05
「世界を・・・壊す?」
「そう、世界を壊す。いや、それ見てたっておもしろくもなんともないからさ、訓練してもらわなきゃ困るんだよね。」
「そういうわけだ。今日から・・・いや、今からはじめるぞ。」
「・・・訓練って・・・。」
これは主人公カード引いてしまったわけで。
「能力は肉体的にもこたえるがな、精神的にもキツいんだ。」
よく見る物語にはそれがつきものであって。
「両方鍛えられる戦闘かな〜。ね、リード。」
やっぱそれかー!
「ちょ、だめです。ボク生まれてこのかたバトルなんてやってことも見たこともありませんから!!」
ぐいっと強くひかれる感覚。
でもそこにはなにもない。ただ、空気が揺らいでいる。
「ずるいー!姿消すなんて反則だ−!!」
エンさんに助けを求めようと後ろを振り返ると、口をおさえながら笑っていた。
だめだ!こいつあてになんない!
「あんたは世界壊してもいいのか!」
「だーかーらー、そんな一言でいわれても普通わかりません!」
ドアがすぐそこに現れる。
「あれっ、リーダー。そのこ新入り?」
「・・・。」
そして、そのドアがばんっとあいた。
シャワーズと、白いもこもこ・・・チルット。
「そうだ。今から訓練だ。」
「ふーん、あんたがんばんなさいよ。」
「・・・。」
軽っ!!
少しでも期待したボクが馬鹿だった。
「ああ・・・ピコ、あとヨル。お前達もきてくれ。」
どうやらシャワーズはピコ、チルットはヨルというらしい。
って、なにいってんのー!
「ヨルはいいけど・・・進化してるブイズ三匹どうやって相手すればいいんですかっ」
「いや、お前が相手にするのはヨルだ。」
ヨル・・・?
じゃあ案外楽勝じゃないか?
と考えていると、明らかに場が重い空気に包まれた。
エンさんなんて真っ青だ。
「あんた・・・本当にがんばりなさいね・・・。」
「なにが!?」