あとがき
前作、『F』に続いての作品となります。こんばんは、オンドゥル大使です。
もうすぐ大長編作、『ポケットモンスターHEXA』が完結しますが、その前にこちらが終わってしまいました。だからどうして後から書いたほうが終わるの……?
今作、『Re:F』は『F』の続編であり、間接的な繋がりとしてあらゆる仕掛けを用意してあります。私が好きな、いわゆる「カメオ出演」と言う奴です。「前作ラストのその後にあの人はどうなってしまったの?」だとか、「あの人の立場はどうなったの?」という疑問に応えるものになったと思います。
前作とは全く違う装いにしたのは、焼き直しにならないためです。結果的に、かなりチャレンジャーな内容となってしまいました。あとがきだけ読む方のためにネタバレは伏せますが、自分としては攻め過ぎたぐらいです。
「これは駄目なんじゃないだろうか」ということを前作とは違う意味で感じました。中篇作品として、炎の暗殺者のシリーズはこれで終わりとなります。
前作のあとがきを書いていた時点で既に今作の構想は存在し、「書くとしたら違う炎魔かシャクエンか」と迷っていると、ああ、あるじゃないですか炎を思わせるモチーフが。
かくして炎魔ではなく、シャクエンでもない、新しい炎の暗殺者、「熾天使」は生まれました。熾天使のアイデア自体は少し前からあったのです。というのも、バクフーンの炎の襟巻き、あれが広がると翼に見えるじゃないですか。炎の翼、という部分で天使のモチーフはありましたが、同時に悪魔も思わせる姿がいい。しかも炎魔(閻魔)と熾天使(天使)という真逆のモチーフでありながら共通して描ける。
「これで行けるかな?」と思いました。
ただ同時にシャクエンを愛してくださった方々を裏切る方向に向くのではないかと言う危惧もありました。前作の炎魔ではなく、シャクエンのように世のすねたわけでもなく、悲しい宿命があるでもなく、薄幸でもなく、見た目があざといドジッ娘なんて……。
ただこの作品を書くにあたって、「前作とベクトルを違うようにしよう」という狙いはありましたので、ギャグが入っていてもいいのです。前作の殺伐とした感じではなく、もっと間口を広げたものをと思っていましたから。ただ最終的にとても狭いものになりましたが。
『Re:F』は「『F』を再びやり直すならば」という意味が込められています。だから最初は前作の焼き直しを前作とは違うアプローチで、とも考えたのですがしっくりこなかったので、こういう形となりました。
前作とは違う意味で語らないエンドになりました。これがどのように思われるのか、さてさて楽しみです。
それでは、この辺で。
2013年7月16日 オンドゥル大使より