02 第二話 ヒュイの戦闘!?
「ルールは一つだけ。そっちかのポケモンが戦闘不能になったら勝敗が決まるわ。OK?」
レイカが出した決まりは本当に単純なことだった。って、いうか公式ルールそのまんま。
「わかった。・・・いけ!ヒュイ!」
「くぅぅん!」
「容赦しなくていいわ!いけ、カフィー!」
「シャンダ!」
俺はヒュイを出した。そもそもこいつしかいない。
レイカはサンダースのカフィー。
ヒュイはうろたえたようにカフィーを見るが、カフィーは戦闘と仲良しをきっちりわけているようで、ヒュイをじっと見つめている。
俺はかまわず叫んだ。
「ヒュイ、体当たり!」
「カフィー、交わしながらでんじはっ」
カフィーはヒュイの攻撃をひょいと交わし、すれ違いざま電機の粒を飛ばした。
・・・正しくは、ヒュイよりもカフィーの方が素早く、ヒュイにカフィーがつっこむ形になったのだが。
ヒュイはでんじはでうまく体を動かせない。
そのまま地面につっこむと、体を震わせながら立ち上がった。
「えーと、えーと、電光石火!」
「くぅう!!」
思いっきり反発されました。はい、すみませんヒュイはそんな技覚えてません。
「かみなり!」
そのうちにカフィーは体に電機をため込み、レイカのかけ声にあわせて一気に放出。
放射状に広がったかみなりをヒュイはよけきれず―。
ぱたんと地面に崩れ落ちた。
負けた。
俺は、ボールを持ってヒュイに駆け寄る。
ああ、倒れてるヒュイもかわいいわ、とかいう邪念をふりはらい、ボールにヒュイを入れる。
「負けたなぁ。いや、正直お前のイーブイがこんなに強くなってるとは。」
「アレンがヒュイを鍛えてあげないだけよ! もう、今日から特訓!」
「はぁ!?」
聞きましたか皆さん。本日二回目のはぁ!?。
俺は脳内でニュースを繰り広げつつ真ん前にたったレイカを見上げる。
「んでそんなことすんだよ!ヒュイじゃなくて俺が戦うのに。」
「あんたも弱いからよ!」
一刀両断っす。
「それに、ね。あんたが陰口たたかれてんの気にくわないのよ。さっさと強くなって、褒め称えられなさい!」
そう言って、沈む夕日をバックに、レイカはにっこりと笑った。
レイカの長い影が俺の足まで届いた。
「なりそこないだけど、あんたは勇者なんでしょっ!」