ポケットモンスターHEXA











小説トップ
リョウ編
第四章 十一節「闇の目」
 その時、リョウは不意に人の気配を感じて、ルイを身体から放した。

 それに気づいたルイは周囲を見渡しながら、不安そうな視線を送る。リョウは大丈夫だという代わりにルイの手を握りながら、空いたほうの手でベルトへと手を伸ばした。

 人の気配は闇に沈んだ森の中から感じられた。それでリョウは真っ先に先ほど戦ったシリュウを思い出した。シリュウならば自分を追ってくる理由がある。リョウはベルトからリーフィアのボールを外し、緊急射出ボタンに指をかけいつでも出せるように準備をした。

 気配は徐々に近づいてくる。ボールを握る手に力が篭った。やがて闇の中から、人影が現われた瞬間、リョウはボタンを押そうとした。

 しかし直前で踏みとどまった。なぜなら、現われた人間はシリュウではなく、知らない男性だったからだ。

 その男は森を歩くには不釣合いな黒いスーツを着込んでいた。そして足元に転がっているロケット団の死体を見つけると驚いたように目を見開いてから、血の海の中心にいるリョウとルイを見つめた。

 リョウはこのままでは誤解されると思い、ボールとベルトに嵌めなおしてから慌てて男に両手を振った。

「いや、これは違うんです。森の中を歩いていたらここに来てしまって」

 そう言って男のほうに近づこうとした。その時、後ろから袖を引っ張られた。振り返ると、ルイが袖をぎゅっと握っていた。

「ルイ。説明しないとこのままじゃ俺たちが――」

 そこまで言いかけてリョウはルイの様子がおかしいことに気づいた。ルイは目を戦慄かせながら男を見つめて震えていた。まるで化け物にでも会ったかのように青ざめた顔だったため、リョウはルイにどうしたと尋ねた。

 ルイは唇を震わせながら、呼吸困難にでも陥ったかのようにか細く言った。

「……き、キシ、ベ。どうして、ここに」

 それはまるで人の名前のようだった。リョウが理解できずにルイを見つめていると、黒スーツの男が口を開いた。

「久しぶりだな。また会える日が来て本当によかった。R01B」

 その言葉にリョウは振り返った。すると黒スーツの男は口角を吊り上げて厭らしく嗤った。

「君は要らないな。ここで消えたまえ」

 灰色の眼が暗い光を湛えてリョウを見据える。その手にはいつの間にかモンスターボールが握られていた。

 それを見たルイが叫んだ。

「逃げて、リョウ!」

 黒スーツの男の手の中でボールが開き、中から光に包まれた物体が射出される。

 それは前回に見たケーシィがそのまま大きくなったような姿をしていた。狐のような形の頭は巨大になり、額には星型の文様がある。ケーシィの時には開いていなかった眼が完全に開かれており、鋭く貫くような目つきである。右腕にスプーンを持っており、それを強く握っている。

 それはユンゲラーと呼ばれるケーシィが一段進化したエスパータイプのポケモンであった。

 あまりにも突然出現したポケモンにリョウはボールに手を伸ばすのが一瞬遅れる。その一瞬が命取りとなった。

 ユンゲラーがスプーンを握った右手を突き出し、リョウに向けたまま目を強く閉じた。すると、スプーンの周囲に青い光が満ちていく。それにつれてスプーンが徐々に前のめりに曲がっていく。

 そしてスプーンが完全に曲がった瞬間、ボールを掴みかけていたリョウの手は止まった。指を動かそうとするが、筋肉が完全に硬直してしまったかのように動かない。それどころか、足も、口も、視線さえも動かせなくなっていた。

 ユンゲラーの技「かなしばり」にあったのだと気づいた時には遅すぎた。

 男はユンゲラーを引き連れて、徐々にリョウたちへと近づいてくる。その歩みには余裕さえ感じられた。リョウは相手が真正面から歩いてくるにも関わらず、頬の筋肉一本さえ動かせない。

