第七章 三節「無知な獣」
視界が揺れている。
網膜の裏に焼きついた紫色の残像が反復し、何度も現実と夢の境目を行き来している。今にも意識の闇の中へと引っ張り込まれそうになって、声が弾けたのを聞いた。
「眠っちゃ駄目! 死にたいの?」
レナの声にユウキはハッと目を開けた。ミツハニーの群れに背中を掴まれ、ユウキは引きずられている。腹部の傷をミツハニーが緑色の光で縫合しようとしている。ビークインの「かいふくしれい」だろう。しかし、ユウキは今にも眠ってしまいそうだった。瞼が重たい。このまま眠りの中に身を浸せれば、と考えてしまう。
レナはビークインと共に後退していた。エレベーターに乗り込み、ボタンを急いたように何度も押して最下層へと下降していく。エレベーターの中でレナが膝をついた。白衣を引き千切り、ユウキの腹の傷を押さえる。すぐに血が滲み出して白衣を赤く染めた。レナはさらに白衣を千切って傷口に巻きつける。
「ユウキ。まだ死なないで」
レナはユウキの肩を揺さぶる。しかし、ユウキの意識は朦朧としていた。テッカニンが通用しなかった事も原因としてはある。だが、それ以上にユウキは己が無力さを自覚していた。
立ち現れたデオキシスと呼ばれるポケモンとカルマと名乗ったトレーナー。あれがボスなのか。自分達の追い求めていたボスが目の前にいたというのにまるで歯が立たなかった。あれは別次元の強さだ。ポケモンと人間という曖昧な括りでは決してない。何か別の、次元を超越した生命体に思えた。
「僕では、勝てない……」
ユウキは息も絶え絶えに口にする。実際に目の当たりにすればそれが嫌でも現実として突きつけられる。たとえランポでも無理だろう。自分の知りうる全てのトレーナーとポケモンという関係性からあれは飛び出している。勝つ手段など思い浮かばなかった。
「しっかりして! 勝てなくても生きるのよ!」
飛んできたレナの声にも震えが混じっている。本能の部分でレナも感じたのだろう。あれには勝てない。生半可な努力や才能などあれの前では無意味だ。ユウキは下降感が押し寄せる中でフッと自嘲した。
「無理、ですよ。僕は、もう……」
意識を閉ざそうとした時、エレベーターの中で乾いた音が響いた。ユウキが目をぱちくりとさせる。レナが見舞った張り手を握り締めて、「あんたは」と口を開く。
「生きるんでしょう! 何としてでもリヴァイヴ団でのし上がって。そのためにランポと誓ったんでしょう! あたしを守るって命を賭けたんでしょう! だったら、全部守ってみせるくらいの度胸見せなさいよ!」
レナはしゃくり上げながら泣き叫ぶ。ユウキの胸倉を掴んで呼びかけた。
「あんたは生きるの。そうじゃなきゃ、誓いは? 覚悟は? どこへ行くのよ!」
ビークインが懸命にユウキの命を繋ごうとしている。まるでレナの意思を宿したように。ユウキは目を見開いた。誓いのために死ぬだけの覚悟はあった。だというのに、圧倒的現実を見せつけられて戸惑い、自分の実力のなさに絶望するだけだとは。それは何と情けないのか。ユウキは歯を食いしばって言葉を発した。
「……死にたく、ない。でも、僕の力じゃ、ボスには」
何よりも自分が分かっている。これから先、生き永らえたとしてもボスに牙を剥くような気概が残っていない事を。自分を叱咤してくれるようなリーダーはもういない。ランポは遠くに行ってしまった。仲間達も散り散りになった。これ以上、自分にどうしろと言うのだ。もう打つ手など一つもないではないか。
エレベーターが最下層である地下駐車場に辿り着き、レナが引きずって車の陰に隠した。荒い息をつきながら、「車を奪って逃げましょう」と停車している車へと歩み寄る。ビークインのスカート状の下半身からミツハニーが飛び出し、窓を割った。ミツハニーがキーを焼いて、無理やりエンジンをかける。レナは壁にもたれかかっているユウキへと目を向けた。
