36 【探偵に拾われた獣の話 その1】
月です。まだ幼い頃、彼の心にいつもあったのは夜空の天頂にぽっかりと浮かぶまあるいお月様でした。よく晴れた夜にはいつも誰にも邪魔されないような場所で、月を無心に見上げるのです。
化け狐の一族は群れで行動します。いくつもの家族の集まりである群れではお互いがお互いを助け合い、ひとたび危険が襲えば一致団結してその危機に立ち向かいます。なのに、彼は独りでした。いつも群れの端にぽつんと離れて立ち、ほとんど誰も彼と関わろうとしません。生まれたばかりでまだ自分で狩りや木の実の採集が出来ない頃は、ただ同じ群れのよしみということで分け与えられていました。しかし少し成長すればそれも無くなります。彼と一緒に遊ぶ子狐は一匹たりとも居ませんし、彼を気にかける者もほとんどいません。彼がうっかり群れの誰かに近づこうものなら、爪と牙を持って容赦なく追い払われます。彼の食べ物の調達だって誰も手を貸そうとはせず、その頃の記憶ではお腹いっぱいに食べたことなんて数えることが虚しくなるほどにありませんでした。
なぜ彼がそこまで群れの皆から嫌われているのか。まずひとつには彼には親がいなかったからです。化け狐の一族の群れには大人の雄は居ません。群れを形成するのは基本的には母親たちとその子供たちで、雄は独り立ちすれば群れを作ることも、加わることもせず一人で生きていきます。なので化け狐の群れに居る大人は雌だけなのです。そして彼が生まれた時、母親なる雌の狐は居ませんでした。なぜ自分には親がいないんだろう。そんな意味のことを彼はある雌に尋ねました。この雌は群れの中で唯一彼のことを気にかけていて、既に母として役割を終えて久しい年寄りでした。彼がどうしても食べ物を見つけられなくてお腹をすかせている時は、その年取った雌が群れの目を盗んでこっそりと分け与えてくれていました。彼がなぜ自分には母が居ないのか尋ねた時、その雌はとても悲しそうなそして悔やむような顔でゆっくりと語ってくれます。
「お前がまだ卵の中で眠っていた頃、種族を全く異にする獣の群れと運悪く衝突した。なんとか皆で迎え討とうとしたんだけれど、相性のせいか全く歯が立たなくてねえ。それで得意の幻影で何とか翻弄して逃げることにしたんだけれど、この老いぼれた
婆めが逃げ遅れたんだ。そしてもう駄目だと覚悟を決めた時、お前の母親が助けてくれた。自分が惹きつけるから早く逃げてと婆にお前の入った卵を託してね。それでこの婆は助かったが、それっきりあの子は帰って来なかった」
そのときおばあさんはポロポロと涙を零して、彼をそっと抱き寄せました。
「お前が心配だ。あたしはもう長くない。あの時いなくなるのは老い先短い婆であるべきだったんだ。せめて皆がお前の色を気味悪がったりしなければ、あたしも安心できるのにねえ」
――イロチガイ――
それこそが彼がおばあさんを除く群れの皆から嫌われる一番の理由でした。普通の化け狐の子は全身が黒い毛で覆われ、足先と目の上それから頭の先のくるくると巻き上がってる毛の先は夕焼けのように赤いのです。眼の色は晴れ渡った空のような青。ところが、彼の場合は違います。全身を覆う体毛は焦げかかったように茶色が混ざり、本来赤い部分は青く、そして青いはずの眼は黒ずんだ赤みを帯びているのです。
彼が生まれた時群れの仲間たちは一様にこの色違いの化け狐を気味悪がりました。誰が言い出します、色違いは悪い事が起きる兆しだ。異種族の群れに襲われて彼の母が帰ることがなかったのも、この子が色違いだったからに他ならない、と。そして彼はいつも独りだったのです。彼と関わろうとする者は母に助けられたというおばあさん以外に誰も居ませんでしたし、同じ年頃のゾロアたちからは色違いというただそれだけを理由に仲間はずれにされ虐められました。
