とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない - 第4章 『新たなる再会』
第7話

『はぁ…! はぁ…! はぁ…!!』


アタシはひとり走っていた。
もう、何度目だろう追われるのは?
今のアタシは無一文、味方はひとりもいない。

全てが孤独の中、アタシは強盗でも何でもして生き延びていた。
例え捕まったとしても、アタシは自分の力で切り抜けられる。
アタシは強い、弱者じゃない!

アタシはやがて、貧困から徐々に上り詰めて行く…
そしてアタシは、次第に自分の運命を感じ始めていた。
アタシは、人の上に立つ存在なんだと!!



………………………




「…あぁ、また…あの時の夢か」


アタシは、暗い路地裏で目を覚ます。
うつ伏せに倒れていた様で、全身が泥塗れになっていた。
そしてすぐに空腹の音が鳴る…もう、何日食べていないだろう?

アタシは、大分体が痩せこけているのを感じていた。
体を何とか起こし、アタシは足元にある汚い水溜まりで自分の姿を見る。
そこで見たのは、以前からは見る影も無い程に痩せ細った、今の自分の姿だった…

長い髪はもはやボサボサになり、頬骨は浮かんで、見た目はまるでミイラだ。
服もブカブカで、みっともないったらありゃしないね…



「…はっ、情けないねぇ、あの女王『アマージョ』たるアタシが、こんな貧困に逆戻りとはね」


思わず笑みが零れる。
そして、あの時の苦しさも同時に思い出す。
あの時もそうだった…アタシは元々裕福だったんだ。

でも…あの大災害を切っ掛けに、全てを失った…
そこから先は酷いモンさ、力の無い連中は野党に全てを奪われ、貴重な水と食料は、力のある物だけが得られる。

でも、アタシは弱くなかった!
アタシは襲ってきた野党を返り討ちにし、逆に食料を奪えたんだ!
そこからアタシは次第に力をつけ、部下を作り、そして国をも興したんだ…


アマージョ
「…これが、楽園かねぇ?」


アタシは天を仰いで呟く…今は朝というより昼の様で、気温は日陰といえどもそれなりに暑い。
アタシは草タイプだからむしろ活発になるけど、なった所で使えるエネルギーが体には無い。
むしろ、余計に空腹を煽って苦しくなる位だ…

今のアタシは人間の目に写らない様、常にこうやって路地裏に隠れて潜んでいる。
特に地下は良い…臭いは最悪だが、人はまず入って来ないからね。
所々に地下水路への入り口があるこの街は、ある意味アタシの様な日陰者には暮らしやすかった…


アマージョ
「とはいえ、食事はそろそろ取らないとねぇ…」


いくら草タイプといえども、人化している今の体では光と水だけで生きてはいけない。
光合成だけで動くのにもそろそろ限界だ…どうにかして、生き長らえないと…


アマージョ
(…生き長らえる? 生きる意味…あったかねぇ?)


アタシは、もう既に疲れきっていた。
ラランテスに敗北し、異世界で魔神に踊らされ、今はこうやって人間界でひっそりと逃げ延びている。
こんなアタシに…生きていると言える奴は、果たしているのかねぇ…?


アマージョ
「あっ…?」


アタシは、その場で前のめりに倒れた。
意識が朦朧とし、次第に体から力が失われていくの理解する。
情けないねぇ、もう幕引きか…

結局、楽園なんて物はアタシには無かったんだねぇ〜
この時、アタシは少しでも楽しかった、あの傲慢の日々を思い出す。
戦わなくても良い、働かなくても良い、ただ怠惰に過ごせたあの日々…
あの頃は、1番輝いていたのにねぇ…

アタシはそれでも、少しだけ貧しかった時の事も思い出した。
あの時も苦しかったけど、決して虚しくは無かった。
むしろ生きるのに必至で、何をするにも真新しくて、それなりに楽しかった…かねぇ?

アタシは、この時点で意識を失う。
そして察すた、終わりを…
結局、アタシには力が無かったんだ。

アタシが楽園だなんて、ちゃんちゃらおかしかったんだ…



………………………



『お見事です…やはり、私の目に狂いはありませんでした』



アマージョ
『ああ…また、これか』
『もう、何度見たのか…?』
『アタシは…今度こそ死ねたかい?』
『今度こそ…アンタの所に行けるのかい?』
『そこなら、苦しまなくて…済むのかい?』



アタシは、真っ白な世界でひとりの男を見ていた。
ソイツは堂々とした佇まいで、直立不動。
両手を腰の後ろに回し、やや斜に構えてこちらを向いている。

アタシはその姿に懐かしさを感じ、そこへ歩いて行こうとした…
が、ソイツは首をゆっくりと横に振り、それを拒否する。
アタシは?を浮かべるも、ソイツは右手でとある方角を指差した。
アタシはその方向を向くと、より光り輝く何かが…


