とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない













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第6章 『過去、そして未来』
第3話
守連
「………」


バチバチバチッ!と火花をあげ、私の右手は放電する。
今いる場所は、白那さんの城にある、地下発電所。
私は定期的にここで自分の電力を消費させているのだ。
もちろん、それは私が未だに自分の電力を扱いきれていないという理由でもある。
逆に言えば、これはそのコントロールの訓練でもあるのだ。


唖々帝
「OKだ守連、ピッタシ満タンだな」

守連
「はい、ありがとうございました♪」


「な〜に言ってんだよ? むしろこっちが感謝する側だっての!」

喜久乃
「そうですよ、守連さんのお陰で私たちの生活は明るくなってるんですから♪」


そう、この城で使われている電力は、全てこの発電所から賄われているのだ。
私たち電気タイプが持て余してる電力を蓄電器に送り、そこから発電機へと電圧がコンバートされて、城全体に家庭用の電気が行き渡っているのだとか…



「でも、守連もちゃんとコントロールが出来る様になったな!」
「正月位の頃は全然出来てなかったのに、半年で成長したもんだ!」

守連
「えへへ〜私だってやれば出来るのです♪」
「それに…私が出来なかったのは、今までやろうともしなかったらだし」


そう、私は訓練なんてほとんどやってなかった。
やったとしても定期的な放電だけで、元から訓練するなんて今まで考えもしなかったのだ。
でも、正式に聖さんと暮らす事になり、三海ちゃんみたいな娘も加わって、私は考えを改めた。
白那さんから勉強を教えてもらう傍ら、私は電力のコントロールも鍛えようと決心したのだ。
その甲斐あり、今ではきっちり放電してれば他人と触れてもほぼ影響は無い。
お陰でちゃんと買い物にはいけるし、お釣りも受け取れるのです♪
…たまに失敗して驚かれる時もあるけど。


喜久乃
「でも、本当に不思議ですよね〜守連さんみたいに戦闘力トップの人が、自分の力をコントロール出来ないだなんて…」

唖々帝
「ピカチュウは決して、本来強力な種族じゃないからな…」
「守連はそんなピカチュウの中でも確実に規格外の化物だ…そんなバカげた電力を扱うには、ピカチュウという肉体が合っていないんだろう」


「まぁ、仕方ないよな…守連がピカチュウのままを選んでるんだし」
「進化する気とか、無いんだろ?」


私はうん…とゆっくり頷く。
私は、やっぱり聖さんが好きでいてくれるこのままが良い。
進化したとしても、聖さんは愛してくれるのだろうけど、それでも私はこのままが良いと思ってる。
それに、都合良く『雷の石』が手に入るとも思えないし、ね。



「さーてと、次は廊下の掃除だな〜」

喜久乃
「私は今日は休みですし、ゆっくり部屋でゲームでもしよ〜っと♪」

唖々帝
「やれやれ…私は庭園に行くよ、大将の手伝いをする」

守連
「あはは…じゃあこれで一旦解散だね〜♪」


私たちはそれで一旦別れ、それぞれの目的地に向かう。
私はとりあえず、お腹が空いたので家に戻る事にした。
時間はもうお昼だ。



………………………



守連
「…え、学校?」


「ああ、もしお前が行きたいなら、何とかしてみるけど…どうだ?」


今は絶賛夏休み…聖さんも普段は家でゆっくりしており、今日も一緒にお昼御飯を食べていた。
その後、唐突に聖さんはそう話してきたのだ。


守連
「う〜ん、やっぱり…ちょっと、怖い…かな」


「そうか…まぁ、無理にとは言わないけど」
「もし、何かやりたい事とかあるなら、遠慮無く言えよ?」
「お前は、食事とゲーム以外で全くワガママを言わない奴だからな…」


