とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない













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第8章 『聖の選択』
第1話
守連
「ほんとうに…ほんとうにありがとうございました」

女胤
「さ、聖様!? 守連さんがーーー!!」

三海
「ふむ…興味深いな、一体あのメッセージは何に対してのありがとうなのか?」

阿須那
「やれやれやな…最後まで救いの無いエンディングやんけ」


とりあえず今は夜中。
守連は遂に○ODのラスボスを倒し、最後のEエンドを迎えて精神崩壊したのだ。


守連
「最後まで抗った結果がコレだよ!!」

華澄
「ううむ…結局このゲームの最後は悲しい結果しか無かったのでござるな」

三海
「だが、最後まで諦めるな…という強い意志が込められている様にも感じる」
「総合的に見れば主人公たちは不幸だが、確かに世界は救われているし…」


三海は何気に真面目な考察をしてるな。
まぁ、そんな深いメッセージ性があったとは思えんのだが…



「やれやれ…明日からキャンプだってのに」


そう、バトルフロンティアで数日過ごす羽目にはなったが、俺たちは現実において時間が経過したわけではない。
とはいえ、怪我などは持ち越してしまったので、帰って来て早々大慌てだったが…
特に華澄は大怪我だったからな…三海は飯食ったらすぐに回復したが。


守連
「うう…明日の為にもう寝るよ〜」

三海
「ふぁ…ワタシも寝る、明日は楽しみだし♪」


ふたりはそう言って自分の部屋に戻って行った。
やれやれ、明日はどうなるかね?


阿須那
「ウチも寝るわ…明日からイベントやし」


「ああ、無理だけはするなよ?」


阿須那は背中越しに手を振って部屋に向かった。
混沌後ですぐに仕事だったから、今回は休む暇も無かったモンな…
こういう時いきなりな混沌はホントに困る。
しかも、怪我や疲労を持ち越すのが相当辛いんだよな…
代わりに得られる物もあるが、現実的には問題の方が多い。


愛呂恵
「聖様もそろそろお休みを」


「あ、はい…そうします」

女胤
「ふふ…眠れないのでしたら、いつでもお呼びくださいね?」


「逆に吸い尽くされそうだから遠慮する…お前のギガドレインは性的に怖い」

女胤
「あん♪ 聖様の肉棒でしたら、私には効果抜群ですのに♪」

華澄
「女胤殿、あまり聖殿を困らせぬ様…」

愛呂恵
「そうです、聖様が求められるなら私たちも是非ご一緒に!」

華澄
「え!? いや拙者は別に……その、出来るなら、嬉しいでござるが…」


ぐはぁ!? 華澄さん赤面しながら俯いて受け入れないで!?
何だかんだで皆、溜まってるんだろうか?
色んな意味で俺は4P想像してしまい息子が怒り爆発しそうになった。
俺はすぐにその場を離れ、部屋に戻る事にする。
くっそ〜! エロい奴らめ! この作品を18禁にする気かっ。



