物語の幕が上がれば、主人公は勿論住人達も否応なくプログラムに従う。従わない者が一人でも居ればその世界は停止し、不具合（バグ） が発生してしまうからだ。不具合が発生してしまった世界は、運が良けれじゃ何の意味も持たないんだから。・・・・・・で、キミは女主人公の方だね、ＩＤと名前教えて』
「あ、ハイ。えっと・・・・・・ＩＤ ナンバーが＊＊＊＊＊、名前は確か・・・・・・そう、『フィーリア』」
『フィーリア、ね。んー・・・・・・・・・・・・。・・・・・・お、あったあった！・・・「世界」の始まりは2010年9月22日、終わりは2011年11月30日。イッシュ地方、全国版ともに登録を完了させ七賢人の内ゲーチスを除く６人を国際警察に引き渡す。古代の城にてウルガモス捕獲、豊饒の社にてランドロス捕獲、海底遺跡最上層迄到達、・・・・・・へぇ、結構凄いんだね？』
「そんなことないですよ、普通です。もっと上見ればバトルサブウェイ完全制覇した人とか居ますしね」
『そんな人居るんだ！？うわぁ、頑張ったねぇ操縦士・・・・・・。まぁこの話も置いといて。・・・・・・・・・・・・さて、これからひとつ、話をしよう。・・・あ、これはただのボクの自己満だから、別に聞き流してもいいよ？』
「いえ、聞きます。・・・・・・どんな話なんですか？」
フィーリアは、話を聞く態度を見せた。
『・・・・・・・・・・・・ココの話。』
暫しの沈黙の後、スピーカーからアイレスの『声』が流れ出る。
『消去区画（デリートエリア）の話、さ』
口調こそ淡々としていたが、その裏には怒りや淋しさが滲み出ていた。