とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない













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第4章 『新たなる再会』
第4話
白那
「で…これは何の冗談だ?」

ディアルガ
「冗談のつもりはないがな…ただ貴様と話がしたい」


それは本当に唐突な訪問だった。
オレは城の自室で恋愛小説を読んでいた所に、突然ディアルガが現れたのだ。
勿論、このディアルガは以前オレが戦ったディアルガでもある。
そして、明確なオレの元妻…


ディアルガ
「とりあえず警戒を解け、今は貴様と争う気は無い」

白那
「…分かった、良いだろう」


オレは体の力を抜き、警戒を解く。
そして左手に持っていた小説に栞を挟み、パタンと閉じて机に置いた。
その後オレは椅子から立ち上がり、まずはその場から空間転移する。


ディアルガ
「…ここは、地下か? それも以前貴様を始末した場所」
「クク…あの時の借りはもう返してもらったはずだが?」

白那
「勘違いするな…ここなら誰にも会話は聞かれない」
「さぁ、聞かせてもらおうか? お前の話とやらを…」


ディアルガは鬱陶しそうに長い髪をかき上げる。
今回は鎧を装備しておらず、服はレースクイーンの様なピチピチの白スーツに、肘から下を覆う長く青い手袋。
脚にも膝から下を全て覆う青い靴下を履いていた。
やれやれ、何だで胸はオレと同等はありそうだな…
身長も同じ位だし、相似点が多いのはある意味癪だな。


ディアルガ
「やれやれ…立ったまま話をするのか?」
「全く、気の利かん奴だ…」


オレは言われてすぐに空間を開け、椅子をふたつ出してやった。
空き部屋に置いてあった使ってない椅子だ。
ディアルガはそれを見てククク…と笑い、椅子に座る。
オレも同様に座り、両手を膝の上で合わせてディアルガを睨む。
一体、何の話をする気だ?


ディアルガ
「まぁ、そう警戒するな…大した話ではない」
「人の住む世界とは、どんな物だ?」

白那
「…唐突、だな」


それは本当に予想もしていなかった言葉だった。
あのディアルガが、そんな世間話じみた言葉を言ったのだ。
少なくとも、オレの記憶にあるコイツは誰にも興味を抱かず、冷血かつ冷酷。
自分以外の何者をも認めず、決して心は許さない徹底した傲慢の神だった。
そんなディアルガが…こちらの世界に興味を?
いやそもそも…どうやってこの世界に?
まさか…これも混沌の影響なのか?


ディアルガ
「気になったのだ…お前をそうまで変えた人間の存在が」
「あのアルセウスですら救ってみせた、あの特異点」


成る程、聖君に遠からず惹かれたか。
分からなくはない、聖君の魅力はただの人間とは思えないからな。
とても不可解だけど、聖君の心は人間離れしている。
いや、夢見の雫を継承した時点で、もう人間とは呼べないのかもしれないが…


白那
「…何故、今更になって?」

ディアルガ
「解らぬ…あれから半年余り、私は元の世界でずっと空虚に囚われていた」
「どれだけ時を操れても、自分の心は暴けない」
「そんな時、ふと貴様とあの人間を思い出した…」


それで時空を超えてここに辿り着いたのか?
ディアルガの能力だけでそんな世界移動は出来るだろうか?
以前はアルセウスの呪縛によって能力をブーストされてたからまだ解るが…
元のディアルガ単体でここまで来れるとは、オレには思えないんだが…


白那
(やはり…これも、混沌の一端か)


そう思えば、全ての不条理は納得出来てしまう。
そもそも、混沌は何でも有りなのだ…この程度の不可解は仕方ないと思うしかない。
しかし、そうなると…もうひとつの問題はある。


ディアルガ
「どうした? 私の顔に何か付いているのか?」

白那
「いや、変わらず綺麗な顔だがね…少しムカつく位には」


オレが微笑して言ってやると、ディアルガも笑う。
確かに敵意は感じないな…むしろ、ここまで純粋な心を押し出してるコイツは見た事が無い。
やはり、聖君が与えた影響は大きいのか?