私はあはは…と苦笑する。
実際、今は沢山食べれて、毎日ゲーム出来れば私は幸せなのです♪


三海
「学校…」


「三海は…止めといた方が良いかな」


三海ちゃんは首を傾げて?を浮かべる。
三海ちゃんの場合は年齢も問題だからね…一応15歳って世間ではなってるけど、まだまだ高校生に交ざるには難しいと思う。


愛呂恵
「三海さんの場合は、タイマーの問題もありますからね…」


「そうだよな〜授業中に痩せこけてもマズイしな…休憩の度に補給してたら色々怪しまれるだろうし」


確かに、三海ちゃんの場合はそれが1番問題だ。
三海ちゃんの食事量は私と変わらない位だけど、その活動時間は限りなく少ない。
通常生活だけでもそのエネルギーは大量に消費され、生活の大半は眠って過ごしているのが現状。
ましてやバトルなんてしよう物なら、30分も持たないという燃費の悪さだ。
ただ、その分スペックも凄まじく、全力戦闘であれば私でも到底叶う物ではない。
その力は、まさに最強のポケモンと謳われるミュウツーその物なのだから…


三海
「ン…ちょっと、眠い……」

愛呂恵
「それでは、寝室に行きましょう…」


そう言って三海ちゃんは大きなあくびをする。
食事後は大抵これで、三海ちゃんは1時間以上毎日食後に眠っている。
夕飯後に関しては、そのまま朝まで起きない事もある程だ。
三海ちゃんは愛呂恵さんに抱き着いてそのまま寝てしまう。
とっても可愛らしい光景だけど、決して喜ばしくは無いのかもしれない。
三海ちゃんは制限された中でしか生活出来ない…例え幸せでも、それは人間として普通とは言えるのだろうか?
それを思うと、私は少しだけ胸が痛くなった。


守連
「…私も、立場が違ったら三海ちゃんみたいになっていたのかも」


「? どうしたんだ、突然?」


聖さんは?を浮かべていた。
私は苦笑するも、そのまま笑顔で何でもないよ♪と言う。
それを聞いて、聖さんは少し?を浮かべるも、すぐに気にしない事にした様だ。


守連
「さってと! 私は今日もゲームを頑張るよ〜♪」


「そういえば、最近は何やってるんだ? もう○FYはコンプ終わったんだよな?」

守連
「うん、だからちょっと夏翔麗愛ちゃんにソフト借りたの♪」
「すっごくやり込み要素はあるからお勧めだって言われて」


私はそう言って借りたソフトのパッケージを見せる。
すると聖さんは凄く表現に困る表情をしていた。
あれ、何か問題でもあったのかな?



「…まぁ、やり込みはあるわな、耐えられるならの前提条件が付くが」

守連
「えっ!? 耐えられるならって何!? まさか前の生首○ンダムゲーみたいなひっどいの!?」


私はあの悪夢を思い出す…結局何回やってもクリア出来なかったから、裏技パスワードでエンディングだけ見る事になったのだ。
しかもそれで完全に終わりで、他にやる事も無いっていう虚無感を味わった。
そもそも、○ンダムとか知らないから興味あったのに、いきなり心を折られたよ…



「またしかし、○ODとは濃いのをチョイスしたな…」
「初作は色んな意味で狂ってるから、守連には地獄だと思うぞ…」

守連
「そ、そんなに難しいの…? 」


「まぁ、難しいは難しいんだけどな…このゲームはそれ以上の狂気を孕んでいると思え」
「アクションRPGだし、慣れてないと相当クリアまで時間かかると思うぞ?」


私は聞いてて怖くなる…とりあえずアクションRPGで狂気って何?
これ、一応○Fとか○剣伝説とかと同じ会社のソフトなのに、それ程別物なのだろうか?
とりあえず、私は?を浮かべながらもゲームを起動させる事にする。
私は初期型の○S3を起動させ、ゲームディスクをセット。
まずはオープニングを見てみる事に…



「ちなみに、これ初回の奴だから表記されてないけど、一応CERO:Dだから17歳以上推奨なのは覚悟しとけよ?」

守連
「ええっ!? そんなに指定高いの〜?」


まぁ、あくまで推奨だからやってはいけないという物でもない。
ただ、段々怖くなって来るな…
とはいえ既にオープニングムービーは開始した。
私たちはそれに注目し、とりあえず目を奪われる。
最初は一言で言えば不気味…でも、ラストのドラゴンと剣士の共闘バトル描写は凄く格好良かった。
とりあえずこの時点ならそれなりに出来が良さそうにも思える。
私はコントローラーを持って、ゲームを開始する事に…



