とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない













小説トップ
第6章 『過去、そして未来』
第5話
守連
「……このゲームに、希望は…あるの?」

三海
「赤さん、一杯〜」


守連お姉ちゃんは絶望しかけていた…
最近お姉ちゃんが必至に頑張ってるゲームでなんだけど、未だにロクな結末が見える事なく、お姉ちゃんは遂に4つ目のエンディングを迎えていた。
とりあえず皆赤さんに食べられたり、自爆したりで結果全滅。
最終的にどうなったかも良く解らず、ワタシも意味が解らなかった…


守連
「……ま、まだ武器揃ってないし、きっと…きっと!」


お姉ちゃんは諦めなかった。
抗う気らしい、最期まで。
ワタシはとりあえず眠気が襲って来たので一旦眠る事にする。
ワタシは『テレポート』で自室(愛呂恵さんと同室)に戻った。
後は布団で横になって眠りにつく。



………………………



三海
『また…夢の中』


ワタシは大抵眠ると、いつも似た様な夢を見る。
その夢で見られるのは、大抵かつての歴史が起こした何か。
恐らく、ワタシの遺伝子に刻み込まれた、過去の歴史と思われる。
ワタシはここで様々な歴史を学び、そしてどうすれば良いのかを考えていた。


三海
『…戦争の歴史、でもワタシに関係は無い』


あくまで過去の歴史だ。
ワタシや姉のミュウツーは戦う為に産み出されたから、こんな記憶が遺伝子に組み込まれているのだろう。
ある意味、邪魔でもあった。
ワタシもミュウツーも、もう無理に戦わなくても良いのだから…
ただ、学ぶ事は重要だ。
ワタシはこうやって夢の中で成長していく。
肉体的にはそろそろ完成するし、そこから先は努力の問題。
知識に関してはどれだけあっても困らない、だから勉強はする。


三海
『言語は…そのままでも問題無いが』


話そうと思えば、地球に存在する言語は全て話せるだろう。
…もちろん学習すればだけど。
いくら知識欲があっても、ワタシが知らないモノは解読出来ない。
何事も勉強だ…でも、解らない事は多い。


三海
『ワタシはダレ?』


『アナタはワタシ?』


ワタシの夢の中で、もうひとりワタシが現れる。
完全に姿形が一致している彼女はまさしくワタシだろう。
でも、それだけに疑問も湧く。
それならば今思考しているワタシはダレなのだ、と?
完全に一致しているなら、彼女もまた三海では無いのか?


三海?
『ワタシは三海?』

三海
『そうと言えるかもしれないし、そうではないかもしれない』

三海?
『じゃあ、三海は何処?』

三海
『ここにいるかもしれないし、いないかもしれない』
『そもそも、三海とは何?』

三海?
『三海はアナタ、そしてワタシ』
『魔更 聖がミュウスリーに与えた名前』


そう、大事な名前だ。
名前は必要と聖は言った。
だからワタシはこう思う…名前は必要だと。


三海
『アナタはミュウスリー?』

三海?
『アナタが三海?』

三海
『ワタシは三海』

三海?
『ワタシはミュウスリー』


これで良い…存在は確定した。
ワタシは三海で、彼女はミュウスリー。
でも、まだ解らない事は沢山ある。
それなら、ワタシたちは何なのか?とか……



………………………



三海
「…ン?」


時刻は14時過ぎ。
どうやら、夢から醒めた様だ。
相変わらず、どんな夢を見ていたのかは解らない。
不便な物だった…ワタシは生活の大半を寝て過ごさなければならないのに。


三海
(しかし動けば動く程、消耗は増える)


体の燃費の悪さはいかんともし難かった。
とはいえ、満足はしている。
ワタシはここにいて良いのだと理解しているから。
聖たちは、ワタシを受け入れてくれた。
だから、ワタシは聖たちと生涯を共にする。
色々経験しよう、思い出を作ろう。
後、どの位生きられるかは解らないけど、最期までワタシは生きる。
幸せがあるなら、どうなったとしても、きっと後悔しないから…


三海
(どうしようかな?)


