本戦二回戦開始 太古の化石! ( No.26 )
日時: 2010/09/07 00:17
名前: でりでり ID:
参照: http://www.geocities.jp/derideri1215/

「エレキブルで攻撃!」
 激しい音と光が巻き起こるが、モニターはしっかりと作動している。相手のポケモンのHPは0だ。最後のサイドを引くと、ブザーが鳴る。
 急いでステージから降りて愛する彼女の元へ向かった。
「百合、仇はとったぜ」
 コツンと誰かが頭を叩く音がする。翔だった。
「バーカ、お前が勝っただけで百合ちゃんの仇はとれてねーよ。仇とった言うなら風見倒してからにしろよ」
「ちぇっ」
 不満そうに言葉を吐く。ふざけていた雰囲気を捨て、真剣の眼差しで翔を見つめる。
「お前も負けんなよ」
「当たり前だ。決勝で当たったらそんときはよろしくな」
「ああ」
 翔と決勝……。決勝かぁ。決勝なぁ……。って何を考えようとしたんだろうっけ。



 恭介と言葉を交わすとすぐにブザーが鳴る。拓哉の試合はもう終わったのか。相手が泣いているところを見ると拓哉の勝ちとなる。
 そして、俺の出番でもある。
 ステージに上がり、デッキをシャッフル。所定の位置に置く。相手はボサボサの短髪にポケットが大量にあるベージュのズボン、そして汚れた白いTシャツ。
 とてもじゃないが季節を間違えている。今は冬だ。
 ああ、でも小学校とかで冬でも半袖短パンのやついたよな。
 名前は石川薫か。俺の一つ年下のようだ。
「よろしく」
「……、よろしく」
 無愛想っぽいな、あまりいい印象を持てない。だがカードを交えると言葉は不要だ。
「よし、そこの坊主、勝負だ!」
「俺は女だ」
「そうか、じゃあ……って今なんて?」
「俺は女だって言ってるんだ。坊主じゃない」
 えーと、どういうことだろう。もう一度石川の容姿を見てみる。さっきと一緒だ、変身したわけでもなんでもない。
 いや、そんなことではない。ルックスなんて関係ないんだ、ボーダーレスだ。見た目で判断するのは一番いけない。先入観は危険。でも一人称が俺って珍しいよね。
「はぁ、そうか。じゃあ仕切り直し。コホン。よし、そこの……。勝負だ!」
「そこのなんだよ。とにかく勝負だ。俺が絶対勝つ!」
 先攻は俺がもらうことになった。山札から七枚カードを引き、たねポケモンをセット。続いてサイドカードを三枚伏せて勝負が始まる。
 俺の最初のバトルポケモンはヒコザル。一方相手のポケモンは……。これはポケモンなのだろうか。
 バトル場にはポケモンがいるはずなのに石ころが転がっているだけ。
「なんだこれは? まぁいい、俺のターン! 手札の炎エネルギーをヒコザルにつけて攻撃だ! かみつく!」
 ヒコザルが果敢に突撃していくと、石ころは無機質な音をたてて転がっていった。
「ダメージカウンターが乗ってる。ということはポケモン扱いなのか?」
 モニターで相手のカードに乗っているダメージカウンターを確認する。……と同時に妙なことに気づいた。
「あれ、ヒコザルになんでダメージカウンターが……」
 戸惑う俺に対岸から男にしては高めの声がって女だから普通か。石川の声がする。
「お前が攻撃したことによってツメの化石のポケボディーが発動した。するどいせきしつ。このポケモンが相手によるワザのダメージを受けたとき、ワザを使った相手にダメージカウンターを一つ乗せる」
「化石?」
「そう、化石だ。化石のカードは総じて無色のたねポケモンとして場に出すことができる。そしてこれを気絶させればもちろんお前はサイドをひける。こいつは特殊状態にはかからず、逃げれない。そして俺の番に任意にこいつをトラッシュできる。しかし俺が任意でトラッシュした場合はお前はサイドを引けないがな」
「化石デッキか。ツメの化石ということはアノプス、アーマルドだな」
「俺のターン、ドロー! ベンチに新たな化石を呼び出す。ねっこの化石!」
 相手のベンチエリアにこれまたちっさい石ころが転がる。
「ねっこの化石はポケボディー、すいとるせきしつの効果によってポケモンチェック毎にダメージカウンターを一つ取り除いていく」
「ダメージを与えるのと、回復するのと、か」
「そして化石は現代に蘇る! ツメの化石をアノプスに進化!」
 石ころが大きくなりながらひびが入る。ある程度の大きさになると巨大化を止め、ひび割れるスピードが早まる。ひびの中からはアノプスのご登場である。
「アノプスに闘エネルギーをつけて攻撃。ガードクロー!」
 ヒコザルのHPがあっという間に風前の灯となる。
