Elegy
IV




















 僕が必死に求めていた本体(ぼく)の記憶など、初めから存在していなかった。

 代わりにあったのは、絶望の淵に立たされた彼らの悲愴な想いだけ。

 朝を迎え、さめざめと泣いていた僕のもとに、クロロスたちが訪れた。





「ねえ、みんな。僕は――」


















朱烏 ( 2017/07/19(水) 21:43 )