アマージョ
『あそこに…行けってのかい?』


男は無言で頷く。
そして再び手を腰の後ろに回し、今度は真っ直ぐその輝きに対して身体を正面に向けた。

アタシは察する…まだ、許されないのだと。
まだ、やるべき事があるのだと…
アタシは無言のまま歩き始めた。

そして、ゆっくりとした足取りで輝きの方に向かい、アタシはその光に吸い込まれていく…

気が付いた先は……



………………………



アマージョ
「……あ?」


そこは、どこかの室内だった。
まず視界には天井が見えるが、木造で出来た建物だろうか?
とりあえず電灯らしき物が設置されおり、そこから放たれる光にアタシは目を細める。

時間は解らない…アタシは首だけで周囲を見渡し、カーテン越しの窓から漏れる光が無い所を確認した。
どうやら、夜みたいだねぇ…

アタシは今の状況を軽く理解し、また天井を見上げてため息を吐いた。


アマージョ
「…また、死ねなかったのか」


アタシは呆れ果てていた…何でこんなに死に損なうのか?
今のアタシに、一体何の価値がある?
アタシは、まだ生きなきゃならないのかい…?



「あら、目を覚ました?」


アタシは横になりながら声を聞き、首だけを動かして声の方を向いた。
目は若干霞んでいるけど、そこにいた男が目に写る。
髪はセミロング、髭は濃く、口髭と顎髭がくっついている。
服装はいわゆるコックの衣装であり、料理人だと言うのは何となく理解出来た。
アタシはまだロクに体を動かす事も出来ず、ただベッドの上で弱々しく息をする事しか出来ない。

そんなアタシを見て、男は心配そうな顔でゆっくりと近付いて来る…



「随分、弱っているわね…お粥を作ったけど、食べられる?」


男は、片手にお椀を持っていた。
アタシはそこから漂う良い匂いに、少し反応する。
体は弱り切っている、でも食欲はある。
男はアタシの状態を察してか、スプーンを手に取り、お椀から食材を掬ってみせた。

そして、ふーふー…と、スプーンの上に優しく息を吹き掛け、その熱を冷ましてくれる。
その後、アタシの口にそのスプーンをそっと差し込んだ。
アタシはそれを熱がりながらも、咀嚼して何とか飲み込む。
口内には塩と酸味の味が広がり、アタシは次第に体が暖まるのを感じた。
アタシはその刺激に感覚を呼び覚まし、次第に食欲が加速していくのを感じる。



「ふふ、気に入ったみたいで良かったわ♪」
「大丈夫よ? まだお代わりはあるから、好きなだけ食べなさい…」


男の大きな手はアタシの頬を優しく撫で、まるで子供の相手をする様に、ゆっくりとスプーンで粥を掬ってくれる。
やれやれ…アタシはそんなに若くも無いんだがねぇ…

だけど、今はそんな事を思ってる余裕は無い。
アタシは、全力で食事を取る事に専念した。
そして…椀の中身を平らげる頃には、アタシの意識はもうハッキリしていた。



………………………



アマージョ
「…ところで、アンタ何者だい?」
「見た所、人間みたいだけど…アタシがポケモンなのは理解しているのかい?」


「気にしなくて良いわよ? アタシはポケモンの娘を養子にしてるから♪」


アタシは寝たまま、ギョッと驚く。
この人間は、既にポケモンと関わりがあると言うのだ。
だったら納得だねぇ…道理でアタシに何の恐怖も抱かないわけだ。

この世界の人間は、アタシを見ればすぐに慌てふためく位だったのにさ…


アマージョ
「…きっと後悔するよ? アタシみたいな悪党を助けたのを…」


「ふふ…自分の事を悪党と言える人間で、本当の悪党はどれだけいるのかしらね?」


男は笑ってウインクする。
その顔は何の恐れも無かった…癪だねぇ。
今のアタシには、何の威厳も無いって事か…
女王の威厳も…廃れたモンだねぇ〜



「アタシは苧環 勇気、貴女は?」

アマージョ
「…アマージョ、それ以外の名は無いねぇ」


まぁ、ポケモンには別の名を持つものもいる。
異世界で会ったイーブイたち…アイツ等は、別の名を持ってた。
けど、アタシにそんな名は無い…今まで必要も無かったからね。


勇気
「…アマージョね、とりあえず今はゆっくり休んで?」
「ここには、貴女の敵はいないから…」

アマージョ
「冗談じゃないよ…味方だっているもんか」
「むしろ、アタシの首を狙う輩は何処にでもいる…アタシには、安息なんか無かったんだ」

勇気
「だったら、アタシが味方として守ってあげるわ」
「貴女がどんな過去を持っているか知らないけど、アタシが貴女を守ってあげる♪」


苧環 勇気と名乗る、女言葉を話す男は優しくそう言った。
アタシは軽く目眩を覚える…何なんだいコイツは?
何だって、無償でアタシみたいなのを助ける?
おかしいだろ…アタシは助けられる様な存在じゃないのに。