とりあえず布団の上で座りながら考える。
この部屋にあった、パソコン関係やらインターネットやら営業やらの専門書は全て解読したし、ここにはもう興味を惹くモノは無い。
やっぱり、守連お姉ちゃんみたいに趣味を見付けないと…
よし、聖に聞いてみよう。
ワタシは即座に聖の部屋にテレポートする。



「………」


聖は相変わらず勉強していた。
日課だから必ずやっているそうだ。
夏休みはいつもこうやって昼食後に宿題をやっている。
邪魔をしてはいけないけど、ワタシの欲求の問題もある。
少し声をかけさせてもらおう。


三海
「聖、ちょっと良い?」


「ん…三海か? どうかしたのか?」


聖は優しく笑いかけてくれる。
ワタシは、それを見ると胸がソワソワする。
きっと、それはワタシが聖を好きなんだからだと思う。
確か、恋とか、愛とかいう言葉だ。
ワタシは、紛れもなく聖に恋をしている…ン?


三海
「聖、ワタシに合う趣味って、何?」


「趣味? またそれは唐突だな…」
「しかし、三海に合う…ねぇ? 睡眠学習とか? って、それはあんまりだろ!」


聖はひとりツッコミとかいうのをやる。
時折、奇妙キテレツな言動を取るのが聖の得意技だ。



「起きれる時間も考慮すると、外出もそれなりにリスクあるからな…」
「となると必然的にインドアになるわけだが…」

三海
「大丈夫、買い食いしてれば外にも行ける」


「まぁ、それもそうか…って常にお腹のパラメータを見なきゃならんのも三海らしさだよな〜」


ワタシらしさ? そうなのか〜
実の所、ワタシは自分の事に詳しくない。
姉のミュウツーと違って、興味も持たなかったし、教えられる事も無かったからだ。


三海
「旅…か」


「…?」

三海
「グルメ旅…これだ!」


「三海さん!? 何か勝手に完結してますけど、大丈夫!?」


ワタシは自分でも完璧だと思える趣味を見付けた。
食べればエネルギーは回復するから、食べながら歩けば良い。
しかもある程度の長距離移動もテレポートで即座に可能…行った事のある場所なら。
最大の問題は睡魔だけど、活動して燃焼してれば多分大丈夫。
普段の睡魔は自己防衛衝動だから、何かしら目的を持って活動してればワタシは『不眠』だ。
何事もやってみるしかない。


三海
「というわけで、グルメ旅に連れてって」


「って、いきなりは無理だっての! それに、まだ俺は宿題あるから待ちなさい…」


それもそうだった。
そもそも、聖は勉強中だ。
それなら、少し待つとしよう。


三海
「分かった、待つ…」


「そうしなさい、すぐに終わらせるから大人しく待ってろ」


そう言って聖はワタシをナデナデしてくれる。
ワタシはこれが大好きで、すぐ目がとろ〜んとなってしまう…
小動物系と言われるらしいけど、ワタシは動物モチーフのポケモンではない。
いや、ある意味人間もまた動物なのだから、小さい動物という意味であればワタシは小動物なのかもしれない。
つまり、ワタシは小動物であり、そうでないかもしれないという、非常に曖昧なポケモンと言えるのかもしれない。


三海
「とりあえず、マンガ読む」


「まぁ、あんまり数は無いけどな…基本完結した作品しか買わないし」


そもそも今はネットでダウンロードという画期的な読書もある。
読んでいるのはデータなのに、読書とはこれいかに?
それならばデータリードとでも言った方がしっくり来る気がする。
まぁ、それはさておき…ワタシは目に入った作品を手に取った。


三海
「………」


とりあえずパラパラと高速でページをめくる。
世紀末が部隊の作品で、聖も大好きなタイトルだ。
とりあえず1巻の内容は頭に叩き込めた…うん、これはネタになる作品だ。
というよりも、やっぱりワタシに読書はイマイチ時間が潰せない。
楽しくはあるのだけれど、すぐに読み終わってしまうのは問題だ。
こういう時はゲームでもしてる方が良いのかもしれない。