「あなたは生き残らなきゃならない。あたしはここでは死ぬつもりはない。これって利害の一致でしょ」
そう言って笑ってみせるが頬が引きつっている。無理をしているのは明白だった。ユウキは立ち上がろうとするが、腹部の傷が癒えていないせいで立ち上がることすら儘ならない。ビークインがユウキを持ち上げて後部座席に放り込んだ。ユウキは痛みに呻きながら、運転席に収まったレナを見やる。
「運転、出来るんですか?」
「ゲームでしかやった事ないわよ。でもやるしかないでしょう」
アクセルを踏み込み、レナがおっかなびっくりに車体を走らせる。初動が大きく、柱にサイドミラーをぶつけた。
「言わんこっちゃない」とユウキが口にすると、「怪我人は黙っていて」と声が飛んできた。
「何とかして、このビルから脱出しないと」
レナはカーナビを起動させた。カーナビはネット接続されており、所有者の個人識別も兼ねているはずだ。
「まずい、です。レナさん。車を盗んでもすぐに足がつく」
「だからって、何もしないわけにはいかないでしょう! あなたはとりあえずビークインの治療を受けて!」
レナもほとんどパニックに陥っているのだろう。声音は荒々しかった。後部座席でビークインの放ったミツハニーが緑色の光を広げてユウキの傷口を塞ごうとするが、貫通した傷はそう簡単に癒えるはずがない。
「最悪、僕の事は、置いて……」
「出来ないわよ、そんな事!」
レナは地下駐車場からようやく車を出して道路に雪崩れ込む。道路に出てもウィルが捜査の網を張り巡らせている事だろう。そう簡単にこの街を出られるとは思わなかった。それに、この街を出たとしてどこに向かう? 行く当てなどない。このまま追いつかれるのを待つか。そう考えていた時、カーナビから声が発せられた。
『次の十字路を左折しろ。すぐに、だ』
「誰?」
レナが狼狽した声を出す。彼女からしてみれば運転しているだけでいっぱいいっぱいなのに、声が響いたとなれば意味が分からないのだろう。頭を抱えそうになったレナへと指示の声が飛ぶ。
『左折しろ。そうすれば、ウィルの捜査の網からは一時的に逃れられる。ウィルはダミー部隊に気を取られているのだろう?』
ダミー部隊の事を知っている。それだけで通信に割り込んできた人物が只者ではない事の証明になったが、レナはより恐慌状態に陥るばかりだ。
「何なの」とカーナビを切ろうとする。それをユウキが声で制した。
「切っちゃ駄目だ……!」
腹部の痛みが鋭角的に意識を苛む。ユウキは呻いて腹を押さえた。レナがミラー越しに視線を振り向けて、「えっ、えっ……」と困惑の声を搾り出す。
「どうして」
「何か、この声には導くものを、感じる。敵、じゃない」
ダミー部隊の事を知っているという事は敵ではない、という判断だった。敵ならばダミー部隊とウィルの展開している場所へと誘えばいい。わざわざダミー部隊の事を明かし、反対側に導こうとしているのが何よりの証拠に思えた。
「本当なの」と半信半疑なレナへと声が差し込んできた。
『ワタシは君達の動向を見張っていた。このような状況下でリヴァイヴ団の施設から抜け出すような人間を。ウィルが特一級対象として観察していたブレイブヘキサの一員であるユウキ君が、そこにはいるね?』
レナは不安げな眼差しをユウキへと振り向ける。「前を向いて」とユウキは返した。レナは慌てて前を向いてハンドルを握り締める。
「僕に、何の、用ですか?」
