とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない













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第1章 『新たなる生活』
第2話

「楽しめたのはせいぜい5秒位か…最短記録だな」


とまぁ開幕のネタをかますも、今は誰もいない。
俺は朝6時に起床し、早速砂浜を走り込んでいた。
しかし想像以上にこれがキツく、俺は中々上手く走れないでいる。
漫画とかではよく走ってるの見るけど、こんなにもキツいのかよ!


鐃背
「これ聖、そんなベタ足で上手く走れるか!」
「ちゃんと爪先に力を入れて踏み込めい!」


「えっ、鐃背さん?」


俺は突然空から鐃背さんが降りて来るのを見かけ、一旦止まる。
鐃背さんは今は黒のTシャツと緑の短パンを穿いている、外出用の服って感じだな。
ちゃんと偽装薬も飲んでるみたいだし、見た目はただの小学生だ。


鐃背
「早朝からトレーニングは殊勝じゃが、ただ我武者羅にやっても結果は付いて来んぞ?」


「そうですね…やっぱり初めてだと解らない事だらけで」
「こういうのも、聞いた事あるだけで実践するのは初めてでしたから…」


俺がそう言うと、鐃背さんはがははっと笑う。
そして、笑顔で俺にこう言った。


鐃背
「ほれ、折角じゃから妾も付き合うてやる!」
「さぁ、しっかり付いて来るのじゃぞ?」


そう言って鐃背さんが走り始めた。
そのスピードは俺に合わせてくれてる物で、俺はその背中を追って行く。
言われた通り爪先に力を込め、俺は思いっきり踏み込んだ。
すると、さっきまでとは明らかに違いが解る。
俺は成る程と思い、そのまま調子良く走るが…



………………………




「ぐはっ…はぁ! はぁ!!」

鐃背
「くふふ…流石に疲れよう?」
「普段から、そういった筋肉を鍛えてない証拠じゃ」
「ここらで少し、休憩じゃな…最初からそんなに汗をかいては後が持たんぞ?」

愛呂恵
「御心配は無用です、私が聖様の体調を完全サポート致しますので」
「さぁ、水分補給をどうぞ」


気が付くと、愛呂恵さんまで来ていた。
愛呂恵さんの服は白のタンクトップで、下は紺のジーンズ。
何気に愛呂恵さんのスタイルには凄く合ってるな。
俺はキンキンに冷えたスポーツドリンクを受け取って飲み、一旦休む。
愛呂恵さんも偽装薬を飲んでるから人間と見た目は変わらないな…
逆に俺はここで対抗薬を飲むのを忘れていたのに気付く。
まさか早朝トレーニングで出くわすとも思って無かったが…



「改めて、偽装薬ってスゴイよな…」

鐃背
「何じゃ、対抗薬は飲んでなかったのか?」

愛呂恵
「必要でしたら、ここに予備の物がありますが?」


俺はとりあえず愛呂恵さんから予備の薬を受け取り、スポーツドリンクと一緒に流し込んだ。
するとすぐに効果は現れ、瞬きする頃にはふたりはいつもの姿に見えた。
この即効性も何気にスゴイよな…流石は神様の作った薬だ。



「鐃背さん、俺ってちゃんと強くなれてますか?」

鐃背
「…自分に自信が持てんか?」


俺は無言で少し俯く。
自信が無いわけじゃない…ただ、不安はあるんだ。
俺は姉さんから、夢見の雫を受け継いだ。
そして、姉さんの願いは皆が幸せになれる様にって、大切な祈りが込められている。
あのアルセウスさんが諦めかけていた中で、唯一雫を輝かせた継承者。
俺もまた、その想いに応えなければならない。
その為には、己の肉体も鍛えなければと思うのだが…


愛呂恵
「…聖様は強くなっています、少なくとも体は」


「…心は、まだ弱いと思いますか?」

鐃背
「弱いな…少なくとも、そうやって悩む内は弱い!」


鐃背さんは一喝する様に強く言う。
俺は厳しい顔をする鐃背さんを見て、気合いを入れ直した。
悩む…か、確かに俺らしくないわな。
俺はいつだって我武者羅だ、目的の為になら迷う事はしない。
これから先、夢見の雫を使うかは解らない…だが、必要があれば俺は迷わず使う。
そして、その願いに悪意は絶対込めない…これは俺の確固たる決意だ。
姉さんの想いが詰まってるこの雫を、俺は絶対に暴走させたりなんかしない!