………………………



女胤
「ふぅ…いつもながら、我慢強いですわね」

愛呂恵
「それでも想像して勃起はしています、思う所はあるのでしょう」

華澄
「…おふた方は、怖くは無いのですか?」


拙者は思わず聞いてしまった。
すると女胤殿はキョトンとしてしまわれた。
愛呂恵殿は…無表情でござるな。


女胤
「ふふ、華澄さんは本当に反則的ですわね」

愛呂恵
「はい、あざとい位に聖様の性癖を直撃していますね」

華澄
「え、ええっ?」

女胤
「そもそも、この体格にこの武器が強すぎるのです!」


女胤殿はそう言って拙者の右乳を手で優しく揉む。
拙者はビクッとなってしまい、不覚にも感じてしまった。


愛呂恵
「やはり聖様が1番求めているのは、ここですね」


更に愛呂恵殿が拙者の左乳を揉む。
それぞれ違う感覚で適度に揉まれ、拙者は完全に赤面してしまった。


女胤
「むぅ…弾力も流石ですわね」

愛呂恵
「ですが、私も自信があります…これならば、負けてはいません!」

華澄
「いい加減にしてください!」


拙者はふたりの手を振り払って解放される。
呼吸が荒くなってしまい、拙者は息を整えた。
そして何だか悲しくなってしまい、拙者はため息を深く吐く。


女胤
「ウブと言うか、何と言うか…」

愛呂恵
「華澄さんらしくもありますが、臆病とも言えますね」

華澄
「拙者は、怖いのです…もしかしたら、聖殿が拙者を求めてはいないのでは? と…」


もちろん、それは拙者の杞憂だとも思う。
それでも聖殿が本当に心から求めてくれているのかは、解らない…


女胤
「華澄さん、信じられなくなったら終わりですよ?」

愛呂恵
「そうです、聖様は全員を愛すると宣言したのです」
「ですから私は聖様を愛していますし、これが愛だと確信を持てる様になれたのですから…」


拙者は、以前の阿須那殿を思い出す。
阿須那殿は信じられなくなった結果、聖殿を殺しかけた。
そして、前の混沌の恐怖…拙者はあれ以来、聖殿に近付くのが怖くなってしまったのだ。


華澄
(拙者は欲望の塊に支配された…メロディ殿に救われたから良かったものの、もしそうでなければ、世界中の人を皆殺しにしてでも聖殿を求めたのかもしれない)


そして拙者は知った。
拙者の内に秘める、欲望を…
どれだけ繕っていても、底の底には必ず存在する、邪な想い。


女胤
「…華澄さん、何を見たのですか? いえ、感じた…ですかね?」


流石は女胤殿…勘が鋭いですな。
言葉にせずとも、拙者の態度で何となく察されましたか…
拙者は俯き、小さな声でこう呟く。


華澄
「…拙者にもあるのです、邪な欲望は」
「そしてそれは、聖殿に害を為すかもしれない」

女胤
「……それが、どうかしましたか?」


女胤殿は強い表情でそう言った。
拙者はポカンとしてしまっただろう。
そして何も言えないでいると、女胤殿はため息を吐いてこう話す。


女胤
「邪かは置いておいて、欲望なんて物は誰もが持ってますよ?」
「むしろ当たり前の感情です」

華澄
「…それは、そうかもしれませんが」

女胤
「華澄さんは、無欲を装い過ぎですね…もっと、さらけ出せば良いのですよ?」

愛呂恵
「…女胤さん程に出すのも問題ではありますが」


言われて女胤殿は言葉を詰まらせる。
拙者は考えてみた…装う、ですか。
そうかもしれない…拙者は無欲を装って、ただ聖殿側にいられれば幸せだと思っていた。
しかし、そうでは無かったのだ。
拙者の心の底には、あったのだ…聖殿を求める欲望が。


女胤
「華澄さんにとっては、怖い物なのかもしれません」
「ですが、それに怖がっていては、いつまで経っても先には進めませんよ?」

華澄
「………」


拙者は悩む。
そして、自問自答を心で繰り返す。
拙者の欲望はどこまで大きいのか? それともちっぽけな物なのか?
それを知るには…どうすれば?


女胤
「というわけで、レッツ夜這い! いかがです!? 3人で!?」

愛呂恵
「もちろんご一緒します、ですが聖様が許可をくださるとは限りませんよ?」

女胤
「ご安心を! 藍さんに頼んで作ってもらった媚薬があります!」
「これを飲ませれば、人間の男などコロリ♪」

華澄
「女胤殿…それは流石にいかんでござるよ」
「後、約定違いになるので、阿須那殿が黙っておりませんぞ?」


もっとも、夢の世界で交わした約定ですので、どこまで有効かは曖昧ですが。
あくまで選ぶのは聖殿…なれば、結果も自ずと解るという物でしょう。


女胤
「はぁ…まぁ、2割は冗談ですが、やはり華澄さんはまだまだお固いですね」

愛呂恵
「…残り8割は本気なのですね」

女胤
「と、とにかくっ、この際華澄さんを先に開発してしまいますか!」

華澄
「えっ!?」

女胤
「大丈夫です、怖くはありませんよ〜? むしろとっても気持ち良くして、さしあげますので〜♪」


拙者はすぐに退散する。
あの女胤殿は本気の目でした。
やはり欲望は怖いでござるよ〜!