『君はワタシが観察する限りではレナ・カシワギを引き渡すための同行人だった。ただそれだけに過ぎないとワタシも感じていたのだが、君が行動を起こした事で確信した。やはりブレイブヘキサのうち何人かは知らないが、リヴァイヴ団を裏切るつもりだったのだね』
「いつ、から……」
それを、と続けかけたその時、車が派手に弧を描いてカーブした。指示通りに左折したのだろう。レナの額には大粒の汗が浮いていた。ユウキは座席に押し付けられるのを感じながら痛みに耐える。
『君達がハリマシティに辿り着いてからだ。ウィルγ部隊の追撃を免れた君達は、只者ではないとワタシは評価していた。それと同時に奇妙ではあったのだ。君達が散り散りになったのは』
「僕らを、観察していた」
怖気よりも、そのような事が可能なのかという疑問が先に立った。それを見透かしたように、『今の民間には出回っていない技術だが』と声が続ける。
『ポケッチの発信する電波を辿る事である程度位置情報を確認する事が可能だ。君達の名前が組織の中で上がってきた時、ワタシは即座に君達の登録ポケッチの逆探知を試みた。それが組織のためになると信じていたからだ。ワタシは君達と体面上は敵対する組織の人間だからね』
カーナビの中に次の道を左折するように指示が出る。レナは困惑の目をカーナビに向けながら、「敵対?」と返していた。ユウキも同じ気持ちだったので、「どういう、意味ですか」と声を搾り出す。
『そのままの意味だ。ワタシは、君達の組織の人間ではない。敵対組織の人間だ』
「ウィルですか」
ユウキの言葉に、『当たらずとも遠からずだな』と声は返した。これでは禅問答だ、とユウキは感じる。
「ウィルだと言うのなら、どうして僕らを導く?」
『ワタシは、君達を観察していて奇妙に思った事があると言っただろう? 君達はウィルと敵対していたが、どこか組織のためだけに動く歯車とは別の意思を感じた。これは完全にワタシの勘の域を出ないのだが、君達の中の数名は最初からこの事態を予期していたのではないかね? レナ・カシワギを利用し、ボスに近づけるこの瞬間を』
ユウキはこれ以上、この声の主と話を続けるのは危険ではないか、と判断した。声の主の立場も、思惑も分からない。このまま踊らされて、最後にはウィルに捕まったのでは話にならない。
「あなたは、誰です?」
ユウキの発した疑問にレナも同調して、「そうよ」と声を出す。
「信用ならないわ」
『その割には、ワタシの指示したコースを従順に走ってくれているようだが』
返ってきた思わぬ皮肉にレナが声を詰まらせた。ユウキは、「はぐらかさないで」と強く言った。
「誰です?」
『ワタシの名などどうでもいいのだが、あえて名乗るとするのならばFと名乗ろう。ウィルδ部隊のFだ』
δ部隊、と言われた事で完全に相手がウィルの手先である事を二人は感じ取り、目配せし合った。
「ウィルが、どうして僕らを」
『次のコースを道なり、二百メートルだ』
ガイドをしながら、Fと名乗った存在は続ける。レナが大きく弧を描きながらカーブする。車の後部を大きく振って曲がるせいでユウキは酔いそうになった。
「どういうつもりなの? あたし達を先導して、何がしたいの?」
レナの質問に、『ワタシは』とFは応じる。
『ただ正しき判断を期待しているだけだ』
「正しき、判断?」
レナが聞き返すと、『そうだ』と声が返ってきた。
『ウィルとリヴァイヴ団、ワタシが客観的に分析した結果、この二つの組織はいずれ大きな転換期を迎える。そして断言するのならば、今夜こそがその来るべき転換期の夜なのだ。リヴァイヴ団は事実上、消滅するだろう』
消滅、という言葉にレナが目を見開く。ユウキも、「何故」と口を開いた。
「そのような事を、言い出すんです?」
腹部の傷から痛みが薄れていく。どうやらビークインが麻酔を打ったらしい。先ほどまでよりかはいくらか正常に言葉を発する事が出来た。