ある時、どうしても我慢ならないことがあって、彼は一目散におばあさんのところへ走り、溜め込んでいたことをぶちまけてしまいます。どうしておれははこんな変な色で生まれてきてしまったんだ。こんな醜いへんてこな色で、みんなからも嫌われるのなら、いっそ生まれたくなかった。
悔しくて悔しくて声を張り上げる彼を、おばあさんは優しく包み込みます。
「お前が醜いなんて、全然そんなことないよ。お前の青い鬣は晴れたお空みたいに綺麗じゃないか。みんながどうこう言うからって、お前自身まで自分を醜いなんて考えちゃいけない。お前が皆と違う色だということが何が不吉なもんか」
そう言うとおばあさんは両の手で彼の顔をそっと掴みます。
「婆はね、今よりずっと若いころ……そうね、今のお前よりもう少し歳上のころにお前と同じイロチガイに会ったことがあるんだ。そのイロチガイは既に進化していたけれど、あたしはその目に見とれてしまった。なぜかって? だってその色はまるで夜空に浮かぶお月様みたいな綺麗な金色だったからさ。だからあたしはお前がイロチガイだからといって全然変だと思わないし、お前が進化したらあの時会ったイロチガイのようにお月様みたいな綺麗な目になるんだと思ったらむしろ羨ましいよ」
彼はおばあさんが会ったというその色違いのことをもっと詳しく教えてほしいと思いましたが、それを尋ねるより早くおばあさんは続けたので口をつぐみました。その時のおばあさんの目が今まで見たこと無いほどに真面目で、そして厳つい光を宿していたからです。しかしそれはいつも自分を虐める他の群れの仲間達のそれとは全く違います。同時にその時彼はおばあさんの背後に何か運命的なものを感じました。それが何なのか、その時の彼にはわかりません。
「よくお聞き。その時が来たらきっとお前は自分の“イロ”のせいにするだろうから今のうちに言っておくよ。婆はもう長くない。このところ体もうまく言うことをきいてくれないし、一日に眠る時間も日に日に長くなってる。次の冬はきっと越えられないだろうと思う。だけどね、それは決してお前の“イロ”のせいじゃない。生き物ってのはどんなに怪我も病気もしなくったっていつかは世界を去らなきゃいけない。だけどそれは決して何かが不吉だったからとか、あんな予兆があったからって何も関係無い」
彼にはおばあさんが何を言おうとしているのかよく分かりません。おばあさん自身今の彼がすぐに理解してくれるとは思っていませんでしたが、それでも彼のために言っておかなければならなかったのです。もうすぐ我が身に降りかかる『その時』のが近づきつつあるのを知っていたから。
「あたしが居なくなったらお前は群れを出るといい。幸いお前は狩りも化かしの腕も子供たちの中では一番上手いじゃないか」
事実そうでした。彼は誰からも構われず、食べ物はほとんど自分で調達していたために、既に狩りや木の実集めは親たちが手を貸してくれる他の子狐たちと違って抜きん出ており、幻影だって既に大人たち顔負けというほど優れた腕前だったのです。でも彼はやっぱりまだ子供なのです。とうとう我慢できなくて尋ねます。居なくなるってどういう意味なんだ、ばっちゃんもやっぱりおれがイロチガイだからそんなこと言うのか。
「嫌いなもんか。お前のことは本当の息子みたいにかわいいし、ずっと居てあげたい。でもね、こればっかりはどうしようもないんだよ。今すぐは分からないかもしれないけれど、きっと嫌でもわかる時が来るから」
それでも彼は首を横に振ります。ばっちゃんが何を言ってるのか全然わからないよ。居なくなるなんてわけが分からない。そんなのウソだウソだウソだウソだウソだ。