………………………



守連
「………」


「………」


とりあえず数時間頑張ってみた。
何か、色々キツイ…というか元々苦手なアクション系だし、やっぱりこういうのは中々上手くいかないのだ。
それよりも、ストーリーが進行する度に段々とキャラクターの精神がおかしくなっていくのがとても辛い。
まだ序盤から中盤の辺りだと思うんだけど、これは想像以上に時間がかかりそうだ。




「まぁ、無理はするなよ…?」

守連
「うぅ…折角だからエンディングまでは頑張るよ……」


とはいえ、流石に今日はこれ以上気力が持たない。
とりあえず私は小腹が空いたのを感じ、ゲームを終了して冷蔵庫に向かった。
そしておやつにと取っておいたリンゴを私は取り出す。
私はそれを台所で軽く水洗いし、後はそのまま被りついた。



「お前って、そういう所はフツーにワイルドだよな…」

守連
「そうかな? でも、これ位普通だと思うけど…」


「まぁ、今時果物を生かじりする奴が珍しくなってるからな…」
「俺だって基本的には皮剥いて、ちゃんと切り分けてから食べるけど…」


うーん、そう言われるとちょっと考えるかも…
確かに、愛呂恵さんが出してくれる時は普通切り分けられてるもんね…


守連
「私って、もしかして変なのかな…?」


「いや、まぁ…変っちゃあ変なのかもしれんが、そこまで気にする事も無いと思うぞ?」


聖さんはそう言ってくれるが、私は少し気にしてしまう。
むしろ今まで気にしてなかったのがおかしかったのかもしれない。
そもそも、周りがあれだけ濃い面子なんだから、相対して私が普通に見えてしまっていたのかも…



「ちなみに、他と比べてるなら参考にするなよ?」
「お前は家族の中でも貴重なフツー枠なんだから、変態への道には行かないでくれ…」

守連
「あ、あはは…それは大丈夫だよ」
「うぅ…それでも何だか気になって来たよ〜」
「私、このままじゃただの珍獣枠と思われてそうで…」


「…まぁ、初期のお前ならそれも致し方無しだが、今は勉強も家事もやってるし、別にグータラしてるわけでもないだろ?」

守連
「でも、家事は愛呂恵さんがほとんどやってくれるし、私が手伝えるのってそんなには…」


「だから、比べんなっての…お前はお前だろうが?」


私はポカーンとしてしまう。
聖さんは呆れた顔でそう言ったのだ。
そして聖さんはため息をひとつ吐いてこう続けた。



「よし、今からデートに行くぞ?」

守連
「……はい?」


私は?が5つ位浮かんだと思う。
それは何の脈絡も無い聖さんの誘いだった。
私は当然意味不明な顔でいたと思う…でも聖さんは真面目の様だった。



「とりあえず、外出用の服にでも着替えておけ…って、夏場だしそのままでも問題は無いか」


今の私は黄色のタンクトップに黒の短パンだ。
別にこのまま外に出ても問題は無いけれど…


守連
「ほ、本当に行くの〜?」


「当たり前だ、拒否ったら雫使ってでも連れてくぞ?」


それは色々無茶苦茶だよ! もう強制連行だよ〜!!
どうやら私は何がなんでも行かなければならないらしい…
仕方無いので、私は付き合う事にした。
別に嫌な訳じゃないんだけど、何で唐突に言い出すかなぁ聖さんは…?



………………………




「よし、歩くか」

守連
「目的地は決めてるの?」


「んなモンは無い! まぁ折角だしアミューズメントパークにで行ってみるか?」

守連
「うーんそれだったら人数多い方が良くない?」
「ふたりだとあんまり盛り上がらない様な…」


聖さんはそれもそうだな…と言って、歩き出した。
私もその後ろをてくてく付いて行く。
すると、しばらくして聖さんが立ち止まった。



「まぁ、解っちゃいたけど…とりあえず隣に並べ!」

守連
「え、ええっ!?」


そう言って聖さんは私の手を握って自分の隣に引き込んだ。
私は赤面し、俯いてしまう。
そんな私を見てか、聖さんは頬を掻きながら苦笑する。
うぅ…こんなの初めての事だよ。