鐃背
「そう、その顔じゃ…やはりお主はそうでなくてはならん!」
「安心せい、お主が正しいと思う事を突き進む限り、強さは必ず備わる!」
「さぁ、トレーニングを続けるかの? 行くぞ聖!」


そう言って鐃背さんは笑顔で走る。
飛行タイプでありながら、わざわざ地面を走るなんて、律儀な人だよな…
俺はそう思い、汗をタオルで拭って再び走り始めた。
今度は無理せずに、ゆっくり目のペースで。
愛呂恵さんも一緒に並走してくれる。
そのまま、俺は7時になるまで走り込みを続けた。



………………………




「ぬぅ…」


そして、戻って来て早速朝食。
しかし、俺は目の前の出来事に顔をしかめていた。


阿須那
「さて、誰が1番の味か聖に決めてもらおか!?」

櫻桃
「これは負けられないね…こちとら10年飯作ってきたんだ、自信あるよ!?」

愛呂恵
「残念ながら負けるつもりはありません」

風路
「うふふ、折角だから私も参加しちゃった♪」


姉さんまで…って、これは相当な決戦だぞ。
とりあえず、簡単に一口サイズのサンドイッチが並べられてるんだが、味は基本のミックスサンドだ。
卵、ツナ、チーズ&レタスと、見た目では間違いなく美味いだろうと思える。
俺はとりあえず片っ端から試食し、審査に移る事にした。


夏翔麗愛
「ダラララララララララララッ!」

麻亜守
「シャンッ!!」


夏翔麗愛ちゃんたちが口でドラムロールとシンバルを鳴らしてくれる。
とりあえず俺はまず1番と思ったの人の手を上げた。



「やっぱ姉さんの勝ち〜」

風路
「やった〜♪」

阿須那
「…やはり無理かっ! 解っとったけど!!」

愛呂恵
「流石は風路さん…この味で勝てないとは、やはり強敵ですね」

櫻桃
「ちぇっ…流石に聖の舌を知り尽くしてる人は違うか〜」


阿須那はガックリと四つん這いになって項垂れる。
ショックなものの、やはり風路さんに勝てる自信は無かった様だな。
まぁ、風路姉さんは小さい頃から三ツ星シェフの勇気さんに教えてもらってるからな…
今年からはコスプレも卒業して2号店の店長やるって言ってるし、姉さんもこれからは益々忙しくなるだろうな…



「とりあえず、後は上から愛呂恵さん、阿須那、櫻桃さんかな…」
「まぁ、でも皆美味しいよ! 誇って良い味だ」
「ってなわけで、後は皆でいただこう!」


俺がそう言うと、とりあえず皆納得してくれる。
そして、朝食を終えて俺たちは待望の海に出た!



………………………



水恋
「しゃぁっ! 水泳なら任せとけ!!」

華澄
「くっ! 流石に速い…!!」


華澄は水恋さんと遠泳対決していた。
互いに水飛沫を上げ、ジェットスキーかと思う程の凄まじい速度を出しているが、やはり特性もあってか水恋さんは初速から断トツに速い。
とはいえ、これはあくまで遠泳…いくら短距離が速くても、最後までスタミナが続かなければ意味が無い。
華澄もそれは解っているのか、ペースを無理に上げずに後半を見て泳ぎ続けている様だった。


水恋
(相当差はつけたけど、こっからが折り返し!)
(悪いけどアタシが勝つよ! いくら華澄ちゃんでも、絶対に追い付かせるもんか!!)



………………………



華澄
(…さて向こうはもう折り返し、こちらも、そろそろペースを上げるでござるよ!)


華澄は半分から折り返して一気にペースを上げる。
今まで蓄えていたスタミナを使って、水恋さんを追い上げた。
水恋さんは逆に目に見えてスピードが落ちており、徐々に華澄に追い付かれ始めている。
やはり、スタミナの差が出始めたな…


水恋
(くっそ! まだ行ける!! 追い付かせるな!!)

華澄
(くっ…まだあの速度が出せるでござるか!?)


水恋さんは苦しい顔をしながらもラストスパートに入る。
華澄もトップギアに入り、差は少しづつ縮まっていく。
そしてゴール目前、ふたりはかなり際どい差でゴールした。
共に水面から吹っ飛んで砂浜に転がる。
こりゃ、どっちが勝ったんだ? 俺はとりあえず解る人に判定を委ねた。



「判定!」

白那
「華澄ちゃん」

鐃背
「水恋!」

愛呂恵
「水恋さんですね」


「ってなわけで、おめでとう水恋さん!!」

水恋
「うっしゃあ!! アタシの勝ちだーー!!」

華澄
「ふぅ〜流石は水恋殿…やはり特性もあって相当でしたな」
「拙者もまだまだ精進が足りんでござるな…」


水恋さんは華澄に勝てたのがよっぽど嬉しかったのか、天を仰いで咆哮した。
華澄も砂の上に座り、水恋さんの速さを認めて笑う。
とはいえ、やはりこれは僅差だ。
これでもう少し距離が長かったら、多分華澄が勝ってただろう。
やっぱり水恋さんはどっちかって言うと短距離向きなんだろうな…


愛呂恵
「では、勝者には風路さん特製チョコパフェを」

風路
「はい、水恋ちゃんどうぞ〜♪」

水恋
「美味い!! これ幸せ〜♪」


水恋さんは姉さんのチョコパフェを食べてご満悦だった。
そして、その背後で守連と香飛利が涎を垂らして凄い顔をしていたのは見なかった事にしよう。
効果音で表すならゴゴゴゴゴゴ!って奴だ。