彼はおばあさんの話を最後まで聞かずに飛び出しました。そしてその日の夜、夜空にふわりとお月様が輝きます。この日の月は三日月でまるでちょっとだけ食べ残した木の実みたい。何か嫌なことや悲しいことがあれば、彼はいつも誰にも見つからない場所を探して、そこでひとりで月を見上げるのです。晴れているのに月が出ない夜はきっとお月様が恥ずかしがっているんだ。そんなことを考えたこともありました。いつから月に惹かれるようになったのかは覚えていません。ただなんとなく思います、自分が生まれた時最初に見たものがあのお月様だったんじゃないか、と。だからその日も彼は少し離れた小高い断崖から月を眺めていたのです。嫌なことを忘れるということはできませんが、少なくとも月をずっと見つめていると不思議と安心するような心落ち着くような不思議な気分になるのでした。
それからお天道さまが東から昇り西へと沈む、また東から昇り西へと沈む、それが何度も何度も繰り返します。あれからも彼はおばあさん狐との交流はやめていませんでしたが、おばあさんがふと真面目な話を始めようとする気配を何となく感じ取ると、彼は逃げるようにその場から去るのです。そうして日の昇りと沈みがもう何十回と繰り返した頃でしょうか。季節は過ぎ行き、冬という季節が森に音もなく舞い降りてきたある日のことです。
彼はふと明け方頃に目を覚ましました。氷のように凍てついた空気がふわふわの体毛に覆われた毛皮の上からもひしひしと刺すように伝わってきます。お空を見上げると東の方角から明るい色が真っ黒な空を塗り替え始めているところでした。緑深かった森は毛が生え変わるようにすっかり葉を落とし、裸の木々が虚空の空へと枝を伸ばしているだけです。その枝と枝の隙間の西の山の方角へ月が徐々に沈みつつあるのが見えました。いわゆる虫の知らせというべきものだったのかもしれません。何か得体のしれない不安な気持ちが心のなかを渦巻き、自分の体に命じるのです、ばっちゃんのところへ行けと。どうしてこんなに不安なのだろう。ばっちゃんには昨日も会ったばかりじゃないか。その時だって元気そうにしてたじゃないか。そう言い聞かせようにも彼はその考えに反して体をおばあさんのところへ向かわせました。彼が走った後には地面をすっかりおおった枯れ葉が舞い踊ります。そしてようやく彼はおばあさんがいつも寝床としている大きなポプラの木の根本へとやってきました。盛り上がっている根本の長い年月によって出来た窪みに顔を覗かせれば、ほら、おばあさんが丸まっています。居なくなるなんてわけがない。彼はおばあさんに声をかけました。まだ空が白みかけてる時間で悪いとも思いましたが、まだ胸のどこかに不安の欠片のようなものが残っていたのです。
ばっちゃん。
いつものその呼び方で彼は声に出しました。ところが、おばあさんはすっかり熟睡しているのか身動き一つせずにじっと丸まったままです。声が小さかったかなと首を傾げ、彼はもう一度呼びました。今度は初めより大きめの声で。しかしそれでもおばあさんは目を覚ますどころか、ぴくりとも何の反応も示しません。今度こそもっともっと大きい声で彼は呼びかけます。周囲の木々に止まって眠っていたと思われる鳥達が驚いて飛び立ちます。やっぱりおばあさんは何の動きも見せませんでした。胸になにか重いものがぶつかってきたような気持ちになります。彼は身を乗り出しておばあさんの顔の側へと寄りました。彼の目にはおばあさんはただ眠っているようにしか見えません。だからきっと起こし方が悪いんだ。彼はおばあさんの顔に自分の顔をぐいっと押し付けました。その時でした。彼は心の奥底まで凍ってしまうような衝撃が襲いました。