とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない













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第5章 『POKE MOA EVIL』
最終編 第5話

「………」


俺たちは影モンスターを倒しながら下山して行く。
ここはそれなりに大きな雪山みたく、下りきる頃には夜になりそうな雰囲気だった。
影モンスターも活発に現れ、デカブツが混ざり始めてる。
何だか、ひとり合流する度に敵が強くなってるかの様な印象だ。
このまま戦い続けて、下まで持つのか?



「ちっ…ワラワラと出て来やがって!」


「李さんは退がってください! 前衛は私がやります!」


瞳さんは李さんを後退させ、自身が前衛を勤める。
向かって来る敵全てを正確に捌き、実に無駄の無い動きで群がる敵を払って行った。


夏翔麗愛
「まさに柔の拳なのです! 激流を制するは静水!!」

ピーチ
「凄い…相手の攻撃がすり抜ける様に見える」


まさにこれぞ清山拳。
瞳さんはしっかりと継承してるな♪
相手を倒すのに強い力はいらない。
最小限の力で最大限の効果を発揮する…それが極意。


香飛利
「援護する〜」


香飛利は空中にエアカッターを放ち、空の敵を倒して制空権を取る。
そのお陰で皆は地上だけに集中出来る。
まだまだ、俺たちは苦戦なんてしてられない!



………………………




「とはいえ、やっぱ一気に突っ切るのは無理か…」


「予想以上に敵が多いですね…このまま戦い続けるのは危険でしょう」

ピーチ
「はい、皆PPも心許なくなってます…このままじゃいずれ」


俺は休む事を決断する。
無理をしても良い結果は出ない…例え下山出来ても、まだ敵は途切れないのだから。



「とりあえず、今晩はどこかでやり過ごそう」
「どこか安全そうな場所は無い物か?」

香飛利
「すんすん…? 何か、良い匂いがする〜♪」

夏翔麗愛
「香飛利お姉ちゃん? どこ行くのですか〜?」


また香飛利が勝手に動いてるのか…しかし、良い匂い?
俺には何も感じないが…?
香飛利の奴、原始時代で過ごしたせいか、鼻が相当鍛えられてるのかもしれんな…


ピーチ
「とにかく追いましょう! 今は幸い敵も静かです…」


「ったく、皆疲れてるってのに!」


俺たちはフラフラ飛ぶ香飛利を追いかけた。
そんなに距離は離れておらず、すぐに追い付く位だが、香飛利は何か岩山の前で止まってしまう。
そこで鼻を鳴らし、何やら匂いを嗅いでいた。


香飛利
「? この中から匂う〜!」

ピーチ
「岩壁…いえ、中に空洞がありますね」

夏翔麗愛
「何かのフィーリングパターンを感じるのです…今の所危険は無さそうですけど」


「ある意味、好都合でしょう…ここはお任せを!!」


瞳さんは強く踏み込み、岩壁に拳を突き立てる。
すると、大岩はビキビキとヒビが入り、すぐに音をたてて崩れ去った。
その先には明かりが薄っすらと見え、中には何かの空間が広がっているのが解った。



「安全なんだよな?」

夏翔麗愛
「今の所は」

ピーチ
「とにかく、入ってみましょう…外にいても危険度はさほど変わらないと推測します」

香飛利
「美味しそうな匂い〜♪」


香飛利はさっさと入って行ってしまう。
やれやれ、選択肢無しだな…仕方ない!



「とりあえず香飛利を誰か止めろ!」


「仕方ありません…私が行きます」


そう言って瞳さんは『神速』の速度で香飛利に追い付く。
その踏み込みは見えるレベルではなく、まさに瞬足。
改めて今の瞳さんのスペックがバカ高いのが解るな…成長値で言ったらトップかもしれない。
戦いとは無縁だったあの瞳さんが、修行を積んでこうなったんだから、改めて瞳さんの潜在スペックは高かったのだと気付かされる。
老師も、それが解ったから瞳さんに伝授したんだろうな…



「香飛利さん、勝手に行動してはいけません」
「皆から離れず、聖様の側に…」

香飛利
「ん〜…でもこの匂い〜!」


香飛利は瞳さんに止められながらも、じたばたと手足を動かした。
一体どうしたって言うんだ?
何で香飛利だけが匂いに反応している?
俺には何も匂わないぞ?