………………………



女胤
「あらあら、本当に臆病ですわね…」

愛呂恵
「女胤さん…とうとう両刀使いに踏み込んだのですか?」

女胤
「まさか…そういう趣味はありませんよ?」
「ただ、華澄さんは未だに生娘の様な反応なので、興味が湧いただけです」
「あの手のタイプは、1度タガが外れたら、どうなるのか?とか…♪」


個人的予想としては、猿の様に○ナニーを繰り返すと読みますわ!
そうなれば聖様を落とすのも時間の問題…
こういうのは、ひとりで奮闘するよりも、全員で一丸になった方が成功率は高まるはず!


愛呂恵
「欲望…ですか」

女胤
「愛呂恵さんは割と忠実なのでは? 弁えてはいますが、言葉には出してますし…」


少なくとも、無表情ながら最近は感情も伝わる言葉は多い。
いかに鉄面皮とはいえ、愛呂恵さんは比較的自分に正直ですからね。


愛呂恵
「…そんなに、怖い物なのですかね?」

女胤
「華澄さんは、普段が菩薩の様に達観してますからね…」
「自分にまで無欲に見せてただけで、いざ自分の中に眠る欲望に気付いたら、あの反応…」


純情なのは聖様のツボです…ですが、もう一息!
華澄さんの純情を向けさせれば、いかに聖様といえど7Pは成立するはず!
三海さんは未知数ですが、守連さんは最大の鬼門です…ここも何とか説得しなければ!


愛呂恵
「…私もそろそろ休みます、明日の準備もありますし」

女胤
「分かりました、それでは私も部屋に戻ります…お休みなさいませ」


こうして、今夜は過ぎる。
私は部屋に戻り、そのまま眠りにつく事にした…



………………………




「はぁ…朝か」


俺はいつもの様に起きてしまう。
っていうか、あまり眠れなかった…昨日のバカのせいで。



「この俺が、夢にまで怯える事になろうとは…!」


とても口には出せない夢だった…まさかあんなプレイを要求されるとは。
おのれ女胤め…華澄や愛呂恵さんを利用して俺を誘惑するとは卑怯者め!



「とはいえ…俺にも原因があるのは確かなんだよな〜」


解ってはいるんだ。
だが、その一線は大事なんだ…猿の様に身体を求めるのはエロゲー主人公の特権。
やはり、もう少し自重してほしい所だな…
俺はそう思って鎮まった息子を見る。
ふぅ…今日も良い天気だ、暑くなりそうだな。



………………………




「おーい、そっちは大丈夫か!?」


「オッケーだ! これで完成だぜ?」

夏翔麗愛
「テントの完成なのです!」


というわけで、俺たちは既に山!
例によっての空間転移で、あらかじめ調べておいた場所に一気に転移したのだ。
一応、ちゃんと許可を得てキャンプやバーベキュー可能にしてある場所だから、とりあえず問題は無い。


守連
「うーん! やっぱり自然は良いね〜♪」

喜久乃
「同感です、普段はインドア派ですけど、こういうのも良いですよね♪」


守連と喜久乃はストレッチしながら身体を動かす。
まぁ、かなり広い場所だし、高さも結構ある場所だからな。
運動するのも悪くは無い。
どっちにしても、時間的にバーベキューはまだ先だからな…


騰湖
「ふむ、野外○ックスも手か…」


「いい加減しろ桃色脳ミソ…折角の気分が削がれる」

光里
「あ、あはは…情熱的だからね、騰湖さん」


「穹は何だで結構達観してるよな〜良い意味で騰湖と鳴の中間的な?」


「…あんまり比べられたくない、私は私だし」


おっと、気にしてたんなら悪かったかな…?
とはいえ、穹的にはふたりの存在はどういう物なんだろうか?
とりあえず、今回は光里ちゃんたちも来てもらってるし、楽しんでもらえれば良いな♪