 そのまま男はリョウの真横を通り過ぎていく。その口元には動けないリョウを嘲るかのような笑みが浮かんでいた。男の狙いがルイだと分かっていても、ボールを掴むどころか振り返ることさえ出来ない。悔しさに奥歯を噛み締めようとしても、それさえ自由にはならなかった。

 男はルイの前まで来ると、片手を差し出し静かに言った。

「さぁ、来るんだR01B。約束どおりに君を迎えに来た」

 ルイは男の手を見つめる。ごつごつとした掌が無防備に開かれている。それは記憶の中にあるものと同じだった。

 自分の記憶と全く変わらない手の懐かしさに思わずルイは自分の手を重ねようと右手を伸ばした。

 その時、声が聞こえた。

「――め、だ」

 それは男の後ろから聞こえていた。男とルイは同時にその声のするほうを見た。そこにはリョウがいた。ユンゲラーの金縛りによってまともに動けないはずなのに、それを力で無理やり解こうとしている。身体が軋み悲鳴を上げているのにも関わらず、リョウはゆっくりと振り返りながらキシベを睨んで叫んだ。

「――だ、駄目だ、ルイ!」

 それにキシベは驚いた様子で目を見開いた。恐らく金縛りが自力で解かれるとは思っていなかったのだろう。

 リョウの手がベルトのボールを外す。それに気づいた男はすぐさま片手を上げユンゲラーに指示を出した。

「ユンゲラー、サイコキネシス!」

 指示を受け、ユンゲラーがリョウのほうを向くや否やリョウの身体の周囲が青く発行した。ボールのボタンを押そうとしていたリョウの指がそれで止まる。青い光はユンゲラーの身体も覆い、ユンゲラーは左手で右手に持ったスプーンに何かを与えるかのように手を開いたり閉じたりした。それに従って先ほどまで曲がっていたスプーンが捩れていく。すると、どうしたことか、ボールを握ったリョウの腕もまるでスプーンの動きをそのままトレースしたように捩れていく。

 その痛みにリョウは苦しそうなうめき声を上げた。腕はさらに捩れ、リョウの手からボールが滑り落ちる。それを見た男はユンゲラーに再度言った。

「突き飛ばせ」

 その言葉にユンゲラーがスプーンにかざしていた左手を閉じ、そして一際大きく開いた。その瞬間、リョウの身体はまるで車にでも激突したかのように、近くの木の幹まで突き飛ばされた。

 呼吸すら奪うような鈍痛が背中に響く。その痛みが今までの痛みと重なって、視界が白く消え去りそうになる。奥歯を強く噛んでかろうじて意識を持ちこたえさせるも、もう限界だと自分でも分かった。

「リョウ!」

 自分を呼ぶ声が聞こえる。しかし、それも妙に反響して聞こえた。もしかしたら耳もやられているのかもしれない。

「よくも、リョウを。ゲンガー!」

 その言葉の直後、ゲンガーの身体が弾け先ほどと同じ黒い無数の手の群れがキシベに向かっていく。しかしキシベはそれに動じることなく、懐に手を入れ黒い立方体を取り出し、それを雪崩れ込んでくる黒い手に向けた。

 瞬間、黒い立方体から放たれた四角い防御膜に黒い手が突き刺さった。しかし、突き刺さったかのように見えた黒い手は実のところ防御膜に触れた部分から消滅していた。

 ルイはそれを知っていた。

「……人工、リフレクター」

「いかにも」

 男は口元に笑みを浮かべて続ける。

「しかしこれは君の知っている物とは比べ物にならないほどに改良されたものだ。この人工リフレクターさえあれば、君のゲンガーの攻撃は届かない。それに我々の目的はゲンガーを破壊することではない。ユンゲラー」