ピーチ
「成分を検査します……微量の何かが空気中に漂ってますね」
「どうも、特定の何かだけが反応する、フェロモンの様な物に近いかもしれません」


「フェロモンだぁ〜? つまり、何モンかが引き寄せてるって事か!」


つまりはそう言う事だろう。
香飛利は周りが見えなくなってる位だ…相当な効果があるっぽいが。


夏翔麗愛
「この先に何かいるのです…多分、香飛利お姉ちゃんを引き寄せてる張本人」


少し気温がひんやりしてくる…同時に湿り気が増し、やがて洞窟内の壁が軽く凍っているのに気付いた。
この先には、デカイ湖がある…湖は凍っておらず、透き通った綺麗な水だった。


ピーチ
「山を循環している天然水ですね…飲料水としても十分使えそうです」


ピーチは湖の水を手で掬って検査する。
フツーの天然水の様で、どうやら貴重な水場の様だな。
とはいえ、何かがいるって聞いたが…


香飛利
「匂い〜」


「あっ!?」


香飛利は隙を突いて瞳さんの束縛から離れてしまう。
そして湖の上を飛んで行き、そのまま中央へ……


ゴゴゴゴゴゴ…! ザッパァァァァァァァァァンッ!!


俺たちは、その光景を見て時が止まる。
湖から飛び出した超巨大な魚は、香飛利を丸飲みしてしまったのだ。
そして俺は察する…コイツは香飛利を食う為に匂いで誘き寄せてたんだと!!



「香飛利ーーーーー!!」


魚はザッパァァァァァァァァァンッ!っと再び着水。
そして、その巨体をプカプカと浮かべ、ゆらりと俺たちの前まで泳いで来た。
な、何だコイツ…? 見た目は色鮮やかな赤い斑点の鯉みたいだが、何かを感じる。



「何じゃお主ら…ぞろぞろと珍しいの〜」


「キィィェェェェァァァァッ!! シャベッタァァァァァァァッ!?」
「って、別に驚く程でもないわ!! トンデモ世界だぞ!?」


俺は思わずひとりツッコミしてしまった。
しかし、鯉は口をパックリ開け中からハエの様に香飛利が飛び出して来る。
何だ、飲み込んで無かったのか…脅かしやがって。



「何で人間が迷い混んでるんじゃ? 久々の餌と思ったのに…」


「あん? 食う為に香飛利を引き寄せたんじゃないのか?」
「匂い使って誘き寄せたんだろ?」


「これは、鳥用の誘引材じゃぞ? 何で人間が引き寄せられる?」


俺はこの時点で少し察した。
つまり、この世界に置いてポケモン娘はフツーじゃないのか、と。
恐らく、この鯉はフツーに野生の鳥を狙っただけ。
だけどかかったのはたまたま似た様な鼻を持ってた香飛利だった訳だ。
大岩砕いてまで侵入したんだから、完全に予想外の事だったんだろうな。



「あんた、この世界の事に詳しいか? 実は俺たち異世界から来てさ…」


「異世界!? まさか、魔王の眷族か?」


「魔王? いや、俺たちは関係無いな…多分」


少なくとも、この世界のラスボスが魔王だと言うなら、完全に無関係でも無さそうだが。



「ふむ…となると、これも何かのイタズラか」
「やれやれ…眠っておったから気付かなかったが、随分外は騒がしかった様じゃの〜?」

香飛利
「魚さん、解るの〜?」


香飛利が俺の横に降り立ち、ややビクビクしながらも勇気を出してそう聞く。
すると、鯉はうむ…と達観した感じで首を上に向けた。
そして、再び俺たちに顔を向けてこう語る。



「昔、この世界には神と魔王がいた…」


それは、唐突な昔話だった。
だが、俺たちは全員鯉の前に集まり、その話を聞く。



「かつて、神は人々を作り、魔王は魔物を作った」
「やがてそれらは争い、世界は混沌を迎える」
「儂が産まれたのも、そんな古い時代じゃ」


って、そうなるとかなりの爺さんって事か?
博識そうだし、これはかなり情報が期待出来るんじゃないのか?