「ガードクローを使ったため、次のターンアノプスが受けるワザの威力は−20される!」
「−20ってのはきついな」
「ああ、お前がいくらヒコザルにエネルギーをつけたところで使える技はかみつくとほのおのパンチだけ。ほのおのパンチは追加効果もなくダメージも20」
「そうだ。だが、進化したら別だろう? 俺のターン。ヒコザルをモウカザルに進化させる! そしてベンチにもう一匹のヒコザルを出す」
 このターン引いたカードがヒコザル。俺の手札にはゴウカザルはない。次の相手のターンでアノプスのもう一つの技、シザークロスが発動されればコイントスの結果によっては気絶してしまう。目先を追うより先を見ろ、だ。
「ヒコザルのほうに炎エネルギーをつける」
「いいのか?」
「ああ。モウカザルのワザは二つある。片方がエネルギー二個で使えるにらむだ。コイントスが表なら相手をマヒにできるが、ワザの威力は20。相殺されてダメージが与えられない。それならエネルギー一つでも使えて40ダメージもあるファイヤーテールだろう。モウカザルで攻撃。ファイヤーテール!」
 モウカザルが尻尾を振ってアノプスを殴りつける。
「ファイヤーテールのダメージは40。ガードクローがあれど20ダメージは受けてもらう。そしてファイヤーテールの効果。コイントスして裏ならモウカザルについている炎エネルギーを一枚トラッシュ!」
 ポチっとな。ウラでした。苦い表情をして炎エネルギーをトラッシュへ。
「俺のターン! 手札の闘エネルギーをアノプスにつけ、ひみつのコハクをベンチに出す。ひみつのコハクのポケボディーはハードアンバー。ベンチにこのカードがある限りワザのダメージは受けなくなる。姑息な手は通じない」
「まだ姑息な手はしてない」
「そしてねっこの化石をリリーラへと進化させる!」
 先ほどと同じエフェクト。ワンパターンだ。
「そしてアノプスで攻撃。シザークロス!」
 石川がワザの宣言と同時にコイントスボタンを押す。
 このシザークロス、攻撃時にコイントスをしてオモテなら追加ダメージを与える。俺のモウカザルの残りHPが40なのに対しシザークロスのもともとのダメージは30。オモテが出ると20ダメージ追加されて気絶。保険はとってあるが裏で頼む!
「表だ!」
 可愛くない石川の声と同時にアノプスの鋭いツメがモウカザルに振り下ろされる。
「サイドを引いてターンエンド」
「俺のターン」
 俺のベンチにはヒコザルしかいないので次のバトルポケモンは強制的にこいつだ。しかし参ったな、いきなりサイドをとられるのか。
 今引いたカードはノコッチ。しかしアノプスが闘。プテラも闘。リリーラだけ草だがノコッチを出すのは相性的にリスキー。
「オーキド博士の訪問を発動。カードを三枚引いてその後手札を山札の一番下に置く」
 一番下に置いたのはノコッチ。そして引いたカードはモウカザル、アチャモ、ゴージャスボール。
「続いてゴージャスボールを発動。山札から好きなポケモンを一枚手札に加えてデッキをシャッフル。俺はゴウカザルを手札に加える」
 突破口は見えた。
「アチャモをベンチに出し、ヒコザルをモウカザルへ進化させる。そしてアチャモに炎エネルギーをつけてファイヤーテールだ!」
 コイントスの結果がいかであろうとアノプスの残りHPは10だ。
「コイントスの結果は表。エネルギートラッシュの必要性はない。喰らえ!」
 柄になく喰らえと言ってみる。でもクソ喰らえだとは思ったぜ。その微妙にすかした態度が気に食わん。
「俺のターン。サポーター化石発掘員を発動。自分の山札からトラッシュを選び、その中から名前に化石とつくトレーナー、または化石から進化するポケモンのうち一枚を選び手札に加える。俺は山札を選択し、アーマルドを手札に加えアノプスに進化させる!」
 地を這うような姿勢のアノプスが急に二足歩行になるだけで威圧感がある。
 が、そういう威圧感ではない。このアーマルドは間違いなく曲者だ。
「アーマルドに草エネルギーをつけて攻撃。ブレイククロー!」



翔「今日のキーカードはアーマルド!
  硬いガードで相手の攻撃を防ぎつつ、
  ブレイククローで大ダメージ!

アーマルドLv.52 HP140 闘 (DP5)
ポケボディー かせきのよろい
 このポケモンの受けるワザのダメージが「60」以下なら、このポケモンはそのダメージを受けない。
闘闘無色 ブレイククロー  60
 次の自分の番、このワザを受けた相手が受けるワザのダメージは、「+40」される。
弱点 草+30 抵抗力 なし にげる エネルギー2
───
お腹いてええええ