EPISODE115 切札
『エスプリ! こんな時にEアームズの反応だ! これは、どうなっている?』
ルイの通信が開け、エスプリは駆け出しながら疑問を感じる。
「何が!」
立ちはだかるEスーツ達を蹴り飛ばし、振り解いて前に進もうとするエスプリにルイは返した。
『何で、こんな……。破壊したはずのEアームズだ。コードが同一なのに……。バグか……?』
「ハッキリして! 今は忙しい!」
ナイフを掲げて迫るEスーツを退け、エスプリは紫のユニゾンを使用する。茨の鞭で視界の範囲にいる敵を薙ぎ払った。
肩で息をするエスプリに、ルイが情報を差し込む。
『Eアームズの名称は……アリアドスアームズ。だが、もう廃棄されたEアームズだぞ……何故これが』
考える前に、重機の音が街を噛み砕いた。
咄嗟に後ずさったエスプリが先ほどまでいた空間を引き裂いたのは見覚えのある蜘蛛の機械であった。
「アリアドス、アームズ……? 何で今……」
『来なさい、劣等性。決着をつけましょう』
拡張されたのはあの時のヒガサの声であった。
「どうしてさ! 何で今、Eアームズを!」
『それが知りたくば、わたくしとの一騎討ちを了承する事ね。そうでなければわたくしはこのアリアドスアームズで無秩序に破壊行為を行う』
どういう事なのだ。滑り落ちていく事象の中、Eスーツがアリアドスアームズに取り付いた。
「何をやっている! 旧式のEアームズ風情が!」
全員がナイフを手にアリアドスアームズを破壊しようと迫るが、アリアドスアームズから掃射された毒のミサイルで圧倒された。
『付け焼刃の量産型が、わたくしに触れる事なんて出来やしない!』
「金持ち……あんた本当に何のつもりで……」
『来なさい! 劣等生!』
街を踏みしだくアリアドスアームズにエスプリは追従する。
茨の鞭を振るうが頑強なアリアドスアームズはびくともしない。
『エスプリ、これはいいニュースか悪いニュースかは分からないが、相手の移動先が掴めた。オレ達が追い込もうとしていた工業地帯だ』
「何だって連中が……?」
『分からない。が、どちらにせよ、全てのEアームズは倒さなくてはいけない。この敵は避けては通れないだろうな』
そうだろうか、とエスプリは疑問視する。
何故、今になって現れた。
Eスーツが戦場を闊歩する中、旧式のEアームズなど存在意義を失っているはずだ。
エスプリは茨の鞭を伸ばしてアリアドスアームズの頭上へと至った。
飛び乗ると、アリアドスアームズが激しく身をよじって振り落とそうとする。
「こんの! 食らえ!」
『エレメントトラッシュ』の音声と共に茨の鞭が剣となる。そのまま剣を突き刺そうとしたが、アリアドスアームズに纏いついた青い思念の光が邪魔をした。
剣の切っ先を遮り、エスプリを吹き飛ばす。
この感覚には見覚えがあった。
「エスパータイプ? でもアリアドスは毒・虫のはずじゃ……」
考えている間にも、アリアドスアームズは激震する。眼前に看板が迫った。
マチエールは水のユニゾンを使い、看板を通り抜ける。
水のユニゾンで差し込めば、と感じたが、やはり拳が通る寸前で霧散させられる。
「こいつ! ユニゾンの攻撃が徹らない?」
何故徹らないのか。その理由を問い質す前に、スロットが開き内部に圧縮された毒の砲弾が一斉にエスプリを狙い澄ました。
蹴りつけて離脱するも、誘導性能のある毒の砲弾が迫る。
舌打ち混じりにハンドルを引き、水のユニゾンに付加性能を与えた。
思念の力を得た水の盾が毒に染まった弾丸を打ち砕いていく。
振り落とされそうになりながらも、エスプリは歯を食いしばってアリアドスアームズに追いすがった。
