謎の男 カミナ危機一発
カティラ学園裏の森。
そこにひとりの男が立っていた。
「・・・・・・あそこが、カティラ学園か」
男の服装は、頭にバンダナを巻き。
黒い上着に刻まれた6枚の花弁を咲かす赤い花、しかしその花の一枚の花弁は金色で・・・・・・。
ズボンすらも黒色であり、膝のところに鮫の歯がプリントされている。
靴も黒であるが・・・・・・顔は少し焼けているぐらいで、紅の瞳を持っていた。
「無茶言うぜ。 『貴方に、ガルバを見張ってもらいます』たぁよ・・・・・・ガルバとか、誰だよ・・・・・・」
男は、黒い笑みを浮かべ。
「まあ、病院暮らしにゃ飽きていたしいいか・・・・・・ええ、オイ?」
男の後ろに居る、謎の女は微笑を浮かべていた。――
――一方。
「ふぅ・・・・・・」
トレーニング場で自分のポケモンを鍛えていたカミナ。
学園内の廊下を歩いていると・・・・・・。
「アチャモ! かえんほうしゃ!」
「ジヘッド! りゅうのはどう!」
・・・・・・明らかにバトルしているということが分かる場面に出くわした。
両方の技の威力は、なかなかのものである。
荒れ狂う炎と、渦巻く波動。
ぶつかりあって、かなりの風圧が全体に広がった。
・・・・・・その時である。
「・・・・・・え?」
いつの間に発動したのであろうか?
アチャモの『だいもんじ』は、ジヘッドを飲み込む。
それだけではなかった。
特性である『もうか』の効果であろうか? 勢いを殺さず、カミナのほうへと・・・・・・――
「――メタグロス! カミナの前に出ろ!」
後ろからボールが放物線を描き・・・・・・。
「メタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
メタグロスの巨体は、『だいもんじ』とまともにぶつかりあった。
そして『もうか』付きの『だいもんじ』は、メタグロスの巨体を吹き飛ばして消えた。
「大丈夫ですかっ!?」
「怪我はなかったかっ!?」
「あ・・・・・・」
カミナはボールが飛んできた方向へと振り向くと・・・・・・――
「・・・・・・危なかったな」
「っ」
――ガルバが、そこに居たのだ。
「本当は『サイコキネシス』でさらに威力を下げようとしたが、間に合わんしな・・・・・・」
「・・・・・・」
カミナはガルバの話を聴いていた。
「って、どうした?」
「へ?」
「顔、赤いぞ?」
「っ」
カミナはすぐに立ち上がり、ガルバから逃げるように奔った。
「・・・・・・?」
――カミナは、恋をしたのだ――