「今時、家族でお前位だぞ? 手を握られてそこまで狼狽えるのは…」

守連
「だ、だって…こんな事された事も無いし」


「いやまぁ…そりゃ機会が無かったからな」
「ゴタゴタも多かったし、お前とふたりで出かけるのも初めてになっちまったからな…」


聖さんはそう言って遠い目をする。
その瞳には、本当に色んな想いが込められている気がした。
そしてこれからも、聖さんは戦い続けるんだろう。


守連
「…リィザさんは、私とは仲良かったのかな?」


「…そうだな、色んな意味で似た者同士だったよ」


聖さんは酷く複雑そうな顔でそう言った。
私は?を浮かべるも、想像が付かない。
少なくとも、前に見たリィザさんは大人っぽくて、とても優しそうな人だった。
そんな人と私が…似た者同士?



「リィザさんも、相当な大食いだったからな…!」
「朝飯にケーキホール食いとか、パン1斤とか当たり前だったし!」

守連
「あ、ははは…そういう意味だったんだね」


ある意味呆れてしまう。
とはいえ、意外な一面だ。
リィザさんも、大食いだったのかぁ〜



「まぁ、その分仲は良かったよな…守連とはふたりして良く話してたし」

守連
「そうなんだ…そっか、リィザさんとはよく話してたのか〜」


「…きっとリィザさんも覚えてるよ、守連の事も、阿須那の事も、華澄の事も…」
「リィザさんは、戦う事が本当は嫌いな性格だったから…」
「そういう所も、お前は似てると思うよ…」


聖さんは物凄く悲しそうな顔をした。
そして私は思う…聖さんはやっぱりリィザさんに会いたいのだと。
でもリィザさんは今どこの世界にいるのかも解らない。
ひょっとしたら、すぐ近くにいるのかもしれないし、遥か彼方なのかもしれない。


守連
「…聖さん、私頑張るからね♪」


「え…? 急にどうした…?」

守連
「リィザさんは、きっとどこかで生きてるから、それまで私は聖さんの為に頑張る」
「あ、もちろんその後も頑張るよ♪ ふたりが再会しても、私は頑張るから♪」


私は笑顔でそう言った。
この言葉に嘘偽りは無い。
私は本気でそう思ってるし、絶対に挫けたりしない。
だけど、そんな私を見て、聖さんは悲しそうな顔をした。



「そうやって、お前は自分の幸せを遠ざけてまで、俺に尽くすのか…?」

守連
「え…?」


それは今までに無い位、辛そうな顔だった。
私は意味不明になるも、聖さんは今にも泣きそうな顔で俯いているのだ。
そして、聖さんが優しく握ってくれていた手が、ゆっくりと離される。
その代わりに、聖さんは拳を固く握り、何かに耐えている様にも見えた。



「俺は…いつまでお前に甘えれば良い?」

守連
「え…? 聖、さん?」


「俺は、お前にそこまでされなきゃダメな男なのか!?」


その叫びは、近所の公園に響き渡った。
幸い今は誰もおらず、通行人に聞かれる事もない。
だけど、近隣の家屋には届いたかもしれない…だけど、聖さんはそんな事はどうでも良いとばかりに、私を強い眼差しで見る。
そこに秘められた想いは、静かな怒りだった…



「俺は、お前が好きだよ…リィザさんよりも」

守連
「!? そんな…どうして……?」


「決まってるだろう!? 俺とお前は、どれだけの苦難を乗り越えて来た!?」
「俺とお前の絆は、俺の短い初恋に負ける程細い糸か!?」
「違うだろ!? 俺とお前の絆は…そんなに、細くなんか無いんだ!」


聖さんは涙を我慢していた。
それは当然、私のせいだ。
私は、自惚れていたのかもしれない…
私なら、聖さんの力に必ずなれると…聖さんの幸せに貢献出来ると。
でも違ったんだ…聖さんは、もうリィザさんだけを見ていない。
私みたいなただのピカチュウの為に、涙を我慢して私を見てくれているんだ…
そして、私は理解した…私は、今までどれだけバカだったのだろうかと…
私の偽善で、どれだけ聖さんを傷付けたのだろうかと…