ここで逃がしてはいけない。Eスーツ以上に、この敵は自分を試しているに違いないのだから。
エスプリが地面を蹴りつけ、アリアドスアームズへと再度接近を試みるも、次いで発生したのは謎の電磁の網であった。
水のユニゾンに直接ダメージが届き、エスプリは覚えず痙攣する視界の中にアリアドスアームズを入れる。
「電気? アリアドスは電気じゃない……」
そのはずなのに、アリアドスアームズの攻撃範囲には電気も含まれていた。転がり落ちるエスプリの視野に大写しになったのは、相手の脚部である。
粉砕する性能を誇る脚部を打ち下ろし、アリアドスアームズがこちらを取ろうとする。
エスプリは瞬間的に水のユニゾンで逃れたが、確実に潰しにかかってきている。
相手は本気だ。
問い質すまでもなく、本気なのだ。
唾を飲み下し、エスプリは水のユニゾンを維持したまま駆け抜ける。
毒の散弾が狙いをつけるが、エスプリは片腕を掲げて防御した。
流転する水の皿になった片腕が毒を吸い込み、そのまま浄化して洗い流す。
アリアドスアームズの主がフッと呟いた。
『相変わらず、食えないわね、劣等生』
「その呼び方、さ。こだわっているのかしらないけれど、あたしもう、スクールの生徒じゃないし。それに何で? 何だって今さらEアームズなんて持ち出した? Eスーツが戦闘を請け負うのが、これからのフレア団なんじゃないの?」
『……それを知りたくば、わたくしに追いすがる事ね』
「言われなくっても」
踏みしだいた路面から粉塵が舞い上がり、その煙に混じって毒ガスが散布されていた。
デルタによって引き出されたエスパーユニゾンによって思念の渦を構築し、それらを受け流していく。
だが、相手がどこまで本気なのか、エスプリには読めない部分もあった。
これで決着をつける。それは本気なのだろう。
しかし、これは離反行為だ。
フレア団という大きな歯車から抜けてでも自分とヨハネを相手取りたかったなど理由にもならない。
組織からしてみればただの邪魔者。
このまま切られてもおかしくはない。
だというのに、ヒガサは自分との一対一を望んだ。これの意味するところは一つ。
「……何か企んでいる」
『わたくしはフレア団よ。企みは常に行うもの』
それはその通りかもしれない。
だが、自分との直接対決など、分の悪い賭けに持ち込まなくともいいはずだ。
何かが彼女の中で均等を狂わせている。
この勝負に賭ける何かが、存在する。
『追いすがりなさい! 劣等生!』
今度は上空へと放出されたミサイル群だ。甲高い音を立てて降下してくる弾幕にエスプリは舌打ち混じりに属性を変えた。
『コンプリート、ドラゴンユニゾン』の音声と共に茨の鞭が引き出され、狙いをつけようとしていたミサイルを根こそぎ破砕する。
「惜しかったね」
『いいえ、計画通りよ』
何が、と言い返そうとした途端、ミサイルの破片に混じっている何かに気づいた。
ガラス片のようにきらきらと細やかに輝いている。
怪訝そうに眉をひそめた瞬間、それが直進してきた。
光線である。
光線が、ミサイルの内部に包括されたガラス片に乱反射し、こちらへと幾何学の軌道で襲い掛かってくるのだ。
攻撃性能のある光線――シグナルビームの一斉放射にエスプリは僅かに遅れを取った。
紫のユニゾンではこのままでは逃がしてしまう。すぐさま茨の鞭でアリアドスアームズの甲板に辿り着き、中空で属性を変える。
『コンプリート。ファイアユニゾン』の音声と共に両手首と足首から炎が迸った。
頭上に撃ち出そうとしていた弾幕の束を炎の拳で叩き壊す。
アリアドスアームズが爆風を棚引かせて横滑りした。