アマージョ
「…一体何が望みだい? タダで助ける気は無いんだろ?」

勇気
「貴女、よっぽど不幸だったのね…そこまで人を信じられないなんて」


コイツはそう言って悲しそうな顔をする。
別に卑下している訳ではない、ただ…あまりにも哀れむ目だったのが、逆にアタシをイラつかせただけだ。


勇気
「でも、アタシは助けるわよ? 何があっても、助ける」
「アタシにとって、お腹を空かせて苦しんでいるだけの存在を助けるのに、理由はいらないわ」
「それこそが、アタシの存在理由だから」
「アタシは、もう2度とお腹を空かして苦しんでいる人を見捨てない」
「例え偽善だと蔑まれても、アタシは貴女を絶対に助けるわ」


アタシは呆然としてしまった…あまりにも馬鹿馬鹿しいと思えたからだ。
そしてバカだ、コイツは本当のバカだ。
そんなの、助ける理由にはならないだろ?

アタシは知ってる…こんな吐き気のする善人は、腐る程殺してきた。
偽善を振り撒いてる奴らなんて、生きる価値は無い…そんな言葉は弱者の建前だ。
アタシは、地獄から這い上がった女…だから、よく知っている。
そんな物は、ただの戯れ言…決して信じるなと。


アマージョ
「はっ…馬鹿馬鹿しい、信用出来ないね」
「アタシはもう行くよ…今回の事には礼を言うけど、2度とアタシに関わるな」


アタシは弱々しくも体を起こす。
が、その時アタシの服がいつもと違うのに気が付いた。
どうやら寝巻きの様だが、柄はピンクの水玉模様と趣味は最悪だった。
アタシはややイラッとし、勇気を睨んでこう言う。


アマージョ
「…アタシのドレスはどうしたんだい?」

勇気
「それなら、洗濯中よ? と言っても、貴女の体型には明らかに合わないサイズだったけど?」


ちっ…そりゃそうか。
あれから相当痩せてるからね…元の服なんか、もうマトモに着れるわけない。
アタシは自分の痩せ細った腕を見て顔をしかめた。
太っていた頃の皮だけは残っている。
お陰で見た目よりかは体が重い。

やれやれ…面倒な事だね。


アマージョ
「何か他の服は無いのかい? こんな寝巻きじゃ、外にも出れない」

勇気
「あるにはあるけど、今の貴女を外に出すつもりはないわよ?」


アタシは更に顔をしかめる。
だけど勇気は一切表情を変えなかった。
今のアタシに、力ずくでどうこうは出来ない…か。

見た感じ、コイツは筋肉の塊だ。
全盛期のアタシならともかく、今のガリガリなアタシじゃ多分勝てないだろう。


アマージョ
「くそ…ホント、何なんだいアンタ?」
「絶対に後悔するよ? アタシなんかを匿ったりして…」

勇気
「後悔はしないわ、これはアタシの意志だもの」
「それに、貴女はそんなに悪い人とは思えないわ」
「本当の悪人なら、そんな悲しい目はきっとしない」
「過去には悪人だったのかもしれないけれど、今の貴女が悪人だとはアタシにはとても思えないから♪」


