とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない













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第3章 『混沌だからって、悪意ばかりじゃない』
第1話

『神様、流し切りが完全に入ったのに…』

アルセウス
『…運命は変えられぬ、その青年は死ぬ定めだったのだろう』


俺はアルセウスさんに夢の中でマジレスされて、ちょっと恥ずかしくなってしまった…
流石にここでネタをぶち込むのは色々冒険だな!!


アルセウス
『まずは、また感謝をせねばならぬな』
『過去の過ちとはいえ、我の代わりにあの男を止めてくれた事を感謝する』


『…アイツは、やっぱり救いが無かったんですか?』


俺はまた近所の公園でアルセウスさんに会っていた。
もちろん夢の中でだが…ここに来る事はとても重要だ。
俺は夢見の雫を出し、色を確認する。
透明度はほとんど無い…やや黒くなりかけてるか…
今回ばかりは、本当に無理をしたと実感した。


アルセウス
『確かに、救いは無かったかもしれぬ…だが、それも己が意志で選んだ道』
『後悔は、していなかったのだろう…』


アルセウスさんはそう言って、雫を一気に浄化する。
その際に一瞬表情を曇らせたが、すぐに息を吐いて呼吸を整えた。



『大丈夫、ですか?』

アルセウス
『ふふ、人の子が神を心配してくれるのか?』


アルセウスさんは優しく微笑んでくれる。
俺は気恥ずかしくなって思わず頬を掻いた。
アルセウスさんも、よく解らない所はあるんだよな…
でもまぁ、やっぱ神様だし人とは考え方が違うだろうからな…


アルセウス
『…とはいえ、今回の濁りは危険であった』
『もし、そなたが少しでも負の側面に傾いていたら、暴走していたかもしれぬ』


俺は聞いてゾッとする…そして改めて悠和ちゃんに感謝した。
もし、悠和ちゃんが止めてくれなかったら、俺は世界ごと皆を滅ぼしていたかもしれない…
終わり良ければ全て良しとは言うが、今回はかなり危険な橋だった。
本当に、俺は誰かに助けられてばかりだ…



『また、あんな辛い混沌が続くんですか?』

アルセウス
『いや、恐らくあれは極端な例だ…先々代の悪意が、世界を渡って悲劇を引き起こした』
『本来なら、我がその歪みを絶ち切らねばならなかったが』


『でも、俺はミュウスリーを救えました』


アルセウスさんは頷く、そして言葉をこう続けた。


アルセウス
『そなたでなければ、あのふたりは救えなかった』
『もし我が介入していたなら、あのふたりは誕生すら出来なかったかもしれぬな…』


『それは…悲しいですね』

アルセウス
『その気持ちを大切にせよ』


俺は俯いていた顔を上げて、アルセウスさんの顔を見る。
するとアルセウスさんは優しく微笑んで、俺の手を取った。
夢だと言うのに、その手は温かかい…
そして、アルセウスさんはそんな俺の右手を両手で優しく握る。


アルセウス
『人を助けるのは、人の心だ…そなたは正しい事をした、それは神たる我が保証しよう』
『無論、それが全ての世界で受け入れられるわけではない…時には、残酷に切り捨てられもしよう』
『だが、そなたはそなたらしくあれ…』


『はい、俺はもう2度と貴女を悪意に包みはしません』
『必ず、正しくあります…自分らしく!』


アルセウスさんは無言で頷き、微笑んだ。
そして、アルセウスさんは消え去る…俺も、すぐに意識を落として行った…



………………………



アラーム
『デッデーデデ! デッデーデデ! ペプシマーン!!』



「んが!? おっと、朝か…さて、とりあえず着替えて」

ミュウスリー
「す〜……す〜……」


どうやら、いつの間にやら潜り込んでたらしい…
結局、ミュウスリーはあれから家に連れ帰った。
あまりに俺と離れるのを嫌がった為、妥協案でこの家に住ませる事にしたのだ。
とはいえ、確か愛呂恵さんと同じ部屋で寝る様に言っておいたのに…



