転校生は黒イーブイ
教科書よし。
筆記用具よし。
お弁当よし。
ブラッシングよし。
こんくらい・・・だよね?あと必要な物ないよね・・・?
私―ミラは、黒いイーブイだ。
首回りとしっぽの先は白で、あとは真っ黒。あ、あとチラーミィみたいに耳の先もちょこっとだけ白い。
目は綺麗な青色で、こっちはむしろ気に入っている。
他のイーブイとあまりにも見かけが違うから、専属の研究者さんがいるよ!
ま、他は普通のイーブイとなんらかわりないから、別にたいしたことないんだけどね。
そして・・・なんとっ!今日から私は転校生です!
じゃじゃーん。
・・・。
う・・・一匹でやるとすっごい寂しい。
いや、暗くなっちゃだめだめ。
もういかなくちゃ。
***
「え〜、今日からみんなの仲間になるミラ君だ!仲良くしてやってくれ。」
私が扉を開けて中に入ると、教室がしんと静まりかえった。
そしてその後すぐ、よろしくねーなど歓迎の言葉がわっと広がる。
私は悟った。
ああ、これは先生がいるときの表の仮面だ、と。
私は過去に何回か転校をしたことがある。それ故わかるようになってしまった。
ただでさえ黒く、目立つ色をした私なのに、その上めったに来ない転校生ときた。
早いとこ仲良くならないといじめにあうだろう。
「・・・よろしくお願いします!ええと、趣味は――」
とりあえず明るく自己紹介。
ああ、うまいとこやっていけるといいけど・・・?