迷言
あっさりと断られて、ガルバは黙ってしまった。
「・・・・・・ところで、お前の名前は?」
「あっ」
シンエンに聞かれ、ガルバは自己紹介をした。
「俺はガルバ、そこの鋼組のモンだ」
「ああ、俺等と同じ一年か・・・・・・俺はシンエンだ。 クラスは・・・・・・まあ、後ほど知るか、宜しく。 リインもいっとけよ」
シンエンに言われ、リインも自己紹介した。
「・・・・・・リインです。 シンエンと同じクラスの・・・・・・一年だよ、宜しくね」
「はい、宜しく」
リインが頭を下げたので、ガルバも続けて頭を下げた。
「んで、何故ポケモン勝負をやらないんで・・・・・・」
「嫌って言ったものは嫌」
「・・・・・・」
黙ってしまったガルバに対し。
「オイ、ガルバ」
「ん?」
「ちょいと耳貸したまえ」
「「?」」
ガルバとシンエンはリインの目の前に座り込み、話を始めた。
「いいかガルバ、リインは正直言うと100%相手になってくれないぞ」
「オイオイオイオイ、じゃあお前どうやってリインと戦って・・・・・・」
その時、ふと脳裏を横切った先ほどの2人のやり取り。
「・・・・・・お前、さっき言ってた『賭飯』で釣ったのか?」
「ああ、しかもちゃんぽんだったらデケェぞ」
「なるほど・・・・・・」
先ほどカミナから貰った券が使えそうだ。
ガルバはリインのほうへ向き直り、先ほど貰った『ちゃんぽん食い放題券』を突きだして言った。
「この券を賭けて、俺と勝負」
「よっしゃぁっ! かかってこんかいっ!」
「「ええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?」」
見事な豹変っぷりであった・・・・・・。――
――んで、校庭。
「んじゃ、ルールは33シングルだ。 これでいいだろ?」
シンエンがルールを確認。 リインは。
「いいわよ」
準備万端。 対すガルバは。
「・・・・・・」
「・・・・・・ガルバ、どうした?」
「・・・・・・ああ」
その時、俺は忘れられないガルバの名言を・・・・・・迷言を聞いた。
「・・・・・・俺、1匹しか居ない」
「「・・・・・・はい?」」
「いや、だから・・・・・・俺、手持ちのポケモン1匹しか居ないんだよ」
「・・・・・・(黙)」
「・・・・・・舐めてんのか貴様は?」
ガルバの台詞にシンエンは青筋を浮かべ、リインは黙った・・・・・・――