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わたぬけ
これまでの文字書き活動の中で「ポケモンの存在する現実世界」を描く作品書いてみようという試みが何度かありました。しかし悲しいかな自分には想像力が乏しくてどうしても細部を詰めていく作業で多くの矛盾を前に立ちすくんでしまいました。
他にも何かのきっかけで現実世界とポケモンの存在する世界をつなぐ扉が開いてしまい、現実世界にいくらかのポケモンが迷い込んでくる、というネタを考えたこともありました。これならポケモンが初めから存在することによる細部を詰める必要もない。しかしこれも結局それから先をどうするかで悩んでしまい結局筆を置くことに。
この「逆さまの世界」では初めからポケモンの存在する現実世界という設定なのですが短編なので敢えて細部を詰める必要もなく、ようやく書きたかったものを少しだけ形にすることが出来たという思いです。この作品に登場した地名や鉄道、神社仏閣などはすべて実在するものですし、エピソードそのものも自分の拙い実体験を少しだけ交えています。また、作中當麻寺への道のりでの情景や伽藍の様子もある程度再現できていると思います。
私小説というものは書いててなんだか小恥ずかしく感じるもので、最初に書こうと思っていたストーリーはあまりに自分の立場と重ねすぎて気持ち悪くなって慌てて書きなおしたということもあったりなかったり。
奈良というのは不思議な土地で作中でも語ったように、本当に古代の記憶と現代とが共存しているような印象を覚えます。それはやはり盆地全体をぐるりと囲む山地によるものなのでしょう。私の地元にも山岳信仰に篤い山があります。その山の東側に位置する町では、古くには山の向こう側に太陽が沈んでいく様子に「山の向こう側は異界」という考え方があったそうです。古代史にははあまり精通していないのですがそういうことを考えると奈良という土地に古代の王朝が集中している理由が分かるような気がします。
自分がこの作品で書こうとしたのはそういった奈良の雰囲気の一言に尽きます。あの独特の空気、そこに存在するポケモンと人間。この作品を通して奈良の空気や土地、そして何より當麻寺に興味を抱いていただければ幸いです。
最後にこの作品を書く最初のきっかけを与えてくださった黒戸屋さん、そして結局慰安短編に提出できなかった自分たちの受け皿であるこの「かたやぶり」を企画してくださったトビさんに深く御礼申し上げます。
レイコ
「かたやぶり」の作者様、読者様、そしてその他の皆様もお疲れ様でした。
いやぁまさかのフワンテラッシュでしたね。可愛いルックス、恐い設定、人気の高さも肯けますよね。
「モイストロトム」はポケノベ文合せ2012三題噺「0・加湿器・チーズ」に投稿する予定だったものを改稿した作品でした。
あの時の作品が今こうして日の眼を見たことになんとも言えない感覚を抱いております。やはり他の方に読んで頂けることは嬉しいですね。
相変わらず文章面の未熟さが目立ちますがそこはおいおい改善していけたらいいなと思っています。
ホラーを書くのは実は嫌いではありませんので、読後にひや〜っとしたものを感じていただけたら嬉しいです。
どうも、ありがとうございました!
風来坊
この作品は、アフリカのバンジージャンプ発祥の地のドキュメンタリーと、なぜか「そらをとぶ」を覚えるドードリオと言うポケモンがなんか、自分の頭の中でなんかなって思いつきました。
バンジージャンプ発祥の地では、何歳かになった少年の成人の儀式として、足を植物のつるで縛った状態で高台から飛び降りるんですけど、番組内で「兄がビビッてしまったから五歳年下の弟が代わりに飛ぶ」と言う事をやらされている子供がいて「神聖な儀式なのにそんなイレギュラーなことありなのかよ」と思いましたね、しかもただのつるだから戻りがあまり無いんですよ、落ちっぱなしですよ、落ちっぱなし。しかも「つるの長さを見誤って地面に叩きつけられる事もあります」とか言ってるんですよね、地面が土だから良いですけどね、大雑把過ぎるだろと、本当に神聖な儀式なのかよと。
ドードリオが「そらをとぶ」を覚えることに関しては「きっとダチョウの様に地面を走っているんだよ」と言う意見が初代の頃からあって、これはまあ、そうだなと納得していたんですけど。ポケットモンスタースペシャルと言う漫画で、イエローと言うキャラクターがドードーに乗っているんですけどね、絵的に良かったんで、やりました。
作品内に出てくる『川越えの儀式』については、さっきのバンジージャンプをマイルドにした感じですね、作中にテンゲルが話す「良い飛行士は臆病だ」「空に飛ばせて頂いてる」のような台詞は、なんか、似たようなニュアンスの出来事か話を何処かで聞いていたんでしょう、確か海についての話だったような気がします。話は変わるんですけど、クラゲってものすごく目が良いんですけど、それを活用できるだけの脳が無いらしいんですよね、意味が無いですね、でもそれを『海は巨大な生物であり、クラゲはその目の役割をしている』と言う良い感じの解釈をしている人も居るらしいんですよね、良いですよね、ものすごい複眼ですけど、良いですよね、誰かやってほしいです。