「何度も神と魔王の軍勢はぶつかった…」
「ワシも昔は魔王の眷族として人間と戦ったが、最初の戦争が終わると役目を終えた」
「その後は、一時的に平和が訪れる…ワシは人ととも魔物とも関わりを避け、この地で寝たり起きたりを繰り返しておったのじゃ」



「…その、神と魔王はどうなったんだ?」


「結局、戦争で決着は着かず、痛み分け」
「互いが傷を癒す為、長い時を置き…その間に人々は国を作って繁栄した」
「逆に魔物たちは狩られる立場となり、強い力の者は魔王山の封印で守られ、弱き者は外で狩られながらも、何とか生き延びていた…」


両者の均衡が崩れたのか…でも魔物たちは魔王山で力を蓄えていた…いずれまた戦いが起きる時まで。



「それから先、幾度か戦争が起こった」
「しかし、その度に決着は着かず、何度やっても痛み分けとなる」
「何百年も繰り返す内、神と魔王は埒が明かないとし、直接激突した」
「その結果、両者は相討ちとなり、この世界から消えたのじゃ…」


ピーチ
「…それでは、今この世界には神も魔王もいない?」


「消えたんだから、そうだろ?」

夏翔麗愛
「でも、それならあの暗闇の何者かは誰なのです?」
「てっきりアレが魔王だと思ったのですけど…」


そう、俺たちは1度魔王らしき何者かと会っている。
姿は1度も見れなかったが、あの力は尋常じゃなかった。
幽霊の言葉も神や魔王の単語が混ざってたし、やはりまだこの世界には両者がいるんじゃないのか?



「今から、数日前じゃ…この世界に新たな神と魔王が降り立った」


「新たな…ふたり!?」


「じゃが、それはあくまでこの世界の人間がそう呼んだに過ぎん」
「実際に現れたのは、ふたりの少女…しかし、人々はそれを恐れた」
「やっと平和になったというのに、また戦争の火種が降って来たとこの世界の王は思った」
「そして、事もあろうに王はそのふたりを抹殺しようとしたのじゃ」


それは、もしかしなくてもフーパたちの事かっ。
つまり、フーパたちはふたりでこの世界に来た。
その経緯は不明だが、フーパたちはこの世界の人間全員を敵に回してしまったんだな…
そして、フーパは…力尽きて死んでしまったのか。



「少女たちは抵抗した、人間を明らかに超えた力で軍と互角以上に戦った」
「じゃが、既に繁栄して三世紀…人々が持つ軍の力は、やがてふたりを追い詰めて行った」
「寝る間も許さず、常に兵士を送り続け、ふたりは次第に戦う力を削がれていった…」
「そして、遂にふたりの内、ひとりが兵士の槍に貫かれ、絶命したのじゃ…」


俺は、自分の心臓を思わず押さえる。
そして、右腕にはめているフーパのリングを左手で強く押さえた。
まだ、話は終わりじゃない…この先があるはずだ!
俺はキッと強い意志で鯉を見る。
そんな俺の意志を感じたのか、鯉は少しだけ間を置き、やがて口を開いた。



「…少女のひとりが倒れ、兵士たちは歓喜した」
「じゃが、少女の首を落とし、高らかに笑う兵士の姿を目の当たりにした片割れの少女は、怒りと憎しみのままに、世界を滅ぼした…」
「それは、あまりにも呆気なかった…一筋の光が天へ上り、まるで天罰かの如く、流星の様な光線が世界に降り注いだ」
「それらは人々だけを正確に狙い、ひとり残らず消滅させていった」
「その怒りは人々を全滅させても収まる事は無く、やがて魔王山の封印をも破壊し、やがて片割れの少女はそこに住み着いた」
「それからじゃ…何故かその少女は魔王を名乗り、支配する必要も無いこの世界で、新たな魔物を作った」
「…その意図は、残念ながら儂にも解らぬ」