ディアルガ
「…貴様も、随分女らしくなった物だな」

白那
「そりゃあね…事実今は女だし」
「それに、オレたちは元々性別不明だ…男女の性格も、娘たちの為に設定されただけの物だからな」


とはいえ、その娘が物心つく前にコイツはとっとと職務放棄して逃げたわけだが…
コイツにとっては、家族なんて飾りは意味を持たなかった。
時間すら超越するコイツに、家族の暮らしなど記憶の断片に過ぎなかったのだから。


ディアルガ
「…ふ、この人の体は本当に不思議だ」
「が、同時に不安になる…こんなにも脆い体で、この先どうなるのか?と」


ディアルガは自分の手を見てそう呟く。
その口調は何故か弱々しく、オレが初めて見るディアルガの弱さに見えた。


白那
「オレたちは所詮、ポケモンであり人間だ」
「生きとし生けるモノはいずれ死を迎える、オレたちはそうやって人と共に生きる事を望んだ」


そして、それは聖君の望みでもあった。
だからこそ、オレたちは今ここに生きているんだから…


ディアルガ
「人と…共に、か…」

白那
「お前じゃ理解出来ないだろ? 人間を下位の存在としか思ってないお前じゃ」

ディアルガ
「…解らん、だが今は何故か知りたいと思う」


オレは少なからず驚く。
ディアルガは本当に変わろうとしている?
何故そうなろうとしているのかは定かではないが、少なくとも悪い兆候じゃ無さそうだ。


白那
「まさか、人の世界で過ごすつもりなのか?」

ディアルガ
「ああ、少なくともこの心の空虚を埋めるまでは…」

白那
「なら、ここで一緒に暮らすか? 苦労はさせないぞ?」

ディアルガ
「ふ…それこそ冗談だな、私は貴様の世話にはならんよ…」


そう言ってディアルガは立ち上がる。
まぁ、そう言うとは思ってたけどね…
オレは無言で空間を開き、偽装薬の箱を一箱取り出してディアルガに差し出した。
ディアルガは?を浮かべそれを手に持って見る。


ディアルガ
「何だこれは? 避妊薬か何かか?」
「いくら私でもそこまで無節操に人と性交するつもりはないぞ?」

白那
「…そんな冗談まで言える様になったのか?」
「それは見た目を人と同じ様に見せる為の偽装薬だ」
「1錠で1日は持つ、元娘からの餞別と思って素直に受け取れ…無くなったらまたいつでも来い」


オレはそれだけ言って自室に転移して戻り、ディアルガを外の世界に放り出した。
なるべく人目のつかない場所を選び、そこにディアルガを送り込んだつもりだ、後は自分で何とかするだろう…



………………………



ディアルガ
「…ここは、何か建物の屋上か?」


気が付けばそんな所に放り出されていた。
今は太陽の位置から夕方位の時間だと予想する。
私は渡された薬箱をマジマジと見て、そして顔をしかめた。


ディアルガ
「…元娘から、か」


つまりはそう言う事だ。
もう私はあれの家族でも何でもない。
言わば赤の他人だ。
会えば世話位焼いてやるが…位の関係か。

私はとりあえずその薬を1錠飲む。
ふむ、別段自分の目から何かが変わった様には見えんな。
あくまで他の目から人間に見える様にしているだけか。
私は屋上の端まで歩き、金網のフェンスに指をかける。
そして、目下に広がる人の世界を見た。
多くの人間が歩き、それぞれが様々な表情を見せている。
私はまだ何も理解出来ない。
人とは、一体何故あんなにも多様な感情を見せるのか…
私は、それを知る為にまずは住居を探す事にする。
そしてその際に自分にルールを定めた。
そのルールとは……



………………………



万丁
「ちっ…今月は余裕がねぇな」


俺は財布の中身を確認して舌打ちする。
無駄遣いはしてねぇが、やっぱバイト位はやらなきゃならねぇな。
俺はとりあえずズボンのポケットから鍵を出して玄関の鍵を開ける。
そして靴を脱いでスリッパに履き替えた。
そしてそのままリビングに入ると…



「ほう、これはまた奇っ怪な髪型の人間だな?」
「貴様がこの家の主か?」


俺はとりあえず放心する。
理由は解らないが、何故か人ん家のリビングでそいつは優雅に足を絡めて座っており、テーブルに左肘をついて顎に手を当てていた。
その姿はパッと見で美しいと思える見た目で、レースクイーンの様なピチピチのスーツがボディラインを強調している。
野郎…腹筋スゲェな? スーツの上からでも解る位には筋力ありそうだ。
とはいえ、今はそんな色目を使っている場合じゃねぇ。
問題だぞこれは? 完全に不法侵入だ。