光輝
「しっかし、改めてスゲェな…皆ポケモンなのかよ?」

光里
「そうよ? 年上の人も多いんだから、失礼の無い様にね!」

光輝
「はいはい…姉ちゃんこそ、あんまり浮かれんなよ?」


光輝君はそう言って楽しそうに走る。
元々アウトドア派らしく、小学生としても年齢相応なやんちゃっ子みたいだな。


大愛
「ふむ…なら、これでチェックだ」


「…だったら、これでどう?」

白那
「おっ、流石は棗…さっきのは伏線かな?」


「全然解らん…チェスとかルールは知ってるけど、このレベルのは意味不明だな」


大愛さんは棗ちゃんとチェスをやっていた。
白那さんが転送した椅子とテーブルでやっており、パラソルの下で日差しを避けながら優雅に足を組んで次の手を考えている。
って、やっぱ大愛さんもああいうのは強いのか?
万丁君は、そんなふたりの対戦を興味深そうに眺めていた。
万丁君も頭は良いんだよな…あんなナリでも。
服装は白のTシャツに下はジャージとかなりラフだ。
髪型はいつものリーゼントだし、やっぱツッパリって感じはする。


悠和
「えっと…調味料はこれだけですか?」

櫻桃
「ああ…基本的なのは粗方揃ってるし、愛呂恵が用意してくれたスパイスとタレもある」
「自分で調合するなら、頑張りな…」

借音
「ふふ、麻亜守も楽しそうね♪」


こっちは何やら調味料を出して何か話していた。
どうやらスパイスやタレの調合について研究している様だ。
麻亜守ちゃんは別の所で遊んでおり、借音さんはそれを遠くから笑顔で見守っていた。


沙譚
「…まぁ、たまには良いか」

悶々
「よりどりみどりですぜ!? しかも今日はお泊まり! ああん! 攻めも守りもしたいホーダイ!!」

沙譚
「良かったな悶々…今夜はたっぷり絶対零度で保存されるそうだ」

悶々
「そんな殺生な!?」

神狩
「大丈夫、朝になったら溶かしてあげるから…」


神狩さんは優しく言ってるが、実際にはどうなのか…
まぁ、とりあえず呼んだ以上は楽しんでくれれば良いんだが、悶々に関してはどうしようもねぇな!
一応交流会のつもりでもあるから、それだけでも上手く出来れば良いんだが…



「いやぁ〜やっぱこういう所は空気が美味くて良いね〜!」

土筆&未生羅
「良いね〜♪」

唖々帝
「大将は結局来なかったな…」


「仕方無いんじゃない? 庭園の世話を優先したいって言ってたし、誰もいなくなるのは問題でしょ?」


そう、浮狼さんは庭園の世話をやるとの事で今回は来てないのだ。
とはいえ、その気になれば白那さんに頼んで呼んでもらえるし、バーベキューの時と寝る時位は一緒でも構わないだろう。
阿須那たちは店でパーティーやるって言ってたし、華澄たちも家でバーベキューをやると言っていた。
夜ならこっちに呼んでも構わないんだが、今回は遠慮しておくと断られたのだ。



「土筆と未生羅も、たまにはふたりで好きに遊んどきな!」

土筆
「え〜? お姉ちゃんは?」

未生羅
「私たちだけじゃヤダ〜」


「ダーメ、いい加減に姉離れしなさい!」
「アンタたちも19歳になったんだから、少しは年上らしく成長しな!」

唖々帝
「ふっ…まだまだ幼いままだな」


土筆さんと未生羅さんは困った様に杏さんに甘えていた。
杏さんはそんなふたりを軽く突き放して行動を促す。
改めて、あのふたりは自主性が乏しいんだな…
何事も姉ありきで行動してるから、いざ自分で何かを考えるってのが出来ないんだろう。
バトルフロンティアでも流されるままに行動してたみたいだし、少しは成長出来ると良いんだが。