俺は、確信していた。
やはり、アイツが魔王でフーパの大切な少女。
俺たちを巻き込んだのは、やはりフーパの蘇生が目的か…?
夢見の雫を使えば暴走は免れない、それが魔王には恐らく解ってない。
いや、最悪こんな世界を滅ぼしても構わないとも言える。
魔王からすれば、この世界を生け贄にしてフーパを甦らせられるなら、安い物なのだろう。


香飛利
「でも、何でそんなに詳しいの〜?」

ピーチ
「確かに気になりますね、ずっとここにいるのでしたら、外の状況など解らないと思いますが」


「儂の眼は特別製でな…この世界のいかなる場所も見通す事が出来る」
「もっとも、起きていれば…じゃがな」


成る程、寝たり起きたりって言ってたし、それなら解らない時間もあるわな…
んで、今回はたまたま寝起きに香飛利が食われたって訳か…



「お主ら、魔王と戦うつもりか?」


「…それが、クリア条件ならな」


嫌が応にも、俺たちは戦わなければならない。
全てを救うには、必ずぶつかる相手なのだ。
だが、それには後ふたりを見つけなきゃならない…!



「夏翔麗愛ちゃん、喜久乃と唖々帝さんの位置は解るか?」

夏翔麗愛
「う〜ん、やっぱりひとりだけなのです…多分、魔王山の麓にひとり」
「もうひとりは、全く関知出来ないのです…」


やはり、ひとりは行方不明なのか。
いや、待てよ…この鯉、確かいかなる場所も見通せるんだよな?
だったら、探してもらえば解るんじゃ…?



「なぁ、アンタのその眼で俺の家族を探してくれないか?」


「それで儂に何のメリットがある? モノを頼むのであれば、それなりの対価を用意しておるのじゃろうな?」


おっと…そう来たか。
まぁ、確かにこんな世界で無償の恩恵にあやかろうってのは虫の良い話だ。
相手は仮にも魔王が作った魔物…タダで人間の言う事を聞くわけ無いか…



「解った、なら何でも言ってくれ…俺たちで出来る事なら、何とか用意する」


「ほう? それならば儂の食欲を満たしてもらおうか」
「本来なら好物の鳥を食ってた所じゃが、そこの翼人に邪魔されたからの…」


成る程、確かに鳥の代わりに引き寄せられたのは香飛利だからな。
仕方ない、とりあえず食料を集めて満足させれば良いわけだ。



「よし、とりあえず治り草を100個集めるぞ!」

一同
「おー!!」


「待ってぇ!? 儂、これでも肉食だからせめて肉にしてぇ!?」


やれやれ、ワガママな魔物だな…
仕方ない、とりあえず好物が鳥って言ってるし、その辺を探してみるか。
俺たちは、一旦外に出る事にする。
そして、雪山の空をくまなく探し、食えそうな鳥がいるか探してみた。



………………………



ピーチ
「思ったよりいますね…ここに辿り着いたばかりの時はほとんど見なかったのに…」


「あの鯉のフェロモンが効いてるんじゃないのか?」
「香飛利以外にも匂いを感じた鳥はいそうだし」


空を見ると、それなりに鳥が飛んでいた。
とはいえ、小鳥ばかりであの鯉が満足するとは思えない。
数揃えるのはそれも策だが、どうせなら少ない数で済ませたい所だな。



「とりあえず、取れるだけ取ってその度に運べば良いんじゃね?」

夏翔麗愛
「面倒ですけど、それが最善手にも感じますね…とりあえず生でも飲み込もうとするのは判明してますし」


確かに、選り好みするわけにもいかないわな…ここは量で勝負するか。
俺は決断し、香飛利とピーチに空の鳥を落とす様に命令する。
香飛利は熱風で手頃に焼き、ピーチは電撃でこんがりと焼く。
それなりに美味そうな匂いを発しながら、小鳥たちはどんどん落ちていった。
李さんと瞳さんはそれを回収し、鯉に届ける。
夏翔麗愛ちゃんは周りを探査しながら、影モンスターの接近を警戒していた。



