1. 僕らの色が、交わる時
ここは……どこだ?
風が気持ちいい……
……?
どこからか声が聞こえる…?
一体誰だ?
「……………………ね、ねえ………えっと……おっ、起きて~!」
誰の声だろう……
オレは体を起こしてみる。
「あ、き、気がついた?よかった~……」
ここは……?
一瞬、自分の目を疑った。
オレは何故か森にいて。
そして、オレの前で安堵の表情を浮かべているのはーーー
ーーーーーーーーー『ゼニガメ』なのだ。
「き、きみ、ここで倒れてたんだよ。起きてくれてほんとによかった……。
僕は『ラグリ』。よろしくね。えっと……じゃあきみは?ここら辺ではあまり見ない顔だけど……」
戸惑うオレに対し、ゼニガメーーラグリは、話し続ける。
「……何がどうなってるんだ?オレ、『人間』なのに……」
口から出たのは、困惑した呟き。
「え…?に、人間?でっ、でもきみ、どう見ても『ピカチュウ』だよ…?」
「…………え?」