 主の呼ぶ声に、ユンゲラーはスプーンを突き出して眼を強く閉じた。

「――催眠術」

 男のその言葉とともにスプーンを中心として青い光が波紋のように生まれ、それが幾つも生まれるにつれぐるぐるととぐろを巻いていく。その光を見た瞬間、まるで糸が切れたかのようにルイは眼を閉じてその場に倒れ込んだ。それに従い、ゲンガーもルイの影と同化していく。

 やがてルイが完全に眠ったのを確認して、男はルイを抱きかかえた。その寝顔を一瞥してから、男はユンゲラーに指示を出そうとした。

 その時、僅かながら声が聞こえ男は振り返った。

 そこには幹にもたれたまま睨むリョウの姿があった。リョウはかすれたような声で言った。

「……勝手に、連れて行くな。ルイは、捜しているものがあるんだ。そのために、旅をしているんだぞ。てめぇらの勝手で、追い回したり、連れて行こうとしたりしてんじゃねぇよ」

 必死に言葉のひとつひとつに力を込め、搾り出すようにしなければ今にも気を失ってしまいそうだった。

 男はリョウを見据え、何の感情も浮かべずに言った。

「それならば知っている。なぜなら、この少女にそれを捜せと言ったのは私自身だからだ」

 その言葉にリョウは目を見開いた。それはつまり、ルイは自分を追いかけている連中によって旅の意味を与えられていたということになるではないか。

「――ざけんな」

 指に力を込める。地面を踏みしめ、今にも砕けそうなほどに痛む膝に再度火を通そうと意識を強く持ち叫んだ。

「じゃあてめぇは、ルイがそれを見つけられないことも知っていたって言うのか! それで在りもしないものに望みを持たせて、てめぇはルイを追い回していたって言うのかよ! 許さねぇ! てめぇは俺が――」

「ユンゲラー」

 男の言葉がリョウの言葉を遮り、ユンゲラーの放つサイコキネシスがリョウの身体を再度幹に叩き付けた。

 それで動こうとしていたリョウの身体は最後の力を失った。動くのは眼と、捻られていない片腕だけだった。

 男の姿が徐々に風景の中に溶けていく。ユンゲラーの「テレポート」を使っているのだろう。抱えられたルイの姿もそれに従って霧のように消えていく。リョウは痛みで痺れる手を伸ばし、ルイの名を呼ぼうとした。しかし、口はもう動かなかった。

 男とルイの姿が半透明になり、後ろの景色が見えるようになった。その今にも消え入りそうな姿にリョウは必死で手を伸ばした。それが届かないと分かっていても、伸ばさずにはいられなかった。

 そのリョウの姿を見つめて、男は短く言った。

「さよならだ、少年」

 その言葉だけを残して男とルイは消えた。

 残ったのはロケット団の死体と、何も出来なかったリョウ自身だった。

 叫ぶことが出来るのならば叫びたかったが、リョウにはもはやその体力すら残っていなかった。ただ黒く濁っていく景色の中に、青い月だけが浮いているのを見つめてリョウは沈殿していく意識に身を任せた。











リョウ篇/第四章 了






























 タリハシティ中心街には巨大なオーロラヴィジョンがビルに備え付けられている。

 それは道行く人々に目を向けてもらうためのものであり、普段ならば民放の番組がランダムで映し出されているはずだった。

 それが変化したのはまだ夕暮れ時から時間の経っていないころだった。オーロラヴィジョンはゴールデンタイムの番組を放送しており、そこに大写しにされた女優の顔が突然に歪み、ノイズを発生させた。それに気づいた人々が一様に見上げて、何が起こったのかとざわめき立ち止まり始めた。オーロラヴィジョンはしばらく同じような砂嵐を映し続けていたが、突如画面が暗転したかと思うと、ライトが画面の中心に当てられ真ん中に何者かが座っているのが見えた。

 それは男だった。前髪を撫で付けた頭と厳しい顔が緊張したような空気を孕んでいる。その男は高級感を漂わせる安楽椅子から立ち上がり、そして片手を広げまるで司会者のような口調で話し始めた。

