02
いつまでも、いつまでも。
空気は揺らぎ続ける。
追う思っていた。
・・・目の前にいる、ブースターが現れる前までは。
「ちょっと、そっち街ですよ!?」
ブースターは、ボクの事情をしっている。
・・・ハズだ。
ボクの周りに居ると死んでしまう事。
なぜかは分からないけれど、
どんなポケモンも、
どんな生き物だって、
ボクのせいで、死んでしまう。
それらすべてを、このブースターは知っている気がした。
「・・・ああ、街だ。いいから黙ってついてこい。」
すこし止まったかと思うと、また歩き出す。
いつのまにか、土だった地面は石畳へと変わっていく。
そうこうしているうちに街についてしまったのだ。
いろんなポケモン。
いろんな話。
いろんなお店。
最後に来たのはいつだっけ。
賑やかな街をポケモンをさけながら通っていくブースターを、必死で追う。
不思議なことに、ボクタチに注意を向けるものはいなかった。
「なんで・・・。」
ビデオで逆再生された目が、ボクを見ないで通り過ぎる。
気のせいじゃない。
ブースターの周りの空気が、少しだけ揺らいだ。
「『存在を消す』能力だ。ただこれだけポケモンがいるとすこしキツい。急ぐぞ。」
ブースターは空気を揺らがせながら、ポケモンの間をぬっていく。
すこしポカンとしていたボクは、ブースターの後を追うために走り出した。
誰にも気づかれずに、能力者―プロミネンスホルダーは、街を進む。