青海の岸辺
ザーと岸辺に寄る波。そして引いていく波。
この二つの波は、それぞれ違うのだろうか?
否、波は波であり、繋がっている限り一つ。
?「・・・」
波打つ岸辺に横たわる生物、ポケモン。
?「・・・」
そして夕日を照らし、夕日に照らされる海。
?「・・・」
----おーーーい!こっちこっち!----
誰かを呼ぶ声、その声の主は・・・?
*
「こっちこっち!」
「ま、待ってよ〜」
まったく・・・エレンはツタージャの癖に足遅いんだから・・・
この二匹は幼馴染のアスナとエレン。一日に二回、この浜辺に来ている。
「わ〜・・・今日も夕焼けがきれいだね!」
「ぜえ・・・ぜえ・・・そ、そんなこと言ってる場合じゃ・・・」
「そ、そんなこととは何よ!まるでいつも同じこと言ってるみたいじゃないの!」
・・・実際そのとおりなのだが。
「じゃあ、今日もいつもの寄り道に・・・あれ?誰か倒れてるよ?」
「え?どれどれ?」
*
「え?どれどれ?」
アスナが見る先には傷だらけになって倒れているピカチュウ。
「うわあ・・・これが死体か・・・」
「いやのんきなこと言ってる場合じゃないって!早く運ばないと!」
「いやもう死んでるんじゃない?放っておこうよ」
「・・・そのうちアスナはギルドのみんなに捕らえられそう。」
言い合ってる内に死体(仮)は動き出した。細めにして回りを見渡し立ち上がる。
そして口を開く。
?「・・・あ〜ここね。最悪なパターンだ。」
「あ、あの〜・・・だ、大丈夫ですか?」
?「ん?ああ、ぎりぎり大丈夫だ・・・で、この海岸は?」
「ここは青海の岸辺、そこにダンジョンがあるでしょ?そこの名前から総称して呼ぶことになったの。」
?「へ〜・・・ダンジョンね・・・」
ピカチュウはしばらく考え事をしているようだが、その後ダンジョンの方へ向かっていった。
「え?!ちょ、どこいくですか?!」
?「決まってるだろ。ダンジョンだ。三年のブランクを埋めないとな」
「何言ってるか知らないけど、傷だらけの状態じゃ絶対無理だよ!」
?「は〜・・・まあ黙ってろって。じゃあな♪」
「え?!あ?!ちょっと?!」
「無茶苦茶・・・」