「しゃあないな…とりあえず起きろミュウスリー」


俺はペシペシと軽くミュウスリーの頬を叩く。
すると、目を擦りながらミュウスリーは大きな欠伸をした。
やれやれ、とりあえず起きたか…


ミュウスリー
「ん……朝、着替える」


「ああ…とりあえず制服っと」


その時、ガチャっとドアを開ける音。
そして、部屋の前に立っていたのは、久し振りの出番にも感じる女胤だった。



「いやん、エッチ♪」

ミュウスリー
「まだ、眠い…」

女胤
「この痴女が!! 一体何発貰ったんですの!?」


女胤は予想通り叫ぶ、俺もそろそろ意識が覚醒して状況を察した…
どうやら、俺とミュウスリーは着替える途中だった様で、タイミング良く俺はパンツ一丁、ミュウスリーはおっぱいさらけ出して、これまたパンツ一丁だった。
端から見たら事後に見えるわな…



「とりあえず、ミュウスリーを部屋に連れて行ってくれ…」

女胤
「華麗にスルー!? もはや、体を重ねすぎて何とも思いませんの!?」


俺はとりあえずミュウスリーの首根っこを掴んで女胤に放り投げた。
女胤はそれを軽く両手でキャッチし、不機嫌そうな顔でミュウスリーの脱ぎたてパジャマも受け取る。
そして何やらぶつくさ言いながら、女胤はミュウスリーを下に連れて行ってくれた。
やれやれ、朝から騒がしいな…



「うむ、今日も息子は元気だ…」


俺は股間の膨らみを見て窓から空を見た。
今日は良い天気だな…絶対何か起きそう。
俺はそう思いながら、ささっと制服に着替え、食卓に降りた。



………………………



ミュウスリー
「ングング!!」
守連
「ハムハム!!」


「珍獣が2匹に…」

愛呂恵
「聖様、由々しき問題です…冷蔵庫が足りません」


俺は一瞬聞き間違いかと思った。
ただ…冷静に考えたら、それも仕方ないと理解する。
7人か…しかも大食いふたり、これはすぐにでも買わなきゃダメだな。



「仕方ないか、とりあえず愛呂恵さん冷蔵庫とか解ります?」

愛呂恵
「はい、資金さえありましたら、私が電器店で選んで来ます」


俺はそれを聞くと、とりあえず財布を取り出す。
そこからキャッシュカードを取り出し、それを愛呂恵さんに渡した。



「とりあえず、必要な金額はそれから引き出してくれたら良いんで」
「番号は覚えてますよね?」

愛呂恵
「はい、問題ありません、必ずや良い物を購入して参ります」


とりあえず、冷蔵庫の件は任せて良いだろう…当面はそれまでの繋ぎだが…


阿須那
「こら、えらいわ…ミュウスリーも負けず劣らずの食いっ振りやな」

華澄
「はい、これでは確かに冷蔵庫が足りませんな」
「1日で使う食材を確保するには、あれでは小さすぎます」

女胤
「ただでさえ守連さんは基本3人前ですからね…」
「ある意味、とんでもない拾いモノだったのでは…?」


流石に皆色々思う所はあるだろうな…とはいえ、俺は昨日の夜に皆には全部話した。
ミュウスリーとの出逢いも、そして何があったのかも…
悠和ちゃんも証人だし、皆も別に疑う事はしなかった。
ただ、いかんせんミュウスリーは無邪気過ぎる。
体は立派でも心は赤子…これから成長していけば良いが、しばらくは皆を振り回すかもしれないな。



………………………




「じゃ、行ってくるよ」

ミュウスリー
「ンー! ワタシも行く!」


ミュウスリーは俺の腕を掴んでそう言うが、俺はここは厳しくダメだと言った。
ミュウスリーは泣きそうになるも、俺は優しく頭を撫でてこう言う。



「ちゃんとお留守番出来たら、美味しい物買って来てやる」

ミュウスリー
「ホント!?」


「ああ、だから家でお留守番、ミュウスリーは良い娘だから出来るな?」


ミュウスリーはコクコク!と激しく頷いて良い娘アピールした。
俺はそれを見て家を出る。今度はミュウスリーもちゃんと我慢した。
よしよし、ミュウスリーもちゃんと解ってるんだな。
俺は帰りに特大のケーキを買ってやろうと思い、学校に向かった…