守連
「…ごめん、なさい」


「…!! 違うだろ…! 謝るのは俺の方なんだ!」
「ゴメンな守連…もう、お前はひとりで頑張らなくても良いんだ…」
「もっと、甘えてくれて良いんだ…」
「自分の為に、ワガママを言っても良いんだ!!」


聖さんは膝を着いて頭を下げた。
違う…私はこんな聖さんを見たかったんじゃないのに…
私の弱さが、聖さんを苦しめている…!
なら、私は変わらなきゃならない。
私は…聖さんが好き。
誰よりも、1番大好き…
だったら、聖さんをこんな気持ちにさせちゃいけない!


守連
「…分かったよ、聖さん」
「私は、ひとりで頑張らなくても良いんだね…」


「ああ、皆で頑張ろう…?」
「お前が、ひとりで気を張る必要は無いんだ…」
「だから、今は甘えろよ、俺に」
「俺は、お前のワガママ位なら、きっと許してやれるから…」


私は自分から聖さんの手を握る。
少しだけ静電気が出てビクッ!となるも、聖さんはギュッと握り返してくれた…
きっと今の私は顔を真っ赤にしているだろう。
聖さんはそんな私に笑いかけてくれる。
そうだ…私は、この笑顔が…1番大好きなんだ♪



………………………




「ほら、○ツンとみかん」

守連
「ありがと〜♪ やっぱりアイスはこれが1番♪」


私は近所の公園のベンチで聖さんを待っていた。
聖さんは近くのコンビニでアイスを買って来てくれたのだ。
私はお気に入りのアイスを受け取り、早速それを頬張る。
聖さんも私の隣に座り、自分のアイスを食べた。



「あっついなマジで…やっぱ8月の外はヤベェな」

守連
「うん…じっとしてると汗が止まらないよ」


ちなみにこのベンチは当然の様に日陰ではない。
なので直射日光がスゴいのだ…そりゃ、これじゃあ誰も遊ばないよね。



「だ〜! ダメだ…ベンチが熱され過ぎている!!」

守連
「あ、あはは…もう帰る?」


そもそも、夕方前に出てるからそんなに遊ぶ時間も無い。
とりあえずいつもの思い付きで聖さんはデートを決めたんだろうし、この辺りは行き当たりばったりだろう。
でも、それは私の為だと思えば、不思議と笑顔になれる。



「まぁ、この時間じゃゆっくりデートってわけにはいかないか…」

守連
「うん、でも良いよ…まだ、何回でも機会はあるから♪」


私がそう言ってアイスを食べきると、聖さんも残りを一気に食べきる。
そして私たちはふたりで家に帰る事にした。



………………………




「ん…山か?」

守連
「うん、バーベキューやりたいなって…」

阿須那
「ええんちゃう? 夢の世界以来やし、場所は決めてんの?」

守連
「うん、前に夢の世界で行った所に、行ってみたい」


私がそう言うと、聖さんは一瞬言葉に詰まる。
きっと、考えてる事は同じだと思うけど、でも…


華澄
「同じ所は、再現されていたのでしょうか?」


「疑問だな…そもそも過去に俺は電車乗って出かけた経験が無いからな」
「多分、あの場所は雫が勝手に作った場所だと思うぞ?」
「いくら都心じゃないからって、流石に終点で辺境まで行くわけないだろ…」