万丁
「とりあえず何だテメェは?」


「私はディアルガだ、ここを住み処にしたいのだが構わんか?」


何を言ってるんだコイツは?
いきなり不法侵入して住み処にしたいだぁ?
突拍子も無さすぎだろ! ディアルガとか言ったが、外人なのかコイツ?
見た目は黒髪の日本人っぽく見えるのに…


万丁
「とりあえず理由を話せ、何でここに住みたいんだ?」

ディアルガ
「私には行く所が無い、故に聞いているのだ」
「ここを選んだのはただの気紛れ、ランダムに選んだ」


何だそりゃ? 何かコイツの言動はどこかおかしい
一体何がどうなってコイツは勝手に家に入れたんだ?
俺の家はマンションの12階…しかもオートロック付きで許可が無けりゃ入る事も出来ないのに。


ディアルガ
「こっちには時間はたっぷりとある、嫌なら嫌と言え」
「そうすればすぐにこの場から消えよう…」
「私は受け入れてくれる者をランダムに探すだけだ」

万丁
「待て、お前こんな事を繰り返し続ける気か?」
「警察が黙っちゃいないぞ? これは犯罪だ!」

ディアルガ
「そうか、人間の社会とは面倒な物だな…」
「まぁ、それならそれでその警察に厄介になれば良いだろう」
「私としては衣食住を保証してもらえるならどこでも良い」
「何なら礼代わりに夜の相手をしてやっても構わんぞ…?」


コイツは完全に頭のネジが外れてる。
普通の人間の考え方じゃない…浮世離れとかそういう問題でも無い。
コイツは一切の行動に恐怖を伴ってないんだ。
全てが所詮流れみたいな物だと認識している…
俺は軽く恐怖する…今相対しているのは未知の存在みたいな感じだ。
ひょっとしたら、これが本物の宇宙人とかじゃないのか?


万丁
「とりあえず正直に言え、お前は地球人なのか?」

ディアルガ
「…何の事か解らんが、この世界で生まれた存在ではないな」


ハッキリと言いやがった…!
つまりこれはやはり未知との遭遇!?
俺は世紀の発見者になってしまったのか!?
歴史に名を残す偉人への第1歩なのか!?


ディアルガ
「ちなみに私としては無意味な情報公開は避けたい」
「故に、貴様を信頼出来なければ、私は貴様を始末せねばならなくなる…」


げぇっ!? 始末とか言われた!!
これは要するに口封じ、俺は気が付けば宇宙人の食卓に並んでいたのかもしれない…
ここまで聞いた以上、俺はもはやデッド オア アライブ!!
未知の宇宙技術に勝てるとは思えねぇ、俺はコマンドー程屈強ではないのだ!


万丁
「まさか、地球を征服する為にやって来たのか?」

ディアルガ
「そんな俗な事に興味は無い、私が求めるのは人の心とやらだ」


人の、心…?
どういうこった? もしかしてコイツには心が無いのか?
ここまでに大した感情表現は見られないが、少なくとも心が無いとかそういうのじゃ無さそうだが。


万丁
「仮にここに住むとして、それから何をするつもりなんだ?」

ディアルガ
「何もしない、ただここで生きてみたい」
「人の営みとは何なのか? 私はそれが知りたいのだ…」


成る程、詰まる所コイツは地球人の生活を知りたいんだ。
その理由は全く不明だが、コイツはとりあえずランダムに選んで俺の家に来た。
あくまでたまたまだが、俺は不運にも踏み込んでしまった。
聞かなきゃ良かったんだが、聞いちまった以上俺は従うしかない。
まぁ、余計な事さえ口走らなきゃ比較的無害そうだし、後は案外何とかなんだろ…


万丁
「ちっ、とりあえず勝手にしろ…」
「ただし、寝床は保証してやるが、衣、食は自分で何とかしてくれ!」
「俺には人ひとり養える金銭的余裕はねぇ!」

ディアルガ
「何だ、貧乏人か? 仕方あるまい、少し待て…」


ディアルガとか言う宇宙人は、突然虚空を見つめてボーッとしていた。
何だか解らんが、何かやっているらしい…
ま、まさか宇宙と交信しているのか?
宇宙的な便利グッズでも飛び出すのだろうか!?
俺は淡い期待をしながらも、何が起こるのかをじっと待っていた。


ドスッ!