………………………



ミュウスリー
「………」

守連
「ミュウスリーちゃん、そこで待っててもすぐには帰って来ないよ?」

ミュウスリー
「ンー…いつ、帰って来る?」


私は玄関でじっと待っているミュウスリーちゃんの頭を撫でる。
ミュウスリーちゃんは撫でられるのが好きなのか、目を細めて気持ち良さそうにしていた。
ちなみに、私も今は普段から定期的に放電する様にしてるので、ちょっと位ならこうやって触れても感電は大丈夫になってる。


守連
「ミュウスリーちゃん、信じて待っててあげて」
「聖さんは、ちゃ〜んとミュウスリーちゃんの所に帰って来るからね?」

ミュウスリー
「ンー…うん」


ミュウスリーちゃんは私に抱き付いて来る。
よっぽど寂しいんだね…私は思わず耳をショボン…とさせてしまう。
それでも、ちゃんとミュウスリーちゃんを抱き締めてあげた。
ミュウスリーちゃんより、私の方がお姉ちゃんだからしっかりしないと。


阿須那
「しっかし、ホンマに子供なんやな…」

女胤
「ええ、遺伝子改造で体を急成長させた為に、年齢はまだ0歳だそうですから…」

華澄
「確かに、それでは人肌恋しいのも、やむ無しですな」
「ミュウスリー殿は、体は大人でも心はまだまだ幼い」
「ここは、拙者たちが目上として、しっかりミュウスリー殿を育てて差し上げねば!」

愛呂恵
「そうですね、ミュウツーさんに託された以上、私たちが彼女を守らなければ」


私たちは思い出す、昨日の事を。
昨日、聖さんはミュウスリーちゃんと一緒に学校から帰って来た。
初めはとても驚いたけど、後から来た悠和ちゃんとミュウツーちゃんの話を聞いて、私たちは納得したのだ。
その後、夜の内にミュウツーちゃんはひとり家を出て行ってしまう。
ミュウスリーをよろしく頼む…それだけを言い残して。


守連
「ミュウスリーちゃん、お姉ちゃんの事、頼りにしてね♪」

ミュウスリー
「ンー…」

ミュウスリーちゃんは私の胸に顔を擦り付ける。
私は背中を優しく擦って慰めてあげた。
ミュウスリーちゃん、まるで本当の子供みたい。


守連
「私がママになったら、こんな感じで子供を抱き締めるのかな?」

阿須那
(マ、ママやて!?)
華澄
(母君…それはつまり)
女胤
(聖様の奥様!?)
愛呂恵
(これは、かなり高ポイントと予測されます)


何だか、途端に不穏な空気が…皆、何考えてるの〜?
ミュウスリーちゃんも若干怖がって震えてるよ〜


守連
「皆、ミュウスリーちゃんが怖がってるから、止めて」

阿須那
「い、いや…別に悪気があったんや無いで? 怖がらせてスマンな〜♪」


阿須那ちゃんの笑顔にミュウスリーちゃんは少しだけ警戒を解く。
それでも私から離れ様とはしなかった。


華澄
「申し訳在りませぬ、拙者…そろそろ睡眠を取るでござる」

阿須那
「ああ、分かったわ…ウチもそろそろ準備して仕事行くわ」
「守連、愛呂恵、ミュウスリーの事しっかり面倒見いや?」

女胤
「では、私も仕事の準備をします…ミュウスリーさん、ちゃんと守連さんたちの言う事を聞くのですよ?」

ミュウスリー
「ンー…! 皆、いなくなる、の?」

守連
「わーわー! 泣かないでミュウスリーちゃん!」
「大丈夫! ちゃんと帰って来るから〜」


ミュウスリーちゃんは泣きそうな顔で、3人を見る。
私は震えるミュウスリーちゃんの体を抱き締めて頭を撫でてあげた。
ミュウスリーちゃんは鼻をグスグス鳴らして我慢している。


阿須那
(か、可愛い…!)
華澄
(こ、これが母性をくすぐるという事なのですか!?)
女胤
(恐ろしい…これ程の破壊力とは!)


