唐突な出逢い! 翔VS風見(前) ( No.1 ) |
- 日時: 2010/12/15 21:38
- 名前: でりでり ID:gyTo0W2Y
- 参照: http://www.geocities.jp/derideri1215/
- 平見高校。いたって普通の東京にある私立の進学高校。教師のいない休み時間に目を盗み、うちのクラスではカードゲーム盛んであった。
そしてこの高校の一生徒の俺こと奥村翔も、同じくカードゲームを楽しんでいた。 「翔、デュエルしようぜ!」 チャイムが鳴り、先生が教室から出ていった瞬間に、窓際にいた翔の方へ廊下側から一人の男子生徒がやってくる。 「ごめん恭介。今日は遊戯王持ってきてないんだ」 その男子生徒、長岡恭介は少しうなって明るい色の髪をポリポリかく。 「仕方ないなぁ。折角、翔のインフェルニティデッキに勝てるようにデッキ組んだのに」 「今日はポケモンカード持ってきてるんだ」 「ポケモンカード? あぁ、CMとかでやってたなぁ。翔やってるのか」 「ああ。結構面白いんだぜ? 恭介もやろうぜやろうぜ」 「けどなぁ。ゲームならともかく子供ばっかじゃないの?」 「そう言うなって」 俺は机の横にかけてあった高校のかばんからカードケースを取り出した。さらにカードケースからポケモンカードのデッキを取り出す。 「俺の熱き想いをこめた魂のデッキさ! 負けることなんてありえない!」 「翔らしいなあ」 恭介は声をあげて軽く笑った。その笑い声を打ち消すかのように、俺の隣の席のイスが音を立てる。 「なんだよ」 喧嘩っぱやい恭介はすかさず横を振り向いて音の主をにらみつける。が、そいつは恭介の胸をひと押しして押しのける。 「なんだテメェー?」 こぶしを作って多少ふざけた顔を作り、恭介は再びそいつをにらみつける。と、恭介の表情が一変した。 「お前は……、風見雄大」 「悪いがお前みたいなヤツに用はない」 流れを一通り見ていた翔は不穏な気配を察知する。風見雄大の親が経営する企業、TECKは電子、機械産業界では日本屈指の企業である。そこの御子息がなんの御用やら。 まさかこれは俺に喧嘩でもなんか吹っ掛けるってことか。 危険を感じた俺は風見に対し身構える。 「何か用なのか?」 身長が低い俺に対し、若干大きい風見は、さらに一歩近づく。 「さっき熱き想いを。とか言ってたな」 質問が意外と平凡だったことに、強張っていた肩の力が簡単に抜ける。 「それが……どうかしたか?」 「カードに気持ちとはなかなかとぼけたことを言うな」 いったいぜんたい何が言いたいのか分からない。 「だからそれが何だって言うんだ」 風見は俺の事を数秒見つめると、ふっ、と声を漏らして背を向ける。 「放課後俺と対戦だ。もちろんただの対戦じゃつまらないから面白いものを用意してやる」
授業も終わって教室を出、俺と恭介の二人が校門のそばにくると風見がそこで待っていた。 「ここからは多少距離があるから、タクシーを使う。そこのタクシーに乗ってくれ」 俺はうなずき、校門前で待ち構えるタクシーに乗り込む。 「俺も俺も!」 恭介も意気揚揚と入ろうとした瞬間、風見の鋭い目つきに射られる。 「なんだよ! 翔の応援に行くんだぜ?」 「まあいいだろう。ギャラリーがいた方が多少は盛り上がるだろうしな」 俺と恭介が後部座席、風見が助手席に座るとタクシーが進みだす。 会話がないまま車だけ進む。窓から覗ける風景は、大きなビルが立ち並ぶ一帯へと入った。 「まさかとは思うが……」 ぽつりと呟いたと同時、大きなビルの前でタクシーが止まる。 「TECKの本社か」 人事のようにボソッと俺が呟く。タクシーから降りて目の前のビルを見上げる。