ディアルガ
「…よし、受け取れ」

万丁
「…は?」


あまりにも突然の現象だった。
ディアルガの目の前に何か妙な穴が一瞬開き、そこから金塊が出て来たのだ…
俺はそれを受け取るが、それはズシリと重い…!
これ10kgはあんじゃねぇのか!?
えっと、確か今のレートだと…最低価値だったら約500万円!?
い、いやいやいや!! ちょっと待て!!
そもそもこれが本物とは限らない! 偽物だったらぬか喜びだ!


万丁
「あの、これ…本物?」

ディアルガ
「安心しろ純金だそうだ、換金すればそれなりの金額になるだろうとの事だ」


純金!? だったらレートは最低4000万円以上かよ!?
こ、こんなの貰っても良い物なのか?
つーか、そんな価値のあるもの未成年が換金出来る気がしねぇ!!
確実に税金かかる代物だし、そもそも審査やら何やら不明だからまずどっかで引っ掛かる!
価値が高いなら尚更日本みたいな国で換金出来るかっ!


万丁
「…とりあえず返す、換金なんてこの国じゃ無理だよ」

ディアルガ
「何…? そうなのか…むぅ、ならまた少し待て」


ディアルガはまた金塊を持って何かと交信していた。
すると金塊は一瞬で消え、今度は現金が代わりに現れた。
ざっくり見た感じ、100万円以上はありそうだが…


ディアルガ
「これなら大丈夫か?」

万丁
「…偽札じゃねぇだろうな?」


少なくとも俺には判断がつかないが、見た感じ1万円札の日本通貨だ。
こんなモンをポンと出すのもアレだが、どうやってやってんだ?


ディアルガ
「そんな事は私には解らん、この世界の通貨など知らんのだからな…」

万丁
「それよりもこんな大金をポンと出せる方が疑問だ!」
「何なんだ今のは? どうやって金塊やら札束やらがポンと出てくんだよ!?」


俺が聞くと、ディアルガはため息を吐き、こう説明し始めた。
その内容はおおよそ俺が理解出来る範疇じゃなく、もはやオカルトだった。


万丁
「…はぁ? テレパシーに空間転送?」

ディアルガ
「言葉通りの意味だ、知り合いにテレパシーで連絡を取って空間転送で物資を送ってもらっただけだ…」
「少々説得に時間がかかったがな…」


やっぱりコイツは宇宙人だ…!
人類の叡知を軽く凌駕してやがる!
俺は、これからどうなって行くんだ? 俺の野望は…


ディアルガ
「とりあえず金銭面はこれで良いのだろう?」
「後は勝手にさせてもらう…食事は任せる、食えるなら文句は言わん」


そう言ってディアルガはそのままカーペットに背を預けて休んでしまった。
俺は途方に暮れ、大金を手に自室に戻る事にする…
くっそ、大丈夫なのかよこの金?



………………………



万丁
「とりあえず買い物行くか…偽札じゃねぇのを祈るぜ?」
「おい、ディアルガ! とりあえず大人しくしとけよ!?」


俺は自室を出てリビングに叫ぶが返事は返って来ない。
俺は不審に思い、リビングを覗くとディアルガはぐっすり眠っていた。
余程疲れていたのだろうか? 起きる気配はしなかった。
俺はその寝顔を見て、思わず見とれる。
流石は宇宙人…地球人とは美貌も違うってか?
胸もスゲェよな…90はあんのかな?
俺は思わずゴクリと喉を鳴らすも、不埒な考えはすぐ捨てる。
寝てる女性に欲情するなんざ卑怯者だ。
俺はとりあえず1度押し入れを漁り、毛布を一枚見つけたのでそれをかけてやることにした。
6月も下旬とは言え、あんな薄着じゃ風邪ひくかもしんねぇ…
とりあえず、今はこれでそっとしとこう…



………………………



万丁
「…とりあえず、1度貯金しとくか?」


俺はいくらかも解らない札束の事を考える。
まずはATMで通るか確認して、行けるなら必要分以外は貯金しとくのが吉だろう。
って、金額的にはマズイか?
独り暮らしの未成年が、預金に100万以上の金を一気に入れたら怪しまれるかもしれねぇな…