3人は少し顔を赤くしながらも、名残惜しそうにミュウスリーちゃんに手を振った。
3人がいなくなっても、ミュウスリーちゃんは泣かずに我慢してくれる。


愛呂恵
「守連さん、今日も授業の予定ですが大丈夫ですか?」

守連
「あ、そっか…どうしよう、愛呂恵さんも買い物行くんだよね?」

愛呂恵
「はい、早急に冷蔵庫を追加せねばなりませんので」
「もし、ミュウスリーさんの事が心配でしたら、今日はキャンセルするのも…」


私は首を横に降る、そして笑顔でこう言った。


守連
「大丈夫です、この際ミュウスリーちゃんにも勉強を教えてもらいます♪」
「ミュウスリーちゃん、お姉ちゃんと一緒に、お勉強しようね〜?」

ミュウスリー
「ンー? お勉強…? ン…うん、お勉強したら、聖喜ぶ?」

守連
「もっちろん! きっと聖さん、ミュウスリーちゃんの事、偉い偉い〜ってしてくれるよ〜♪」


ミュウスリーちゃんはそれを聞いて、大きく頷く。
こうして、私たちは一緒に授業を受ける事になった。



………………………



白那
「ふ〜ん、この娘が噂のミュウスリーちゃんか…」

守連
「はい…折角なので、ミュウスリーちゃんの勉強も見てもらおうかと」

白那
「とりあえず0歳とは聞いてるけど、どこまで学力があるか見てみないとね…」
「ゴメン守連ちゃん、少し自習しててくれる?」


私は、はいと答えて自分のノートと教科書を開く。
今日は、国語から…でも古文は難しいよ〜
白那さんは、空間を開けて教科書を取り出し、そしてそれをミュウスリーちゃんに見せてみる。


白那
「はい、これ…まず、字は読める?」

ミュウスリー
「??? これ、何?」

白那
「あ、はは…まだ字は読めないのか」
「それじゃ、まずは基本だね…良い? これは、『あ』」

ミュウスリー
「あ〜…」


白那さんは優しく字と発音を教えていく。
流石に3人の子供を育てたんだから、こういうのは得意なんだろうな〜


白那
「そうそう…あ、い、う、え、お…さぁ、口に出して言ってごらん?」

ミュウスリー
「あ〜い〜う〜え〜お〜…」

白那
「うん、上手♪ それじゃ、今度はそれをノートに書いてみようか?」
「鉛筆は持てる? ん〜それじゃ、見てて」


ミュウスリーちゃんは予想外に物凄く真剣に白那さんの手を見ていた。
そして、白那さんがあいうえおと書くと、今度は鉛筆をミュウスリーちゃんに握らせる。
そして、白那さんの動きをトレースしたかの様な鮮やかな動きで、あいうえおを書き終えてしまった…


白那
「…凄いね、もう覚えたの?」

ミュウスリー
「あ、い、う、え、お…覚えた、書き方も」


今度は発音もしっかりしていた。
そのまま、白那さんは五十五音を全部教える。
ミュウスリーちゃんはそれを1度聞くだけで、完全にマスターしてしまった…
凄い…もしかして、天才なんじゃ?



………………………



ミュウスリー
「むかし、むかし、あるところに…」

白那
「うんうん…ちゃんと読めてるね〜」


ミュウスリーちゃんは既に絵本を読む事も出来る様になっていた…
たった1時間でここまで出来るなんて…


白那
「うん、少し休憩しようか?」

ミュウスリー
「ンー…喉渇いた」

愛呂恵
「ジュースを持って来ました、よろしければどうぞ」

守連
「あ、愛呂恵さんありがとう〜♪ はい、これミュウスリーちゃんの分」

ミュウスリー
「ありがと〜、愛呂恵、さん…んくっ、んくっ…美味しい〜♪」


ミュウスリーちゃんは、私と同じオレンジジュースを飲んで嬉しそうに笑った。
白那さんもニコニコしている、私たちは皆で笑いながら休憩を楽しむ。


愛呂恵
「それでは、そろそろ私は買い物に向かいます」
「冷蔵庫は配達をお願いするつもりですので、もし配送車が来ましたら、その時はよろしくお願いします」

守連
「はい、気を付けて行ってらっしゃい」

ミュウスリー
「行ってらっしゃ〜い」


ミュウスリーちゃんも真似してそう言う。
愛呂恵さんはそれを聞くと、一礼して部屋を出た。
とりあえず、私たちはもうしばらく休憩する事に…



………………………



ミュウスリー
「………」

白那
「うん、もう簡単な漢字もマスターしたね」
「こりゃ、明日からは沢山ドリルを用意しなきゃダメだな…」

守連
「凄いね、ミュウスリーちゃん、もう漢字まで書けるの?」


ミュウスリーちゃんはうん…と頷き、漢字ドリルのページを見せてくれる。
そこには正確に機械の様な正確さで書かれた漢字が見られた。
うわぁ〜綺麗な字…私よりも綺麗かも。