『リヴァイヴ団がこのまま存続する意味などないからだ。ウィルもそうだ。ゼロサムゲームを続けても消耗するばかりで決定的な手は打てない。しかし、今夜、その転換期が訪れる。それはランポと名乗るボスが矢面に立った事からも明らかだが、ワタシには彼が張りぼてである事は最初から知れている。君達の行動を逆探知すれば、つい一週間前にはただのコウエツのチンピラの頭であった事は明白だからね』
「そこまで分かっていながら、何故?」
レナは車を走らせながら、「ねぇ」と尋ねていた。
「F、って言ったわよね。あなたが信頼出来る保障はどこにもない。今にも横合いからウィルの部隊が飛び出してくるかもしれない。あなたはあたし達に安全を保障出来ないし、その上で信じろと言われても」
『ワタシは一度として信じろとは言っていない。ただ、君達に生き残りのチャンスを与えているだけだ』
その言葉に二人は息を詰まらせる。ならばこのルートも地獄への坂道でないと誰が言う事が出来るだろう。
「何ですって? あなたは最初から組織にあたし達を売るつもりで――」
『ワタシには、利益云々はどうでもいいのだ』
遮って放たれた声は有無を言わせぬ強い語調だった。心底、そう思っているとでも言うように。しかし、二人は信じる気にはなれない。当然だ。突然通信に割り込んできて、逆探知していたと言われれば疑念のほうが先に立ってくる。
『ただ可能性を殺したくないだけだ』
「可能性……」
ユウキが呟くと、『そう』とFが返した。
『ワタシはかつて、君達のように抗った人間を知っている。彼らのあり方と君達はだぶるのだ。だからワタシは協力しているに過ぎない。これはワタシの興味本位なのだ。君達が邪悪を打ち破る可能性であるか、否か……』
「何それ。賭けのレートにいつの間にか上げられているって言うの?」
レナの不遜な声はもっともだったが。ユウキにはそれ以上に気になる事があった。
「あなたは、僕らに可能性を見た。かつての抗った人達と同じような、可能性を」
何者なのか、という疑問が当然のように湧いたが、今はそれさえも気にするべきではない、と本能的に感じる。Fが敵であれ、味方であれ、この状況を打開するのに少しでも力を貸してくれるというのならば、逆に利用してやるくらいの気概は持つべきだ。
『その通りだ』
即座に返った声に、やはり、と確証を新たにする。この声の主は義憤の徒だ。ウィルの中にあっても、組織に縛られない、何かしらの思惑を持っている。その思惑が吉と出るか、凶と出るかは分からないが、ユウキは従ってみる価値はあると感じる。
「レナさん。信じてみましょう」
「正気なの?」
レナはハンドルを握ったまま、カーナビに忙しなく目を向けている。『次の道で下の三十七番道路に降りろ』と告げられた。
『縫うように進んでいけば、君達を納得させられる場所へと案内出来る』
納得させられる場所、とは何なのか。訊きたい事は山積みだったが、従うと決めた。腹は括ったつもりである。レナは少しばかり運転に慣れてきたのか、急旋回はせずに緩やかに坂を下りていった。カーナビの導く先へと向かいながら、「ねぇ」とユウキに声を振り向ける。
「どうしましたか?」
「このFって人、本当に信用出来るの?」
「出来るから。レナさんは従っているんでしょう?」
「そりゃ、こいつに従う以外に当てがないから」
レナはフロントミラー越しにユウキを見やって、「あなた怪我は」と尋ねる。ユウキはまだ自力で起き上がる事は出来なかったが、「痛みはマシになってきました」と返す。
「そう。正直、ポケモンの回復指令が人間に通用するかどうかは怪しかったけれど、試してみてよかったわ」
「でも、多分、これは応急処置にもならない」