というより、終点ってどこまで行く気なんだろう…と思わざるを得ない。
色んな意味であの設定は夢であり、適当だったんだと思う。


女胤
「でしたら、守連さんの希望を満たすのは無理ですね…」

守連
「そっか…残念〜」
「でも、バーベキューしたいから、やっぱり山には行きたい♪」


「まぁ、それは良いが…今からだと阿須那たちが休み取れるのか?」

阿須那
「全員いっぺんには難しいやろな…シフトの都合もあるし」
「特に2号店は家族が大半やし、全員休むんはちょっとな…」


言われてみれば確かにそうだ。
そうなると、家族全員で行くのは問題が出るのか〜



「仕方ないんじゃないか? とりあえず月末を目処に、来れる人間だけでやろう」
「仕事がある奴はそっち優先で、どうしても来たい奴だけは休みを相談する様に!」

阿須那
「了解や…まぁ、ウチは仕事かな」
「行きたいのは山々やけど、主力が抜けるわけにはいかんし」

華澄
「拙者も仕事を優先します…今はバイトの方も少ないですし、拙者が出なければ…」

女胤
「でしたら私もそうですわね…別館の方の開店が近いですし、早く仕事を覚えなければなりません」

愛呂恵
「となると、必然的に家は私が守らなければなりませんね…お任せください」
「留守の間は私が完璧にしておきますので」


あれ…これってもしかして全員アウトのパターン?
いや、まだ三海ちゃんがいるけど…



「夕飯後で三海は寝てるのか…なら朝まで起きないな」
「折角だし、三海は連れて行きたいよな…」

守連
「うん、折角だし思い出は増やしたいもんね〜♪」


とりあえず聖さんは連れて行く気の様だ。
これで3人は確定…後は城の皆が何人来るか…だね。



「まぁ、白那さんたちには明日相談するよ、とりあえずこの家から出るのは守連と三海と俺だな」

守連
「うんっ、楽しみだよ〜♪」


私は新たなメンバーでのバーベキューに心を弾ませた。
きっと楽しくなれる…それだけは確信を持っていられる。
皆で食べるバーベキューは絶対美味しいはず!



「やれやれ、食材は事前に予約しとくか…肉10kgもありゃ流石に足りるだろ」
「余ったら持って帰れば良いし…この際高級肉を仕入れてみるかな♪」


高級肉!? 何それ凄そう! 私はその響きで既にバーベキューモードとなっていた。
もう絶対お腹一杯食べるんだから!!


華澄
「守連殿…涎が涎が!」

愛呂恵
「パブロフの犬状態ですね…もはや肉しか見えていません」


慌てる華澄ちゃんを尻目に、愛呂恵さんはすかさずナプキンを取り出して私の口元を拭いてくれる。
私はハッとなり、我に返って冷静になった。



「…やれやれ、多目に見積もってるんだが足りるかな?」

阿須那
「いかんせん大食いが何人かおるからな…まぁ、野菜とかウインナーも仕入れて調整したらええやろ?」

女胤
「余った分は、お婆様にもプレゼント出来ますし、少し位なら多目でも良いと思いますよ?」


「そうだな…仕事で食えないメンバーの分も取り寄せとこう、そっちはそっちで食べると良いよ」

阿須那
「了解や、ほな当日は仕事終わりに1号店でパーティやな♪」

愛呂恵
「それでは、こちらは家で準備しておきましょう」
「庭の広さがあれば簡単にバーベキューも可能ですので」

華澄
「それでは、拙者はそちらで食べましょう、愛呂恵殿の作るバーベキュー、楽しみでござる♪」

女胤
「私もそれでは家で食べます…夢の世界以来ですから、確かに楽しみですね♪」


そう、今までバーベキューとかはやってなかったから、私も物凄い楽しみなのです♪
本当は全員で一緒にやりたいけど、仕事は仕方ない。
だから、それはそれでたっぷり楽しもう!



「とりあえず、1泊2日で予定しとくか…折角だしキャンプの方が盛り上がるだろ!」

阿須那
「ほな泊まりになるんやな? まぁ、羽目は外さんようにな…」

女胤
「そうですわ! 夜を共にするとなれば、どんな魔の手が聖様に襲いかかるか…!?」


うん、多分女胤ちゃんにだけは言われたくないと聖さんは思ってると思うよ。
と、私は心の中で思いつつも声には出さなかった。
ただ、優しく微笑む事で私は聖さんの呆れた顔を見ているのだった…

私は思う…やっぱり、皆が幸せになってほしいと。
そして、私も望む…私も幸せになりたいと。
聖さんの笑顔、阿須那ちゃんの笑顔、華澄ちゃんの笑顔、女胤ちゃんの笑顔…
皆、皆が笑顔でいてほしい。
その中に私も交ざれたら…それが1番幸せな気がした。










『とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない』



第3話 『守連の望む幸せのカタチ』


To be continued…

Yuki ( 2019/05/09(木) 12:09 )