白那
「やっぱり、元々ミュウツーって種族は頭の回転が違い過ぎるのかもね…」
「ましてや、この娘は常時メガ進化状態…その潜在能力は計り知れないな」

ミュウスリー
「ン〜? ワタシ、ミュウツーじゃなくて、ミュウスリー」

守連
「そうだけど、そうじゃないよ…ミュウスリーちゃんは、ミュウツーちゃんでもあるの」
「ふたりは同じなんでしょ?」


ミュウスリーちゃんは?を浮かべながらも、うん…と頷いた。
そして、ミュウスリーちゃんは色々考えていた様で、天井を見ながらゆらゆらと体を揺らしている。


白那
「うん、午前はこの位にしようか…」

守連
「はい、ありがとうございました♪」

ミュウスリー
「ありがとう、ございました〜」


私たちがそう言うと、白那さんは笑いながら手を振って、一旦城に転移して戻った。
ミュウスリーちゃんは?を浮かべながらも驚いている様だった。


ミュウスリー
「白那さん、エスパーなの?」

守連
「ううん、ドラゴンなんだよ〜」
「でも空間の神様で、ああやって自由に転移出来るの、凄いよね〜♪」


ミュウスリーちゃんは、お〜…と感心している様だった 。
ミュウスリーちゃん、まだ何も知らないだけなんだね…
勉強はあんなに得意なのに、知らない事だらけ…だから、不安も多いのかも。


ピンポーン!!


守連
「あ、配送屋さんかな? ミュウスリーちゃん、一旦下に降りよ♪」

ミュウスリー
「ン…分かった」


私たちは下に降り玄関を開けて、確認する。
間違いなく愛呂恵さんが頼んだ冷蔵庫だった。
こんなに早く着くなんて、凄いね〜


ミュウスリー
「…大きい」

守連
「だね〜、凄い大きい」


それは見た事無い位の大きさだった…前のより倍以上大きい。
これなら、沢山食材が入るね〜


配達員
「これ、どこに配置しますか?」

守連
「あ、それじゃあ…あそこの隣に」


私はまだスペースのある空いてる場所を指差す。
そこは前の冷蔵庫がある場所で、その隣にとりあえず並べて置いてもらう事にした。


配達員
「それじゃ、こちらサインお願いします!」

守連
「はい、ありがとうございます♪」


私は『魔更』とサインをし、配達員さんに礼を言う。
配達員さんは笑顔でありがとうございました!と言って、外に出て行った。


ミュウスリー
「ン〜? これ、なぁに?」

守連
「冷蔵庫だよ、これに食べ物とか飲み物を入れておけるの」
「便利だよ〜♪ もうすぐ暑くなってくるから、ジュースとかアイスとかを冷やしておけるの♪」


ミュウスリーちゃんはそれを聞いておお〜!と感心していた。
そして、私は説明書をしっかりと読んでおく。
ミュウスリーちゃんにもそれを説明すると、ミュウスリーちゃんはすぐに理解した。
やっぱり、凄いね…家電の使い方もちゃんと教えたらちゃんと覚えるんだ。
私はこの際、家にある色んな物を教えてあげる事にした。
ミュウスリーちゃんはそれ等を全てを真剣に学び、そして全てを学習していく。
やがて、お昼になって愛呂恵さんが帰って来る頃には、ほとんどの家電は使い方を覚えてくれた。