………………………




「うっしゃ食らえぇぇ!!」

女胤
「しまった!?」


バシーンとビーチボールが女胤に当たる。
そして女胤はアウトとなり、コートから出た。
ちなみに、これはドッジボールだ。
今回は復活ルール無しのガチンコ戦。
互いに内野3人外野3人の6対6だ。

ついでにチーム分けだが、片方はまず内野が鳴、守連、クワガノンさんの電気トリオ。
外野は明海さん、毬子ちゃん、香飛利のノーマルトリオだな。
で、相手のチームが騰湖、女胤、ペンドラーさんの異色トリオ。
外野はアブリボンさん、ホイーガさん姉妹の虫トリオだ。
とりあえず今ので鳴のチームが有利になった。
だが、今度はボールが騰湖たちに渡る。
とりあえずシューターは騰湖で行く様だな。


騰湖
「ここは取らせてもらう!! 食らえ! 我が力を!!」


騰湖はダッシュし、ライン際で思いっきりボールを投げる。
そのスピードはかなりの物だが、いかんせんレシラムの攻撃種族値ではそこまでパワーが無い!
ちなみに、ビーチボールにはあらかじめ水をいくらか入れてあるので、そこそこ重量はあるし、スピードも出る。
とはいえ守連はそれを悠々とキャッチし、騰湖たちを睨む。
アカン…あれは本気の目だ。


守連
「ごめんね…私勝つよ?」
「チョコパフェの為にーー!!」

騰湖
「ぐはぁっ!?」


騰湖はモロに顔面で直撃をくらいアウトとなる。
そして残ったのはペンドラーさんひとりとなった。


ペンドラー
「あっちゃぁ〜もう追い詰められてんじゃん…」

ホイーガ姉妹
「お姉ちゃん頑張って!!」


妹たちの声援を受け、ペンドラーさんはボールを持つ。
おっとペンドラーさんも表情変えたな…笑ってるけどそれなりに勝算はあるのか?
ペンドラーさんは頭も切れる知将だ、何か作戦を思い付いたのかもしれない。


ペンドラー
「とりあえず、当てれば良いんでしょ!?」


「あっ!?」


おっとこれは上手い。
ペンドラーさんは特性の『加速』を活かしてスピードを速め、鳴の足首にボールを当てた。
鳴はパワーがあってもスピードが無いからな…あそこを狙われたら、急なキャッチは難しいだろう。
さて、とはいえシューターは守連…パワーもスピードも規格外だ。
ペンドラーさんはどうするのか…?


守連
「行くよ!!」

ペンドラー
「おっと危ない!」


これまた上手い。
ペンドラーさんは砂埃を上げて加速し、視界を封じた上で守連のボールを回避する。
いくら守連の腕力でも、あのペンドラーさんに当てるのは一苦労だぞ?
しかも守連たちの外野は基本的に非戦闘員…とてもペンドラーさんに当てられるとは思えない。


明海
「とりあえず、パス!」

クワガノン
「馬鹿、低すぎる!!」

ペンドラー
「はい、いただき〜♪」


これは完全に明海さんのミス。
いくらなんでも、ペンドラーさんの身体能力を舐めすぎてる。
元々脚力重視のペンドラーさんは、悠々とジャンプしてパスカットしてみせた。
身長の高さもメリットにしてるな…これは解らなくなって来たぞ?


明海
「あっちゃ、ごめんなさ〜い!」

ペンドラー
「へへっ、これで当てたらタイってわけだ!」

クワガノン
「くっ…守連気を付けろ! またスピードに任せて足元を狙ってくるかもしれない!」

守連
「うん、大丈夫…私には止まって見えるから」


守連は驚きの発言をした…とはいえ納得も出来る。
守連はそれこそ弾丸よりも速いスピードで動けるのだ。
そんな守連に普通のシュートを打っても当たるわけがない。
ペンドラーさんは一体どうするつもりなのか…?


ペンドラー
「余裕だね〜? まっ、それならこういう手もあるんだけどね!」

守連
「!?」


ペンドラーさんはラインギリギリで守連ではなく外野に投げる。
その際、目はしっかりと守連を睨んでいるのがポイントだ。
守連はそれを見てシュートと勘違いし、露骨に反応を遅らせてしまった。
そして、そのパスを姉のライトさんがノークッションで守連の背中に狙いを付けるて投げる。
これは当たる!と俺が思った瞬間、守連はその場で即座に振り向き、ギリギリでボールをキャッチした。
流石に全員が驚く…あの反応は流石と言うべきか。


守連
「危ない危ない…あんな作戦取って来るなんて…」

クワガノン
「姉妹ならではだな…通信役のアブリボンもいやがるし、言葉無しでも身振り手振りだけで情報伝達してやがる」
「対してこっちの外野は基本的に役に立たない…これは、泥沼になりそうだな」