『初めまして。今宵をお過ごしの紳士淑女の皆さん。突然ですが、電波をジャックさせていただいた』

 その言葉に群集からさらなるざわめきの声が上がる。その混乱を当然だと言うかのように画面の男は何度も頷き、そして制するように掌を見せて言った。

『混乱されるのも尤もです。わけの分からぬものを人は恐れるものです。しかし我らの名を告げれば皆さんの混乱も一時的には収まるでしょう』

 男が手を高く上げ、指を鳴らした。その瞬間、男の背後の壁に描かれた「R」の文字が照明で浮かび上がった。

『皆さんもご存知の通り。我らの名はロケット団。そしてその現在の総帥が私だ』

 男が恭しく頭を下げる。

 その場にいた全員がその言葉と「R」の文字に釘付けとなった。それもそのはずだ。ついこの間滅ぼしたはずのロケット団が今、目の前で演説しているのだ。

『驚かれるのも無理からぬ事。我々は排斥された。そう、他ならぬ皆さんの手によって。そしてそれを利用したディルファンスの手によって』

 男は拳を握り締め、まるで指導者のように語り始めた。

『しかし、我々はここに存在している。それはなぜか? その答えはただ一つ。時代が望むからに他ならない』

 男が拳を開き、両手を広げて続ける。

『もちろん、この言葉に異を唱える方はいるだろう。それは大いに結構だ。我々とて万人に受け入れられると思っているわけではない。異を唱えることは立ち止まり、考えることに繋がる。大いに結構。だが、諸君らは我々を襲撃した際、それを考えていたか』

 画面の中の男の眼が鋭い光を宿し、眼下の民衆を見つめた。

『君たちは我らのことを悪だと、この世には必要ないものだと罵る。だが、それを言う君たち民衆は本当に正義なのか? ただ誰かの言った事に流され、そして凶暴化した意識の下に、そんな言葉を発しているだけなのではないか? 民衆を護る盾とやらに隠れて相手を罵ることの、何が正義か! それは偽善だ! 君たちは何一つまともに考えてなどいない。世間が悪と定めれば迷わず矛先を向ける。君たちはいわば世間という魔物の奴隷だ!』

 男が画面の中で発したその言葉に民衆から怒号が上がる。しかしそれを予期しているかのように、今度は落ち着いた口調で男は続けた。

『こう言えば君たちは怒りに震えるだろう。だが、それと同時に考えるはずだ。何が悪で、何が正義かということに。それに気づかせるのが我々の役目であり、最初に言った時代が望んでいるという言葉の意味だ。現代、君たちは本当に平和の中に生きているのか? 本当に民衆は正義たりえているのか? その問題に目を向けさせるためには混沌とした存在が必要だ。混沌とした場所を覗き込み、そして己が内に潜む悪と正義を自覚することによって、民衆は次なる段階へと進むことが出来る。今、民衆は進化の途上にいる。その進化を促すのが我らロケット団の使命。そのためならば我々は喜んで混沌の象徴となろう。そして我らを知れば知るほど君たちは当然な疑問に帰結することになるだろう。果たして、ディルファンスは本当に正義なのか、と』

 その言葉が放たれた瞬間、映像が切り替わった。

 そこはどこかの会社の廊下のように見えた。どうやら定点カメラによって撮影されたものらしい。画面の右上にカウンターと日時が表示されている。その日付はシルフカンパニーが襲撃されたその日のものだった。

 背広を着た社員らしき男が廊下を歩いている。男はすれ違った女性社員に声をかけ、なにやら雑談しているらしかった。

 その時、カメラに映らない場所から何かを蹴飛ばすような荒々しい音が響き、二人の社員はそちらを見た。その瞬間、社員の男のほうの首に何かが巻きついた。それは何かの舌のようであった。舌は男の首に食い込み、まるで枯れ木でも折るかのように容易く男の首の骨を砕いた。まるで螺子が切れたかのように男は沈黙し、首を項垂れさせたがそれだけではすまなかった。舌はさらに強く絡みつき、男の首をねじ切った。

