霊組のアトマ 〜ムウマージを探せ! 前編〜
カティラ学園の寮で、ガルバは寛いでいた。
この寮の環境は、ガルバにとって最高である。
自分のポケモンのボールを弄び、窓の外を見ていると・・・・・・。
コンコン
「ん?」
誰かがノックをしてきた。
ガルバが扉を開けると。
「バァッ!」
「うぉぁっ!?」
いきなり目の前に、ムウマが現れた。
後ろに後ずさりする際、思いっきり壁に後頭部を打ち付けた。
「@#*%$+!>!!」
「だ、大丈夫・・・・・・?」
ガルバが悶絶していると、誰かの声が聞こえた。
ちょいと上を見てみると・・・・・・。
黒い髪の前髪を斜めに切り、身軽そうな緑のジャージを着た・・・・・・女? か?
「僕のムウマが驚かしちゃってゴメンね」
「・・・・・・」
少々幼げだが、どうやら男らしい。
「・・・・・・誰ッスか?」
「僕はアトマ、霊組所属だよ。 キミは?」
「・・・・・・俺は鋼組所属のガルバだ」
「そう。 ところでガルバ君」
「ん?」
アトマは少し黙り、話した。
「・・・・・・僕のムウマージを知らない?」
「・・・・・・ムウマージだと? これまた珍しい・・・・・・」
この学園で、ムウマージはなかなかお目にかかれないポケモンだ。
ムウマージを扱うほど、コイツは強いのか・・・・・・。
「・・・・・・ムウマージがどうかしたのか?」
「うん・・・・・・実はね・・・・・・」――
――・・・・・・アトマはガルバに、淡々と話した。
「・・・・・・盗られちゃったんかよ。 ボールごと」
「・・・・・・うん」
「・・・・・・っ、しゃあねぇなぁ」
ガルバは立ち上がり、アトマに言った。
「よし、探すのを手伝ってやろう」
「え?」
「なあに、ちょっくらそこらを歩いてそうだろ」
そういってガルバは、寮から廊下へと出た・・・・・・――