確かに互いに当てる事が出来ないなら、後は体力…スタミナが物を言う。
守連はいかんせんピカチュウの体力だ。
長丁場になったら、まず疲労が先に出る。
一方ペンドラーさんは長距離を全速力で重い荷台ごと引っ張るスタミナのポケモンだ。
とても守連の体力で戦えるスタミナ差じゃない。
それが解ってるからペンドラーさんも笑ってるんだろう。
あれは絶対に当たらないと、確信している顔だ。


守連
「諦めたらダメ…こうなったら当たるまで投げるしかない!」

クワガノン
「スタミナ勝負に持ち込もうとしてるのは明白だぞ!?」

守連
「それでも、相手だって疲れる!!」


守連は勇気を出してボールを投げる。
ペンドラーさんは当然の様に逃げ回り、射線からズレた。
そして毬子さんがボールを持ち、どうしようか迷っている。


クワガノン
「一か八か狙え! パスカットされるよりマシだ!!」

毬子
「よしっ! それー!!」

ペンドラー
「おっと、甘い甘い♪」


毬子ちゃんは力を振り絞って投げるも、やはり通用せず。
とはいえ、ペンドラーさんもそれなりに汗はかいていた。
いくら4月でもここは南国の沖縄…日差しは相当にある。
ペンドラーさんは虫タイプだし、そこまで辛そうには見えないけど、守連は露骨に暑さにバテていた。
クワガノンさんも暑さは問題無い様だが、やはり汗は大量にかいている。
皆、倒れるまでやる気か…?


ペンドラー
「さってと、次はどう攻めるかね〜?」

アブリボン
(左からクワガノン狙いね…だったらレフトちゃんお願い!)

レフト
(オッケーやってみる!)


ペンドラーさんが軽くステップを踏むとそこから一気に大加速。
そして、今度はクワガノンさんに照準を合わせた。


クワガノン
「くそっ、こっちか!!」


クワガノンさんは照準に気付き咄嗟に射線から逃れる。
だがその先には妹のレフトさんが待ち構えており、すぐにボールをクワガノンさんに命中させた。
これは二段構えの作戦だったのか…本当に凄いなペンドラーさん。


浮狼
「ペンドラー、絶好調ですね…相変わらず作戦を立てるのが上手い」


「浮狼さんの参謀でしたからね…事実上の司令塔でしたし」

浮狼
「はい、私はお世辞に考えるのが得意では無かったですし…ペンドラーにはいつも助けられてました」


結局、数の有利は無くなり互いに一対一。
しかも、外野の性能が段違い…ほぼ非戦闘員の守連チームに対し、ペンドラーさんたちは身内で固まった完全一致団結チーム。
事実上、ペンドラーさんの勝ちと言っても良い状況だ。


浮狼
「守連殿、辛そうですね…対してペンドラーは余裕の笑み」
「ペンドラーに油断は無いようです…守連殿といえど、1対4では勝てない…」


「…確かにそうかもしれませんね」
「ですが、勝負は諦めなければ最後まで解らない」


浮狼さんも頷き、俺たちは戦いを見守った。
守連は全力で狙うも、ペンドラーさんの速度は落ちず、捉えられない。
そして、外野に回ってそのボールをペンドラーさんに取られる…ここまでがテンプレートだ。
例え空高くパスを放っても、ペンドラーさんは助走を付けて相手コートまで幅跳びし、パスカットした後、そのまま空中で外野にパスをする。
守連は完全に読み切れていなかった…いくらボールは止まって見えても、シュートかパスかを一瞬で見切るのは難しい中、集中を乱されては反応が遅れる。
ましてや守連は段々スピードが落ちてるし、もうトップギアでは動けないだろう。
更に、やはり外野の差が大きい。
ペンドラーさんは仮に取られてもスタミナには絶対の自信がある。
流石の守連も限界が見えてきてるな…


ペンドラー
「続いて行くよっ!」

守連
「くっ!!」


今度は守連の足元を狙われる。
守連はあからさまに落ちたスピードながらも、それを何とか回避した。
そして、ライトさんがすぐにボールを拾って守連に投げる。
守連はそれをも回避し、更にスピードを落とす。
そしてボールは気が付けばペンドラーさんの元に…


ペンドラー
「さってと、悪いけど勝負ならアタシも負けられない!」
「そろそろ隠し玉出させてもらうよ?」


「隠し玉!?」

浮狼
「ほう…ここで精神的揺さぶりをかけますか、抜け目無い」


守連は?を浮かべるも、考えるのを止めた様だ。
体力はもう無い…やれる事は少ないだろうからな。


ペンドラー
「さぁ、これで終わるか!?」

守連
「!!」


ペンドラーさんは猛ダッシュしてラインをジャンプで飛び越えた。
そして、相手コートの半分位まで飛んだ所でペンドラーさんは守連に向かってボールを投げる。
守連は反応し、右に跳んで難を逃れた。
そして外れた先にはレフトさんがおり、ボールをノークッションで空中のペンドラーさんに投げ返す。
ペンドラーさんはそのまま着地前に守連を狙って再度シュートした。


バシィ!


