非英雄の葛藤 あとがき
2011年春企画で、リスタートというお題が出されました。これは、そのお題を聞いて思いついたものです。元々、トウヤがプラズマ団であるという設定で何かを書きたいというのは考えていましたが(当時のこの設定の発端は、トウヤにNのことをN様と呼ばせたいだけだった)、それとお題が上手い具合に重なったわけです。今思えば、自分設定が強すぎるというのといまいちまとまりが無いということで、文合わせに出さなくて正解だったかも。レッツエンターテイメント。なんと、四年以上越しです。うわあ。
実はpi〇ivで数年前に投稿していたのですが、ポケノベではずっと公開せずにいました。というのも、BWにはたくさん書きたいネタがあって、この非英雄の葛藤を筆頭として、連作短編集を書きたいと考えていたからです。別作品ですが、零もそのうちの一つのつもりでした。いくつか書いて、それから投稿したいと思っておりましたが、構想は数年置き去りにされ、なかなか書きだせず、今は他の作品に集中したいということで、思い切ってこの非英雄の葛藤を公開するに至りました。
今年はBWが発売されてから五年目だそうです。切り目の年でもあり、今日はトウトウの日でもあり、もうなんというか、多分今日しかなかったのだと思います。このタイミングがベストだったのだと思います。
冒頭のシーンからわかるように、BWのストーリーを知っている、ということが大前提の話なので、BWをプレイしていない方にはちんぷんかんぷんだろうし、発売から随分と時間が経った今、読んでいただいてもわからないことは多いと思います。まず、冒頭で急にトウコが悲しんだりして、実感なく進んでいって、それはトウヤがプラズマ団だということを先に言ってから進めたいからだし、わかりやすくトウコが何もしらないうちの話を最初にもってくるのも考えたんですが、これは決してトウコがトウヤの正体を知るところがメインの話ではないというか大前提の設定なので、こういう形になってしまいました。ついていけない方も多かったと思います。それでなくても、どこかまとまっていなくて、粗削りなところがあって、説明が多くて、正直けっこうわかりづらいだろうし、このまま出してもいいんだろうかという思いもあるんですが、完璧な姿でなくてもいいのかもしれない、と逆に開き直って、こうして投稿しています。だったら直せよという声が聞こえてきそうですが、私は、こ の 話 が 好 き で す 。書きたかったことを、たくさん詰め込むことができたから。未熟さばかり悔いるだけです。
非英雄の葛藤は、【一】はトウコがメインですが、ほとんどがトウヤの視点で進んでいきます。Nのことにはあまり触れることができていません。【二】ではトウヤとNの会話が盛られていますし、所々で登場していますが、トウヤとトウコと比較すれば、ずっと登場回数は少ない。でも、登場していなくても、香りが残っているように、気配はある。Nなしでは、彼等の物語は絶対に進まない。Nは、そういう存在だと思っています。完全に予定は未定……なのでこの際言ってしまいますが、BW連作では、Nのことを直接書きすぎるのではなく、トウヤやトウコは勿論、チェレンやベル、プラズマ団員、二年後のメイやキョウヘイ、ヒュウといった様々なキャラをメインに据えて、Nの形を浮き彫りにさせていくという形をとりたかったのでした。Nのことを直接書く勇気がなく! そのためには、あのむずかしーいキャラをちゃんと理解しなきゃなー!とか考えると、余計に肩が凝りそうです。N大好きです。トウヤが大好きです。トウコも大好きです。皆が大好きです。ほんと。最終的には再会して幸せに笑いあってほしい。
ああ、なんだか言い訳がましくなってしまったような! まず設定からして完全に私の趣味なので、私得な作品になりました。どきどきしながら、〆とさせていただこうと思います。
ここまで読んでくださった方に、精一杯の感謝を。
ありがとうございました。