 それに隣の女性社員が叫び声を上げると、突然赤い炎が画面を塗りつぶした。それによってカメラは一時、赤と砂嵐が混じってぐちゃぐちゃになったような画面になり、レンズに皹が入ってその映像は終了した。

 するとまた画面が切り替わり、今度はオフィスが映し出された。社員たちは皆デスクに向かい、仕事をしているようであった。カメラはオフィスの入り口の手前に構えられ、部長らしき男が座っている机が奥にあり、その後ろは夜景の広がる窓があった。

 その時、窓の外に巨大な影が映り込んだ。それに気づいた社員達が立ち上がり、悲鳴を上げる。突如、窓の外に現われた巨大な影はカイリューであった。カイリューは鋭い牙の並んだ口を大きく開ける。すると、その口腔内にオレンジ色の電子が収束していき、次の瞬間そこから放たれた熱線が画面を焼き尽くした。

 民衆は皆、呼吸さえ忘れてその映像に見入っていた。そして皆、理解した。この映像があの日のシルフカンパニー襲撃時に撮られたものであると。

 画面が暗転し、そして再びロケット団総帥の男が映し出された。

『いかがだったかな。これはシルフカンパニーに残っていたデータを我々がサルベージして得たものだ。あの場所は確かに我々の勢力の一部がいた。それは認めよう。しかし、それと同時に何も知らない人々もあの場所にいたのだ。しかし彼らは、ディルファンスによって虐殺された。見ての通り、何の抵抗も出来ぬままに。宣戦布告もなく、彼らは罪もない一般の人々を傷つけ殺したのだ。これは許されざる罪である。そうは思わないか。我らを悪と定義するのは結構だが、ディルファンスのこのやり方を正義と定義してもいいのか。果たして、このやり方で最後には平和が手に入るというのか? 君たちは、何百人もの同じ民衆の犠牲の上に成り立っている平和を自覚すべきだ。そして今一度問おう! 果たして、ディルファンスは正義か?』

 その言葉に、民衆は迷ったように周囲を見回しどよめいた。今、あの映像を見せられた瞬間、民衆はディルファンスに確固たる疑念を抱いていた。

 それを見通したように、男は声を大にし言った。

『考えるのは君たち自身だ! だが、少しでもディルファンスの正義に疑問を持ったのならば、それは大きな進歩になる! 偽りの正義に甘んじるべきではない。君たちの意志で、踏み出すべきだ。そして我々はその手助けをしよう』

 その瞬間、画面の暗かった部分へと一斉に照明が灯った。すると、総帥の後ろに何百人ものロケット団員が整列し、そしてその前方に数名の幹部が立っているのが見えた。

『我らロケット団は偽りの平和を駆逐する。そして平和のあるべき姿へと邁進するために今、生まれ変わるのだ。そう! 我らロケット団は民衆の味方だ!』

 男が群集を包み込むように大きく両手を広げた。

 それを見た民衆の一部が拍手を始める。最初、それはとるに足らないものだったがやがて地鳴りのような巨大な歓声へと変貌していった。

『さぁ、今こそ――』

 男が手を大きく上げ、一本指を立てて天を指した。それに合わせるように民衆も天を指し始める。

『我らが求めていた平和を勝ち取るときが来たのだ! そうだ! 民衆とともに歩む我々こそが――正義だ!』

 男が天を指していた手を拳に変え力強く叫ぶ。

 すると民衆もそれに呼応するように叫び、歓喜する。その叫びはまるで新たな敵を見つけた獣の遠吠えそのものだった。

 その声に応じるように、男は両手を広げ高らかに叫んだ。

『改めて、私の口から言わせて貰おう。今ここにロケット団は、古き体制を捨て去り、新生ロケット団として復活を宣言する!』





オンドゥル大使 ( 2012/09/01(土) 22:57 )