守連
「!?」

白那
「試合終了!! 勝者白組!!」

騰湖
「おおっ、見事!!」
女胤
「お見事ですわペンドラーさん!」

ペンドラー
「いやぁ〜疲れた〜! やっぱあそこから盛り返すのはしんどかったわ…」

ホイーガ姉妹
「お姉ちゃんお疲れ様!」
アブリボン
「お疲れっ♪ さっすが我らの軍師様!」


チーム全員がペンドラーさんを囲んで激励する。
まさに一丸となって戦ってたな…
そして、敗者のチームは…


守連
「もうダメ…お腹空いた……」

香飛利
「パフェ〜…」


完全に項垂れていた…やっぱ欲出したらアカンよ守連さん!?
守連さんの敗因は色々明らかだよ!!



「あ〜あ、やられたか〜このチームで負けるとはな…」

クワガノン
「流石に外野差が大きい…ましてや頭の回るペンドラーが相手じゃ無理がある」
「…まぁ、負けて当然だった」

明海
「ごめんなさい、役に立てなくて…」

毬子
「ごめんなさ〜い…」


「まあ、気にすんなよ…俺はそれなりに楽しかったし♪」

クワガノン
「同感だ、命のやり取りじゃない勝負ならいくらでも楽しめる」


ふむ、何だかんだで鳴たちは楽しんだ様だ。
しっかし、これは熱中症が怖いな…後でちゃんと水分補給させんとな。
そして勝者には予定通り姉さんからのプレゼント。


風路
「はいチョコパフェ出来たよ〜」
「負けた守連ちゃんたちもどうぞ♪」

守連
「おおおっ! ありがとう風路お姉ちゃ〜ん!!」
香飛利
「感謝感激雨霰!!」


ははは…結局そうなるか。
まぁ、姉さんがアレ見て黙ってるわけ無いと思ったけど…
お腹が空いている子には、無条件で食べさせてあげる優しさの塊の人だからな…
まぁ守連も頑張ったし、別に良いだろ。
…香飛利は本当に何もやってなかったが。


ペンドラー
「…聖さん、突然で悪いけど…もし良かったらアタシたちに名前を付けてくれない?」
「今までずっと迷ってたけど、やっぱアタシたちもちゃんと家族になりたいんだ…」


それは迷いながらも決心した言葉だった。
そう、今まで機会が無かったわけでは無いのだが、何故かペンドラーさんは俺から少し距離を置いていたのだ。
後から浮狼さんにこっそり聞かされたのだが、ペンドラーさんたちのグループは、ペンドラーさんがその気にならない限り名前は受け取らないと決めていたらしい。
理由は解らないが、ペンドラーさんが決心したって事は、とりあえず迷いが無くなったのだろう。。


ペンドラー
「ゴメンな、悪気があって避けてたわけじゃないんだ…」
「アタシでも、本当に聖さんが好きになれるか解らなかったから」
「今まで色々迷ったけど、もう迷わないよ! アタシも大将と同じく聖さんの家族だ!」


「分かりました…とりあえずペンドラーさんは『杏』(あんず)」

ペンドラー
「!? まさか、もう考えててくれてたの?」


俺は笑って肯定する。
そして、既に決めていた名前を俺は順に付けて行った。



「ライトさんとレフトさんは…お姉さんが『未生羅』(びおら)、妹さんは『土筆』(つくし)」

ホイーガ姉妹
「やった〜♪」


ちなみに、土筆は元ネタが微妙な所なのだが、この際女の子の名前でも問題無さそうなので採用した。
その辺は聞こえが良ければ良しとする!
じゃないと、ネタが足らんのだ!!



「アブリボンさんは『祭花』(まつりか)で!」

アブリボン
「やった、ありがと〜♪」


「クワガノンさんは『唖々帝』(あーてぃ)」

クワガノン
「…了解だ」


これも本当は男性ネームなのだが、女性で使っても違和感無いと判断した次第。
ぶっちゃけそこまで虫使いの女性がいねぇんだよ!
電気は更に論外!!



「最後に、ケケンカニさんは『李』(すもも)」

ケケンカニ
「ははっ! ありがとな!!」


とりあえず、ペンドラーさん改めて杏さんは優しく微笑んでいた。
妹ふたりに抱き付かれ、幸せそうにしている。
俺は、何となくその姿に自分と姉さんを重ねてしまった。
そうだ…やっぱり、家族はこうあるべきなんだ。
俺は、もう2度と姉さんを蔑ろにしたりしない。
この集まりは、姉さんも含めて俺の『家族』なんだから!