三海
「…スマホゲー」


「やり方とか解るか? って、最近のはチュートリアルも豊富だから気にならないか…」

三海
「とりあえず、無料のをダウンロードする」


ワタシは自分のスマホを取り出し、アプリストアで適当にダウンロードしてみた。
容量が軽いのか、すぐに終わりゲームを起動させる。
画面に映ったのは、白黒のドットゲーム。
と言っても、画面がスクロールするわけでもなく、ただ色が変わった場所をタップするだけという内容だ。
段々と速度が速くなって来るが、ワタシの反応速度はそれを軽く越える。
端から見たら、凄まじい速度でワタシはタップをしている事だろう。
そのままミスする事なく、ワタシは聖の宿題が終わるまでそれを続けていた。



………………………




「…うお、何か黙々とシンプルゲーやってるな」

三海
「結構面白い…無料にしてはグッド」
「星5評価を付けておく…」


ワタシは最後にわざと失敗し、ゲームを終了させる。
世の中は凄い、ここまでやってもトップのスコアは抜けないのだ。
エンドレスゲームの類いは、限界が無いとも言えるから仕方無い。
さて、次はいよいよグルメ旅だ。



「何か食べたい物でもあるのか?」

三海
「何でも良い…けど、歩きながら食べられるのが良い」


「ふむふむ…ならまずはお手軽に定番物から行くか!」


こうして、ワタシと聖のグルメ旅が始まる。
まずはこの街の食材を食べ歩きしたい所だ。



………………………




「ってな訳で、焼鳥!」

三海
「ハムハム! ン〜これは美味しい〜♪」


まずは定番という事で、聖は店頭販売されている焼鳥を買ってくれた。
とりあえず、ねぎま、モモ、皮と3本をワタシは歩きながら食べる。
流石に愛呂恵さんの料理とかとは味は比べられないが、それで店の評価を下げるのはナンセンスだ。
味に差があるのは、それが店の特色。
人の味覚は千差万別、美味しいと自分で思える物は全て良い料理だ。



………………………




「次はクレープ! 何味が良い?」

三海
「イチゴ〜♪」


ワタシは何でも食べられるけど、あえて選べるのならイチゴを選ぶ。
やはりあの甘酸っぱさは筆舌に尽くしがたい。
特に、大粒で糖分が高いのは好評価だ。



「じゃあ、ストロベリーアイスチョコひとつ」

三海
「聖は、食べないの〜?」


「流石に大食いじゃないからな…夕飯もあるし、俺は愛呂恵さんの手料理を選ぶよ」


むぅ…それは残念。
どうせなら一緒に食べ語りたいのに…
とはいえ、食べれる量は人によって決まってる。
ワタシみたいにエネルギーを燃焼させて、その度に補給とはいかないのだから…



「ほら、クレープだぞ〜」

三海
「ン…パクッ! ン〜! これも美味しい〜♪」


やはりイチゴは良い。
クリームとアイスとチョコの組み合わせも絶品だ。
暑い夏日だけど、クレープの生地は丁度良い温度で素晴らしい。
ワタシは微笑みながらクレープをかじり、更に聖と歩いた。


三海
「〜♪」


「はは、楽しそうだな三海?」

三海
「ン〜♪ とっても楽しい…聖と一緒だから、なお楽しい♪」


ワタシがそう言うと、聖は笑顔になる。
この笑顔は皆の幸せだ。
家族の誰もが、聖の笑顔を望んでいる。
ワタシは、やっぱり幸せ者だ。
大好きな人と、こうやって一緒に過ごせる。
こんな、当たり前の状況が、とても嬉しく思う。
と、そんな良い気分の時に、無粋な輩は現れる。



「おっ、キミ可愛いね〜♪ 今からボクと遊ばな〜い?」


「うわ、出たよ暑さにボケたナンパ野郎が…」


聖は頭を抱えている。
ワタシに声をかけた人間は聖よりも身長は高い…が聖に比べれば体つきは細いな。
とりあえず初めてナンパというモノをされた、興味深い。
コイツにはどれ程の話術があるのか、少し試してみるとしよう。
そろそろ、聖にもワタシの成長を見せておかないといけないしな。


