▼勇者は 魔王に 負けて 帰ってきた!
02 第二話 ヒュイの戦闘!?

「ルールは一つだけ。そっちかのポケモンが戦闘不能になったら勝敗が決まるわ。OK?」


レイカが出した決まりは本当に単純なことだった。って、いうか公式ルールそのまんま。

「わかった。・・・いけ!ヒュイ!」
「くぅぅん!」

「容赦しなくていいわ!いけ、カフィー!」
「シャンダ!」

俺はヒュイを出した。そもそもこいつしかいない。
レイカはサンダースのカフィー。

ヒュイはうろたえたようにカフィーを見るが、カフィーは戦闘と仲良しをきっちりわけているようで、ヒュイをじっと見つめている。

俺はかまわず叫んだ。
「ヒュイ、体当たり!」

「カフィー、交わしながらでんじはっ」

カフィーはヒュイの攻撃をひょいと交わし、すれ違いざま電機の粒を飛ばした。
・・・正しくは、ヒュイよりもカフィーの方が素早く、ヒュイにカフィーがつっこむ形になったのだが。
ヒュイはでんじはでうまく体を動かせない。
そのまま地面につっこむと、体を震わせながら立ち上がった。

「えーと、えーと、電光石火!」
「くぅう!!」

思いっきり反発されました。はい、すみませんヒュイはそんな技覚えてません。

「かみなり!」
そのうちにカフィーは体に電機をため込み、レイカのかけ声にあわせて一気に放出。
放射状に広がったかみなりをヒュイはよけきれず―。

ぱたんと地面に崩れ落ちた。

負けた。
俺は、ボールを持ってヒュイに駆け寄る。
ああ、倒れてるヒュイもかわいいわ、とかいう邪念をふりはらい、ボールにヒュイを入れる。

「負けたなぁ。いや、正直お前のイーブイがこんなに強くなってるとは。」

「アレンがヒュイを鍛えてあげないだけよ! もう、今日から特訓!」
「はぁ!?」

聞きましたか皆さん。本日二回目のはぁ!?。
俺は脳内でニュースを繰り広げつつ真ん前にたったレイカを見上げる。

「んでそんなことすんだよ!ヒュイじゃなくて俺が戦うのに。」
「あんたも弱いからよ!」

一刀両断っす。

「それに、ね。あんたが陰口たたかれてんの気にくわないのよ。さっさと強くなって、褒め称えられなさい!」

そう言って、沈む夕日をバックに、レイカはにっこりと笑った。
レイカの長い影が俺の足まで届いた。



「なりそこないだけど、あんたは勇者なんでしょっ!」



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■筆者メッセージ
ルーデウス&ライオス(俺達出番は・・・?)
弥生 ( 2014/07/02(水) 16:22 )