最後にウインクをしてコイツは笑う。
アタシは、力無く肩を落とした。
もうダメだコイツは…相手をするだけでも疲れる。
こうなったら、利用出来るだけしてやろう。

そして…体調が万全になったら、とっととトンズラする。
コイツと付き合うのは、アタシの体調が戻るまでだ。
アタシはそう決意し、とりあえず流される事にした。


アマージョ
「…もう良い、好きにしな」
「アタシは生きられるなら生きるさ…その後の事は、その時考える」


アタシはそう言って諦め、もう1度布団に包まる。
後は、すぐに眠気に襲われた。
ああ…今度は、悪夢を見ないと良いねぇ…



………………………



アマージョ
「…何日振りかね、悪夢を見なかったのは」


アタシは、久し振りによく眠れたのを実感する。
体はまだまだ本調子じゃないが、気分は随分良くなった。
アタシは上体をゆっくり起こし、立ち上がってベッドから降りる。

そして窓際に立ち、アタシはカーテンの隙間から漏れる光に目を細めた。
今は、朝…か。

その時ガチャッと音がし、アタシの背後から何者かが姿を見せる…
そしてソイツは、アタシに向かってこう声を放った。



「あ、起きてたんですね…気分はどうです?」


アタシは、開け放たれた扉の先にいる女に目を向ける。
その姿は一見人間に見えたが、アタシにはコイツが人間でないと臭いで解った。

そして、察する…コイツが、勇気が言っていた娘なのだと。


アマージョ
「…はっ、アンタが勇気の娘かい?」
「何のポケモンかは解らないけど、随分と酔狂な事だねぇ…」


「…確かに、私はケンホロウです」
「だけど、私は苧環 風路という名前を貰った日本人です」
「決して、酔狂なんかじゃありませんよ?」


コイツはコイツで気に入らない…父親と同じ目をしてるからだ。
血は繋がってないのに、アイツの意志を受け継いでいるのをひしひしと感じる。

何なんだいホントに…


風路
「とりあえず、歩けますか?」

アマージョ
「…動けないと言ったら、担いでくれるのかい?」

風路
「ええ、無理矢理にでも♪」


ムカつく程に笑顔だった。
アタシはため息を吐いてその場から歩く。
体は思いの外動き、アタシは軽く首を鳴らして背筋を伸ばした。

すると、風路は少し驚いた様な顔をする。


風路
「アマージョさん、何気にスタイル良いですよね?」
「今は痩せ過ぎてるけど、胸はちゃんと張りがありますし、ウエストも肉が付けばきっと理想的、ヒップもちゃんとバランス良いんですよね〜」

アマージョ
「…はっ、そんなのどうだって良いよ」
「どんだけスタイルが良かろうが、アタシはロクな扱いを受けなかった」
「世の中、結局力さ…暴力が支配するんだ」


アタシが拳を握ってそう言うと、風路は少し悲しそうな顔をする。
そしてすぐにアタシに肩を貸し、一緒に歩き始めた。
アタシのすぐ側から、良い香りがする…癪だけど、中々良い女だ。

アタシは思わず、舌打ちしてこう言った…


アマージョ
「ちっ…甘ちゃんだね、ホントに」

風路
「そうですか? 私たちにとっては、これが普通ですけど♪」


その言葉には、一切の迷いが感じられなかった。
本気で言っているのは解る…だけど、それが一体何の役に立つ?
それとも、この世界はそこまでお人好しの為の世界なのかい?

よくよく考えてもみれば、アタシはこの世界の事は何も知らない。
人間の目から逃れる為に地下へ潜り、ロクに地上には出てなかったからね…



………………………



アマージョ
「………」


それから、アタシは弱った体に食事を取らせていた。
昨日と同じお粥に、今日はサラダとフルーツが別の皿に盛られている。
アタシは、それらを軽く平らげた。
食欲は、以前に比べれば減少したと感じる。
むしろ貧困だった頃のハングリーさが甦ったかの様に、必要最小限の食料で生きていた、あの時に戻った様だ。


風路
「どうでした? 口には合いましたか?」

アマージョ
「ああ、シンプルな物だけど味は良かったよ」
「アンタが作ったのかい?」


アタシがそう聞くと、風路は笑顔ではい、と頷いた。
ちっ、嬉しそうな顔をして…癪だねぇ。
アタシはその場から立ち上り、再び寝室に戻る事にする。
体は動くが、まだ本調子じゃない。

まだまだ、休む必要はある…


風路
「あ、良かったらお風呂もありますんで、いつでも言ってくださいね?」
「着替えも部屋に置いておきますんで、後で着替えておいてください」


そう言って、風路はバタバタと動き始めた。
やれやれ、慌ただしいね…それとも何かあるのかい?

アタシは耳を澄ませて音をよく聞くと、どうも家の中で何かを運んでいる様な感じだ。
まるで引っ越しみたいな慌ただしさだね…?
だけど、アタシはそれ以上特に気にせず、さっさと寝室に戻って眠る事にした。

この調子なら、後数日には本調子になるだろう。



………………………



そして、時刻は昼頃…アタシは凄まじい音で目を覚ました。
ドタバタとしていた音はもう止んでいたが、代わりに凄まじい歓声が外から聞こえるのだ。
アタシは何事だい?と思い、カーテンを少し開けて外を見てみると、その光景に思わずギョッとした。

まず眼下に広がっていたのは、人の大行列。
そして、それらが少しづつこの建物に入って来るのだ。
何なんだい一体? 1階には一体何が?

アタシが呆気に取られていると、部屋の扉が開かれてそこから風路がまた現れる…


風路
「あ、目が覚めたんですね? すみません、騒がしかったんじゃ?」

アマージョ
「…ああ、相当ね」
「コイツは一体何の騒ぎだい?」

風路
「いえ、これが家の仕事なんで♪」
「ウチ、喫茶店やってるんですよ…コスプレメインの」


アタシは?を浮かべるだけで、理解は出来なかった。
だが、仕事でそうなっているというのは理解する。
その後、風路から細かく説明されるも、アタシには大半が理解出来なかった。
精々解ったのは、ここが飲食店であるという事だけだ。