三海
「うむ、美味いぞ♪ このお菓子は美味だ!」

香飛利
「やっぱりおやつは○ール♪」

鐃背
「これ香飛利、あまり食い過ぎるなよ? 折角のバーベキューなのじゃから、少し我慢せい…」


「やれやれ、こんな所まで来て食う事しか考えてねぇのか…」


三海は早速お菓子を食ってご満悦だった。
しかし○ールとは、どこで手に入れたんだ? あれ関東じゃもう販売してないのに…
とはいえチョコ○レークといい、どんどん歴史あるお菓子が無くなっていくのは寂しい物だな…


三海
「うむ、世界にはまだまだ美味しい食べ物がある…実に楽しみだ!」
「さて、次はどれにするかな…? 二海お姉ちゃんが送ってくれた、アメリカンなチップスにしようかな?」


そういや、白那さんが何か三海に渡してたな…あれ二海が買った物だったのか?
いつの間にやら自分で名前も付けて、今はニューヨーク辺りにいるらしいが。
残念ながら今回も来れない様で、三海は少しだけ寂しそうにしていた。
アイツはアイツで元気にしている様だし、とりあえずは安心みたいだが…



「さて…皆の様子はこんなとこかな?」


俺はとりあえずメンバーの確認を終わり、歩き始める。
たまには山も良いモンだし、少し運動するかな?


鐃背
「おっ、走るのか聖? ならば妾も行くぞ♪」

神狩
「それなら私も行く…」

守連
「あ、じゃあ私も〜♪」


「俺もやるっす! 山で特訓とか、男らしいじゃねぇっすか!!」


おっと、続々参戦して来たな…まぁ別に良いか。
俺はとりあえずこのメンバーと一緒に走り込みを開始した。
さて山登りは混沌で経験済みだが、走り込みとなるとどうなるかな?



………………………



守連
「……!」

神狩
「……!!」


「速ぇ〜! 流石ポケモン!」


「特にあのふたりは鍛えてるからな〜流石だな!」


守連と神狩さんはかなりのスピードで山を駆け登っていた。
ここはフツーの坂道で、山頂に向かって延びている。
それなりの角度がある坂道だが、ふたりは苦も無く走った。
互いに意識はしているのか、自然と勝負みたいな雰囲気になってるな…


鐃背
「ほれ、そなた等も気合いを入れい! この位でヘバっていては、まだまだじゃぞ?」


そう言って鐃背さんは俺たちのペースに合わせて走る。
やれやれ、ここは先輩としてしっかり見せとかねぇとな!



「よーしテンポアップだ! あナハ! ナハ! ナハナハナハ!!」

「ガチョーン! って、このネタ流石に古くねぇっすか!?」


やるではないか万丁君…しっかりと答えてくれるとは。
これは想像以上に良い後輩だな…このままネタの神に愛されると良いが。
とはいえ流石に古かったな…版権的に再録は絶望だし、今や家庭用かサントラとかで聞くしか出来ないからな。



………………………




「ぐはぁ…! しんどい!!」


「け、結構距離あったっすね…!」

鐃背
「ぬふふ…ペースは考えねばいかんぞ? とはいえ、若いからそれも良いじゃろう!」


「鐃背さんって、この見た目で27なんすよね?」
「やっぱポケモンって、色々詐欺だわ…」


まぁ、気持ちは解らんでも無い。
鐃背さんは特に幼女体型だからな…とはいえポンポンとメガ進化は出来んし、悩み所なのは本人にとってもだそうだ。


鐃背
「おっ、守連たちはもう3周目じゃな…流石に速いの〜」


守連と神狩さんは既に往復3周目。
互いに負けず劣らず走り続けていたが、この辺になって守連が遅れていた。
流石にスタミナ差が出たか…神狩さんは全然ペースが落ちないし、流石ウインディだな。


神狩
「…これで私の勝ち」

守連
「あ〜! もう抜かれちゃったよ〜! 後2周は行けると思ったのに〜!!」

神狩
「…私はまだ余裕」


守連はそれなりに悔しがっていた。
速度は上でも、スタミナが無いと何周もは辛いだろう…
結局、もう少しは粘るつもりだった所で神狩さんにぶち抜かれたって所か。
ってか公道レースじゃねぇんだぞ!? 人力で車みたいにバトるなよ!



