第一章   『チカラのハナシ』
02
いつまでも、いつまでも。
空気は揺らぎ続ける。
追う思っていた。

・・・目の前にいる、ブースターが現れる前までは。

「ちょっと、そっち街ですよ!?」
ブースターは、ボクの事情をしっている。
・・・ハズだ。
ボクの周りに居ると死んでしまう事。
なぜかは分からないけれど、
どんなポケモンも、
どんな生き物だって、
ボクのせいで、死んでしまう。
それらすべてを、このブースターは知っている気がした。
「・・・ああ、街だ。いいから黙ってついてこい。」
すこし止まったかと思うと、また歩き出す。

いつのまにか、土だった地面は石畳へと変わっていく。
そうこうしているうちに街についてしまったのだ。

いろんなポケモン。
いろんな話。
いろんなお店。
最後に来たのはいつだっけ。
賑やかな街をポケモンをさけながら通っていくブースターを、必死で追う。
不思議なことに、ボクタチに注意を向けるものはいなかった。
「なんで・・・。」
ビデオで逆再生された目が、ボクを見ないで通り過ぎる。

気のせいじゃない。
ブースターの周りの空気が、少しだけ揺らいだ。

「『存在を消す』能力だ。ただこれだけポケモンがいるとすこしキツい。急ぐぞ。」
ブースターは空気を揺らがせながら、ポケモンの間をぬっていく。
すこしポカンとしていたボクは、ブースターの後を追うために走り出した。

誰にも気づかれずに、能力者―プロミネンスホルダーは、街を進む。

ティス ( 2014/05/05(月) 11:19 )