三海
「可愛いとまず言ったが、それはワタシのどこを指して言っている?」


「えっ!? み、三海?」

ナンパ男
「おっと、意外にノリが良い? そりゃもちろん、全部さ!」

三海
「全部か…常套句だと判断するが、アナタはワタシの何を知っている?」
「ワタシは何だ? 何がワタシだ? それをアナタは説明出来るのか?」


ワタシの言葉にナンパ男は?を浮かべている。
やれやれ、理解力ひとつ無いか…仕方無いな。
ワタシは目をぼんやりと光らせ、軽く『念力』でナンパ男のピアスを砕く。
バキン!と金属が砕ける音がし、男はビビって後ずさった。
ワタシはクレープをかじり、咀嚼してこう告げる。


三海
「おっと、どうやら死神の様だ…ワタシには見えるぞ?」
「お前の…死期が」


ワタシがそう言って凄むと、ナンパ男は逃げ出した。
ワタシはクレープを美味しく平らげて、笑顔になる。
うん、やっぱり美味しい♪



「あ、あの〜三海さん? ですよね?」

三海
「聖は小動物のワタシが好きか?」


ワタシはイタズラっぽく笑って言ってやる。
聖はかなり驚いている様だが、それでも理解はしている様だった。
ふふ…流石に聖は違うな♪



「まさか、そこまで成長してたのか…?」

三海
「正確には、ようやく肉体相応になったと言うべきかな」
「体の方はほぼ完成してるし、これ以上の成長はそこまで見込めないだろう」
「逆に老化の心配も恐らく無い、その時はワタシが滅びる時だろうからな…」


「成る程…成長が早すぎて、もう幼年期は過ぎちまったって事か」

三海
「正確には既に壮年気とも言える」
「それ位ワタシの精神の成長は早いと言えるからな」


「でも、何で今まで隠してたんだ?」

三海
「ン〜? だって〜この方が好みなんでしょ?」


ワタシはいつもの様に聖に抱き着いて頬をスリスリする。
聖は露骨に紅くなり、解りやすい反応を示してくれた。
ちなみに、子供っぽく甘えた声でやるのがミソだ。



「参ったな…他の家族は知ってるのか?」

三海
「まさか…聖が1番最初だ」
「そうじゃないと、変に疑いをかけられそうだし…ね」


ワタシはクスクス笑って両手を腰の後ろに組む。
うむ、現在のバストは86…後1pは伸ばせるかもしれんな。
ふふふ…まさに聖の好みにヒットしていると言えるだろう♪


三海
「家族には、聖から言ってほしい」
「その後は、ワタシが自分で言うから…」


「何でだ? 皆そこまで疑ったりはしないだろう?」

三海
「それは、付き合いが長いからだ…」
「ワタシはあくまで新参者、恐らく聖が思ってる程には信頼されてはいない」


ワタシはうーん!と背伸びをして手を額の前にかざす。
やはり暑いな…だがこれが夏という気候だ。
この世界は全てが新鮮。
体の燃費の悪さにさえ目を瞑れば、とても住みやすい。
さて、まだまだグルメ旅を続けたい所だが…


三海
「聖はもう気が乗らないか?」


「あ、いや…そうじゃないんだけど」
「その、敬語使った方が良いですか?」


ワタシはそんなバカな聖の言葉を聞いて吹き出してしまう。
この期に及んで敬語とか…本当にバカ真面目な所があるな。
ワタシは腹を抱えてひとしきり笑った所で、息を整える。
そして、笑い涙を拭いてこう答えた。


三海
「いつも通りで良い…年齢で言えばワタシは1歳未満だし、年下に違いは無いからな」


「とはいえ、違いが多すぎるだろ! 声のトーンも低いし、やたら聡明そうだし、何か哲学的な事言うし!」

三海
「ン〜? じゃあやっぱり、このままが良い〜?」


ワタシは以前の様に振る舞ってやると、それはそれで…と聖は複雑な顔をする。
全く、らしいというか何というか。
やはり興味は尽きないな…ワタシの大切な人は。



………………………



結局、その日はそれで帰宅する事にした。
今日の事を皆に話す為に、聖は夕飯後に皆をリビングに集めたのだ。
いや、留めたと言うべきかな? まだテーブルには食器が並んでいるし、誰も起立すらしていない。


守連
「え〜? 急に大人になっちゃったの〜?」

三海
「正確には既に大人だ」
「もう少ししたら、お婆ちゃんになるとも言える」

女胤
「そこまで、成長が早いとは…ですが、何故今日になって突然?」

三海
「正確には突然ではない」
「混乱を避ける為にあえてそう振る舞っていた」
「事実、混乱しているだろう?」


ワタシの言葉に女胤と守連お姉ちゃんが黙る。
いや、華澄と愛呂恵さんは特に感情の揺れが無いな…むしろ、予想していたという所か?