………………………



サァァァァァァァァァッ…


アマージョ
「…久し振りの、水浴びだねぇ」


アタシは、汚れに汚れた体の汚れを石鹸で落としていた。
この世界の石鹸は変わってるねぇ…ポンプで泡が出て来て、それが石鹸になってる。

髪には髪専用の石鹸もあるし、他にも洗顔、他にもトリートメント?とかいうのもあるけど、とりあえず解らないから下手に使うのは止めておこう。

アタシはとりあえず、鏡越しに自分の体を改めて見た。
昨日に比べても、大分マシになってる…腕も少し膨らんでいるね。
腹の皮は大分残ってるけど、これも太っていた頃の名残だ。
腕と太股にも同様の伸びた皮が残ってる。
そしてアタシは自分の胸に手を当て、それを掬う様に持って上下させてみた。


アマージョ
「スタイル…ねぇ」


アタシの身長は172p程、胸のサイズは88位かね?
緑色の長い髪は膝下まで伸びており、アタシの頭には王冠の様な形の赤い蕾が付いている。
睫毛が赤く、長いのもアマージョの特徴だ。

だけど、他の部分は人間と変わらず、草タイプの中ではアタシは特に人間に近いと言えるだろうね。


アマージョ
「…力は、まだ戻らないか」


アタシは拳を握り締めるも、それ程力は入らない。
これでもアマージョという種族は、力に自信がある。
全盛期での単純な力比べなら、アタシはあの閃光のラランテスにすら引けは取らないはずだ。

だけど、アタシはあれからロクに訓練はしていない。
流石に今じゃあ、見る影も無いねぇ…


アマージョ
「…なら、取り戻してみるか?」


アタシはそう思った。
かつてのハングリーだった自分を取り戻す。
もう、あの傲慢だった頃に興した国は存在しない…だったら、また自分の力でのし上がらないといけない。

その為には力がいる。
アタシには当時それがあった…なら、今では?



………………………



アマージョ
「ふっ! ふっ!」


アタシは、寝室で動きやすいタンクトップと短パンに着替えて、早速運動を開始した。
まずは全体的に筋力を取り戻す。

アマージョは脚力が自慢のポケモンだけど、それ以外も鍛えておく方がバランスは良い。
蹴りはあくまで主力なだけ、手も使えた方が格闘戦なら有利だ。
だからアタシは腕立て伏せで、まずは上半身を鍛えている。
その後も全身をくまなく筋トレし、アタシはひとしきり汗を流した。



………………………



勇気
「精が出るわね、体は調子良さそう?」

アマージョ
「まぁまぁだね…以前に比べたら全然さ」
「まぁ、人間的に言えばもう若さも衰え始めてるし、多少は仕方無いだろうね…」


アタシはもう25歳だ。
人間的にはまだ若いとは言えるが、やはり全盛期と言うにはピーク過ぎ。
ポケモンの体が、どこまで人間と同じ様に衰えるのかは不明だけど、やはり本来のポケモンとしての姿で無い以上、同じ感覚ではいられないだろう…


勇気
「努力をしようとするのは、人間の常よ?」
「そしてそれを続けられる人間は、必ずどこか優れた部分が生まれる」
「貴女だって、きっと何かを見付けられるわ♪」


勇気はそう言って笑う。
端から見ても、勇気はコックとしては異端な程体付きが良い。
その体はむしろ格闘家のそれに近く、明らかに鍛えられている体なのは一目で解るレベルだった。

恐らく、本人も努力は惜しまなかったのだろう。
そんな勇気の言葉は、想像以上にアタシに突き刺さっていた。



………………………



それから、半月程が過ぎた。
アタシは結局、喫茶『こすぷれ〜ん』に居候したまま、体を鍛える日々を過ごしている。
風路はあれから別の大きな街に引っ越し、今は2号店に直接居を構えているらしい。

それからもちょくちょく顔は出しに来ていたが、明らかにその頻度は徐々に減っていっていた…


勇気
「もう、大分筋肉も付いてきたわね」

アマージョ
「まぁ、元々鍛えてあったモンだからね…元に戻しただけさ」
「それでも、やっぱり5年前の様な体には戻らない」
「ここからは、独自に鍛えて超えるしかないね」


アタシは拳を握り、力が入るのを感じた。
以前程ではないにせよ、今なら十分戦える。
そして、アタシは決意する。

これは…アタシが望んだ戦いだ。



………………………



アマージョ
「………」

浮狼
「………」


ここはとある城の地下…アタシはあの閃光のラランテスに勝負を挑んでいた。
まさか、コイツもこの世界にいたなんて知らなかったよ。

だけど、その事を風路から聞かされた時、アタシの想いは爆発した。
あのラランテスに勝つ…! 今のアタシに明確な目的が出来たんだ。
その今のアタシは、女王として堕落しきっていた頃のアタシじゃない。

もっと以前の、力だけで女王にのし上がった頃のアタシだ!
アタシはそう強く思い、キッとした目で目の前のラランテスを睨み付けていた。
そんなアタシを前に、ラランテスは冷静にこう話す。