急な機動変更にエスプリが必死に姿勢を制御する。
アリアドス本体のボールがあるはずだ、と機体の上を探すがスロットが見当たらない。
どこに、と探る目を向けているエスプリの眼前に構築されたのは小銃であった。
突然に照準されたエスプリへと銃弾が発射される。
火を噴いた小銃の弾丸はしかし、エスプリが全て受け止めていた。指と指の間に弾丸を止めて、ばらりとそれを投げ捨てる。
『さすがね、劣等生。赤のユニゾンならばその程度、造作もないというわけ』
「金持ち……あんたのやりたい事が分からない。ここでEアームズなんて使ったところで、あたしは負けないし、それにこの状況。あんたのほうがどう考えてもまずいんじゃない? 組織からEアームズを無断で借用し、破壊行為に及んでいる。これ、フレア団の意図じゃないでしょ」
『劣等生に心配されるほど、堕ちちゃいないわよ!』
次いでこちらを狙ったのは無数のアームであった。
小型の整備アームが全方位からエスプリを拘束しようとするが、エスプリは逆立ちになって回し蹴りを叩き込む。
炎の属性を帯びた蹴りがアームを根こそぎ焼き切った。
「だから、今さら旧式のEアームズでどうこうしようってのが、理解出来ないって話。さっきのEスーツ連中も言っていたけれど、これおかしいよ」
『……イカレてでも、完遂しなければならない使命がある。わたくしはそれに忠実であるだけよ』
「理解出来ないなぁ」
『されなくとも結構!』
アリアドスアームズが急制動をかけた。
訪れたのは赤の金のユニゾンを使う場合に想定していた工業地区である。
エスプリは舞い降りてアリアドスアームズの出方を窺った。
相手は単眼に見えるコアを晒したまま、脚部を開く。
『ここで決着よ』
「何だってわざわざ安全な場所に? あんた、あたしに倒されたいの?」
ヨハネも追いついていない。この場ならば何も気にせずに赤の金になれる。
エスプリの問いかけに相手は鼻を鳴らしたようであった。
『あなたに心配されるいわれはない。何よりも、わたくしは最大の敵としてあなたの前に立っている』
「……確かに、全てのEアームズは倒さなくっちゃいけない。そのつもりで戦ってきた。だけれどもさ、こういうのは望んじゃないよ。やられに来てるんでしょ、あんた」
『そう思いたければ思う事ね。わたくしは、やられるつもりなど毛頭ないのだから!』
放たれた声音と共にアリアドスアームズが全兵装を展開する。
毒のミサイルに、シグナルビーム発射口、小銃がそれぞれエスプリを狙い澄ます。
だが、今の自分ならば全てを回避して攻撃網を潜り抜ける事も容易である。
ヒガサが事ここに至ってこのような蛮行に及んだ理由を問い質さなければならない。
「……ヨハネ君の事?」
予感はあった。しかし、それを口にするのはどこか憚られていたのだ。
ヒガサは静かに応じていた。
『分かっているのならば、話は早い』
「何がしたいの?」
『特待生を、悪の道に進めたくない』
絶えずフレア団が勧誘してくる理由の一部を垣間見た気がした。ヨハネは、まかり間違えれば悪の道に走りかねない。
その兆しはある。
言わないだけで、マチエールにも分かっていた。
もし、彼の周りにいるのが善人でなければ。
否、善人の皮を被った悪人であったのならば。きっと彼は盲信するだろう。
それを絶対と信じて疑わないに違いない。彼と関われば関わるほどにその危うさは分かっていた。
最初は自分のバグユニゾンを解いた時だ。
ユニゾンシステムを人間の力で解こうとするなど正気の沙汰ではない。
罪悪感以上に恐れがあった。
彼はともそうれば、自分が死ねと言えば死ぬのではないだろうか、と。