………………………



愛呂恵
「遅くなって申し訳ありません…一気に食材を追加したので」

守連
「わぁ〜大変でしょ? 私も持ちます!」

ミュウスリー
「…ン、ワタシも手伝う」


ミュウスリーちゃんが言うと、愛呂恵さんが買って来た大量の買い物袋は宙に浮く。
そしてそれを優しく冷蔵庫の前に運んでゆっくりと下ろした。


守連
「ミュウスリーちゃん、ありがと〜♪ 偉い偉い♪」


私はミュウスリーちゃんの頭を撫でて誉めてあげる。
ミュウスリーちゃんは気持ち良さそうに体をくねらせた。


愛呂恵
「守連さん、確かに今のは助かりますが、あまり不用意に誉めすぎるのはいけませんよ?」

守連
「え…?」


私は予想外に愛呂恵さんから指摘されてしまう。
私が理解出来ないでいると、愛呂恵さんはこう言った。


愛呂恵
「もし、今のを外でやってしまったら、一目で彼女は異質だと、人間に思われてしまうでしょう」
「もちろん、ミュウスリーさんに悪気はありませんし、助かったのは事実」
「ですが、守連さんが親代わりとして子供のミュウスリーさんに物を教えるのであれば、ちゃんと人間社会の接し方も教えなければなりませんよ?」


正論だった…私は、そこまで考えてなかった。
でも、まさにその通り…私たちは人間でもポケモン。
人前で気軽に人外の力を使うわけには、いかない…


守連
「ゴメンね、ミュウスリーちゃん…今のは、絶対に外の人間に見せちゃダメだよ?」
「約束、お姉ちゃんと出来る?」


私は悲しい顔をして言い、ミュウスリーちゃんもそれを見て少し悲しい顔をした。
でも、ミュウスリーちゃんは、コクリと頷いてくれる。
私は笑顔で頭を撫でてあげた。
ミュウスリーちゃんはまた目を細めて気持ち良さそうにする。
そして、私たちは冷蔵庫に大量の食材を詰めていった。



………………………



ミュウスリー
「ンー! 美味しい!」
「悠和のも美味しいかったけど、愛呂恵さんのはもっと美味しい!」

愛呂恵
「光栄です、とはいえ…まだまだ弟子に負けるわけにもいきませんので」

守連
「ハム…ん〜でも、和食だったら悠和ちゃん凄く美味しかったよね〜♪」

華澄
「確かに、悠和殿は和食を突き詰めていた様ですし、その道なら愛呂恵殿と同等以上かもしれませぬ」

愛呂恵
「成る程、確かに一芸に秀でた部分であれば、私を越える部分はあるかもしれませんね」


ちなみに今日の昼は定番のカレーライス。
とりあえず、大量に作りやすいと言う事でこれに決まったらしい。
相変わらず皆別々の好みの辛さに仕上がっており、抜群に美味しかった。


ミュウスリー
「アムッ! はふはふ!」

華澄
「ふふ、本当に幸せそうに食べますな、ミュウスリー殿は」

守連
「ハムム! うん、私も幸せ〜♪」

愛呂恵
「そう言われると、私も作り甲斐があります」
「お代わりもありますので、必要ならどうぞ」


私たちは特盛のカレーをお代わりし、昼食は大満足だった。
そして、食事が終わるとミュウスリーちゃんは少しウトウトし始める。


守連
「あ、眠いんだね…じゃあ、ちょっとお昼寝だね♪」

ミュウスリー
「す〜…」

華澄
「もう寝てしまわれましたな…」
「守連殿は部屋に戻るとよろしいでしょう、拙者が部屋で寝かせておくでござるよ」

守連
「うん、それじゃお願い華澄ちゃん」


私は華澄ちゃんにミュウスリーちゃんを任せて自室に戻る。
時間はまだあるから、私も少し昼寝をしておこう…13時からまた授業だ。



………………………



華澄
「さて、ではこちらに…」

ミュウスリー
「す〜……す〜……」


拙者はミュウスリー殿を布団に寝かせてあげた。
ミュウスリー殿は安らかに寝息をたてておられる。
本当に見た目はそれなりに大人びて見えるのに、中身はまるで子供。
とはいえ、それもやむ無し…ミュウスリー殿は実質0歳なのだ。
ミュウスリー殿はこれから、色んな社会を知っていかねばなりませんな。


ミュウスリー
「…ン〜…さと、し…大、スキ」

華澄
「ふふ、聖殿はモテモテでござるな♪」


かくいう拙者も聖殿を愛する身…また、新たな好敵手の来訪でござるな。
拙者はミュウスリー殿の側で、しばし頭を撫でた。
ミュウスリー殿は布団の中で幸せそうな顔をする。
拙者はそんなミュウスリー殿がとても愛おしく思えた。
もし娘が出来るなら、こんな感覚になるのでござるか…?
拙者は想像する…もし、仮に聖様の子供を身籠ったなら、どんな気持ちだろうかと。
きっと幸せなのでしょう…拙者は確信する。
ミュウスリー殿の顔を見れば、なおの事そう思う。
きっと、これが本当の自分の子供であれば、どれだけ幸せなのか…?