おばあさんの体はまるで石のように冷たく、そしてカチカチに固まっていたのです。そしてやはりおばあさんの体はそんな風に石のように冷たく硬くなったまま、身じろぎ一つも眼じろぎ一つも動くことはありませんでした。スッと血の気が引きます。そしてすぐに理解したのです。おばあさんが何度も彼に伝えようとしていた『その時』が来たんだと。『居なくなる』ってこういうことだったんだと。おばあさんの体は確かにここにある、でもおばあさんは遠くへ『居なくなっ』てしまった。不思議と悲しいとか寂しいといった感情は湧き起こりません。ただ胸に大きな穴が空いたように空虚な思いだけが彼を支配します。冷たい冬の空気にさらされて彼も一緒に固まってしまいそうでした。
そうしてどれくらい時間が経ったでしょう。彼は不意に走り出しました。それは最初におばあさんのところへと向かうために走った時よりもずっと早く、両足が千切れそうになるほど全力で彼は走ります。冬の明け方の凍てついた空気が彼の体をピリピリとつつきます。何かの獣が驚いて声を上げましたが気にも止めません。誰かを踏んづけてしまった気がしますが、全く構うこと無く彼は走り続けました。走って走って走って、そして彼はようやく目的の場所へとたどり着きました。そこはいつも彼が月を見上げる小高い断崖でした。荒い息を整え彼は断崖から視界を投げます。眼下にはすっかり衣を脱いだ裸の木々の森が広がっています。山間を抜けて忍び寄ってくる朝霧がぼんやりと白く森を包み込もうとしています。そして彼は西の空を見上げました。だんだん白んでいく夜から別れを告げるように、有明の月が今まさに西の山の向こうへさろうとしていました。そして彼は腹の底に力を入れて、その月に向かって咆哮しました。ただでさえ走り続けた疲れで喉がはち切れそうになるのも構わず、ただ吼え続けます。東の空が次第に明るくなり、星星が消えていきます。西の山の向こうへと消えていこうとする残月が彼を名残惜しそうに見つめていました。彼は月が見えなくなるまでずっとずっと声をからして咆哮をし続けました。
やがて月が見えなくなり、朝霧が森を柔らかに包み込んだ頃、小高い断崖の上にはもう彼の姿はありませんでした。
彼は誰にも知らせることなく、誰にも見られることなく、ただ独り静かに群れから姿を消したのでした。
*
天の神という者がいるのなら、その者がいっぱいに水を張った鍋を盛大にひっくり返したようなどしゃ降りの雨だった。雨粒の一つ一つが地面を打つたびに水しぶきが立ち、大地が白くぼんやりとしていた。大地を突き抜ける街道は水浸しで石造りでなかったら道ごと流れていたかもしれない。そんな街道を王都の方角へと走らせる幌付き馬車が一台。この雨の中を勇猛に突き進むゼブライカ二頭が引き、雨具で全身を包んだ馭者が操っている。
「本当に申し訳ない。こんな天気だというのに無茶を言って」
後ろの荷台で皮のコートに身を包む男が言った。その肩には一匹の鳥型の小さな獣が乗っていた。ムックルという種族で翼をたたんだその体は丸っこく、黒と白の体毛に覆われている。くりくりとした丸い目がじっと男をのぞき込んでいた。
「いやあ気にしないでくださいな。その分お代を上乗せしていただけりゃ馬車で行けるところならどこへだって向かいますんで」
「ハハハ、それなら
大丈――」
最後の「
夫」の発音が尻窄みになってしまったのは、彼がその時ちょうど手持ちの財布を確認したからだ。少しの間首を傾げたが、すぐに考えなおすように頭を縦に振って小声で呟いた。
「大丈夫だよな?」