………………………



鐃背
「わはははっ! どんどんかかって来るのじゃ!!」


「しゃあ! じゃあ次行くぜ!!」


今度は何故か相撲をやってた。
とりあえず鐃背さんが何か勝負したい!と言ったので、比較的平和な競技にしたのだが…



「ぐわぁ〜っ!?」

鐃背
「わはははっ!! まだまだじゃのぅ!」


鐃背さんはあの小さな体で、李さんを軽く投げ飛ばす。
仮にも格闘タイプでパワー自慢のケケンカニがアレなんだから、流石レックウザのパワーという所か…レベルも一際高い方だしな鐃背さんは。
ちなみに、鐃背さんは現実世界に来てからも、ずっと自己鍛練を繰り返していた。
元々あの人はずっとそうやって鍛え続けていたらしいが、愛呂恵さんに負けてからは更に厳しく鍛え続けたらしい。
その鍛練はもはや修行のレベルで、暇があれば山籠りしてしばらく帰ってこなかった時もあった程だ。
さて、そんな鐃背さん相手にこんな競技だと、当然パワーの無い人はお断りなのだが…



「しゃあ! なら俺が行くぜ!!」

鐃背
「おおう! 相手がお主ならば存分に力勝負を楽しめよう!!」

白那
「それじゃ〜はっけよーい…のこった!」


ガシィッ!!と凄まじい音で両者がぶつかり合う。
とはいえ、流石にパワーが互角なら体重の差は出る。
鳴は鐃背さんを徐々に押し、土俵際まで追い詰めた。
これはまさかいけるか!?



「うらぁ!!」

鐃背
「何の!!」


何と鐃背さんはギリギリで踏み留まり、即座に鳴と体を入れ替える。
そして、そのままちょっと力を加えて、鳴の体を外に押し出した。
鳴はバランスを崩し、派手に転がってしまう。



「だー!?」

鐃背
「わははっ! 中々惜しかったのぅ〜♪」


鐃背さんはご満悦の様だ。
ホントに勝負好きだよな…それも全力でそれを楽しむタイプ。
あれだけ楽しそうにやられると、見ている方もパワーが湧いて来る。


鐃背
「さぁ、もう相手はおらんか!? 何ならふたりがかりでも良いぞ!!」


おっと、それは流石に軽率なのでは…?
全員がとりあえず作戦会議を始めましたな…おっ、とりあえず一組決まったっぽい。


浮狼
「それでは、遺憾ながら私たちが…」

神狩
「………」

鐃背
「おお良いぞ! いつでも来るが良い!!」

白那
「それじゃ、はっけよーい…のこった!」

神狩
「!!」

鐃背
「むぅ!?」


神狩さんはいきなり『神速』で不意を突く。
流石に体格差で神狩さんは鐃背さんを一気に上から抑え込んだ。
そして、浮狼さんがその間に鐃背さんの横に回る。
だが鐃背さんはすぐに神狩さんを横に振り回し、浮狼さんごと巻き込んで投げ飛ばしてしまった。
これでは作戦にならない…まさに力技だ。


鐃背
「はははっ! 中々上手くはいかんの〜♪」

浮狼
「お見事です…やはり敵いませんか」

神狩
「…むぅ、強い」


ふたりは鐃背さんに礼をして土俵から出る。
何気にこういう所も浮狼さんたちの性格だよな…遊びだからフツーは誰も気にしないけど。


明海
「それじゃ、今度は5人で行きます!!」


「頑張りましょう!」

毬子
「うん!」

教子
「皆でならやれるよね?」

悠和
「力を合わせれば、きっと!」


おっと、今度は元女将さんたち元旅館組か。
悠和ちゃんは結構パワーあるし、これは流石に鐃背さんでも辛いんじゃないか?


鐃背
「がははっ! 良いぞドンと来い!!」
「力が弱い者は、そうやって力を合わせてカバーすると良い!!」


鐃背さんは一切退かない…しかし、5人は正直かなり辛いと思うぞ?
いくら非戦闘員でも集まれば体重になる。
しかも、力のかかる場所が増えるから、単純にスピード勝負にもなりかねない…
はてさて、どうなるやら…?


明海
「それじゃ、作戦通りにね?」

4人
「はいっ」

鐃背
「んふふ…さてどうするつもじゃ?」

白那
「じゃ、はっけよーい…のこった!」


一気にまずは全員で雪崩れ込む。
まずは悠和ちゃんが中心で、先に上から抑え込んだ。
そして毬子ちゃん教子ちゃんがそれぞれ両手を抑える。
後は明海さんと瞳さんが低姿勢で鐃背さんの腰を一気に押した。
が…倒れない!


鐃背
「ぬぅ…!!」

明海
「嘘っ!? 全体重かけてるのに!?」

悠和
「大丈夫です、行けます! このまま…押し倒す!!」


悠和ちゃんは全力で鐃背さんの小さい体を押し込んだ。
鐃背さんは少しづつ押されていく。
流石に両手も抑えられては身動きが取れない。
そして遂に、鐃背さんの背中が地に落ちた。


ズシャァァッ!!