………………………



ミュウスリー
「…ン? ウー…」

華澄
「あ、目覚めたでござるな…よく、眠れたでござるか?」


ミュウスリー殿は1時間程昼寝して目覚めた。
そして寝ぼけ眼で拙者の顔を見て、そして不思議そうに首を傾げる。
拙者はそんなミュウスリー殿を笑顔で見ていた。


ミュウスリー
「ござる、どうした、の?」

華澄
「あ、はは…拙者はござると言う名前ではないでござる」
「拙者は、華澄…華澄でござる」

ミュウスリー
「かす、み? で、ござる?」

華澄
「はい、拙者は華澄…か、す、み…」

ミュウスリー
「か、す、み…華澄、うん…覚えた」


ミュウスリー殿は、すぐにそう言って拙者の名前を覚える。
やはり、ミュウスリー殿は学習能力がかなり高い…
守連殿も驚いていましたが、ちゃんと教えてあげれば、すぐにでもミュウスリー殿は覚える能力がある様ですな。


華澄
「さてミュウスリー殿、これからどうするでござるか?」
「勉強するのでしたら、守連殿の部屋に連れて行くでござるが?」

ミュウスリー
「ン…勉強、する…聖、喜ぶ…ワタシ、もっと覚える…色んな事」


拙者は笑ってミュウスリー殿の手を取り、そして守連殿の部屋に連れて行った。



………………………



トントン…


守連
『あ、空いてるよ〜どうぞ〜』

ミュウスリー
「守連、お姉ちゃん…また、勉強したい」

守連
「あ、ミュウスリーちゃん…うん、良いよ〜♪」

白那
「ふふ、勉強熱心だね♪ これは先が楽しみだ…」

華澄
「では、拙者はこれで…もう少し睡眠を取ります」


華澄ちゃんはそう言って礼をし、部屋を出て行った。
私はミュウスリーちゃんと一緒にまた勉強する。
ミュウスリーちゃんは、今度は算数を勉強していた。
やっぱり、凄いスピードで習得していく…
そのまま、17時になるまでにミュウスリーちゃんは足し算、引き算、かけ算、割り算と全てをマスターしてしまった…



………………………




「そうか、そんなに頑張ったのか…偉いなミュウスリー♪」

ミュウスリー
「ン〜♪ 聖、嬉しいなら、ワタシも嬉しい♪ 聖、ご褒美くれる?」


俺はそう言うミュウスリーに大きなケーキを見せた。
すると、ミュウスリーは目を輝かせてそれを見る。
俺は愛呂恵さんにそれを渡し、とりあえず冷蔵庫に入れてもらった。


ミュウスリー
「ン〜? 食べられない、の…?」


「まだ、お預け…代わりに、ミュウスリーにはちゃんとした名前をあげるから、それで我慢してくれないか?」


ミュウスリーはそれを聞いて?を浮かべる。
自分にはミュウスリーと言う名前があるのに?とでも言いたげだな…



「これから、お前は『三海』(みうみ)だ…少し安直な付け方だけど、どうだ?」

ミュウスリー
「…ン〜、聖がそうしたいなら、ワタシはそれで良い…みうみ、ワタシは今から、三海」


俺はそんな三海を撫でてあげた。
三海は幸せそうに目を細めて気持ち良さそうにする。
こうして、俺たちは正式に新たな家族を得た。
三海…この娘はきっと、俺たちの大切な家族になる。
俺はそう確信し、三海の笑顔を見て安らいだ…
さぁ、これから…どんな混沌が俺たちを巻き込むのか…?










『とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない』



第3章 『混沌だからって、悪意ばかりじゃない』

第1話 『新たな家族、その名は三海』


To be continued…

Yuki ( 2019/04/22(月) 15:52 )