万丁
「と、なると…月イチ10万づつとかにしとくか」
「それならバイト代と思われるだろうし、何とかなりそうだな」


俺はそう思い、近くの銀行に寄ってATMを利用する事にした。
そして、10万円だけを貯金し、とりあえず残りは封筒に入れて保管する事にする。
つか、封筒1枚じゃ足んね〜3枚はいるなこりゃ…
俺はATMの側に設置されてる封筒を3枚取り、金を詰め込んだ。
そしていくらかは財布に捩じ込み、封筒は鞄に入れる。
さて、後は飯だな…何食うか?
っていうか、ディアルガは何でも食えるのか?
食えりゃ何でも良いとは言っていたが、地球の食べ物は食えるのか?
俺は悩むも、この際1度戻って聞いてみる事にした。
買ってから食えませんじゃ話にならねぇからな…



………………………



万丁
「ただいま〜って、久し振りだな何か」


俺は自分で言ってて不思議に思う。
高校に入学してからは独り暮らしで、ただいまなんて言った事無いからな…
俺はとりあえずリビングに向かうと、ディアルガは既に起きていた様で、テーブルに向かってボーッとしていた。


ディアルガ
「…出かけていたのか?」

万丁
「ああ、ちょっと銀行にな…それと、お前は何が食えるんだ?」
「宇宙人の食べ物とか俺には解らんからな…」


俺がそう言うとディアルガは?を浮かべて考える。
とりあえず地球で食える食べ物なら良いんだが…


ディアルガ
「…とりあえず、肉か野菜か果物なら多分大丈夫だ」
「だが、宇宙人とは誰の事だ?」
「私は異世界の住民だが、宇宙に住んではいないぞ?」

万丁
「あれ、そうなのか? じゃあまさか魔族とか天使とかそういうのか!?」


ディアルガは微妙な表情で?をまた浮かべる。
どうやら全部的外れらしい…だったらコイツは一体何なんだ?


ディアルガ
「…はぁ、言ったはずだが、私はディアルガ」
「人は時間ポケモンとでも名付けてたな…いわゆるそれだ」


俺はとりあえず固まる。
今何っつった? ポケモン? ディアルガ、時間、ポケモン…
それって、あのポケモンだよな?
ポケットモンスター…縮めてポケモン。

万丁
「だっはっはっは!! 流石にそれは無ぇわ!!」
「ポケモンて、ゲームのキャラだろ?」
「どう見たって見た目は人間じゃねぇか!」

ディアルガ
「はぁ…まぁ期待してはいなかったがな」
「だが、とりあえずこれ位の事は出来るんだぞ?」

万丁
「!?」


突然、ディアルガは俺の背後から声をかけて来た。
当然、もう目の前にはディアルガはいない。
俺は恐る恐る後ろを見ると、ディアルガが髪をかき上げて鬱陶しそうにため息を吐いていた。
な、何をしたんだ今のは?


ディアルガ
「私は時間を操れる、私にとっては未来も過去も思いのまま…」
「その気になれば、お前を赤子に戻す事も不可能ではないぞ?」
「信じられないなら…試しに体験してみるか?」


俺は瞬間恐怖に苛まれる。
ディアルガは事も無げにそんな事を言って俺に右手を向ける。
全身から冷や汗が出ているのが解った。
下手すりゃ殺される? ダメだ、コイツはやっぱりバケモノに違いない!
ポケモンだとかバカな事言ってるが、そもそもコイツは普通じゃないんだ!!


万丁
「ま、待ってくれ…! 何で、何でポケモンが人間の姿してんだよ!?」
「おかしいじゃねぇか! ゲームが現実なのもおかしいが、それ以前の問題だ!!」


俺が捲し立てる様に質問をすると、ディアルガは少し悲しそうな顔をした。
何でか解らないが、俺はその顔が酷く悲しく見えたのだ。


ディアルガ
「…そんな事、私が知りたい」
「私は、何故人になった? 何故、ここにいる?」
「パルキアに聞いた所で、その答えはきっと返って来ない…」
「私は、何だ? 人でもなければ、ポケモンですらないのか?」