白那
「勝負あり! 明海チームの勝ち〜」

明海
「やった! 皆で勝てたよ〜♪」


「うん、やったね♪」

毬子
「やった〜♪」

教子
「勝てた〜♪」

悠和
「皆の勝利です…」

鐃背
「がっはははっ!! 流石にこれは無理じゃったか!」
「じゃが、楽しかったぞ♪ 妾は大満足じゃ!!」


鐃背さんは本当に楽しいんだな…負けてもああやって笑える人はかなり珍しいんじゃないかな?
鐃背さん、勝負事は好きだけど、その結果には一切拘らない。
あくまで楽しめる過程があれば良いという人だ。
そんな鐃背さんだからこそ、相手をする方もああやって笑い合える。
鐃背さんは良いムードメーカーだな…


風路
「それじゃ、皆一旦お昼にしましょー!!」


姉さんの号令に皆はおー!と答える。
さてさて、まだまだ1日は長い…今度はどんな遊びが見れるかな?



………………………





「ちからこそが せいぎで ごわす!」

風路
「あはは…凄かったね〜さっきの相撲も」


姉さんも何だかんだで馴染んで来てるな…
俺は少し安心していた。
これだけの面子集めて、姉さん変に遠慮しないかなってちょっと思ってたけど、そうでもないみたいだ。


守連
「ご飯〜〜〜!!」

香飛利
「メシ〜〜〜!!」

夏翔麗愛
「食わせろ〜〜!!」


もはやゾンビの様なフードファイターたちが風路さんに抱きついて来た。
コイツらも相当懐いとるな…まぁ、姉さん優しいしご飯美味いしで、コイツ等にとっては神にも等しい存在か。



(まぁ、夏翔麗愛ちゃんは自分も神に等しい存在のはずなんだけどな…)


とはいえ、夏翔麗愛ちゃんはご覧の通りまだまだ子供だ。
食べるのも育ち盛りだろうし、大きくなったらナイスバディになるかもしれん…
そう思うと妄想が膨らむが、まぁそれも先の話だ。


風路
「うふふ…まるで子供が出来たみたい」

守連
「うう…子供で良いからご飯ください〜」

香飛利
「私も〜〜」

夏翔麗愛
「私は既にお母さんがいるので我慢するのです!」


おっと、夏翔麗愛ちゃんだけは何とか我慢したか。
まぁ夏翔麗愛ちゃんはああ見えて精神年齢20歳だからな…
つか、平和な世界とはいえ守連の奴、益々珍獣度に磨きがかかってるな…その内何か対策考えんといかんぞ…


ドンッ!



「あっと、すみませ…」

男A
「あ〜ん、何ボク? 随分沢山女侍らせてんじゃん♪」

男B
「ちょっと俺らにも分けてよ〜良いじゃん、こんなにいるんだし〜?」


うわ、今時こんな奴らいる?
つか、このビーチは貸しきってるはずなんだがな?
どうやら不法に入り込んだ様で、俺は色々頭が痛くなりそうだったが、とりあえず額に手を当てて冷静になる。
相手の身長は俺より上だが、運動してる様には到底見えないな…
まぁ、ふたり位なら大した事ないか…


男A
「おっ、とりあえずこの娘も〜らい♪」


「!!」


その瞬間、ドズシャアッ!!と、男が砂浜に落ちる音が木霊する。
俺は姉さんに手を出そうとした男の腕を両手で掴んで投げ飛ばしたのだ。
そして俺は間を空けずに、仰向けに倒れて痛がっている男の顔スレスレに右足を思いっきり落とす。


ザシャァッ!!



「…っ!?」


「…あんま本気にさせんなよ?」
「姉さんに手ぇ出したら、怪我じゃ済まさねぇぞ!?」


「…っ! クソがっ、やれるもんなら…」


「………」


俺は足を無言で上げる。
そして今度こそ男の顔の前に照準を合わせた。
男は顔を青くし、すぐにその場から離れる。
俺はそれを見てゆっくり足を下ろし、男ふたりを睨む。
男は冷や汗を垂らしながら、舌打ちしてその場を去って行った。



「やれやれ…困ったモンだな、この辺の治安も」
「姉さん、大丈夫?」

風路
「…あ、うん」


俺は何やら、周りから不穏な視線を感じる。
すると、そこには様々な想いを秘めた視線が多数あったのだ。


女胤&騰湖&舞桜
「か、格好良い…♡」

悠和
「聖様…素敵です」

華澄
「流石は聖殿…見事でござる」

浮狼
「はい、聖様も随分逞しくなられましたね」

鐃背
「がははっ! 中々やる様になったのぉ!」

白那
「うんうん…聖君、立派になったねぇ〜」


いわゆる、羨望の眼差しなんだろうが、あまりにも俺は異質に感じてしまった。
今までこんな事無かったし、ちょっと複雑な気分だ…


阿須那
「まぁ、どこでも小悪党はおるわな…」

櫻桃
「全くだね…ああいうのが治安を悪くするんだ」

愛呂恵
「確かにその通りですね、今後はもう少し注意するべきかもしれません」


「ふん、あの程度の雑魚じゃ治安もクソも無いがな」


「…でも、下手に襲われて相手を殺してもそれはそれで問題よ?」


こっちは何か物騒な話になってるし…
むしろそれが怖いから俺が相手するんですけどね!
とりあえず、俺はさっさと皆を連れて食事を済ませる事にした。



………………………



風路
「聖君、何食べる?」


「俺はフツーにゴーヤチャンプルーかな」
「食った事ないし、とりあえず試してみないと」

守連
「私とりあえず、これとこれとこれ頼むね!!」

香飛利
「私はこれとこれとこれ〜!」

夏翔麗愛
「私はソバの大盛りを頼むのです!」


とりあえずファイターたちは食う気満々だ。
ポケットマネー足りるかな? 一応相当余裕持たしてあるけど…人数が人数だからな…
とりあえず、今回はそれぞれグループ組んで別々に食っている。
一応、一般客も混じってるから、迷惑かけなければ良いんだが…