「やれやれ…こりゃ想像以上に疲れたわ」


「…? 今の…何だ?」

鐃背
「どうかしたのか? 何も無いが…?」


何だか万丁君が明後日の方を見つめていた。
そこはただの森で、特に何も見当たらない。
いや、まぁ虫とかは見えるけど…



「何か、妙なのに見られてた様な…?」

神狩
「…? 妙な臭いも特にしないけど…」

守連
「虫とかじゃないの?」


とりあえず俺たちには何も解らなかった。
万丁君もとりあえず気のせいだと言い、とりあえず俺たちはしばらく休憩して下に降りる事にする。



………………………




「ぐはっ! 下りキツぅ!!」


「モロに体重かかるから、膝がヤバい…!」

鐃背
「ほれほれ〜まだ先は長いぞ〜?」


鐃背さんはわざとらしく煽り、笑っていた。
守連と神狩さんも今回は並走してくれてる。
やっぱ、ペースは考えねぇとダメだな…


神狩
「……!?」

守連
「神狩さん、どうしたの〜?」


突然、神狩さんが立ち止まってしまった。
しかし、すぐに首を傾げて?を浮かべる。
俺たちは全員止まって神狩さんを見ていた。


神狩
「…今、何かポケモンっぽい臭いが」

守連
「ポケモン? 家族の誰かが来てるのかな?」

神狩
「家族のじゃない…でも、何か覚えがある様な気がした」
「今は何も臭わない…臭ったのはほんの一瞬だけ」


神狩さんが反応した臭い?
何なんだろうか…万丁君も見られてるって言ってたけど。
まさか混沌か何かか? でも違和感は別に無い。
世界が切り替わった様には思えないが…



(とはいえ、大愛さんたちみたいな例もあるからな…)


唐突にポケモンだけ呼ばれるってのも既に有り得る。
もしかしたら、今回もその手のタイプなのかも…


鐃背
「…うむ、解らん! 別に何か潜んでいる様にも思えんの…」


「巧妙に隠れてんじゃねぇっすか? ポケモンなら隠れるのもお手の物って感じだし…」


「だが、つけられてるなら問題だぞ? 知らないポケモンなら友好的とは限らないだろうし」

守連
「…とりあえず、探してみる?」


俺は考えるも、とりあえず置いておく事にした。
こういう時はエスパーな人に頼むのが手っ取り早いからな…



「とりあえず降りよう…んで夏翔麗愛ちゃんか三海辺りに探知してもらった方が良い」

鐃背
「そうじゃな、気配が解らぬ以上は仕方あるまいて」

神狩
「とりあえず私は後ろを走るから、聖さんたちは前を…」


そう言って神狩さんは俺と万丁君を促す。
俺たちは再び走り始め、その後は何事も無く無事に戻る事が出来た。



………………………



夏翔麗愛
「うーん、何かいます?」

三海
「いや、それっぽいのは感じない」


「ふたりでもダメって事は、一瞬で空間でも超えてるのか?」

白那
「それでも、夏翔麗愛なら転移前に残った感情の揺らぎは探知出来る」
「それすら無いって事は、感情その物が無い可能性もあるね…」

三海
「ふむ…夏翔麗愛お姉ちゃんは人間以外の感情も読めるのか?」

夏翔麗愛
「獣とかなら何とか…それ以下となると、流石に微妙なのです」
「昆虫とか細菌とかは流石に無理なのですよ…」


流石にこれじゃお手上げだな…探知の得意なふたりで感じ取れないなら、どうにもならないだろ。


三海
「…興味深いな、思念も感情も無いポケモンが、一体何を求めているのか?」


「なら逆に考えてみるか? 櫻桃、この辺りでポケモンの魂は視えるか?」

櫻桃
「あんまり期待しないでくださいよ? アタシ、そっち系の能力得意じゃないですから…」


そう言って櫻桃さんはグルリと周囲を見渡す。
その際に赤い瞳が揺らめき、魂の動きを見ている様だ。
成る程、ゴースト系だとしたら生物探知に引っ掛からない可能性もある。
逆に死んで魂にでもなっているなら、櫻桃さんが見分けられるって事だな。


櫻桃
「ダメ、な〜んも視えない…地縛霊のひとつもいやしませんよ!」


「………」


「…気になるわね、視線に、匂い…どちらも一瞬で消えてしまう程微量な何か」


藍と棗ちゃんはふたりで考えていた。
神と呼ばれるエスパータイプでも解らないポケモンなのか…?



