第1章-スクール編-
幕間 sideケンスケ
ユウスケとランちゃんを家まで送って僕はオーキド先生のところに来ていた。今回は運が悪かったみたいだから説教しなかったけど……それにしても我が息子ながら運が悪い。一回お祓いに行かせた方がいいんじゃないか?
 けど、ランちゃんを守ろうとするぐらい勇気は持てるようになったんだ。いい進歩だよ

「それでオーキド先生。何かわかりましたか?」
「うむ……詳しいことは分かってないんじゃが」

 僕がオーキド先生の所に来たのはさっきの野生のポケモン達の事があったからだ。ユウスケ達を襲ったあのポケモン達……明らかに異常な感じがした。彼らには悪いがモンジャラを一匹ゲットさせてもらいオーキド先生に状態を調べてもらっていたんだ。

「ポケモン自体には状態異常の類はなかったわい」
「……こんらん状態、って事もありませんでしたよね。訳も分からず自分を攻撃することもしていませんでした」

 あのポケモン達は僕や僕のポケモン達、誰これ構わず攻撃しようとしていた。気性が荒いというレベルの話ではない。それはユウスケ達も肌で感じ取ってたみたいで二人とも終わったら震えていた。一体何が……

「だとしたら何が原因だと思いますか先生?」

 そう言われてオーキド先生は顎に手を当てて首を捻る。状態異常以外の【何か】があの場所にいたポケモン達を狂気にしていたんだ……それだけは間違いないんだけど、オーキド先生ほどの権威がここまで頭を悩ませるなんてな

「そうじゃのう、強いて言うのならば【こんらん】状態に近い状態だったのかもしれんの」
「でもさっき言ったようにそんな素振りはありませんでした。それはどうして」
「コレはあくまでワシの勘なんじゃが」

 そこまで言ってオーキド先生は一度言葉を切り、ゴホンと咳払いをする。勘、ですか

「ポケモンの技の【ちょうおんぱ】に似た何かにで意図的にポケモン達の思考部の波長を崩されたとしか思えんのじゃ」

 波長って……脳の信号みたいのものだよな。それを崩して攻撃的な信号に変形させたってことか? 誰が何のためにそんな事を……とにかく調査が必要だな。

「なるほど……その線で少し調べてみます。オーキド先生、またこの件でお世話になると思います。その時はお願いします」
「うむ、気を付けるんじゃぞケンスケくん」
「分かってます」

ユウナもユウスケも心配させるわけにはいかないからな。僕は二人を心配させるために刑事なんてヤクザな職業についているわけじゃない。ユウナはもちろんだけど、ユウスケ達子供たちを危険な目に遭わせない刑事をやってるんだ。それで心配させてしまって本末転倒するわけにはいかない

「それにしても大きくなったもんじゃなユウスケくんは」
「大きくなっただけですよ。ケンイチくんと比べったってまだまだ子供です」
「そういってやるんじゃない。君が小さいころによく似ておるよ……このヒトカゲも随分あの子に懐いておるみたいでの、ポケモンに好かれるいいトレーナーじゃわい」

 似てるか……ユウナやフーディンにもよく言われるけどホントに良く似てるのだろうか? あの子には僕よりしっかりとしてほしいんだけど、このままじゃ危ういかもしれないな

「ははは……ありがとうございます。それじゃ僕はそろそろ行きますよ。オーキド先生、また」
「うむ、しっかりやるんじゃぞ」

 そうと言ってオーキド先生に背を向けて歩き出す。まずはヤマブキの本庁に連絡して何人か鑑識を呼んであそこを調べるか。安全の確保のためにイチカワとか戦闘できる組も呼ばないと……研究所を出てすぐにポケギアを取り出して電話をする。相手は後輩のイチカワだ

「もしもし、イチカワか?」
―アイカワのオッサンか。突然飛び出していったが何かあったのか?―
「息子たちの事で色々とな。それよりイチカワすぐに鑑識を引き連れてマサラまで来てくれ。お前のリザードンならひとっとびだろ」
―了解だ。すぐにそちらに急行するぜ。事情はそっちで話してもらうぜ―

 とイチカワの声が聞こえて電話が切れる。話が早くて助かる。僕はそれまでにユウナにしばらく帰れないことを伝えておかないとな。とりあえず今度長期休暇取ってフエンの温泉旅行ってことで手を打っておこう

「フーディン、これから忙しくなる。サポートを頼むぞ」
『ん、分かっている。それよりも倒れてユウナさんやユウスケを心配させるのはナシだからな』

 それぐらい当然だ。ロケット団の件もあるしブーバーの事件もあるんだ、間違いなくこれからは忙しくなる。それにため息が出そうになるけど抑える。ユウスケとランちゃん、ケーシィにケンイチくん、僕の息子たちを脅かすものは許さない。徹底的に追求して追い詰めてやる!

Yu〜suke ( 2014/07/10(木) 19:56 )