テキトーさんのキャラクターは基本的に投げっぱなしで、癖のあるものだと思いますが、真っ直ぐなストーリーや嫌味の無い登場人物たちを引き立てる存在として認識していただければ幸いです。
自分の悪い癖なんですが、どうも作品内に身内ネタを散りばめる癖があるので、今回犠牲になったあの方とあの方は、運が悪かったと思って諦めてください。
トビさん、秋桜さん、お疲れさまでした。
早斬風牙
自分で小説を読み返して、あぁ好みだなぁと思う事がよくあります。自分の描いたものだから、当り前ではあるのですが。今回の物語では現実臭い中でよりリアルなポケモンとヒトとを取り巻く状況や理不尽さを描けたらとこんなテーマにしました。例えば保健所の職員が主人公ならば、もっともっと理不尽さや心に絡みつくもやもやが描けたのかもしれない。でも警察。これは私の警察好きの所為なのかもしれませんが、この位置だからこそ、心が壊れきっていないけれど、ただ忠実にポケモンにとっては理不尽な仕事をこなすそんな人になれる。そう思っての配置でした。心が完全に壊れた人間の視点から、ポケモンを描写すれば本当にただのモノになってしまう。かと言ってポケモンを取り巻く世界の理不尽さに憤り、ポケモンを愛して正義を生きる一般のトレーナーだとただの愛護家の物語になっていしまう。この主人公、“僕”の曖昧な立ち位置だからこそ見える、二つの視点が絡んだ不安定な世界観が存在していて。また、僕の心に少しでも残る正義感。それは彼女の事を自分の中から完全に消えていなかった七年間、ずっと貼りついたままで、僕の割り切れない中途半端なふわふわした自我に繋がります。全部がぴりっとしない、そんな不安定さを感じて頂けていたら幸いです。
それから、斎藤。彼自身は若さ故か、まっとうな正義感に、強い意志を持った存在で、上司である僕を慕う存在。もし物語が僕と彼女だけで構築されたら、それは本当にただ不安定な世界で終わってしまう。それを彼が締めてくれると思っています。割り切った上司と部下の関係の中に、いつの間にか信頼が築かれて、それが知らないうちにゆるぎないものに変わっている。そんな事にある時ふと気付いて、少しだけ、ほんの少しのデレを見せる姿が、私はとても好きです。全部書き終えて、何度も読んだ今、もしかすると私はこの最後のシーンが描きたくてこの小説を創作したのではないかとも思っています。
最後に、短編小説集かたやぶりを企画してくださったとびさん、素敵な写真を撮ってくださった秋桜さん。更に慰安企画者早蕨さん、慰安短編企画者黒戸屋さんに感謝を込めて。また、私はこのきらわれものという小説が好みです。読んで下さった皆様が、好みだなぁと感じてくださればとても幸いに思います。
とらと
羅生門、檸檬、山月記。高校時代のこれら三作品との出会いが、私の青春時代を決定づけたのだと思います。特に山月記というものへの思い入れというのは私のHNを見ていただければ分かる通りです。嘘です。とらとのとらは生き物の虎とは何の関係もありません。どっちかっていうと先に挙げた二作品の方が思い入れありますね。はい。まぁそんなもんですよね。。。
そもそもこの作品っていうのは、かたやぶりの為に書いたものではありません。件の慰安旅行の際に作られた別の冊子に載せていただくために書いたものです。なのですが、色々あって載せてもらうのを断念しました。それがまた色々あってトビさんに拾っていただけることになりました。だからかたやぶり本冊子を持っておいでの方は、な、な、なんでやねん……希代の傑作短編集になんでこんな出オチどころかタイトルオチな作品がしれっと混ざってんねん……みたいなアレな気持ちを抱かれているかもしれません。でも私は森羅さんに描いていただいた ハ イ パ ー 超 絶 プ リ テ ィ ー 悶 絶 必 至 な力作表紙絵を李朝ryと一緒に闇に葬り去るという最悪の結末を逃れることが できて本当にうれしいのです。もう本当にありがとう、声をかけてくれたトビさんも、きゃわたんな虎とおしりをくれた森羅さんも。
そしてもう一人、お礼を言わなければならない方がいらっしゃいます。乃響じゅん。さん。そう、あなたです。この文章、あなたに譲って頂いたBluetoothのキーボードを用いて全編移動時間中に執筆しました。あのアホみたいに西日本を飛び回っていた時期にこれを書いて、最終的にこういうありがたい事態に至ることができたのは、ひとえにあのBluetoothキーボードのお陰です。ありがたや、ありがたや。
実は、これを書いている今現在、かたやぶりに掲載されている他の作品を私は全く知りません。どんなに恥さらしなことになっているのかとても楽しみです。
あとがきというか謝辞の塊になりましたが、ちょっとでも「スマトラトラ言いたかっただけだろ」と思っていただけたなら幸いです。
ともかく、読んでくださって、ありがとう!
