尽きたワケ
ガルバは教室で眠っていた。
「zzz・・・・・・」
ポカポカ陽気、ウキウキお昼。
《あ、私はこんな陽気な性格じゃあありませんので。》
「っ!?」
ガルバは謎の電波を受信し、即刻起きあがった。
・・・・・・が、しかし。――
――誰も居なかった。
「・・・・・・???」
もう一度寝るのに限る。
ガルバが再び眠ろうとすると・・・・・・。
「ガルバ君」
「んあ?」
カミナが、ガルバの席の前に立っていた。
「どうしたカミナ?」
「あ、んっとね・・・・・・///」
もじもじと、カミナは悶えていた。
「こ、これあげる///」
「?」
カミナは一枚の紙きれをガルバに渡した。
『ちゃんぽん食い放題券』
ただ、こんな文字が書かれた紙を渡された。
「・・・・・・?」
「あ、じゃ、じゃあね///」
「あ・・・・・・」
ガルバがこの券の使い方を聞くよりも、カミナが走り去ってしまった。
「・・・・・・どう使うんだ?」
グ〜
「む?」
その時に腹が鳴ったので、ガルバは廊下に出た。
・・・・・・その時、男が少女を怒鳴る姿が見受けられた。
「・・・・・・?」
◆シンエン側◆
「リイン! テメェゴルァ!」
「何?」
首を傾げるリインに、シンエンは預金通帳を開いて突きつけた。
そこにあるのは「0」ひとつのみ。
「『腹いっぱい食わす』と言ったが、『金尽きるまで食わす』とは言った覚えがねぇよっ!」
「え〜? だって私の腹を満たすまで食わしてくれんでしょ? だったら約束通りだよね?」
「ぐ・・・・・・この小娘めぇぇ・・・・・・」
◇ガルバ側◇
どうやら男はシンエン、少女はリインというらしい。
しかも(盗み)聞けば『腹いっぱい食わす』というわけで奢ってみれば金が尽きたらしい。
「あの・・・・・・ちょいと・・・・・・」
「アァッ?!」
「?」
シンエンは睨み、リインは振り向いた。
「一体何で喧嘩してんスか・・・・・・?」
「この馬鹿が俺の貯金尽きるまで食いやがったんだよ!」
「・・・・・・何故?」
「ああ、さっき『俺に勝ったら腹いっぱい飯食わす』と言って賭勝負したんだよ。 俺が負けちまって奢ってみればどうだ・・・・・・通帳の金全部使い切りやがった・・・・・・」
シンエンの話を聞き、ガルバが言った言葉は・・・・・・。――
「・・・・・・自業自得だろ」
――無論、言うまでもなかった。
「ウッセェよ!」
「んで? 失った金額は?」
とりあえず聞いてみれば・・・・・・。――
「11億2749万5060円だ」
「巨額!?」
――ビビるよそりゃあ。
20歳にもなってないのに軽く10ケタとか普通ねぇよ。
「しかし・・・・・・お前のその手に持ってるボールは?」
「ん? ああ、俺のポケモン内催眠がお得意な『マッシュ』のボールだ」
シンエンはボールを投げると、そこからパラセクトが現れた。
「かなり育成されているな・・・・・・」
「まあな」
そこらのパラセクトよりかなり強いとわかるこのパラセクト・マッシュを倒すぐらいの実力を持ってる。
すなわちリインはシンエン以上の実力を持ってると言えるであろう。
ガルバはリインにポケモン勝負を申し込む事にした。
「すんませんが、ポケモン勝負を「やだ」・・・・・・」
あっさりと断られた・・・・・・――