「…そうか、その可能性があるか」


「…何か気付いたの?」


藍は口元に手を当て、さながら名探偵の様に何かを閃いた様だ。
とりあえず藍はそのまま口元から手を離し、頭を掻いてダルそうにこう言った。



「俺様たちは、既にソイツを見ていたんだよ…バカらしい話だがな」


「…まさか、それ程に小さな体って事?」


藍は軽く頷く。
俺たちは全員ポカンとしていた。
既に見ているって、じゃあもしかして今も…?



「少なくとも害は無い…今の所はな」
「ただ、この『意志』が本物なら、ソイツはもう3ヶ月も聖を付きまとってるってこった…」


「え…!? 俺に!?」


「…成る程、混沌で何かを巻き込んだって訳ね」
「…5月頃の混沌って言えば、三海を拾った辺りかしら?」


「いや、その後だ」
「俺様の認識が間違ってないなら、三海が来た後すぐの位の頃だな」
「あまりに違和感が少なすぎて、それを何かの『意志』とは俺様でも思わなかったとは…」


俺は固まる。
実は皆には秘密にしていた混沌を俺は体験している。
この事を知っているのはアルセウスさんだけだから、その混沌については誰も知らないんだ。
そして俺は何となく察した…これが、分岐点なのだと。
何故今まで誰も感知出来なかったのか? 何故、今ごろになって感知出来たのか?
恐らく、ずっと『視』られていたんだな…あの人に、俺は。



「…訳ありか、言い難い事なのか?」


「っていうより、言って良いのかが解らない」
「俺の想像通りの人なら、きっと言わない方が良い気がするから…」


俺は周りを見てそう呟く。
それなら、今も視てくれているんだ…俺を。
いや、ずっと視ていてくれてたんだ…どんな時でも、俺が秩序を破壊しないかどうかを。



「…まぁ良いんじゃない? 害が無いなら今を楽しみましょ」

白那
「そうだね、何があってもオレが聖君を守ってみせるよ♪」

守連
「それよりバーベキュー! まだなの!?」

光里
「あはは…まだちょっと早いかな? でも準備は出来てるし、始めます?」

櫻桃
「良いんじゃない? 腹ペコ軍団もいるし、さっさとやっちまおう!」

香飛利
「肉ーーー!!」

夏翔麗愛
「沢山食べるのです!」

麻亜守
「私も食べてもっと大きくなるぞー!」

三海
「この時を待っていた…! 外で食べるバーベキュー、しかも高級肉とくれば間違いなく美味いはず!!」


やれやれ、一気に火が点いてしまったな…
俺は息を吐き、何処ともなく誰もいない森を横目に見た。
すると、そこに一瞬小さな生き物(?)が視界に入る。
が、瞬きひとつの間にそれは見えなくなってしまった…そして俺は確信する。
やっぱり、いるんだと…俺はどうやら、まだ正しくはあるらしい。



(大丈夫…とは言えないかもしれない、でも俺は俺らしくこれからも信念を貫きます)


俺は決意を改める。
これが分岐点だとしたら、俺は他の可能性を諦めなければならない。
だとしたら、ここは重要だ…俺は、せめて後悔をしない選択を選ぶ。
そして、何があっても俺は間違った行動はしないと誓う。
アルセウスさんをも救うと決めた以上、俺は約束を守る!










『とりあえず、彼女いない歴17年の俺がポケモン女たちと日常を過ごす現実。やっぱり後悔はしていない』



第8章 『聖の選択』

第1話 『焼き肉焼いても家焼くな!』


To be continued…

Yuki ( 2019/05/17(金) 20:56 )