トビ
“とくせい:かたやぶり”いかがでしたか。このスレを立てるにあたり、私も全ての作品を読み返したのですが、やっぱりどれも面白いですね。よく上から下までこんなすげー作品なっかり揃ったなあ、としみじみ思っていました。この作品集の編集に関われたことを、私は誇らしく思います。
後書きということで、まずこの作品集“とくせい:かたやぶり”が作られた経緯についてお話ししましょう。この作品集は今から丁度1か月前に行われた、とある慰安旅行の記念に黒戸屋様が制作してくださったもの。に、参加できなかった“遅刻組”の作品をまとめたものです。参加できなかった事情は皆さんいろいろありますが、少なくともトビの理由はどうしようもないものでした。締め切りには間に合わず、文字数も上限を超え……。普通ならば猛反省するべきところを、しかし、私は開き直りました。もう参加できないのはしょうがねえから“遅刻組”で本作っちゃおう。恥知らずが行動力を持つと何をしでかすか分かりませんね。黒戸屋様に許可を取り行動開始。製本作業にてこずりながら、てんやわんやで慰安旅行の1週間前にようやく完成したのでした。
このスレッドの立ち上げはかたやぶりの製本が完成した時からやりてーなーと思っていました。諸々の理由で一度はやめることにしたんですが、諦めきれず皆さんに許可をいただいてスレッドを立てることができました。こうしてポケノベルにお披露目できてうれしい限りです。スレッド一覧に表示されている文章は照風めめさんが書いてくださったものです。急なお願いなのに二つ返事で引き受けてくださいました。感謝! そしてこのスレッドにも、かたやぶりの表紙に使わせていただいた秋桜さんの写真を使っています。そちらも楽しんでいただけると嬉しいです。
私は様々な方にお礼と謝罪をしければなりません。まず、早蕨くんと黒戸屋様、それぞれ旅行の企画と短編集を企画をしてくださったおかげでこの作品集が出来ました、ありがとう。秋桜くん、素晴らしい写真の提供をありがとう。めめ、スマートな紹介文でトビを助けてくれてありがとう。そして遅刻組の皆さん、いつもギリギリの行動をさせてしまってごめんなさい。そして、こんなにも読み応えのある作品を書いてくれてありがとう。
とりとめなくなってしまいましたが以上です。ここまで読んでくださってありがとうございました。
tyuune
こんにちは、tyuuneと申します。この度は このような素晴らしい企画に参加させていただき、誠にありがとうございました。「かたやぶり」というネーミングセンスには脱帽する限りです。
さて、「虹に願いを、かけて」いかがだったでしょうか。
この作品、締め切り当日に、題名を「虹に願いをかけて」か「虹に願いを、かけて」か、どちらにするか悩みました。前者は見た目がよく、読みやすい。後者は演出と、題の意図するところがわかりやすい。一時間くらい悩んだ結果、演出重視でこの題とすることになりました。
そういえば、この作品にかかわることでひとつお話したいことが。
あれは二、三年前のこと。攻略本を買ったら、かそくアチャモか、かるわざキモリか、しめりけミズゴロウが付いてくるという話でした。当時の私はかそくアチャモが欲しくて欲しくて仕方がありませんでした。
しかし当時の私は金欠。多冊買いする方もいらっしゃったそうですが、私は買うのは一冊きりと決めておりました。
そんな折、某友人が「あの店の攻略本二冊買ったら、二つともアチャモだったよ!」と言ってましたので、私もそれにあやかろうとして同じ店で買ったのですが……。結果はしめりけでした。ええ、そんなもんです。
そういった苦い思い出がありましたので、その時の悲しみを思い出しながらもこんな小説を書いた次第です。結果論ですが、あの時かそくアチャモが当たっていたら、この小説は生まれなかったかもしれませんね。
それではこのあたりで失礼いたします。これからもポケノベの企画等、意欲的に参加させていただくつもりですので、どうかよろしくお願いいたします。
秋桜
かたやぶりに参加させて頂いた秋桜です。まずはそもそもの企画を立ちあげてくれた早蕨様、黒戸屋様、ありがとうございました。遅刻してごめんなさい。そしてトビ様拾ってくれてありがとう。
と、いうわけで『写真の中で私が笑う。』でした。読んで頂けたなら嬉しいです。
そしてとても私好みな登場人物の苗字を提供してくださったわたぬけ様と鈴志木様ありがとうございました。名前を出すだけで文字数がガリガリ削れていきました。
ルージュラと女の子が書きたい。否。書く!ってだけで書いたので皆様の暇潰しになって「ゲルダ可愛い」とか「女の子可愛い」「エリザベスwww」「ブギーポップww」とか寸毫でも掠めてくれれば僥倖です。
それではありがとうございました。