華澄
「薄々、そんな気はしておりました…もしかしたら、三海殿は大人になっているのでは、と」

愛呂恵
「同じくです…同じ甘えた雰囲気でも、自然とそうでないのでは思いの他違いはありますので」

三海
「ふむ、興味深い…流石に愛呂恵さんの目は誤魔化せなかったと言えるな」

阿須那
「で、それがどないかしたん?」


阿須那は軽い口調でそう言う。
コーヒーを飲みながら、阿須那はあまり興味が無いという振る舞いで今は雑誌を読んでいた。
ふむ、今年の水着の流行か…実に興味があるな!


阿須那
「別に三海は三海やろ? 聖が何も言わんならウチはいつも通りや…」

三海
「実に簡単な答えだ、だがそれで良い」
「ワタシは、三海であり三海でないのかもしれない」
「ただそれでも、ワタシは聖が好きで、この家族が大好きだ…」
「加速する精神の成長は、逆に怖くもある…もしかしたら、ワタシはもうすぐ死ぬんじゃないかと疑問に思う程に…」


ワタシは自分の体を両腕で抱えて少し震える。
実際、未知数なのだ…ワタシの様にメガ進化したままのミュウツーが、どれ程の寿命なのか?と。



「…もし望むなら、メガストーンを分離させてやるぞ?」

三海
「夢見の雫か…だがワタシの脳はメガストーンその物と言える」
「成功したとしても、その時ここにいるのはワタシなのか? それとも別の誰かなのか…?」


聖は露骨に顔を曇らせた。
そもそも、ワタシを今の状態で留めてくれているのはその雫のお陰だ。
あの時、聖がワタシの事を救いたいと思ってくれたからこそ、本来短命で死ぬはずだったワタシは寿命を克服してここにいる。


三海
「すまない…きっと大丈夫だ」
「ワタシがこの世界にいられる時点で、きっとワタシは生きられる」
「だから心配はいらない、いや…逆に心配させて悪かった」

守連
「三海ちゃん…本当に大丈夫、だよね?」


守連お姉ちゃんはそう言ってワタシの手を握ってくれる。
とても優しい手だ…少しビリって来たが。
ワタシは微笑んで守連お姉ちゃんにこう言う。


三海
「大丈夫、守連お姉ちゃん…ワタシは絶対に死なないから♪」


ワタシが笑顔でそう言うと、守連お姉ちゃんは笑ってくれる。
良かった、信じてもらえて。
やっぱり、家族は良い…とても暖まる。
ワタシは、この家庭を絶対に守ってみせる。
これからいかなる混沌があっても、ワタシは聖を…家族を守ると決めよう。


阿須那
「そういや気になっとったんやけど、三海って守連にだけはお姉ちゃんって呼ぶんやな?」

三海
「確かに、幼い時から刷り込まれたからな…守連お姉ちゃんに」

女胤
「ある意味洗脳ですわね…確かに、出会った時から守連さんは三海さんにお姉ちゃんと呼ばせていましたからね」


ワタシにとっては、ふたり目のお姉ちゃんだったからな…
気が付けば当たり前になっていて、成長してもお姉ちゃんはお姉ちゃんだった。
まぁ、家族なんだし良いだろう。



「ある意味、俺を真似したとも言えるのかもな…」
「三海、順番に俺たちを呼んでみろ」

三海
「聖、守連お姉ちゃん、阿須那、華澄、女胤、愛呂恵さん」

女胤
「地味に、ランク付けされている…?」

愛呂恵
「恐縮です、私の方が扱いが良いという事でしょうか?」

阿須那
「何言うてんねん…呼び捨てにするって事はそれだけ信頼しとる証拠や」
「聖かて、ウチ等は呼び捨てやがな?」

華澄
「確かに…拙者たちは気にしませんが、礼儀を考えた場合は気になる所ですな」


ふむ、興味深い話だ。
確かに呼び捨てにするというのは礼儀を考えれば問題もある。
しかし、家族として対等に見ているという意味では決して問題では無い。
要は互いが理解しあってそう呼び合っているのなら、特に問題は無いと言える。