「あたしにだってそれくらいは分かっている。だからどこかに身を潜めて、ゆっくりと治さなくっちゃ。そのために今はこいつに従う必要があるっていうだけ」
ユウキは血が染み込んだ白衣を見やった。レナは、自分はまだ死ぬべきではないと思っている。自分は一度諦めかけた。もう勝てないとこの世界に見切りをつけるつもりだった。その一線で踏み留めたのはレナだ。
「すいません、レナさん」
「なに謝ってるのよ」
レナはハンドルを回して、カーナビの指示通りの道を行った。ユウキは赤く染まった白衣の一端を握り、「僕なんかのために」とビークインを見やった。ビークインは今もミツハニーを動員してユウキの怪我の回復に全力を注いでいる。
「あなたは自分の事を軽く見過ぎよ」
「そう、でしょうか」
疑問符を浮かべると、「そうよ」とレナが鼻を鳴らした。
「あなたもランポも。男ってどうして自分の命をすぐに賭けられるの? あたしには理解出来ない。賭けのステージに勝手に上げられた事ですら我慢ならないって言うのに」
『それは大変失礼な事をした』
Fがしっかりと聞いていたのか言葉を返した。レナは取り成す気もないのか、「そうよ」と強気に応じる。
「勝手にこっちの命を担保にされて。いい迷惑だわ」
その言葉にFが通信越しにフッと微笑んだのが伝わった。
『ワタシが以前、そのようなあり方に憧れたからかもしれないな。自分の全てを犠牲にして、何もない常闇へと己を投げかけたトレーナーがいた。その先に何か光を見たのかもしれないし、どちらにせよ、彼女は特別な存在となった』
「その誰かさんと勝手に重ねられたら困るって言っているの」
『確かに。誰もが特別な存在になれるわけではない。しかし、君達にはそのための資格はあると思っている』
「買い被り過ぎよ」
レナの返答に、『もうすぐ目的地だ』とFは応じた。Fが自分達に何を示すのか、ユウキは考えながら、片手を眼前に翳す。この手で手に入る玉座だと思っていた。慢心がなかったと言えば嘘になる。今まで何だかんだでランポ達と共にうまくいっていた。今回もうまく事が進むだろうと思い込んでいた。それが自分の中で育ったエゴだと気づけぬまま。気づいた時には命の危機だ。ユウキは自嘲の笑みを浮かべる。
「最悪だな」
「なに、どうしたの?」
レナが尋ねてくる。ユウキは、「僕の考えが浅はか過ぎたって事がですよ」と返す。
「結局、入団試験の時と何も変わっちゃいない。甘っちょろい考えでボスを倒せると思い込んでいた。それがこの様です。あの時、テクワに言われたんですよ。これから入るのは影の組織だ。他人を信じれば馬鹿を見るって。本当に、そうだ。僕はその時、テクワにこう言い返しました。それでも僕は信じたものを信じ抜くって。テクワは本物だって褒めてくれましてけれど、あれは多分、本物の馬鹿だって意味だったんでしょうね」
「今さらに気づいたの? あなたは馬鹿よ。簡単に命を賭けるし、自分の実力も分からずに猪突する。そのままじゃ何も知らない獣と変わらないわ」
「無知の獣、ってわけですか。僕にはお似合いだ」
額に手を当てていると、レナが、「でも」と言葉を発した。顔を振り向けると、フロントミラーを見ずに口にする。
「無知な獣はこれからどうなるかが決まる。少なくともただの凶暴な獣じゃない。知恵を得て、猟犬になる資格を得るかもしれない」
レナの言葉は希望的観測だ。ユウキは、「慰めてくれるんですか?」と尋ねた。レナが顔を背ける。
「うるさい。そんなつもりじゃないから」
ユウキは天井を眺めた。自分の力の上限を知った。今ならば無知な獣ではなく、一体の知恵を持った猟犬として戦えるだろうか。それでもまだ力が足りないだろう。まだ闇を彷徨う無知な獣だ。