それは、全てを諦めた様な声だった。
コイツは、探してるんだ自分の居場所を。
何も解らない、誰も答えてくれない。
コイツは、きっと相当凄い奴なんだ…それなのに、そんなちっぽけな理由が見つからない。
俺は、もう恐怖は消えていた。
むしろ、哀れみすら出て来る。
そして、俺はとりあえず深呼吸をひとつし、こう言った。


万丁
「もう良いよ、お前の事は信じる」
「だから、とりあえずその手を降ろしてくれ…今更赤子とか戻りたくねぇし」

ディアルガ
「…そうか」


ディアルガは納得したのか、手を降ろして再びテーブルの前に座る。
何か、こうやって見ると弱々しいな…儚くも見える。
そういや、平気でタメ口利いちまってたが、年齢とか聞いても良いんだろうか?
いや、そもそもポケモンって言ってるし、人間と同じ年齢換算で良いのか?
まぁ、とにかく聞いてみよう!


万丁
「…ディアルガって、何歳なんだ?」

ディアルガ
「…? さぁな、数えた事も無い」
「時間を操れる私には、正確な年齢等把握出来ない…」
「もう数えられない程には、自分の肉体時間を加速させたりしてるからな…」
「まぁ、あえて言うならパルキアと同じだから、人間で言うなら29歳か」
「今年で確か30になるはずだ…」


マジか…だったら完全に大人じゃねぇか!
しまったな、先に年齢聞いとくんだった…かなり生意気な口の聞き方しちまったな。


ディアルガ
「そういえば、まだ貴様の名を聞いていなかったな…」

万丁
「あ、そうか…俺ぁ万丁、『万丁 宙』(ばんちょう ひろし)だ」

ディアルガ
「万丁 宙…解った、なら宙と呼べば良いか?」

万丁
「あ、そ、それで良いっす」


俺はとりあえず口の聞き方を変えておいた。
ディアルガさんは特に何もツッコマなかったな…


ディアルガ
「…宙、私に名をくれないか?」
「この世界では、名が必要となるだろうからな…」


突然そんな事を言われる。
とはいえ、俺にそんな気の利いた名前を考え付くだろうか?
あまりありきたりな名前なのも何だしな…何か特徴からでも付けて見るか?



「えっと、ディアルガさんって何か特徴とかあるんすか?」
「その、時間を操る以外に…」

ディアルガ
「…特徴か、私は鋼タイプとドラゴンタイプだが」
「そうだな…金剛玉のこれを、人はダイヤモンドとか言っていたかな?」


そう言ってディアルガさんはひとつのビー玉の様な石を取り出した。
それは丸く、確かに色はダイヤモンドの様にも見えるが、全く磨かれておらず、宝石と言うには価値は無さそうな感じだった。
だが、ディアルガさんはそれを大事そうに手で転がしており、重要な物だと言うのは伝わった。
俺はとりあえず決めた。
この人の名は…



「大愛(だいあ)とかどうです? 安直かもしれねぇっすけど」

ディアルガ
「…○紋呼吸法は使えんぞ?」


「それ○イアーさん!! 何で○ョジョネタ知ってんすか!? ポケモン世界でも流行ってんの!?」

ディアルガ
「知らん、何故か突然頭に降って来た」


何てこった…ディアルガさんにはネタの神様が降って来たのか?
やっぱり○木先生は異世界でも通用するんだな…!


ディアルガ
「とりあえず、それで良い…」
「ダイア…か、どんな字で書くんだ?」


「あ、そうか…文字とか読めんのか解んねっすけど、とりあえずこんな字っす」


俺はテーブルに乗ってたメモ帳にボールペンで字を書く。
すると、ディアルガさ…じゃなかった、大愛さんはそれを見て少し顔をしかめた。
あんまり、気に入らない漢字だったかな?


大愛
「ふふ、この私が…大きな愛、とはな…」


大愛さんは笑ってはいたものの、凄く悲しそうだった。
一体、大愛さんにはどんな事情があるんだろうか?
俺には、何故か大愛さんの姿が強くも弱々しく映った。
俺は、予感する…これから先、俺はこの人と野望を共にするのだろうと。
そして、いつか俺はこう思うのかもしれない…大愛さんとの出逢いは、運命だったんだと…










『とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない』



第4話 『ディアルガ再来』


To be continued…

Yuki ( 2019/05/02(木) 00:03 )