男は来た道の先にある町での用事から帰る途中だった。彼が生業とする仕事がようやく軌道に乗り始め、その町での仕事もやはりそのことに関連するものだった。それで今回の依頼主からは報酬として小切手を渡されているのだが、王都にまで帰らないことにはただの紙切れ同然だ。肩に乗っているムックルはその町での仕事の途中でなぜか懐かれ、ちょうど助手にでも役だってくれそうだと考えてこうして連れ帰っている。まだ名前はつけていなかったが、家に辿り着くまでにゆっくりと考えようと頭を捻らせていた。
そんなとき天空を貫く雷光が一閃。そして次の瞬間には頭を割らんばかりの大轟音が響き渡った。肩に乗っていたムックルが驚いてバタバタと翼をばたつかせた。
「ちょっとお前! 暴れるな、落ち着きなよ」
元から丸い目を更に丸くさせて暴れるムックルをどうにかなだめると、彼はふと後ろが開けてある幌の外に目をやった。その時、何か黒いものが視界に映る。なんだろう、と目を凝らすとそれは小さな黒い獣だった。そうかと思ったら獣はよろよろとふらつき、ついには街道の石畳の上にばったりと倒れこんだ。あっ、と男は声を上げ馭者に少し止めてくれるように頼んだ。彼はそのまま土砂降りの中ずぶ濡れになるのも厭わずに黒い小さな獣のもとへと駆け寄った。よく見ると獣の黒い体毛はほんの少し茶色がかっており、そして頭や足先などところどころ青の毛が混じっている。しかしそれらは泥や全身の小さな擦り傷からの血にまみれてまるで濡れ雑巾のようになっている。小さな獣は息も絶え絶えに荒い呼吸を繰り返し、まるでそのまま縮みきって消えてしまいそうだった。そして彼は自分の上着で獣を包み、出来るだけ温めるようにしてさらに二時間以上かかってようやく王都の住居へと到着した。
ムックルと一緒にあれやこれやとどうにか看病し、その翌日の朝に獣はようやく目を覚ます。気づけば徹夜で看病していることに気づいたその男はほっと胸を撫で下ろす。帰った時には完全に憔悴しきっていて、正直もう駄目だろうなと諦めかけていただけに疲れがどっと雪崩れ込んでくるようだった。
「やっと眼を覚ましたんだな」
看病している間に彼は書斎にある本を漁って、この獣の種族がゾロアと呼ばれていることを知っていた。彼は手を伸ばし、獣の背に触れようとする。その時、ぼんやりと宙を泳いでいたゾロアの目がカッと覚醒した。そして次の瞬間「キィッ!」と叫び声を上げて弾かれるように飛び退いた。同時に男は手に何かぶつかったような衝撃を感じる。おっと油断していた、と男は自戒する。ムックルが何の抵抗もなく自分になついてきたものだからすっかり忘れていたが、獣の中にはこういう者だっているんだ。ムックルが驚くような怒ったような声を上げて、男の手の周りでくるくるとまわる。男はそのときようやく手の衝撃を受けた部分がぱっくりと割れて血が止めどなく流れていることに気づいた。おそらくゾロアは飛び退くと同時に素早く彼の手を振り払うように引っ掻いていたのだろう。じわじわと痛みが流れ込み、彼は思わず顔をしかめた。
しかし血を抑えようとすることなく彼は慌てるムックルの頭を撫でてなだめると、部屋の隅で縮こまり全身の毛を逆立てるゾロアにゆっくりと近づいた。
「俺に怪我させるとは度胸のいい奴め」
そして彼はくっくと喉の奥で笑い、膝を曲げて視線を低くした。ゾロアは今度は噛み付いてやろうと体を構えたが、そのときまたふらふらと体から力が抜け、その場にへたり込んでしまう。
「せっかくの縁だ。お前が全快するまでムックルと一緒に面倒を見てやるよ」
そして彼は膝を伸ばし、自身の手の傷をどうにかしようと医療箱を持ちだした。しっかり止血を施してガーゼで傷を覆う傍ら、彼はゾロアへとちらちらと横目を投げた。
「俺はロビンっていうんだ。ま、しばらくの間よろしくな」
それが色違いのゾロアと探偵ロビン・クインズとの出会いだった。