ユリーカがストッパーになっている間はよかった。
だが今の彼に止めるものはない。ルイがそれを助長しているようにも映る。
人間は誰しも心に天使と悪魔を飼っている。
ヨハネの場合、その天秤が崩れやすいだけの話だが、彼の行動力は異常だ。
異常なほど、その正義に邁進する。
天使と悪魔の両方が彼に囁くに違いない。
――その正義を執行せよと。
彼にとっての正義とは、即ち自分の信じるものの勝利なのだ。
だからもし、彼がフラダリやあるいは他の誰かを信じたとすれば。
それが彼にとっての「正義」となる。
「……ヨハネ君が危ないのは分かっている。だからこそ、あたしは間違えないようにしてきた」
『でも、もうここまでよ、劣等生。特待生は賢過ぎる。その賢しさが、悪へと染まる前に、わたくしは出来るだけ善性を信じたい』
皮肉な事に、ヨハネを善の道に固定しておくのには、近しい誰かが悪になるしかない。
ヨハネが最後の最後まで間違えないようにするのには、正義と悪という分かりやすい両天秤が必要不可欠なのだ。
その構図に、自分とヒガサほど相応しいものはない。
「あたしがあんたを殺す事によって初めて、ヨハネ君が決断出来るって?」
『フラダリ、王の言葉に惑わされず、シトロンにもその道を閉ざされる事なく、特待生が進むのには犠牲が必要なのよ。そのための犠牲にならば喜んでなってあげる』
「何で、あんたはそこまで出来るんだ? あたし、そこまでヨハネ君に正義に鳴ってほしいワケじゃないよ」
ヨハネは自然と選び取るはずだ。その最善を。
それが正義であれ悪であれ、彼の自由ではないか。
自分は助手を頼んだが、もしもの時、ヨハネが決断するのならば止めはしない。
その言葉をナンセンスだとでも言うようにヒガサは否定する。
『馬鹿ね……、あんたがいたから、特待生は道を間違えなくって済む。わたくしだけの犠牲でいいのならば、喜んで差し出す。あなたが気づいているかいないか知らないけれど、特待生はあなた以上に、闇を抱えている』
「ヨハネ君の、闇……?」
『何で、彼はあなたにさえも過去を語ろうとしないのか』
そういえば今の今までヨハネの過去は聞いた事がなかった。一度としてヨハネは自分の過去を語ろうとしない。
「それは、無駄だからじゃないの? あたしに言ったところでさ」
『そうね、でもそれ以上に、闇が深いから。その業の深さに、自ら彼は心を閉ざしている。その心の最後の闇を狙っているのは、シトロンでもあるし、フラダリでもある』
ヨハネの心の闇が、最後の鍵だというのか。
信じがたい事実に、エスプリは言い返す。
「でも、ヨハネ君は今までだって戦ってくれた。あたしに、隠し事なんてしていないはず」
『そう思いたいのは分かるわ。でも、これが事実よ』
突如としてヘルメット内部のヘッドアップディスプレイにデータが送信される。
仮面の下のマチエールはその圧縮ファイルを確認した。
「ヨハネ・シュラウドの情報」と記された圧縮ファイルに、エスプリは問い返す。
「これが、あんたの答えってワケ?」
『わたくしは託すしかない。それに、こうも言うでしょう、劣等生。同じ人を好きになったら、どちらかしか選べないと』
「それが、生か死かって意味じゃないと思うけれどね」
『言葉繰りはここまでよ、劣等生。わたくし達はもう、争い合うしかない。この世に生まれ落ちた咎として、食い合い、戦い合うのよ』
アリアドスアームズが攻撃姿勢に入る。エスプリもここまでお膳立てをしてくれた相手に敬意を表していた。
「いいよ、来い」
毒の弾丸が一斉掃射される。
それぞれが幾何学の軌道を描くそれを、エスプリは拳で、蹴りで、身のこなしでいなす。
