1)
ポケパワー やみのてのひら
 相手のベンチポケモンが4匹以上いるなら、自分の番に1回使える。相手のベンチポケモン1匹と、そのポケモンについているすべてのカードを、相手プレイヤーの山札にもどし、切る。このパワーは、このポケモンが特殊状態なら使えない。
超超無 じゅおん
 相手にダメージカウンターを5個のせる。さらに、相手プレイヤーがすでにとったサイドの数ぶんのダメージカウンターを、相手にのせる。
弱点 悪+30 抵抗力 無−20 にげる エネルギー3


───
風見杯の山場その1。
書いてる方もようやく終わりが見えてきて非常に満足!
デュエッ!