風路
「聖君、本当に強くなったね…」


「せめて、あんな奴ら位からは守れる様になるつもりだよ…」
「今後人間社会に皆が入る気なら、ああ言う輩には必ず手を出されるだろうから…」
「もちろん、皆等しく守る事は俺には出来ない…」
「だから、俺は俺の手の届く範囲で、守ると決めたよ」


俺は笑顔で姉さんにそう言う。
すると、姉さんは小さく微笑んだ。
俺は少し気恥ずかしくなり頬を指で掻く。


風路
「ふふふ、まだその癖直ってないのね…」


「あ…まぁ、もう諦めてる…条件反射だ」

風路
「無くて七癖、人は誰でも何かしらの癖を持っているものよ」
「だから、気にする事は無いわ♪」


そう言って姉さんは右手の人差し指を口元に当ててウインクする。
これは姉さんの癖だ…姉さんはいつもこうやって俺に笑いかけてくれるからな。
今度は、ちゃんとこの笑顔に答えてやらないと…
俺がそう考えていると、やがて注文は届く。
そして、守連たちファイターは一斉に食い始めた。
俺と姉さんは苦笑しながらも自分たちの物も食う事にする。
まぁ、初めて食う味だが悪くない。
姉さんたちの料理が美味すぎるだけだからな…



「そう言えば、2号店の話決まったの?」

風路
「ううん、ちょっと難航してるの…」
「土地の問題もあって、場所が中々見つからなくて…」


成る程、確かにどこで営業するかは大事だしな…
俺も出来るだけ協力するか。
今度、色々調べてみるかな…ようやく遺産も帰って来る事だし、ちゃんと有効活用しないと。


守連
「聖さん、お代わりしていい!?」

香飛利
「私も!!」

夏翔麗愛
「私もなのです!!」


俺たちは苦笑する。
そして、好きにさせてやる事にした…



………………………




「皆、よく遊んだな…」

風路
「うん、流石に疲れたね〜」


とりあえず、あれから俺たちは17時まで遊び倒し、今日はこれでお開きにする事にした。
皆、ホテルで1度体を洗い、ちゃんと綺麗にしてから帰宅する。
そして、一部を除いて皆はパルキア城改め、白那城に帰る事になった。



………………………




「はぁ〜ただいまーっと」

風路
「ホントに一瞬だもんね…白那さん凄いな〜」

白那
「あははっ、まぁこの位ならいつでも言ってよ♪」
「それじゃ、また今度ね…」


そう言って白那さんは笑顔で手を振り、自分の城に転移する。
とりあえず俺たちは今、家のリビングだ。
あらかじめ靴は脱いであるので、まずはそれを玄関にっと…


守連
「あ〜お腹空いた…」

阿須那
「アンタ、もう減ったんか?」
「しゃああらへんな…ちょっと買って来るか」

華澄
「拙者も手伝いましょう、冷蔵庫の中身が心許ありませんし」

愛呂恵
「それでしたら、私は調理の準備をしておきます」

華澄
「はい、お願いするでござる…やはり愛呂恵殿がおられると、助かりますな」

阿須那
「ほな、とりあえず行って来るわ…」


俺はああ、と言ってふたりを見送る。
ふたりが家を出ると、愛呂恵さんはとりあえず厨房に向かった。
それを見て、姉さんは微笑んでこう言う。


風路
「それじゃ、私もそろそろ行くね…明日の仕込みもあるし」


「うん、じゃあまた…」


そう言って姉さんは笑顔で出て行った。
さっすが姉さん…もう仕事の話か。
良くも悪くも姉さんは現代社会に馴染みまくったポケモンだからな…
日本人は海外から働きすぎとまで言われる民族だが、姉さんを見てると確かにそう思われても仕方がないのかもしれない…と思ってしまった。


女胤
「ふぅ…私もとりあえず愛呂恵さんを手伝います」


「ああ、悪いな…俺は部屋に戻って勉強するよ」


俺はそう言って一旦部屋に戻る。
3年生になって授業の難易度も上がってるし、少し多目に予習しとかないとな…
とまぁ、こんな感じで一泊二日の沖縄旅行は終了。
ここから先は、新たに新生活だ。
家族の絆も深まったと思うし、とりあえずこれからも楽しみだな♪










『とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない』



第2話 『沖縄旅行、2日目』


To be continued…

Yuki ( 2019/04/20(土) 07:06 )