てっぺんを見ようとしたら首がイカれてしまいそうなほどの高いビルだ。いや、実際にやってみるとそうでもなかったか。 「こっちだ。悪いがこれをかけてもらう」 首にかけるタイプの許可証をもらう。話によるとこれがないと自由に入れないらしい。こういう大きな企業ビルに入るのは初めてなのでちょっと緊張とわくわく感を感じる。隣の恭介も大差ないようだ。 風見に言われたとおりついて行き、ビルに入りエレベーターに乗り込む。そして二十四階で止まった。 「この奥だ」 エレベーターを出てすぐ目の前の扉を開ける。このフロアに人気はなく、どうやら俺達三人しかいないようだ。俺は鞄に入れてあったカードケースに手を伸ばす。 このフロアは学校の教室よりもやや広いくらいか。だがそこにはそのフロアを埋め尽くすほどの巨大な機械がある。どうやらこの機械には乗り入れ口というべきか、なんと呼べばいいのかイマイチ表現方法が見つからないのだが二箇所くぼみになっているところがある。 「さあ、奥村翔!」 風見がその窪みの一つに入っているので、俺も急いで真似をする。窪みに入ってみると、そこはプレイマットのようなテーブルが置かれてある。しかしプレイマットの下半分しかないのだが……。 「使い方は見ての通り、説明するまでもない。ただポケモンカードで勝負をするだけだ。分かったか奥村翔。もう一人のお前、お前はその辺で見てろ」 「くっ、名前ぐらい覚えやがれ!」 恭介の怒鳴り声に一切耳を傾けない風見は、ポケモンカードのデッキを見せる。 「ルールは普通だ。ハーフデッキを使用する。サイドカードは三枚だ」 俺はデッキをシャッフルし、半分プレイマットにセットする。このプレイマットのそばに、風見のフィールドが映されているモニターがあった。 「先攻はお前に譲ってやろう」 風見が俺を指差した。自信があるようだな。 「後悔しても知らないぜ。互いにデッキから7枚ドロー! そしてたねポケモンをバトル場、ベンチにセットする!」 風見はバトル場とベンチに一体ずつセットする。この一番最初の引きがポケモンカードゲームでは非常に重要となる。 この最初のひきで、無色タイプのドロー支援ポケモンが来るのが一番重要なのだ。手札を見るとノコッチ60/60とヒノアラシ60/60がすでに揃っている。俺も風見と同じく一体ずつそれぞれセットする。 お互いがセットしたのを確認して、俺と風見はセットしていたカードを表向けにする。俺がバトル場に出していたのはもちろんノコッチだ。 「行くぜ、俺のタ───」 さあ行くぜと張り切っていた俺の目の前でノコッチとオドシシ70/70が対峙していた。 「ポケモンが……どういうことだ!?」 「これが開発中の立体ポケモンバトルシステム。ポケモンが3Dでよく見えるだろう? ちゃんとベンチポケモンも映っているぞ」 風見のベンチにはフカマル50/50。そして俺のベンチにはヒノアラシが。3Dとは思えないほど鮮明に映っていた。 「お前にはこれのテストプレイヤーになってもらう」 俺を呼んだのはこのためか。光栄だぜ。 「すげぇ……。ワクワクするぜ! 俺のターン、ドロー!」
翔「今日のキーカードはノコッチだ! このノコッチはHPが60と少なめだけど、エネルギーなしで技を使える。 一番最初に手札に来るととても助かるパートナーだぜ!」
ノコッチLv.21 HP60 無 (DP2) ─ へびどり 自分の山札からカードを一枚引く。 ─ かんでひっこむ 10 自分を自分のベンチポケモンと入れ替える。 弱点 闘+10 抵抗力 なし にげる エネルギー1
─── 12月15日にリメイク
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