毒の榴弾が地面を融解させる中で、エスプリは踊るようにその放射の網を抜けてハンドルを引いた。
『デルタユニゾン、レディ』の音声と共に黄金のラインが走っていく。
赤のユニゾンのさらなる領域。赤の金の力を手に入れたエスプリのデュアルアイセンサーが煌いた。
黄金の意匠が黒の装甲を彩っていき、到達点に達した炎が手首から噴き出した。
その炎の熱量だけで、こちらを追尾していた全ての銃弾、砲弾、ミサイルが照準を失った。
それほどの炎熱。
エスプリは息を詰めた。
これを放つ時にはよく考え、その上で実行する。
怒りでも憎しみでもない。
これは宿命でのみ放つ事を許される最後の剣。
研ぎ澄ました戦闘神経が一点に集まる。右足であった。
右足首に炎と黄金が寄り集まり、新たなる装甲を継ぎ足す。
全身に至っていた金色の輝きが右足へと集中して行くのが分かった。
エスプリはハンドルを引く。
『エレメントトラッシュ』の音声が鳴り響き、その覚悟を伝えた。
『ここまで来たのならば、おやりなさい。それが悔いを残さぬ決断になる事を、わたくしは祈るわ』
「金持ち……いいや、ヒガサだったか。あたしはあんたを忘れない」
『……最後に劣等生らしくない言葉を遺して行くのね。ならばこれを手向けに持ってお行きなさい。わたくしが導き出した、あのミュウツーを超える唯一の術を』
アリアドスアームズが全脚部を接合し、防御形態を形作る。
その最大の防御に、最高密度の攻撃を放つ。
右足をひねり、駆け出した。
一歩、一歩と炎がうねり、その一撃へと洗練されていく。
跳躍したエスプリに最早迷いはない。
流星のように空を裂いた赤い光が、アリアドスアームズの、その堅牢な防御を突き崩した。
炎が荒れ狂う。
爆風が激しく吹き荒び、赤が一帯を染め上げた。
着地したエスプリはその灼熱を背にしている。
全てが赤と粉塵に染まった世界の中、融解しているアリアドスアームズが新たにアームを差し出した。
その先にはカプセルが掴み取られている。
『これが、ミュウツーを唯一、滅ぼす術。破壊の遺伝子』
「破壊の、遺伝子……」
『元々は、ミュウツーから作り出された副次的なミュウツー細胞。でもそれが、ミュウツーを滅ぼす唯一の鍵となった。お願いがある。特待生に、それは知らせないで欲しい』
ヒガサの最後の望みを、エスプリは聞き届けた。
「……分かった。約束する」
その言葉で安心したのか、あるいはもう戦闘意欲などないのか。
アリアドスアームズが内部から膨れ上がり、直後に爆発の光を生じさせた。
アリアドスアームズと繋がっているヒガサも死を免れないだろう。
身を翻したエスプリにアリアドスアームズが別れを告げるように、激しく咆哮する。
機械の軋みを最後に、アリアドスアームズが崩壊した。
最早、一片の部品さえも残さず、炎熱の彼方に消え去った彼女の魂。その行方を見やるように、エスプリは顔を上げていた。
「約束するよ、ヒガサ。あんたの望み通り、ヨハネ君を決して悪には染めない」
手にある破壊の遺伝子のカプセルへとエスプリは視線を落とす。
ミュウツーとやらが何の事なのかは分からない。だが、それがもし現れた場合に、切り札となるものであるのは明白であった。
ルイへと通信を繋ぐ。
「聞いていた?」
『大方は、な。破壊の遺伝子、か。持ち帰って来い。ちょうど、ミュウツー関連で言えば進展があったところだ』
「ヨハネ君には」
『隠し通すんだろ。あいつが悪に転がりかねないっての、割と冗談じゃないからな』
ルイには感じているものがあるのだ。エスプリは爆発の余韻を眺め、その場から立ち去った。