浮狼
「よもや、こんな時が来ようとは思いませんでした…」

アマージョ
「そりゃアタシもだよ…だけど、今はこの廻り合わせに感謝している」
「そして、あえてこう聞いてやるよ…上から見下ろす気分はどうだい、女王ラランテス?」


アタシが皮肉を込めてラランテスを指差し、軽く笑ってそう聞いた。
すると、ラランテスはそれを一笑に付し、軽くその場でステップを踏む。
いつでも準備は出来ているって事か…嬉しいねぇ。

ここは、ラランテスが住んでいる城の地下訓練場。
アタシは風路に頼み、ラランテスに果たし状を送ってもらったのだ。
その後、正式にこの場を設けてもらい、アタシたちはこうやって対峙している。

アタシたちは、互いに動きやすい服を身に付け、いつでも始められる様に闘志を高めておく。
今回の戦いは、あくまで格闘戦。

殺し合いでないのなら…と、ラランテスが条件を付けたからだ。
アタシは別にどっちでも良いんだけど…このルール下じゃ、どう考えてもアタシに分がある。
ラランテスは本来、腕から発せられるビームを使用して戦う種族だ。
勿論力はある種族だし、格闘が出来なくもない。

けど、ハナから格闘戦をメインとするアタシとは技術的な意味合いが違いすぎる。
マトモに考えて、ラランテス不利なのは確実のはず…

しかし、ラランテスは至って冷静だった。
気に入らない顔だけど、ラランテスも自信はある様で、気合いは十分入っている様に見える。

そんな中、ラランテスは始める前にこうアタシに言った…


浮狼
「まず、最初に言っておきます…私の名は浮狼」
「以降は、その名で呼んでいただきたい」

アマージョ
「ああ、そうかい…なら浮狼、前の借りは万倍にして返させてもらうよ?」


アタシは軽く笑い、そう返す。
ラランテスは特に表情を崩す事無く、更にこう続けた。


浮狼
「本来ならば、この様な私闘は望む所ではありません」
「ですが…今の貴女からは、あの時の様な弾圧するだけの傲慢さは感じられない…」
「故に、私は貴女の挑戦を受ける事にしました」
「そして約定通り、一対一で他者の介入無し」
「肉体以外の技は使用禁止で、相手を倒した方が勝ち」
「以上、特に問題はありませんか?」


アタシは無言で頷く。
そして軽く足を伸ばし、自身のコンディションを再確認した。
アタシの見立てでは、パワーは恐らく5分、スピードなら上、体力は…微妙な所かね?

戦闘スタイル的に、正面衝突は向こうも望む所だろう…さて、開幕はどう攻めるか?
アタシたちは互いに臨戦態勢に入り、それぞれ構える。
浮狼は腕を使った戦法がメイン、アタシは足を使った戦法がメイン。
だけどアタシは手技も使える、接近戦ならアタシの方が択は確実に多いはず。


アマージョ
「さぁ、始めるよ!? 覚悟しな!!」

浮狼
「!!」


アタシが前のめりに踏み込むと、浮狼は低く上半身を屈め、迎え撃つ体勢を取った。
元よりスピードには差がある、浮狼から動くのは得策ではないだろう。
だが、アタシは承知の上で正面から突っ込んだ。
これは挑戦だ! 今のアタシの力が、浮狼に通用するかを確かめる為の!!


アマージョ
「おおっ!!」


アタシはその場で軽く飛び、空中から回し蹴りを放った。
その鋭さは全盛期の時とさほど変わらない物で、アタシは改めて強さを取り戻したのを実感する。

対して浮狼は両腕を高く上げ、ガードに入った。
そのままアタシの蹴りは浮狼の腕に遮られ、あえなく先制は防がれてしまう。
だが浮狼は今の衝撃で後ろにズレ、反撃は出来ない。
アタシはその隙に着地し、すかさず追撃の右回し蹴りを腹に向けて放った。


浮狼
「くぅ!!」


ガシィ!と、浮狼は左腕を下げて今度は片腕で防いでみせる。
アタシはすぐに足を引くも、浮狼はその隙に踏み込んで来た。
望みの接近戦…浮狼は右拳を握り込んで、アタシの腹を狙う。
だが、アタシはここまで予測済み。

アタシはニヤリと笑い、その場で回転して『高速スピン』を放つ。
その回転運動を利用し、浮狼の拳を横に受け流した。
そして同時に、体が流れた浮狼の顔面を狙い、アタシは右手で裏拳を見舞う。
浮狼は反応出来ずにそれを側頭部で受け、頭を弾かれるも、歯を食い縛って耐えていた。


アマージョ
(ちっ、パーリングに集中したせいで、当たりが甘かったか!)