………………………



やがて、3時間程粘った所で遂に鯉は満足する。
俺たちはぜーはーと息を荒らげ、多大な疲労を感じるのだった…



「はっはっは! 満足満足!!」
「別に鳥に拘らんでも良かったのに、あえてそれだけ持って来るとは思わなかったぞ?」


「そりゃどうも…お陰で皆クタクタだよ」


鯉は満足そうにゲップを吐き、やがて虚空を見つめる。
そして、鯉は静かにこう告げた。



「とりあえず、魔王山の近くにひとり潜んでおるの…木の上で何かを待っている様じゃ」


「風貌とか解るか?」


「見た事の無い服じゃな…随分露出が高い様じゃが、あまり色気は無いの」


俺は確信する…間違いなく喜久乃だ。
そうか、魔王山の近くにいるのは喜久乃だったのか。
と、なると…行方不明は唖々帝さんか。



「もうひとりいるんだけど、ソイツは見えるのか?」


「ふむ…鐘の洞窟か」


俺たちはその言葉に注目する。
鐘の…洞窟?



「厄介な場所におるの…あそこは、魔王が作った特殊な迷宮でな」
「長くおると、まず命は助からん…」


「!? そんな…長くって、後どの位!?」


「既に4つ目の鐘が鳴った…後3つじゃな」
「時間で言うなら、12時間と言った所か」


後、12時間!? そ、その前に唖々帝さんを見つけないといけないのか!
だったら、早くその場所に行かないと!



「余程大切な家族なのじゃな…?」


「ああ! 絶対に、失うわけにはいかない!!」


俺が強くそう言うと、鯉の魔物は魚顔で微笑む様に笑う。
何だか不気味だが、別に悪気は無い様だった。



「魔王山の南に、森がある」
「その森は、ある一定の法則で抜けると、鐘の洞窟に辿り着ける」
「お前の家族がどうやってそこに着いたのかは解らんが、急ぐのじゃな」
「その洞窟は、この世界から隔絶された空間…儂以外には見る事も感じる事も出来ない空間じゃ」


「そんな…そんな洞窟をどうやって!?」


いや、弱気になってどうする?
絶対に救うと俺は決めたはずだ! 例え、解らなくても、俺は辿り着いてみせる!!
後12時間、俺たちは総力を結集して唖々帝さんの救出に向かう!!



「…お前の様な人間を見たのは初めてじゃ」
「儂みたいな魔物を見ても、物怖じせずに遠慮無く会話をしようとする」
「儂は、お前みたいな人間は嫌いではない…ワガママも聞いてくれたしの♪」


「アンタ…ワガママって自覚はあったのかよ!」


「はっはっは! 儂はこれでも欲深い…人間相手に力を貸すのは初めてなのじゃぞ?」


鯉の魔物はそう言う。
だが、俺はそれでも感謝しかしていない。
コイツがいなかったら、きっと唖々帝さんは見付からなかった。
だから、俺は純粋に感謝したい。



「ありがとう、アンタが教えてくれなかったら、きっと家族は見付からなかった」


「ほう? もう助けたつもりでおるのか?」


「ああ、俺は絶対に助ける! それが、家族との約束だ!!」


俺の決意に、鯉の魔物は嬉しそうに微笑む。
そして、俺たちに向かって最後にこう告げた。



「お主の事は気に入ったぞ! 故に、もうひとつだけ力を貸してやろう…」
「儂のもうひとつの能力…空間転送じゃ!!」


鯉の魔物は目を怪しく光らせ、俺たちを謎の光に包む。
そして次の瞬間、俺たちは謎の森に飛ばされていた…



………………………




「こ、ここは!?」

ピーチ
「検索にヒット無し! ですが、座標は魔王山の南と一致します!」


俺はすぐに察する。
あの魔物は、俺たちをここに送り込んでくれたんだ。
やはり、感謝だな…これで時間はかなり短縮出来る。
後12時間…俺たちは、全てを結集して唖々帝さんを救う!!










『とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない』



第5話 『神と魔王』


To be continued…

Yuki ( 2019/05/07(火) 07:34 )