「言っとくけど、他人相手には俺は配慮してるからな?」
「ちゃんと阿須那も華澄もさん付けで他人には話してるんだから」

三海
「流石は聖、家族は家族、他人は他人…しっかりと分別が出来ているのは素晴らしい」

守連
「でも確かに不思議だよね〜いつの間にか当たり前になってたから」


「そもそも、阿須那と華澄は初見で年上と思えんかったからな…」
「阿須那は変に子供っぽい所あるし、華澄は見た目がどう見ても幼いだろ…目付きと胸以外は」

阿須那
「そんなん知らんがな…ウチは普通にしとるだけやし」
「ま、まぁ…同年代で比べられると、ぐうの音も出んけど」

華澄
「うーむ、確かに拙者の見た目はアンバランスですからな…」
「むしろ、年上に見られた事は小学生相手の時だけです」


興味深いな。
見た目とのギャップは色んな意味で衝撃がある物だが、年不相応に見えるというのは気になるモノか。
かくいうワタシも、今となっては精神が大人びすぎてしまったからな…
結果として10〜20台を一気に駆け抜けてしまったから、逆にギャップが出来てしまったか。



「まぁ、違和感無いのは守連と女胤位だからな…」

愛呂恵
「私は…違和感がありますか?」

三海
「見た目というより、立ち振舞いだろう」
「初見の愛呂恵さんは無口無表情無感情の三本柱だからな」


愛呂恵さんはやはり無表情に無言で何かを考えていた。
聡明な人なのは話せば解るのだが、やはり見た目で伝わり難いのはマイナスかもしれない。


阿須那
「まぁ、もうええんとちゃう?」
「これから大きく生活が変わるわけでもなし、三海は三海で考えとるやろ」
「ウチは部屋に戻るわ…」

愛呂恵
「では、私はすぐにテーブルを片付けます」

女胤
「でしたら、私も手伝いますね」

守連
「私は…今日は部屋で筋トレするよ、ゲーム思い出すと挫けそうになるから」


こうして、特に問題も無いまま家族会議は終了する。
全く、皆優しいな…だから好きなんだ。
私は自分の手を見て微笑む。
そうだ、幸せはここにあるよ…
ワタシは生きている、だからアナタにも届くはず。



「さてと、俺も筋トレして風呂に入るかな」

三海
「ふぁ〜あ…ワタシは急に眠くなった、お休み〜」


ワタシはそう言ってテレポートする。
後はそのまま眠るだけだ…入浴は、いつも朝に入るのが定番だから。
そしてワタシは、またいつもの様に夢を見る……



………………………



ミュウスリー
『アナタはそこにいる?』

三海
『いるかもしれないし、いないかもしれない』
『でも、あそこにいたい…』

ミュウスリー
『あそこは楽しい?』

三海
『とても…そして、嬉しい』

ミュウスリー
『会いたい? 会いたくない?』

三海
『会いたいとも思うし、会いたくないと思うかもしれない』


相変わらずの自問自答。
ワタシはどうせ覚えてもいられない脳領域で、そんなやりとりを毎日交わす。
夢から覚めれば内容は忘れている。
その程度の経験なのだろう…この会話は。
しかし、それを経る度にワタシは成長していく。
その先には、一体何があるのだろうか?
ただ、それでもワタシは思う…


三海
『ただ、ワタシの幸せも、届いてほしい…』
『あの人は、ワタシのお姉ちゃんだから……』


夢は微睡む。
そして、今もひとりで旅をしてるであろう、姉の姿をワタシはまた夢に見た。
ワタシだけが幸せなのは、許されないのではないか?
それでも、姉は許してくれるのか?
ワタシはそれを享受して良いのか?
終わらない自問自答の夢…ただワタシは、姉の幸せを、心から望んだ……










『とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない』



第5話 『三海、オトナになる? いや、なっていた?』


To be continued…

Yuki ( 2019/05/10(金) 17:32 )