浮狼
「ぬうぅっ!」


浮狼は尚も踏み込んで来た。
決して速度は無いものの、その馬力はまさに重戦車。
ちょっとやそっとの打撃では、到底揺るがないだろう。
だからこそ、アタシはそれを正面から叩き伏せる!

パワーは互角、ならスピードとテクニックで上回れば、アタシは負けない!!


浮狼
「はっ!!」


浮狼は作戦を切り替え、低い体勢でタックルして来る。
アタシは一瞬反応が遅れ、蹴りが出せずに腰に手をかけられてしまった。
アタシは瞬時に危険を感じ、その場で浮狼の腹に膝蹴りを放つ。

ドボォッ!と、浮狼の腹にアタシの右膝がめり込んだ。
浮狼は大きく息を止めるも、それでも必至にしがみ着き、そしてアタシを掴んだまま後方にぶん投げる。


ズダァァァァンッ!!


アマージョ
「かはっ!?」


両者共に、闘技場の中央にいたにも関わらず、アタシは壁まで一直線に叩き付けられた。
そして、異常さに気付く。
浮狼のこのパワーは、ただ事ではない。
少なくとも今のアタシを容易く上回っている。

アタシの予想じゃ、パワーはほぼ互角だと踏んでたってのに…!?


浮狼
「たったさっきの1投で、もう足が止まりましたか?」
「でしたら、こちらもそろそろ本領発揮と行きます…覚悟を」


浮狼は呼吸を整え、体勢を低くして、すぐに突進する体勢に入る。
アタシはタックルを予想し、正面から迎え撃つ体勢に。
すると、浮狼は同じ様に低い姿勢でタックルを仕掛けて来る。
アタシはそのタイミングを完璧に合わせ、右の飛び膝蹴りを浮狼の顔面にカウンターで合わせた。

当たれば一撃で意識を刈り取る事も出来る、これで終わりだよ!


ガシィッ!!


アマージョ
「なっ!?」


アタシの渾身の膝蹴りは、浮狼の両手で容易く止められた。
やはりおかしい! 何故急にこんなパワーが出る!?
浮狼との力差は、そこまであったって言うのかい!?


浮狼
「ふっ!!」


ズダァァァァンッ!!


アタシは膝を捕まれたまま、また力任せにぶん投げられる。
今度はより近くの壁に叩き付けられ、アタシは全身の骨が軋むのを感じた。
意識はまだある、だけど…体が……!


ズシャァァッ!!


アタシはうつ伏せに倒れ、全身を震わせる。
全身が悲鳴をあげてる…くっそ、ここまでかい。
たったあれだけの攻防で、この体たらく…ホントに、情けないねぇ〜


浮狼
「…貴女の敗因は、私の特性を知らなかった事ですね」

アマージョ
「と…く、せい?」


アタシは首だけを動かし、アタシを見下ろしている浮狼の顔を見た。
浮狼は軽く息を吐き、勝ちを確信して力を抜く。
そして、特に感情も込めずに、機械的にこう言い放った。


浮狼
「私の特性は『天邪鬼』…貴女の『トロピカルキック』を食らう度に、私のパワーは逆に上がるのですよ」

アマージョ
「…!?」


成る程、そういう事かい…本来なら相手の攻撃力を削ぐアタシの十八番が、浮狼には逆に働くとはね…
そしてようやく理解した…あの『馬鹿力』も、浮狼のパワーアップに繋がってたのかい。
不可解なパワーの正体はそれ…何て単純な答えだい。

確かに、それを知ってたらもっと違う戦法も取れたろうねぇ…


浮狼
「…今回は私の勝ちですが、運勝ちという事にしておきます」
「少なくとも、こちらの情報が知られていたら、こうも容易くは勝てなかったでしょうから…」

アマージョ
「…はっ、ざけんじゃないよ」
「こちとら、死ぬ気でやってたんだ…次なんて考えてなかったよ…」


アタシがそう吐き捨てて顔を床に落とすと、浮狼は少し悲しい顔をした様だった。
そりゃ相手からしたら、ただ因縁かけられて付き合わされただけだ。
こんな戦いに、意味なんて持ってなかったろうさね…


浮狼
「…ひとつ、聞かせてほしい」
「貴女は…何故あんな暴君となったのですか?」
「今の貴女を見ていると…とても、あんな外道に堕ちた理由が解りません」

アマージョ
「…バカじゃないのかい? アタシは1度、最底辺から這い上がったモンだ」
「そして非道を尽くし、暴力を持って国を興した女王だ!」
「力があるからこそ、民は付いて来る…アタシは暴君である事が誇りであり、自由こそが幸せだった」


アタシは、自分がそれまで行って来た非道を、今更どうこう言うつもりは無い。
あんな物は生きる為、国を強くする為の施政さ。
アタシは象徴であり、女王。

確かに、調子に乗って油断はしてた。
自ら戦う事を止め、国力を持って他を征する。
アタシは恐怖政治を持って世界に君臨し、国をひとつとして大きくしたのに、それはあっさりと霧散してしまった…


浮狼
「…確かに、あの世界は地獄だった」
「一瞬で全てが失われ、あるべき秩序は失せてしまった」

アマージョ
「そんな中…力のある者だけが世界に認められた」

浮狼
「私は、弱者を守る為に…」

アマージョ
「アタシは全てを征する為に…」

浮狼
「道は違えど、到達する結果は共に平和だったのかもしれませんね…」
「貴女が征していた世界は、それは恐怖政治であろうと、確かに秩序が生まれていたのかもしれません」
「だが、私にはそれが許せなかった…そして貴女も同様に私を…」

アマージョ
「はっ、買い被るんじゃないよ…アタシは自分の為だけにやったんだ」
「アンタが言う外道がアタシの正体さ…」
「いつだって…アタシは自分の為に戦うんだ」
「いつもひとりだった、アタシの為に…」


アタシは自然と涙が出るのを感じた。
悔しかった…アタシはコイツとは違う。
アタシは間違ってないと証明したかった…それでも勝てなかった。

アタシは…結局弱かったんだ。
自分は弱い癖に、自分より弱い奴らをイビって、ただ楽をしてた…
もう、アタシには何の拠り所も無い。

本当に…空っぽになっちまった。


浮狼
「貴女は、こんな事で折れる方ではないと私は思います」
「貴女は、私に勝つ為だけに努力をしたのでしょう? 例えそれが短期間であっても」

アマージョ
「…何が言いたい?」

浮狼
「貴女は、ここで埋もれるには惜しいという事です」
「かつて悪行を働いた暴君とはいえ、国を興し、それを大きくし、そして世界を統一した貴女の功績は高く評価します」


浮狼は真面目な顔で、そんな事を言う。
コイツの事だ、本気で言ってんだろうね…
アタシは少しだけ、考える事にした。

諦める事なんて、いつでも出来る…か。


浮狼
「さぁ、立ち上がってください」
「貴女がこの先、正しい道を歩むのであれば、私はこうやって手を差し伸べましょう…」


浮狼は屈んで、アタシの眼前に手を伸ばす。
こちとら体がガタガタになってるってのに、厳しいモンだね。
アタシはため息を吐いて、その手を払いのけた。
そして自分の力だけで立ち上がってみせる。

浮狼は一瞬驚くものの、すぐに微笑した。
アタシはそれから何も言わずに浮狼に背を向け、闘技場を出る。


アマージョ
(正しい道、ねぇ…)


ちゃんちゃら笑いが出る言葉だ。
アタシは今まで自分に正直に生きて来た。
そこに正しいも間違いも無い。
アタシは、いつだって自分が1番さ…ただ。


アマージョ
(…自分より上がいるなら、結局ソイツが正しいのか)

浮狼
「アマージョ殿、こういった試合で良いのなら、私はいつでも受けましょう」
「他にも、この世界には強い者は沢山います…それらの者と競い合ってみるのも、良いかもしれませんね」


アタシはそんな言葉を背中に受け、当面の目的を定める事にした。
強い奴はいくらでもいる…か。
それなら…


アマージョ
「だったら、アタシの目標はまずアンタだ」
「次やる時は、アタシが勝つ…」

浮狼
「分かりました、楽しみにしておきましょう…」

アマージョ
「後、これからはアタシの事はこう呼びな…」
「茫栗(ばうり)…それを今からアタシの名とする」


浮狼は少し呆けるも、すぐに表情を変え、それを受け入れた様だった。
ちなみに読み方を変えると、それはそのままアタシのモチーフと思われる果物の名前だよ…
我ながら安直だけど、まぁ良いだろう。

この世界で生きるなら、どうせ名はいる。
それなら、誰かに名付けられるのは癪だ。
アタシの生き方を決めるのはアタシ。
だから、名を名付けるのも…アタシ自身さ。

アタシは急に笑いが込み上げて来る。
良いね、楽しくなって来た。
小さな目標でも良い、アタシにとってそれは楽園の鍵さ。
今なら、魔神の言った言葉も少し理解出来る。
そう、それこそが…今のアタシなんだ!


茫栗
(あぁ…お前も、笑ってくれるのかい? ナッシー……)


アタシは、光の中で見たアイツの幻影を思い出した。
あれは夢だったんだろうけど、それでもアイツはアタシに道を示してくれたんだ…
もう2度と会う事は出来ないんだろうけど、もし死んで地獄に行ったら、その時は礼を言おう。

そして、その後は…またふたりで楽しくやろうじゃないか。
アタシはそう思い、体の痛みも忘れて笑う。


茫栗
「さぁて…また、1からやり直しさねぇ〜」










『とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない』



第7話 『女王、堕ちて尚…』


To be continued…

Yuki ( 2019/05/02(木) 22:20 )